スーパーシティ　～放置国家～

タミケン

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第八章

第七話　惨族団

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　相手の銃撃を躱しながら急カーブや急坂をクリアし、尚且つ自分

の銃弾を相手に命中させるのは至難の業だ。その上、峠も入口から

数キロも入ると道端に廃車や家電等の粗大ゴミが散乱しており、それ

を避けながらとなるとハッキリ言ってレースどころでは無い。先ずは

走りに集中し、銃を使うのは余裕がある時に限られる。

　直線に入り、互いに銃を出すか出さないかの瀬戸際、前方から２台

のバイクが並んでこちらに迫って来た。１台はモヒカンにゴーグルを

付けた上半身裸の和彫りで、左手に日本刀を持って剣先を地面に擦り

火花を散らせている。もう１台は坊主頭にサングラス、素肌に直接

ベストを着たタトゥー野郎で手にはデカい斧を持っている様だ。

　おそらくこの峠を縄張りとする暴力集団で、峠周辺を走る一般車や

トラックを襲ったり、近隣の民家を襲撃するのをシノギとしているの

だろう。このような山間部や郊外を拠点にする暴力集団は、件の住民

による虐殺には合わなかったので、そのまま存続して自警団の居ない

集落等から略奪していたのだ。

　「オラァーっ、何俺らのシマに入ってんだコラァッ」、、言うが

早いかタトゥー野郎は斧を投げつけて来た。車輪と赤熊は互いに離れ、

その真ん中を飛んできた斧は回転しながら地面に落ちた。「首落とし

たらァーっ！」、、和彫り野郎は日本刀を振り上げ、すれ違いざまに

車輪の首を狙うが、車輪は伏せてこれを躱した。

　和彫り野郎はUターンし、タトゥー野郎も斧を拾ってすれ違った

車輪と赤熊を追う。「アレはお前のお友達か？」、、車輪が問いかける

と赤熊は「違う。あれは多分、襲った人間の肉も食うとか言う惨族団

（さんぞくだん）だ。この峠をシマにしてるとは思わなかったが、俺の

ミスだ、先に行け。奴らは俺が始末させてもらうぜ」、、

　

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