スーパーシティ ～放置国家～

第二章

第九話 ミス

　車輪の車に殺し屋軍団が迫る。銃の射程距離まで近付こうとした

その時、手製のセンサーで起きて運転席に座った車輪はエンジンを

かけ、車を急発進させた。「気付かれたっ、撃てーっ」、、一斉に

銃弾を浴びせたが、まだ射程距離に入っていなかったのでタイヤに

命中させる事は困難だ。急いで車で追う一団。


　深夜の林道を突っ走る車輪の車に向かって、反対側からも数台の

車が迫って来た。ギリギリまで引き付けたその瞬間、車輪の車は

急にハンドルを右に切って草むらに飛び込んだ。両側から猛スピード

で迫った車の群れはお互い避けきれずに次々衝突、そのまま車輪の

車は草むらを３６０度旋回しこれらを尻目に走り続けた。


　すると後ろから物凄いスピードでインプレッサが迫って来た。

右に左にハンドルを切って銃撃を躱し、タイミングを見計らって

急ブレーキをかけた瞬間インプレッサはブレーキが間に合わず車輪

のパジェロ後部に激突、ボンネットから煙を吐くインプレッサを

あとに車輪のパジェロは走り去った。


　四駆は車種にもよるが、パジェロの場合後部に頑丈なステップが

取り付けられている為、乗用車のボンネットを破壊する位は全く問題

無い。車はたいてい後部より前部が弱く出来ているのだ。林道を

そのまま走らせた車輪はより山中へと続く道を選んだ。とその時フワッ

とした感覚と共に林道に掘られていた約２ｍの落とし穴に見事落ちた。


　敵の車が目視出来なかったので幸いゆっくり走っていたが、脱出は

不可能だろう。この穴は真友連合の中ではバカ扱いされている２人の

者が、この道を通るかもしれないとあらかじめ掘っていたのだ。「手柄

じゃねーかっ」、、次々と到着する真友連合の車の群れと組員達。

手には機関銃を持った者も居る。ジワジワと穴に近付いて来た。