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一緒に愛して(下)
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「ふ、んう、ふ、ふ、んぅ、みや、」
「こゆきさん、こっちも……。は、ン、ふ、ふふっ、」
「こら、二人だけで楽しまないで」
三人で顔を寄せ合い、それぞれの目の前にある唇を啄む。都と理人のものを一緒に食んだり、二つの舌が唇を掠めたり、舌の先で擽り合ったり、二人に口の中を浅く愛されたり。まるで遊びの延長のような悪戯な愛撫に、三人は微笑み合った。
「ン、う、はぁ、ずっと、こうしていたい。しあわせ……」
小雪が吐息交じりに呟くと、理人は小雪の背後に回り、小雪のパジャマのボタンを外し始めた。
「小雪さん、キスだけじゃ足りないでしょう。都さんに、いっぱい愛してもらわなきゃ……」
見る間に露になる胸。理人は背中越しに小雪の頬に頬をすり寄せ、「優しくしてあげてください」と都へ微笑みかけた。
「んっ……!」
理人の腕が小雪の胸の下に回り、小雪の胸が持ち上がったようになる。都は背広を脱ぎネクタイを解いて、小雪の胸の突起へ舌を伸ばした。膨らみきった期待の為か、吐息に焦らされているような心地になり、小雪は胸をぐっと反らした。恥ずかしかったけれど、都の舌先が思った場所に触れると、足裏と腹の奥がぐあっと熱くなり、鈴口から白濁した蜜が滴った。
「うぁ、あ、あ、うぅう~っ……、」
突起を吸われ、小雪は頭を振り立てて悶えた。
「小雪さん、ここが好きなんですね」
耳元では絶えず理人に囁かれ、胸の奥に熱が溜まって、突起が絞れていく。
「小雪さん、声、掠れてて可愛い」
「こゆ、その格好、良いな。すごくクる」
二人から口々に褒められ、小雪はシーツについた後ろ手を捩らせた。
「あ、やだ、イきそ、」
「だめ、小雪さん。まだイっちゃだめですよ」
今にも弾けそうな前を理人の繊細な手指で咎められ、小雪は頭を打ち振った。
「イきたい、イきたい、りとくん、イきたいぃ……」
「腰振っちゃって、可愛い。小雪さん、イきたかったらどうするの?」
「やぁ、わかんないっ、」
理人は背中越しに小雪の顎を引き寄せ、唇の先へ吐息を吹きかけた。その甘さに、小雪の脳裏に光が弾けた。
「ほら、都さんに可愛くおねだりして。小雪さんならできるでしょう?」
急かすように、理人の指先で鈴口を、都の舌先で胸の突起をいじめられ、小雪は都に縋った。
「ん、ちくび、いいから、は、はやくっ」
「待って、もう少しいいだろ?こゆを味わいたい」
「やだっ、まてないっ、はやくきてっ、」
ちょっと怒ったように都を急かす小雪に、理人は「ふっ!」と噴き出した。小雪が困惑気味に理人を振り返ると、理人は目元を蕩けさせ、小雪の耳元へ「じゃあ、都さんの準備、お手伝いしましょうか」と囁いて腕を解いた。
「無理しないでいいよ。こゆのペースでね……」
都がベルトを寛げスラックスのチャックを下ろすと、それはショーツ越しでも形が分かるほど膨らんでいた。小雪がものの傍まで近寄るのを待ち、都はゆっくりと張りつめたものを取り出した。
熱と欲望の気配に、小雪は喉を鳴らした。
理性と論理を従えているような男が、乱れた自分を前に性器を腫らしている。浮き立った血管に見入っていると、それは見る間に血を巡らせ、ひとりでに頭を擡げた。
「ン……、ゔ、んっ、ふぅっ……、は、」
舌を潤し、根元から先端までを舐め上げて、行きついた鈴口を啄むように吸う。歯が当たらないように細心の注意を払って先の膨れた部分を咥内に含み、潤いと粘膜とで優しく舐る。咥えたまま都の表情を確かめれば、彼は猛禽類のような目をして小雪を見下ろしていた。どく、と血潮が泡立つ。沈黙とこの瞳は彼が興奮しきっている証で、小雪は夢中になって都の熱をねぶった。
「ふ……。こゆ、こんなのどこで覚えたの……」
喉元を擽られ、小雪は都のものを咥えたまま首を振った。なにもかも、都に教えられた。キスも、手淫も、口淫も、中に熱を迎え入れる手順も、愛する人と肌を重ねるとこんなにも満たされてしまうことも。
「小雪さん、こうやって都さんを愛してるんですね」
すぐ傍から理人の声がして、小雪は都のものからパッと口を離した。
理人君がいるのに、おれ、夢中で……。後ろめたくて、恥ずかしくて、小雪は頬を熱くした。ものの先端と小雪の唇を結ぶ透明な糸を、理人は指先で掬うように切った。
「恥ずかしい?でも、すごく上手でしたよ。慣れてるんですね、都さんとこうするの」
理人の言葉に小雪がそっぽを向くと、都の手が小雪と理人の顎をそれぞれ擽った。
「理人、こゆをいじめないでくれるか。彼がシャイなこと、知ってるだろう?……こゆ。もう一回、できる?理人も、さびしいならおいで」
都の熱っぽい眼差しを浴び、小雪も理人もそろそろと舌を伸ばした。一緒になって都のものを舐めたり啄んだりしていると、小雪と理人の舌や唇も触れ合った。そうしているうちに中も前も疼きはじめ、小雪は太ももを擦り合わせて鼻にかかった息を漏らした。
「ン、んぅ、はぁ、んふ、」
「は、はぁ、ンあ、ふ、ん~っ……、みやこくん、きもちい?」
「いいよ。すごく、いい」
都のものは先ほど以上に太く血管を浮き立たせ、先走りを滲ませた。小雪は理人が都のものをうっとりと見つめていることに気付き、その手を取った。
「ねえ、“次のヒート”って、今のこと……?」
理人は瞳を潤ませて小雪に向き合い、「僕、今がいいです」と懇願した。
「小雪さんのヒートに呼ばれた今、僕をあなたの番にしてほしい。都さん、だめですか」
「都君、理人君を、いま、番にしてあげて。理人君が望むように、してあげて」
あれから、小雪たちに何を強請るでもなく、ただ満たされたように傍にいてくれた理人。そんな理人がやっと口にしてくれた願いを、いま、形にしたい。小雪は跪くようにして都を見上げ、切に願った。
都は二人を交互に見つめ、頷いた。
「いいよ、そうしよう。きっと忘れられない日になる」
綺麗に刈り上げた理人の項に都の指先が落ちる。
「あっ……、」
理人が甘い声を上げ瞼を下ろす。小雪は理人が喉を反らしている間に彼が着ていたシャツを脱がせ、ボトムスの前を寛げた。
「こゆきさん。こゆきさんも、一緒に」
涙声の理人に応え、小雪も自身のパジャマを脱いだ。二人で裸になると、どうしてか、羞恥より安堵が先に立った。
「どちらを先にしようか?」
「小雪さんを」「理人君を」同時に応えてしまい、二人は顔を見合わせた。都はくすりと微笑み、「若干、理人の方が早かった。こゆからしようか」と小雪の肩に触れた。けれど小雪はぶるぶると頭を振った。
「理人君は、ずっとこの日を待ってた。……理人君を先にしてあげて。都君、おれたちを家族にして」
理人君だけじゃない。都君だって、おれだって、ずっとこの日を――。
出会った日に一人で佇んでいた理人を思い起こし、小雪は理人の手を取った。あの日の君を、今やっと、迎えに行ける。
「こゆがこう言ってくれてる。理人、いい?」
理人はコクリと頷き、小雪の手を握った手に力を込めた。
全身を隈なく愛撫し、潤っている後孔を念入りにほぐす。理人へ施す都の愛撫は、小雪にするように丁寧だった。理人はシーツに溺れるようにして都の愛撫に酔っている。理人が安心して都に身を任せていることが伝わって、小雪は胸をうち震わせた。
理人君は、こうやって都君に愛されているんだ。心から求め、求められているんだ。
「あ、みやこさん、んぅ~っ……!っは、ああっ、は、う、ン」
理人の声は艶があって瑞々しく、なのに時折掠れる。その掠れた部分が小雪の胸を擽った。二人が愛し合っているのを食い入るように見つめていると、理人は小雪に視線をやり、「こゆきさん、こっちにきて」と舌足らずに小雪を呼んだ。二人の邪魔をしてはいけないと分かっていながら耐えることができず、小雪は理人の傍へ這い寄った。
「手、握ってください。噛まれるの、本当は……、」
恐怖心を吐露する理人に、小雪は「本当は怖かったんだね。言ってくれてありがとう」と言って微笑んだ。膝立ちになり向かい合って両手を握り合わせると、理人の吐息が小雪の鼻先にかかった。熱く、重く、甘い吐息だった。
都は理人の背後に腰を落とし、「理人」と囁いた。はじまる。小雪は挿入の予感に理人の手を握りしめた。
「そのまま、腰を落として……」
理人は上気した肩を震わせ、都の膝に乗るように腰を落とした。「ん、あ、は、」切れ切れになっている吐息から、都のものが理人の中を割り開いていることが伝わってくる。
「は……、はぁ、は、はぁ……、」
小雪の息も次第に上がっていく。手を握っているだけなのに、理人に挿れているような、都に挿れられているような、倒錯的な甘美が押し寄せる。
「あ、あっ、あっ、みやこ、さん、こゆき、さんっ」
「う、あ、はぁ、りとく、みやこくん、あぁ、はぁ……っ」
都は理人の腰を掴み、腰を突き上げた。その度に理人は切なく鳴き、絡めている手指に力を込めた。
「理人君、気持ちいい?」
激しい律動に心配になって尋ねれば、理人は「きもちい、」と鳴き、涙を浮かべた。
「こゆきさん、こゆきさぁん、」
名前を呼ばれ、胸から湧きいずるように理人を愛しく思っていると、視線が絡み合い、その瞬間に唇を奪われた。
小雪は都がいることも忘れ、理人を励ましたい一心で、理人の口づけを受け止めた。二度、三度、と口づけを重ねていると、都の息も律動も荒くなり、その時が近づいていることを知らせた。
「理人、噛むよ」
宣告の後、理人は鋭く高い声を上げて胸を反らした。
がくん、と、くずおれた細い身体を受け止め、小雪は理人の項を確かめた。真新しい血の滲んだ、都の噛み痕がついていた。
小雪の全身が粟立った。身も心も喜びに震え、小雪は理人を掻き抱いた。
「よく頑張ったね、おれとおそろいだよ。これでずっと一緒。理人君、えらかったね」
理人の頭を撫でながら労うと、その向こうの都と視線が通じた。「あ……、」確かに達した素振りがあったのに、都のものは再び反っていて、小雪は理人を抱きしめながら都を見つめ返した。「小雪さん」理人に呼ばれ、小雪は腕を緩めた。
「小雪さんの番ですよ」
項に血を滲ませ妖艶に微笑む理人は、小雪を都に向かい合わせるようにした。
「こゆ、おれのことも、愛してくれるんだろ?」
都の濡れた瞳に縛られ、小雪は身動きできなくなった。そんな小雪の両手を理人の手が背中越しに絡め取る。
「小雪さんも、都さんに愛してもらって。みんなで一つになりましょう」
耳朶を食むようにして誘われると、もうそのことしか考えられなくなった。
「おれも一緒に愛して」
「小雪さん、僕のことも、愛して」
両側からそれぞれに囁かれ、小雪はあっという間にその場へへたりこんだ。
「ん、やぁ、は、だめ、見ないでぇ」
「小雪さん、大丈夫ですよ。すごく綺麗で、すごく可愛い。ねえ、愛してるから、全部見せて……」
仰向けになった都に馬乗りになるところから理人につくづくと見つめられ、小雪は頭を打ち振った。尻の谷間に熱いものが触れ、待ちきれずに手を添えながら中へ迎え入れる。慎ましく閉じた入り口を崩す熱が、内壁を隈なく擦り上げていく。都は熱い息を吐き、「こゆ、いいよ」と小雪の脇腹を撫でた。
「こゆの中、すごく気持ち良い。ずっとここにいたいくらい」
蕩けるように微笑む都を見つめていると、熱が吸い寄せられるようにして目頭に集まった。
「よかった……」
ホッとして呟くと、都は悔しげに眉を寄せ、小雪の乱れた髪を撫でた。
「おれの愛が、ずいぶんと侮られているな」
その言葉に、小雪は応えられなかった。
二人が番った頃に神に誓った無垢な愛は、理人をこの家に迎えた瞬間に、小雪の心の中で、パリンと割れた。けれど小雪は笑って見せた。あの時に誓った以上の愛を、都と理人に注ぐことを決めたから。
「都君、愛してる」
その声音にかつてあった無垢な甘さは消え、けれど今は冴え冴えとした決意に満ちている。都はぐっと堪えるように下瞼を上げ、「君をこんなにもタフにしたのは、おれだったんだな」と独り言ちた。
「こゆ、愛してるよ。おれは変わらずに愛してる。これからも、ずっと」
ゆるやかな律動が深く激しいものに変わっていく。小雪と都は手指を絡ませ、唇を奪い合いながら互いを高め合った。
突き上げられ腰が跳ね、ものが中から出て行ってしまう。「んあっ!んうぅっ……!」ぷしゃ、と小雪の鈴口から微細な飛沫が散り、小雪は爪先でシーツを掻いて身悶えた。小雪が切なくなる前に、都は自身のものを小雪の後孔へ挿入し直した。
「こゆ、好きに動いて。おれに全部見せて……」
愛しい人から乞われ、けれどすぐそこに理人がいる。理人は動きを止めてしまった小雪の肩に触れ、「都さんを愛してあげてください」と囁いた。おずおずと腰を動かすと、理人は優しい声で「小雪さん、上手です。都さん、気持ち良さそうですよ。このまま僕たちを愛して……」と褒めてくれた。
「あっ、あっ、う、ゔ、んぅっ、あぁ~っ……!」
舌と舌を絡ませ、齧り尽くすように口づけを交わす。上下に、前後に、腰を動かす。気持ちいい場所は分かり切っていて、律動に合わせ何度もそこに擦りつける。
「こゆ……、すごい、いいよ……」
都が唇を噛みしめ瞼を下ろす。もっと乱れさせたくて先端を意図的にいじめれば、都は低い声で喘いだ。
「あ、みやこくん、はぁ、きもちいい、」
「こゆ、手加減して。君の中……、すごくて、もう、ゔっ、」
肉と肉のぶつかる音が大きくなって、小雪は髪を弾ませて腰を振った。中のものは小雪の好い場所をその全体で擦り上げ、小雪の中はそのたびに都のものを抱きしめた。
「あ、ああ、いくよ、小雪、出すよ」
不意に名前を呼ばれ、小雪は中をひときわきつく締め付けた。
「すきっ!みやこが、すきっ!」
焦ったように口走る小雪を目を細めて見上げ、都は「おれも愛してるよ」と目を見て愛を伝えてくれた。ありふれた愛で確かに結ばれていることを感じ、小雪はほどけるように微笑んだ。おれたちは運命じゃなかったからこそ、今ここにいる。
「みや、みやこ、みやこぉ、ん、ゔ、うぅ~んっ……!はあぁっ!」
「こゆきっ……!」
果てるタイミングが重なって、小雪は全身に力を漲らせた。びくびくと跳ねながら真っ白の快感に呆ける。中に熱いくらいの体液が迸り、小雪は脚を深く開いてより奥へと先端を押し付けた。
やがて都の身体の硬直が緩み、彼の唇から「はぁ」と淡い息が漏れた。続きを期待してぐりぐりと腰を揺らすと、都は困ったように笑って、「こゆ、だめだ、だめだって」と珍しく根を上げた。
「みやこぉ、」
「分かってる、ちょっと待って、さっきのが深くて……」
語彙力のなくなっている都が可愛くて、小雪は都の胸に蹲るようにして視線を重ねた。浅く繋がったままキスをして微笑み合う。次第に待ちきれなくなり尻を揺すると、都は目をすがめて「エロい」と普段言わないような言葉を漏らした。
「……エロかった?」
「うん、エロかった。こゆ、すぐイっちゃってごめん……」
二人でくすくす笑っていると、繋がっている部分に、ひたりと冷たいものが触れた。小雪は目尻を緩め、理人を振り返った。
「理人君、どうしたの、そんな顔して」
理人は二人が繋がっている場所に指先で触れながら、「僕のことを忘れていたでしょう」とむくれた声を出した。普段シャープな頬がぷくんと膨れて、小雪はその愛らしさに胸をときめかせた。
「忘れるわけがないでしょう。ほら、こっちにおいで……」
「本当?本当に?」
「本当だよ。こんなにも可愛い君のことを忘れられるわけがないでしょう」
「小雪さん、僕のこと、愛してる?」
「心から愛してるよ」
「僕も愛してる。小雪さんを心から愛してる……」
起き上がり、固くなり始めている都のものを引き抜く。「小雪、」都に腰を掴まれ、小雪はそちらにも微笑みを向けた。「いい子にしてて。まだできるから。ね?」額にキスをして夫を宥め、小雪は理人を抱き寄せベッドに倒れ込んだ。
「あ、小雪さん、熱い……。すごくいい匂い……」
「理人君も、あったかい。ねぇほら、もっとこっちにおいで」
ぎゅうっと肌を寄せ合うと、熱いくらいだった。理人の肌と都の肌は違っていて、小雪にはその違いが分かることが嬉しかった。理人と脚を絡め温みを確かめ合っていると、ふっと影が落ちて来る。小雪も理人も微笑んで、二人に覆い被さる影へ手を伸ばした。
「都君、二人とも大切にしてね、ちゃんと愛してね」
「都さん、僕たちの夫なんだから、できますよね?」
「一緒に愛して。全部愛して。おれもそうするから。一生かけてそうするから」
「責任、ちゃんと取ってくださいね。一生かけて、そうしてくれるんですもんね?」
「都君、愛してる」
「都さん、愛してます」
都はぐっと眉を歪ませ、それから、「もちろんだ」と深く頷いた。小雪はその誓いを受け取り、かつての二人きりの蜜月へ別れを告げた。新しい季節が始まる。瑞々しく眩しい、若葉の季節が。
「こゆ、愛してるよ。理人、愛してるよ。一生をかけて全部まるまま愛することを誓うよ。……君たちがいなければ、おれはおれでなくなってしまう」
三つの影と温もりは重なって、一番星が空を飾っても、離れない。
どうかどうか、このどうしようもない愛を、胸に抱き続けられますように。このどうしようもない愛が、あなたの人生をほのかに、けれど永遠に照らせますように。
小雪は星に願い、深い息を吐いた。母親と寝床に入った子どものような息だった。
「こゆきさん、こっちも……。は、ン、ふ、ふふっ、」
「こら、二人だけで楽しまないで」
三人で顔を寄せ合い、それぞれの目の前にある唇を啄む。都と理人のものを一緒に食んだり、二つの舌が唇を掠めたり、舌の先で擽り合ったり、二人に口の中を浅く愛されたり。まるで遊びの延長のような悪戯な愛撫に、三人は微笑み合った。
「ン、う、はぁ、ずっと、こうしていたい。しあわせ……」
小雪が吐息交じりに呟くと、理人は小雪の背後に回り、小雪のパジャマのボタンを外し始めた。
「小雪さん、キスだけじゃ足りないでしょう。都さんに、いっぱい愛してもらわなきゃ……」
見る間に露になる胸。理人は背中越しに小雪の頬に頬をすり寄せ、「優しくしてあげてください」と都へ微笑みかけた。
「んっ……!」
理人の腕が小雪の胸の下に回り、小雪の胸が持ち上がったようになる。都は背広を脱ぎネクタイを解いて、小雪の胸の突起へ舌を伸ばした。膨らみきった期待の為か、吐息に焦らされているような心地になり、小雪は胸をぐっと反らした。恥ずかしかったけれど、都の舌先が思った場所に触れると、足裏と腹の奥がぐあっと熱くなり、鈴口から白濁した蜜が滴った。
「うぁ、あ、あ、うぅう~っ……、」
突起を吸われ、小雪は頭を振り立てて悶えた。
「小雪さん、ここが好きなんですね」
耳元では絶えず理人に囁かれ、胸の奥に熱が溜まって、突起が絞れていく。
「小雪さん、声、掠れてて可愛い」
「こゆ、その格好、良いな。すごくクる」
二人から口々に褒められ、小雪はシーツについた後ろ手を捩らせた。
「あ、やだ、イきそ、」
「だめ、小雪さん。まだイっちゃだめですよ」
今にも弾けそうな前を理人の繊細な手指で咎められ、小雪は頭を打ち振った。
「イきたい、イきたい、りとくん、イきたいぃ……」
「腰振っちゃって、可愛い。小雪さん、イきたかったらどうするの?」
「やぁ、わかんないっ、」
理人は背中越しに小雪の顎を引き寄せ、唇の先へ吐息を吹きかけた。その甘さに、小雪の脳裏に光が弾けた。
「ほら、都さんに可愛くおねだりして。小雪さんならできるでしょう?」
急かすように、理人の指先で鈴口を、都の舌先で胸の突起をいじめられ、小雪は都に縋った。
「ん、ちくび、いいから、は、はやくっ」
「待って、もう少しいいだろ?こゆを味わいたい」
「やだっ、まてないっ、はやくきてっ、」
ちょっと怒ったように都を急かす小雪に、理人は「ふっ!」と噴き出した。小雪が困惑気味に理人を振り返ると、理人は目元を蕩けさせ、小雪の耳元へ「じゃあ、都さんの準備、お手伝いしましょうか」と囁いて腕を解いた。
「無理しないでいいよ。こゆのペースでね……」
都がベルトを寛げスラックスのチャックを下ろすと、それはショーツ越しでも形が分かるほど膨らんでいた。小雪がものの傍まで近寄るのを待ち、都はゆっくりと張りつめたものを取り出した。
熱と欲望の気配に、小雪は喉を鳴らした。
理性と論理を従えているような男が、乱れた自分を前に性器を腫らしている。浮き立った血管に見入っていると、それは見る間に血を巡らせ、ひとりでに頭を擡げた。
「ン……、ゔ、んっ、ふぅっ……、は、」
舌を潤し、根元から先端までを舐め上げて、行きついた鈴口を啄むように吸う。歯が当たらないように細心の注意を払って先の膨れた部分を咥内に含み、潤いと粘膜とで優しく舐る。咥えたまま都の表情を確かめれば、彼は猛禽類のような目をして小雪を見下ろしていた。どく、と血潮が泡立つ。沈黙とこの瞳は彼が興奮しきっている証で、小雪は夢中になって都の熱をねぶった。
「ふ……。こゆ、こんなのどこで覚えたの……」
喉元を擽られ、小雪は都のものを咥えたまま首を振った。なにもかも、都に教えられた。キスも、手淫も、口淫も、中に熱を迎え入れる手順も、愛する人と肌を重ねるとこんなにも満たされてしまうことも。
「小雪さん、こうやって都さんを愛してるんですね」
すぐ傍から理人の声がして、小雪は都のものからパッと口を離した。
理人君がいるのに、おれ、夢中で……。後ろめたくて、恥ずかしくて、小雪は頬を熱くした。ものの先端と小雪の唇を結ぶ透明な糸を、理人は指先で掬うように切った。
「恥ずかしい?でも、すごく上手でしたよ。慣れてるんですね、都さんとこうするの」
理人の言葉に小雪がそっぽを向くと、都の手が小雪と理人の顎をそれぞれ擽った。
「理人、こゆをいじめないでくれるか。彼がシャイなこと、知ってるだろう?……こゆ。もう一回、できる?理人も、さびしいならおいで」
都の熱っぽい眼差しを浴び、小雪も理人もそろそろと舌を伸ばした。一緒になって都のものを舐めたり啄んだりしていると、小雪と理人の舌や唇も触れ合った。そうしているうちに中も前も疼きはじめ、小雪は太ももを擦り合わせて鼻にかかった息を漏らした。
「ン、んぅ、はぁ、んふ、」
「は、はぁ、ンあ、ふ、ん~っ……、みやこくん、きもちい?」
「いいよ。すごく、いい」
都のものは先ほど以上に太く血管を浮き立たせ、先走りを滲ませた。小雪は理人が都のものをうっとりと見つめていることに気付き、その手を取った。
「ねえ、“次のヒート”って、今のこと……?」
理人は瞳を潤ませて小雪に向き合い、「僕、今がいいです」と懇願した。
「小雪さんのヒートに呼ばれた今、僕をあなたの番にしてほしい。都さん、だめですか」
「都君、理人君を、いま、番にしてあげて。理人君が望むように、してあげて」
あれから、小雪たちに何を強請るでもなく、ただ満たされたように傍にいてくれた理人。そんな理人がやっと口にしてくれた願いを、いま、形にしたい。小雪は跪くようにして都を見上げ、切に願った。
都は二人を交互に見つめ、頷いた。
「いいよ、そうしよう。きっと忘れられない日になる」
綺麗に刈り上げた理人の項に都の指先が落ちる。
「あっ……、」
理人が甘い声を上げ瞼を下ろす。小雪は理人が喉を反らしている間に彼が着ていたシャツを脱がせ、ボトムスの前を寛げた。
「こゆきさん。こゆきさんも、一緒に」
涙声の理人に応え、小雪も自身のパジャマを脱いだ。二人で裸になると、どうしてか、羞恥より安堵が先に立った。
「どちらを先にしようか?」
「小雪さんを」「理人君を」同時に応えてしまい、二人は顔を見合わせた。都はくすりと微笑み、「若干、理人の方が早かった。こゆからしようか」と小雪の肩に触れた。けれど小雪はぶるぶると頭を振った。
「理人君は、ずっとこの日を待ってた。……理人君を先にしてあげて。都君、おれたちを家族にして」
理人君だけじゃない。都君だって、おれだって、ずっとこの日を――。
出会った日に一人で佇んでいた理人を思い起こし、小雪は理人の手を取った。あの日の君を、今やっと、迎えに行ける。
「こゆがこう言ってくれてる。理人、いい?」
理人はコクリと頷き、小雪の手を握った手に力を込めた。
全身を隈なく愛撫し、潤っている後孔を念入りにほぐす。理人へ施す都の愛撫は、小雪にするように丁寧だった。理人はシーツに溺れるようにして都の愛撫に酔っている。理人が安心して都に身を任せていることが伝わって、小雪は胸をうち震わせた。
理人君は、こうやって都君に愛されているんだ。心から求め、求められているんだ。
「あ、みやこさん、んぅ~っ……!っは、ああっ、は、う、ン」
理人の声は艶があって瑞々しく、なのに時折掠れる。その掠れた部分が小雪の胸を擽った。二人が愛し合っているのを食い入るように見つめていると、理人は小雪に視線をやり、「こゆきさん、こっちにきて」と舌足らずに小雪を呼んだ。二人の邪魔をしてはいけないと分かっていながら耐えることができず、小雪は理人の傍へ這い寄った。
「手、握ってください。噛まれるの、本当は……、」
恐怖心を吐露する理人に、小雪は「本当は怖かったんだね。言ってくれてありがとう」と言って微笑んだ。膝立ちになり向かい合って両手を握り合わせると、理人の吐息が小雪の鼻先にかかった。熱く、重く、甘い吐息だった。
都は理人の背後に腰を落とし、「理人」と囁いた。はじまる。小雪は挿入の予感に理人の手を握りしめた。
「そのまま、腰を落として……」
理人は上気した肩を震わせ、都の膝に乗るように腰を落とした。「ん、あ、は、」切れ切れになっている吐息から、都のものが理人の中を割り開いていることが伝わってくる。
「は……、はぁ、は、はぁ……、」
小雪の息も次第に上がっていく。手を握っているだけなのに、理人に挿れているような、都に挿れられているような、倒錯的な甘美が押し寄せる。
「あ、あっ、あっ、みやこ、さん、こゆき、さんっ」
「う、あ、はぁ、りとく、みやこくん、あぁ、はぁ……っ」
都は理人の腰を掴み、腰を突き上げた。その度に理人は切なく鳴き、絡めている手指に力を込めた。
「理人君、気持ちいい?」
激しい律動に心配になって尋ねれば、理人は「きもちい、」と鳴き、涙を浮かべた。
「こゆきさん、こゆきさぁん、」
名前を呼ばれ、胸から湧きいずるように理人を愛しく思っていると、視線が絡み合い、その瞬間に唇を奪われた。
小雪は都がいることも忘れ、理人を励ましたい一心で、理人の口づけを受け止めた。二度、三度、と口づけを重ねていると、都の息も律動も荒くなり、その時が近づいていることを知らせた。
「理人、噛むよ」
宣告の後、理人は鋭く高い声を上げて胸を反らした。
がくん、と、くずおれた細い身体を受け止め、小雪は理人の項を確かめた。真新しい血の滲んだ、都の噛み痕がついていた。
小雪の全身が粟立った。身も心も喜びに震え、小雪は理人を掻き抱いた。
「よく頑張ったね、おれとおそろいだよ。これでずっと一緒。理人君、えらかったね」
理人の頭を撫でながら労うと、その向こうの都と視線が通じた。「あ……、」確かに達した素振りがあったのに、都のものは再び反っていて、小雪は理人を抱きしめながら都を見つめ返した。「小雪さん」理人に呼ばれ、小雪は腕を緩めた。
「小雪さんの番ですよ」
項に血を滲ませ妖艶に微笑む理人は、小雪を都に向かい合わせるようにした。
「こゆ、おれのことも、愛してくれるんだろ?」
都の濡れた瞳に縛られ、小雪は身動きできなくなった。そんな小雪の両手を理人の手が背中越しに絡め取る。
「小雪さんも、都さんに愛してもらって。みんなで一つになりましょう」
耳朶を食むようにして誘われると、もうそのことしか考えられなくなった。
「おれも一緒に愛して」
「小雪さん、僕のことも、愛して」
両側からそれぞれに囁かれ、小雪はあっという間にその場へへたりこんだ。
「ん、やぁ、は、だめ、見ないでぇ」
「小雪さん、大丈夫ですよ。すごく綺麗で、すごく可愛い。ねえ、愛してるから、全部見せて……」
仰向けになった都に馬乗りになるところから理人につくづくと見つめられ、小雪は頭を打ち振った。尻の谷間に熱いものが触れ、待ちきれずに手を添えながら中へ迎え入れる。慎ましく閉じた入り口を崩す熱が、内壁を隈なく擦り上げていく。都は熱い息を吐き、「こゆ、いいよ」と小雪の脇腹を撫でた。
「こゆの中、すごく気持ち良い。ずっとここにいたいくらい」
蕩けるように微笑む都を見つめていると、熱が吸い寄せられるようにして目頭に集まった。
「よかった……」
ホッとして呟くと、都は悔しげに眉を寄せ、小雪の乱れた髪を撫でた。
「おれの愛が、ずいぶんと侮られているな」
その言葉に、小雪は応えられなかった。
二人が番った頃に神に誓った無垢な愛は、理人をこの家に迎えた瞬間に、小雪の心の中で、パリンと割れた。けれど小雪は笑って見せた。あの時に誓った以上の愛を、都と理人に注ぐことを決めたから。
「都君、愛してる」
その声音にかつてあった無垢な甘さは消え、けれど今は冴え冴えとした決意に満ちている。都はぐっと堪えるように下瞼を上げ、「君をこんなにもタフにしたのは、おれだったんだな」と独り言ちた。
「こゆ、愛してるよ。おれは変わらずに愛してる。これからも、ずっと」
ゆるやかな律動が深く激しいものに変わっていく。小雪と都は手指を絡ませ、唇を奪い合いながら互いを高め合った。
突き上げられ腰が跳ね、ものが中から出て行ってしまう。「んあっ!んうぅっ……!」ぷしゃ、と小雪の鈴口から微細な飛沫が散り、小雪は爪先でシーツを掻いて身悶えた。小雪が切なくなる前に、都は自身のものを小雪の後孔へ挿入し直した。
「こゆ、好きに動いて。おれに全部見せて……」
愛しい人から乞われ、けれどすぐそこに理人がいる。理人は動きを止めてしまった小雪の肩に触れ、「都さんを愛してあげてください」と囁いた。おずおずと腰を動かすと、理人は優しい声で「小雪さん、上手です。都さん、気持ち良さそうですよ。このまま僕たちを愛して……」と褒めてくれた。
「あっ、あっ、う、ゔ、んぅっ、あぁ~っ……!」
舌と舌を絡ませ、齧り尽くすように口づけを交わす。上下に、前後に、腰を動かす。気持ちいい場所は分かり切っていて、律動に合わせ何度もそこに擦りつける。
「こゆ……、すごい、いいよ……」
都が唇を噛みしめ瞼を下ろす。もっと乱れさせたくて先端を意図的にいじめれば、都は低い声で喘いだ。
「あ、みやこくん、はぁ、きもちいい、」
「こゆ、手加減して。君の中……、すごくて、もう、ゔっ、」
肉と肉のぶつかる音が大きくなって、小雪は髪を弾ませて腰を振った。中のものは小雪の好い場所をその全体で擦り上げ、小雪の中はそのたびに都のものを抱きしめた。
「あ、ああ、いくよ、小雪、出すよ」
不意に名前を呼ばれ、小雪は中をひときわきつく締め付けた。
「すきっ!みやこが、すきっ!」
焦ったように口走る小雪を目を細めて見上げ、都は「おれも愛してるよ」と目を見て愛を伝えてくれた。ありふれた愛で確かに結ばれていることを感じ、小雪はほどけるように微笑んだ。おれたちは運命じゃなかったからこそ、今ここにいる。
「みや、みやこ、みやこぉ、ん、ゔ、うぅ~んっ……!はあぁっ!」
「こゆきっ……!」
果てるタイミングが重なって、小雪は全身に力を漲らせた。びくびくと跳ねながら真っ白の快感に呆ける。中に熱いくらいの体液が迸り、小雪は脚を深く開いてより奥へと先端を押し付けた。
やがて都の身体の硬直が緩み、彼の唇から「はぁ」と淡い息が漏れた。続きを期待してぐりぐりと腰を揺らすと、都は困ったように笑って、「こゆ、だめだ、だめだって」と珍しく根を上げた。
「みやこぉ、」
「分かってる、ちょっと待って、さっきのが深くて……」
語彙力のなくなっている都が可愛くて、小雪は都の胸に蹲るようにして視線を重ねた。浅く繋がったままキスをして微笑み合う。次第に待ちきれなくなり尻を揺すると、都は目をすがめて「エロい」と普段言わないような言葉を漏らした。
「……エロかった?」
「うん、エロかった。こゆ、すぐイっちゃってごめん……」
二人でくすくす笑っていると、繋がっている部分に、ひたりと冷たいものが触れた。小雪は目尻を緩め、理人を振り返った。
「理人君、どうしたの、そんな顔して」
理人は二人が繋がっている場所に指先で触れながら、「僕のことを忘れていたでしょう」とむくれた声を出した。普段シャープな頬がぷくんと膨れて、小雪はその愛らしさに胸をときめかせた。
「忘れるわけがないでしょう。ほら、こっちにおいで……」
「本当?本当に?」
「本当だよ。こんなにも可愛い君のことを忘れられるわけがないでしょう」
「小雪さん、僕のこと、愛してる?」
「心から愛してるよ」
「僕も愛してる。小雪さんを心から愛してる……」
起き上がり、固くなり始めている都のものを引き抜く。「小雪、」都に腰を掴まれ、小雪はそちらにも微笑みを向けた。「いい子にしてて。まだできるから。ね?」額にキスをして夫を宥め、小雪は理人を抱き寄せベッドに倒れ込んだ。
「あ、小雪さん、熱い……。すごくいい匂い……」
「理人君も、あったかい。ねぇほら、もっとこっちにおいで」
ぎゅうっと肌を寄せ合うと、熱いくらいだった。理人の肌と都の肌は違っていて、小雪にはその違いが分かることが嬉しかった。理人と脚を絡め温みを確かめ合っていると、ふっと影が落ちて来る。小雪も理人も微笑んで、二人に覆い被さる影へ手を伸ばした。
「都君、二人とも大切にしてね、ちゃんと愛してね」
「都さん、僕たちの夫なんだから、できますよね?」
「一緒に愛して。全部愛して。おれもそうするから。一生かけてそうするから」
「責任、ちゃんと取ってくださいね。一生かけて、そうしてくれるんですもんね?」
「都君、愛してる」
「都さん、愛してます」
都はぐっと眉を歪ませ、それから、「もちろんだ」と深く頷いた。小雪はその誓いを受け取り、かつての二人きりの蜜月へ別れを告げた。新しい季節が始まる。瑞々しく眩しい、若葉の季節が。
「こゆ、愛してるよ。理人、愛してるよ。一生をかけて全部まるまま愛することを誓うよ。……君たちがいなければ、おれはおれでなくなってしまう」
三つの影と温もりは重なって、一番星が空を飾っても、離れない。
どうかどうか、このどうしようもない愛を、胸に抱き続けられますように。このどうしようもない愛が、あなたの人生をほのかに、けれど永遠に照らせますように。
小雪は星に願い、深い息を吐いた。母親と寝床に入った子どものような息だった。
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