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パーティーのあと
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無事にパーティーが終わり、ユリアは帰る父親を見送りにきていた。
「ユリア、辛いことがあったら言いなさい。陛下にお願いして後宮から出られるようにしてあげるから」
「お父様、ご心配には及びません」
心配そうな父にユリアは笑顔で応えた。その様子に伯爵は小さくうなずいて屋敷へと帰っていった。
王や王妃、妃たちがそれぞれの部屋に帰るなか、カリナは侍女をつれて縫製部のドアを叩いた。
「失礼しますわね」
「カリナ様、このような場所にわざわざ…」
縫製部にいたお針子たちはカリナを見ると慌てて頭を下げた。そんなお針子たちには目も向けず、カリナはひとりのお針子の前に立った。
「マイア、ユリア様のドレス、あれは何のつもりかしら?」
「な、なんのことでございましょう?」
「ユリア様は王妃様のドレスの色を確認され、色が被らないように青いドレスにするように言ったのでしょう?」
「そ、それは…」
カリナの言葉にマイアがびくりと震える。他のお針子たちは知らなかったのか青ざめてヒソヒソしていた。
「変更のお話は伺いましたが、時間がありませんで」
「そうなの?私の侍女がユリア様の侍女とこの話をしたのは採寸の3日後よ?そんなに切羽詰まっていたのかしら?」
カリナの言葉にマイアは何も言えなくなってしまった。
「あなた、私のときも同じことをしたわよね?あのとき、私あなたに言ったはずよ?二度とこんなことをしないで、と」
決して声を荒らげることはないが、明らかに怒りを孕んだ声。カリナが後宮にきて初めてのパーティーのときにも同じことをしたマイアはカタカタ震えていた。
「誰に頼まれてこんなことをしたのかしら?」
「い、いえ、そのようなことは…」
「今回は、印象が悪くなるのはユリア様よね。王妃様はドレスにワインをかけたけど、替えのドレスをご用意したんだもの。ユリア様、いえ、ユステフ伯爵を貶めたい方がいるのかしら?」
静かな声が縫製部に響く。マイアはもう言葉を発することもできないほどに震えていた。
「カリナ様、申し訳ございませんでした」
静寂を破ったのは縫製部を取り仕切るゼストと言う男だった。
「この者は私が厳しく罰しますので、どうかお許しください」
「…まあいいわ。ここにいるのは勝手だけれど、二度と私たちの前に顔を見せないでね」
カリナは冷たい表情で言うと侍女を連れて縫製部を後にした。
その後、縫製部からユリアに正式に謝罪がなされ、マイアはお針子を解雇されて城を出ていった。
「カリナ様、ドレスの件、ありがとうございました」
秘密の部屋で顔を会わせたカリナにユリアが礼を言って頭を下げる。カリナはにこりと笑うと首を振った。
「気にしないでちょうだい。私も同じことをされたから少し腹がたってしまったの。それより、お父様のほうは何も変わったことはなかったかしら?」
ユリアの父である伯爵を気遣うカリナに首をかしげながらユリアはうなずいた。
「はい。特に何も言ってきてはいません。父が関係あるのですか?」
「あの場合、恥をかくのはユリア様だけど、ユリア様はまだお若いから、結果としてお父様であるユステフが伯爵が恥をかくことになると思って。何もないならそれにこしたことはないわ」
にこりと笑うカリナにユリアはそんなことまで頭がまわらなかったと感謝した。
「ここはたくさんの思惑がとぐろを巻いている場所よ。私たちは信頼しあっていても、家同士はそうはいかないわ。だから常に情報収集をしておくといいわよ」
「はい。よく気を付けます」
素直にうなずくユリアをカリナは微笑みながら抱き締めた。
「もう、本当に可愛らしい妹だわ」
「あら、仲良しさんですね」
ちょうど秘密の部屋に入ってきた王妃がふたりの様子を見て微笑む。カリナから話していたことの詳細を聞いた王妃は表情を曇らせると「わたくしの家が一番厄介だわ」と言った。
「王妃でありながら子を成せないわたくしに、家の者たちはやきもきしていますもの。今回のことだって、わたくしの家が仕組んだことかもしれません」
「たとえそうだとしても、王妃様が悪いわけではありません。それに、父は出世にはあまり興味がありませんし」
ユリアが言うとカリナがクスクス笑いながらうなずいた。
「そのようですね。ユステフ伯爵は有能だけど欲がないと有名な方ですもの。昨夜も、皆さまが我先にと陛下にご挨拶に群がっていたのに、伯爵は一通り皆さまが終わるのを待ってから陛下の元に行かれていましたわ。ユリア様が後宮に入ったばかりですもの。本当なら他の方々を押し退けて挨拶してもおかしくはないのに」
「陛下は、伯爵の人柄を知った上でユリア様を後宮にと望まれたのです。もちろん、ユリアさまの人柄もきちんと調べたうえでですけど」
「そうなのですか?私、どうしても自分が後宮に呼ばれたのか不思議だったのです。父が陛下にお願いしたわけでもなさそうだったので」
初めて聞く話にユリアが驚いていると、カリナが微笑みながらうなずいた。
「確かに、急に後宮に召し上げられれば驚きますわね。後宮に新たな妃をといつも臣下たちに言われているようですけど、陛下は後宮に迎え入れる娘はとても慎重に選ばれていますよ。特に、今回は久しぶりでしたし」
「後宮の和を乱さない方、野心のない方、陛下はそういう方を選んでいらっしゃいます。ご自身にお子ができないかもしれないとわかっていらっしゃるから。子ができないことで後宮の中に対立が生まれないように」
「そうなのですか。やはり、色々と大変なのですね。私、何も知らなくて」
無知なことを恥じるようにうつむくユリアにの手を王妃が優しく握りしめた。
「あなたはまだお若いですもの。本当ならこれから社交界について学んでいくはずだったのでしょうに。わたくしたちのせいで籠の鳥にしてしまった。だから、せめて籠の中を居心地の良いようにしてあげたいと思っています」
「お姉様…」
「だから、困ったことがあったら何でも言ってくださいね?」
にこりと笑う王妃にユリアは嬉しそうに微笑みながらうなずいた。
「ユリア、辛いことがあったら言いなさい。陛下にお願いして後宮から出られるようにしてあげるから」
「お父様、ご心配には及びません」
心配そうな父にユリアは笑顔で応えた。その様子に伯爵は小さくうなずいて屋敷へと帰っていった。
王や王妃、妃たちがそれぞれの部屋に帰るなか、カリナは侍女をつれて縫製部のドアを叩いた。
「失礼しますわね」
「カリナ様、このような場所にわざわざ…」
縫製部にいたお針子たちはカリナを見ると慌てて頭を下げた。そんなお針子たちには目も向けず、カリナはひとりのお針子の前に立った。
「マイア、ユリア様のドレス、あれは何のつもりかしら?」
「な、なんのことでございましょう?」
「ユリア様は王妃様のドレスの色を確認され、色が被らないように青いドレスにするように言ったのでしょう?」
「そ、それは…」
カリナの言葉にマイアがびくりと震える。他のお針子たちは知らなかったのか青ざめてヒソヒソしていた。
「変更のお話は伺いましたが、時間がありませんで」
「そうなの?私の侍女がユリア様の侍女とこの話をしたのは採寸の3日後よ?そんなに切羽詰まっていたのかしら?」
カリナの言葉にマイアは何も言えなくなってしまった。
「あなた、私のときも同じことをしたわよね?あのとき、私あなたに言ったはずよ?二度とこんなことをしないで、と」
決して声を荒らげることはないが、明らかに怒りを孕んだ声。カリナが後宮にきて初めてのパーティーのときにも同じことをしたマイアはカタカタ震えていた。
「誰に頼まれてこんなことをしたのかしら?」
「い、いえ、そのようなことは…」
「今回は、印象が悪くなるのはユリア様よね。王妃様はドレスにワインをかけたけど、替えのドレスをご用意したんだもの。ユリア様、いえ、ユステフ伯爵を貶めたい方がいるのかしら?」
静かな声が縫製部に響く。マイアはもう言葉を発することもできないほどに震えていた。
「カリナ様、申し訳ございませんでした」
静寂を破ったのは縫製部を取り仕切るゼストと言う男だった。
「この者は私が厳しく罰しますので、どうかお許しください」
「…まあいいわ。ここにいるのは勝手だけれど、二度と私たちの前に顔を見せないでね」
カリナは冷たい表情で言うと侍女を連れて縫製部を後にした。
その後、縫製部からユリアに正式に謝罪がなされ、マイアはお針子を解雇されて城を出ていった。
「カリナ様、ドレスの件、ありがとうございました」
秘密の部屋で顔を会わせたカリナにユリアが礼を言って頭を下げる。カリナはにこりと笑うと首を振った。
「気にしないでちょうだい。私も同じことをされたから少し腹がたってしまったの。それより、お父様のほうは何も変わったことはなかったかしら?」
ユリアの父である伯爵を気遣うカリナに首をかしげながらユリアはうなずいた。
「はい。特に何も言ってきてはいません。父が関係あるのですか?」
「あの場合、恥をかくのはユリア様だけど、ユリア様はまだお若いから、結果としてお父様であるユステフが伯爵が恥をかくことになると思って。何もないならそれにこしたことはないわ」
にこりと笑うカリナにユリアはそんなことまで頭がまわらなかったと感謝した。
「ここはたくさんの思惑がとぐろを巻いている場所よ。私たちは信頼しあっていても、家同士はそうはいかないわ。だから常に情報収集をしておくといいわよ」
「はい。よく気を付けます」
素直にうなずくユリアをカリナは微笑みながら抱き締めた。
「もう、本当に可愛らしい妹だわ」
「あら、仲良しさんですね」
ちょうど秘密の部屋に入ってきた王妃がふたりの様子を見て微笑む。カリナから話していたことの詳細を聞いた王妃は表情を曇らせると「わたくしの家が一番厄介だわ」と言った。
「王妃でありながら子を成せないわたくしに、家の者たちはやきもきしていますもの。今回のことだって、わたくしの家が仕組んだことかもしれません」
「たとえそうだとしても、王妃様が悪いわけではありません。それに、父は出世にはあまり興味がありませんし」
ユリアが言うとカリナがクスクス笑いながらうなずいた。
「そのようですね。ユステフ伯爵は有能だけど欲がないと有名な方ですもの。昨夜も、皆さまが我先にと陛下にご挨拶に群がっていたのに、伯爵は一通り皆さまが終わるのを待ってから陛下の元に行かれていましたわ。ユリア様が後宮に入ったばかりですもの。本当なら他の方々を押し退けて挨拶してもおかしくはないのに」
「陛下は、伯爵の人柄を知った上でユリア様を後宮にと望まれたのです。もちろん、ユリアさまの人柄もきちんと調べたうえでですけど」
「そうなのですか?私、どうしても自分が後宮に呼ばれたのか不思議だったのです。父が陛下にお願いしたわけでもなさそうだったので」
初めて聞く話にユリアが驚いていると、カリナが微笑みながらうなずいた。
「確かに、急に後宮に召し上げられれば驚きますわね。後宮に新たな妃をといつも臣下たちに言われているようですけど、陛下は後宮に迎え入れる娘はとても慎重に選ばれていますよ。特に、今回は久しぶりでしたし」
「後宮の和を乱さない方、野心のない方、陛下はそういう方を選んでいらっしゃいます。ご自身にお子ができないかもしれないとわかっていらっしゃるから。子ができないことで後宮の中に対立が生まれないように」
「そうなのですか。やはり、色々と大変なのですね。私、何も知らなくて」
無知なことを恥じるようにうつむくユリアにの手を王妃が優しく握りしめた。
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