スーパーシティ ～放置国家～

第一章

第三話 壊滅

　一人撃っては仲間も一人撃たれといった応酬が繰り返され、どちらも

少しずつ数が減ってきた。動き回る紅蓮団を撃つのは難しい光組だが、

紅蓮団もバイクやジープから建物に隠れる光組を撃つのは難しいようだ。

しかし何故か変な角度からも銃撃され両陣営は徐々に勢力を失って行く。


　「ダメだっ一旦退けーっ」残り１０人程度になった紅蓮団は退却を決意

したようだ。逃げ帰る紅蓮団だが、残り１３人、内怪我人９人の光組も

それを追う余力は無い。「テメエらがヘタ打ちやがったからだーっ」

鉄砲玉にされた一般人８人に光組の銃口が向けられる。

　
　パアンッ！銃声が鳴ったと思いきや頭を撃ち抜かれ倒れたのは一般人を

殺そうとした光組組員だった。「何だっ、まだ紅蓮団が居やがったのかっ」

残りの組員達が辺りを見回した瞬間、パンパンパンパンッ！と連続で銃声が

響き、立っている組員は全員頭や心臓を撃たれて倒れた。


　ドルンッ、ドドドド、、、壊滅状態となった光組を尻目に、紅蓮団の

捨てたバイクのエンジンをかけたのは、あのヤケ酒男だった。今まで少し

離れた所から両勢力を撃っていたのはやはりこの男だったのだ。バイクを

急発進させるや紅蓮団に追いつき、後ろから先頭のバイクを射殺。


　それを避けて転倒するバイクと更にそれに激突するジープ、男はそれらを

巧みに躱しつつも追い抜きざまに次々射殺し、郊外の国道は紅蓮団の墓場と

化した。男はバイクに乗ったまま走り去り、長年に渡って地域の住民を

苦しめた暴力集団光組と紅蓮団はこれにより壊滅したのだった。