スーパーシティ ～放置国家～

第十二章

第十話 ボス

　毒山ファミリーの貧困ビジネスを壊滅させた車輪とオヤジは、軽トラ

を走らせながらボスをどう討つか考えた。米穀連合会の中核組織である

毒山ファミリーを潰せば、散り散りになった米穀連合会は実質的に壊滅

し、米穀をバックにした阿呆教やその他自警団も争い合う事は激減する

ハズだ。


　田園地帯の直線道路を走っていると、いきなりセダンが車輪達の

軽トラを追い抜いたかと思うと急ブレーキをかけて停車した。オヤジ

も急ブレーキをかけて停まるが、気が付くと後ろはワンボックス、

右には別のセダンに囲まれ身動きが取れなくなっていた。「やられたな。

まだこれだけの機動力が残っていたか」、、


　「動くな！銃撃戦になったら別働隊が近くの街を住民ごと殺戮する

手筈になってる」、、８人程の敵が軽トラに銃を向ける中、リーダー

らしき男がスマホの画面を見せた。確かに機関銃を持った連中が人通り

の多い商店街に銃口を向けている映像が映っている。「ああ、分かった

言う通りにする」、、車輪もオヤジも銃を捨て両手を挙げた。


　すると突然、リーダーらしき男はオヤジの右足を撃った。「ぐはぁっ

」、、睨み付ける車輪に男は「お前は無傷で連れて来いとのボスの命令

だ。コイツはお前が万一抵抗しない為の保険だ」、、そう言って車輪と

オヤジは別々の車に乗せられた。目隠しをされ、車で１０分程走ると

降ろされ、２人はアジトらしき建物の中で目隠しを外された。


　「お前が車輪か。やってくれたな」、、大柄で銀のスーツを着た白人

らしき男、これが毒山ファミリーの父親で米穀連合会の実質的ボスだ。

「やはり米穀の上層部は白人系で支配してたんだな、何故ひと思いに俺

を殺らなかった？」、、車輪の問いにボスは応える。「ゲームをする為

だ。」、、「ゲーム？」、、