悪服す時、義を掲ぐ

 土雲切を含む二十名の生徒たちは突然、光の中に落ちた。

 レオガルド――かつて魔族によって暗雲に覆われていた大地であり、勇者によって金色の夜明けがもたらされた異世界。

 世界を渡る際に神から授けられる特別な力、“天賜”。ところが、土雲切は天賜を授からなかった。それが、彼の運命を大きく変えてしまう。突き落とされた黒い絶望の中で、藻掻き、苦しむ。それでも、贖罪のために前へ進み続けなければならなかった。

 そして黒い絶望から這い上がった時、世界が土雲切を拒絶する。

 これは、レオガルドで未来永劫語り継がれる聖戦、そのもう一つの真実。

 犯してしまった血染めの罪。

 約束を果たすために歩む道は、正義なのか、悪なのか……。
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