図書館の仕事

マーブル

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1年間だけの図書館司書

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私はいまから15年ぐらい前に図書館で仕事をしていたことがあった。

1年間だけだが、長期といえば長期になるかもしれない。

その頃は仕事の合間に趣味で小説を書いていたことで、本に興味を持つようになったからだ。

図書館の面接では

「あなたは男性だけど女性が多い職場で大丈夫ですか?」

と面接官から聞かれた。

実際に図書館はほぼ100%が女性で男性は珍しいようだ。

このときは予定していた1人が辞退したことで私が代わりにやることになったが、静かで落ち着いた空間を理想としていた私のイメージとはまったく異なるものだった。

私が勤務していた図書館は利用者が特に多く、本の貸し出しや返却に追われる日々が続いていた。

男性の職員は私以外には1人だけで、あとは全員が女性ということで本を運んだりする場合には戦力になっていた。

女性が多いにも関わらずまったく出会いがなかったのが残念だったが、女性どうしが固まって仕事をしていたことで男性にとっては肩身の狭い職場だった。

女性がたくさんいるにも関わらず出会いがまったくないというのはなんとも嘆かわしいことだが、毎日のように本に触れていることで作者の考え方の違いなどが勉強になったことは良かった。

エプロン姿で「お待たせしました」というのは少し恥ずかしかったが、そのほかにも色々とつらいことや大変なことはあった。

図書館は女性が圧倒的に多いということから男性は女性以上に頑張らなければならないということなのだろう。

落ち着いた空間どころか積極的に動き回らなければいけない職場で大変だったが、女性の職員のひとりに 「Kさん本当は仕事がつらくて辞めたかったんじゃないんですか」と
ズバリ言われたことがあったが、本音を彼女には見抜かれていたのだ。

結構大変な1年間だったが、募集が少ないため図書館で仕事をすること自体が難しく、特に男性の場合はさらに枠が少ないと言えるだろう。

その後は、図書館の面接に何度か足を運ぶも採用になったことがなく、そのなかの1箇所の男性職員が
「図書館は女性が多いことで男性にとっては肩身の狭い職場です」
と言っていたのが印象的だった。

結局は図書館ではなく違う業種の仕事をすることになるのだが、いつかは、本に触れる、本に携わる仕事を図書館以外でしてみたいと思うようになった。

それが

作家 しかないと思った。
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