210 / 240
月の記憶 〜崩れ落ちる幸せ〜
しおりを挟む嘘だと、誰か言ってくれないか‥‥。
この目の前の光景が‥‥
横たわった礼蘭に、大量の血が流れていく‥‥
ああやめてくれ‥‥礼蘭の血が‥‥
大きな水溜まりになっていく‥‥
「れい‥‥‥礼蘭!!!」
女の子を隣に座らせて駆け付けた。
暁のスニーカーがじわじわと真っ赤に染まっていた。
暁は、礼蘭の手首を手に取った。
「救急車!!!‥‥っ‥‥きゅ‥‥‥きゅう‥‥‥。」
暁の顔は青ざめた。
礼蘭の手首から脈を感じなかった。
きっと気が動転してるんだ‥‥。そう思って、首筋の頸動脈にも手を当てた。
だが、青白く、べっとりと血がついた礼蘭の茶色味がかった髪が両手について、暁の呼吸はついに激しくなった。
「あぁっ‥‥‥待って待って待って‥‥っ‥‥礼蘭!!
礼蘭!!!!礼蘭!!!礼蘭!!!!おい!!!!!
ダメだ!!!起きろ!!!!!!礼蘭!!!!!」
頭から大量に血を流した礼蘭を動かす事ができない。
必死で呼んだ。涙が混じった‥‥‥
今なら‥‥喉から血を吹き出してもいいから、
名前を呼べば‥‥‥‥。
「返事しろぉぉぉ!!!!れいらぁぁぁ!!!!!」
ぞろぞろと増えた野次馬と、偶然医療従事者の人が暁と礼蘭に近付いた。
だが、数人集まった彼等は、礼蘭の状態にすぐに気付いた。
すでに、出血多量で‥‥礼蘭の命は、尽きたのだと‥‥‥。
暁は、ついに呼吸が追い付かず、涙を流し続け、血溜まりの礼蘭の顔に近付いた。縋るような思いだった。
「れい‥っ‥‥‥ダメだっ‥‥‥れい‥‥っっう‥‥行くなっ‥‥‥明日はっ‥‥っはぁっ‥‥‥お前がっ‥‥
世界で1番‥っ‥げほっ‥‥‥‥っ世界でっ‥‥いちばっ‥‥ん‥‥‥。」
暁の涙声が‥‥弱々しい声が‥‥礼蘭の心に届くように‥‥
「しあわせなっ‥‥おれのっ‥‥お嫁さんにぃ‥‥‥っ‥‥
なるんだぞ‥‥っ‥‥‥‥たのむよっ‥‥‥おきてって‥‥‥‥
やだよ礼蘭っ‥‥‥礼蘭ぁっ‥‥‥俺を‥‥俺を置いていくなっ‥‥‥。」
外の騒がしさにレストランから出てきた楓が、大きな悲鳴をあげ、遠くから救急車とパトカーのサイレンの音がした。
その後のことは‥‥‥よく覚えていない‥‥‥。
俺は現実に耐え切れず‥‥‥最後までフラフラとしながら‥‥‥知らない人に支えられて、礼蘭と楓と一緒に救急車へ乗ったそうだ‥‥‥。
病院での死亡確認は‥‥礼司と真鈴が到着してからだった。
病院の椅子で、呆然と、瞳の光を失いただ涙を流す真っ赤な服の俺を見て、母が抱きしめてくれた。
その時感じた温かさは、一瞬で‥‥‥俺の涙は止まらなかった。
当時の状況は、テレビのニュースで流れたそうだ。
わずか数秒で流れた礼蘭の死。
状況を見ていた人々が口にした話は、俺をさらに追い込んだ。
確かに青信号だった横断歩道。だが、そこに大型トラックが俺と小学生の2人に突っ込んできていたらしい。女の子を連れて横断歩道を渡ろうとした俺を、トラックに気付いた礼蘭が走り寄り、男の子を引き上げ、俺の体を・・・。あの小さな体で突き飛ばした。
そして、自分は、トラックにぶつかり頭部外傷から即死だった・・・・。
トラックの運転手は、心臓発作で意識を失いそのまま猛スピードで突っ込み電柱にぶつかった。
そしてまた、その運転手も命をそのまま落とした・・・・。
俺があの時、女の子と横断歩道を渡り、礼蘭のところへ行く事に気をとられていたせいで、
俺は何も周りが見えていなかった・・・。
青信号だから‥‥って、
あんなに・・・・必死だった礼蘭の顔・・・・・。
その前にあの眩しい笑顔に見惚れていた俺は・・・・・・。
永遠にその笑顔を失った・・・・。
誰も、俺を責めてくれなかった・・・・。礼蘭の前で泣き崩れるおじさんと、おばさん、真鈴・・・。
俺の側で・・・放心した俺の側を離れなかった両親。
俺はあの時の礼蘭の顔がしきりに浮かんだ。
どうして俺を助けた・・・・・。ぶつかったのが俺だったなら・・・・・
礼蘭じゃなかったら・・・・・。
あの女の子が転ばなかったら・・・?
俺が・・・・・
俺が・・・・・
俺が、礼蘭の代わりに・・・・死んであげたのに・・・・・・・。
いや・・・俺はきっと・・・死ななかったかもしれない・・・・。
礼蘭を一人にしたくないから・・・・。
きっと、手足が千切れて・・・格好悪い花婿になってでも、明日の結婚式を・・・・・。
ああ・・・そうだ・・・・結婚式だ・・・・・・。
俺の大事な・・・・花嫁は・・・・・
此処にいるのに・・・・・。
俺に向かって笑ってはくれない・・・・。俺を・・・・抱きしめてくれない・・・・・。
「・・・・・暁・・・・少し何か食べろ・・・。」
俺はその日を迎えていた。
結婚式の12月3日は・・・・あっという間に過ぎていた・・・・。
検死を拒否した礼蘭の家族は、礼蘭を、実家へと連れ帰り仮通夜となってしまった・・・・。
「・・・・いらね・・・・。」
行き慣れた礼蘭の自宅。片づけた広い一室で、礼蘭はただ白い布団に横たわっていた。
俺はただ、礼蘭がいるその部屋の壁に背を預けてただ、礼蘭を見ていた。
食事を拒否して、ずるずると体を引き摺り・・・ポスン・・・っと礼蘭の側に頭を落とした。
「おい暁っ・・・・・っ・・・頼むからっ・・・何か食べろっ・・・・。
お前が喪主にならないといけないんだぞっ・・・・。」
忠にそう言われながらも、何だか、何を言われてるかわからないんだ。喪主?‥‥俺は礼蘭の夫だよ‥‥。
布をとり、綺麗な横顔を見つめながら・・・・どんどんと瞳には何度も涙があふれてくる。
この冷たい空気・・・
どうして・・・こんなにも変わってしまうの・・・・?
バカみたいな問いを自分の中で繰り返した。
礼蘭の髪は、まるでお人形の髪になったみたいだった。血の巡らない頬は作り物みたいだった。
どうして・・・・・。
どうして・・・・・。
「・・・・・ふっ・・・ぅ・・・・・・。」
礼蘭のそのいつもと違う長い髪を掬い、握りしめた。
俺の体温を、礼蘭に分けてあげられたら・・・礼蘭は・・・また笑ってくれないかな・・・?
この冷たくなった体を・・・俺が温めて眠ったら・・・・。
明日はおはようと言ってくれないかな・・・・。
あの眩しい笑顔を・・・・また、向けてくれないかな・・・・・・。
両親たちは暁の様子が見ていられなくなり・・・目を背けて泣いた。礼司は泣き続ける真鈴を抱きしめて泣いていた。
悠は楓を支え一緒に涙を流す。楓が言うのだ‥‥
あのレストランで3人でご飯食べようだなんて言ったから‥
私が悪かったと‥。
違うよ‥‥‥悪いのは俺だ‥‥‥‥
礼蘭を守ってやる事ができず‥‥俺が守られてしまったんだから‥‥‥
「・・・・・・枕・・・間違えてる・・・・。」
俺は礼蘭の耳元にそう囁いて、固くなった首元に腕を滑り込ませた。
こうして、いつも俺の腕枕で眠ってたのに・・・・・。
ダメだって・・・・。
「だめだって・・・・っ・・・・・れい・・っ・・・・・。こんなのだめだ‥‥‥。なんか言ってくれっ‥‥っ‥‥‥」
涙って・・・枯れないの・・・・?
ねぇなんで・・・何も言ってくれないの・・・・。
俺たちは、ずっと一緒だったのに・・・・。
どうして・・・・俺を置いていくの・・・・?
「っ・・・つめてぇな・・・っ・・・ずっとあっためてやるから・・・っっ・・・」
礼蘭を抱き寄せて、礼蘭の前髪を濡らした。
声が聴きたい・・・・。静かな寝息でも聞こえたら・・・。
俺は・・・・もうこれ以上の事は何もいらない・・・・。。
生きていてくれたなら‥‥‥
わずかでも、意識を保っていてくれたなら‥‥‥。
例え、後遺症が残ったとしても・・・俺は喜んでお前の看護をした・・・・。
お前が俺の事をわからなくなっても・・・それでも構わないのに・・・・・。
どうして行っちゃうの・・・・。
俺を置いて・・・・どこに行こうとしているの・・・・。
お前が居てくれるそれだけで・・・俺は幸せなのに・・・・・。
俺がお前を世界で一番・・・幸せにしてあげられたのに・・・・・。
それから何時間も、礼蘭を抱きしめ続けた。
葬儀屋と、お坊さんがやってきて引き離された。涙を零しながら、俺の体を引っ張った母の手が初めて憎かった。
いい大人がしっかりしろと言われたけれど、どうにも出来なかった。だって‥‥‥
こんなお経なんか・・・礼蘭は聞きたくないよ・・・・。
礼蘭は・・・俺の声を聴きながら・・・眠るのが好きなんだから・・・・。
ねぇなんで・・・・・・。
なんでそんな事するの・・・・・?
礼蘭が・・・・本当に・・・・・居なくなっちゃうみたいに・・・・・・。
壁にもたれ掛かり、ぎゅっと両手で顔を覆った。
こんなリアルは見たくない・・・・。
ただ礼蘭が眠っているとだけ思えたら、まだこの心は・・・・。
やめて・・・・・。
やめて・・・・・。
やめて・・・・。礼蘭が死んじゃったみたいに・・・・。
俺はまだ・・・・信じられない・・・・。俺の届く場所に、礼蘭がいるのに・・・・。
御通夜で、俺は夫のくせに立てなかった。あんなに疑問だった涙はついに干からびた。
同じ学校だった友達がたくさん来たけど、誰が何を言って、誰が来てくれたのか分からなかった。
結婚式の招待状を送った友達が、みんな泣いていたけれど、何を言っていただろう‥‥。
俺は、あんな棺に入れられた礼蘭が心配で・・・・心配で・・・・・。
礼蘭は花が似合うけど・・・礼蘭の好きな花は違う・・・。
礼蘭は白無垢は似合うけど・・・死装束は・・・似合わないよ・・・・。
礼蘭は・・・俺の隣で眠るのが好きなんだ・・・・。
俺が隣に居なかったら・・・・不安になっちゃうかもしれないだろ・・・・。
「礼蘭‥‥。いつまで寝るんだ?」
ああ‥‥こんな事になるなら、もっと抱き締めておけば良かった‥‥‥。こんなところにいれられちゃったら‥‥‥。
抱き締められない‥‥‥。
一晩中線香の匂いが途切れない‥‥。
みんなが寝静まった深夜。
暁は、礼蘭にキスしようと顔を近づけた‥‥‥。
「れい‥‥っ‥‥‥れいっ‥‥‥‥‥っぁはぁっぁぁぁ‥っ」
礼蘭の顔に、涙の雨が降る。
冷たくて‥‥‥悲しかった‥‥‥
こんなに‥‥‥悲しいキスが‥‥‥
この世に存在するんだって‥‥‥
俺達には‥‥‥関係ない事だと思っていた‥‥‥。
「はなせぇぇぇ!!!!!!!やめろよ!!!!!!!!!!!!!!」
眠れていなかった暁の全力の声が出たのは、事故の時以来だった。
迎えた告別式、向かった火葬場。
父親たちが、暁の体を押さえつけていた。
血走った目を大きく開いて叫ぶ。涙は・・・まだ枯れていなかった。
「どこに入れんだよ!!!!やめろぉぉ!!!!!!!!」
「暁っっ・・・・暁っ・・・・礼蘭は死んだんだっっ・・・・・。うっ・・・頼むからっ・・・。」
忠の涙声と腕の力が全力で暁の体を抑える。添えるような弱弱しい手で礼司が暁に寄りかかっていた。
「あきらっ・・・れいらぁぁ・・・・れいらはっ・・・・もうお別れしなくちゃいけないんだ・・・
っ・・・お前がそんなだったらっ・・・れいらっ・・は・・・安心してっ・・・天国に行けないっ・・・・。」
みんながボロボロと泣き続ける。礼司が弱弱しく口を開いた。
「・・・・あきら・・・・っっ・・・ちゃんと・・・見送ってやるんだ・・・・・
あきら・・・っっ・・・頼むからっ・・・しっかりしてくれっ・・・・
お前がそんなだったらっ・・・・礼蘭が心配してねむれないだろぉっ・・・・
れいらがぁっ・・うううっ・・・ぁぁぁっ・・天国にっ・・・いけないっ・・・・。」
「天国なんて行くなっ!!!俺がいないところになんて行かせるなぁぁ!!!!!!
あぁっ‥‥やめてってぇ‥‥‥っうぅ‥‥やめぇ‥‥‥って、ねぇ!!!‥‥れいら連れてかないでっ‥‥‥
おれもっ・・・おれもいっしょにっ・・・うぅぅぅっぅうあああああああああああ!!!!!!!
やめろぉぉっっ・・・あぁぁぁぁぁっ・・・・・・・れいらぁぁぁ!!!!!」
どんなに願っても・・・どんなに手を伸ばしても・・・・。
礼蘭の棺は、俺の手の届かない空間へ連れていかれた。
「あぁぁっ‥‥‥やだぁぁぁっ‥‥‥れいらぁぁっっ‥‥‥」
閉じたその重い扉に・・・・暁は膝から崩れ落ち床に額をこすり付けた。
ボタボタと涙で床を濡らし、暁の悲しい泣き声は礼蘭が変わり果てた姿で出てくるまで響いていた。
「ぁぁぁぁっ‥‥‥なんでぇぇ‥‥‥うぅぅ~っ‥‥‥れいっ‥‥‥っ‥‥」
もう‥‥‥触れられない‥‥‥
俺達の幸せな時間は‥‥‥戻ってこない‥‥‥。
「・・・・・・・・・・・・・。」
骨になった礼蘭を、暁は目と頬を真っ赤にして出迎えた。
若く健康だったら礼蘭の骨、その小ささに暁はため息のような泣き声をあげた。
「はぁ~・・ぁ・・・ぁぁああ・・・っっ・・・ちいせぇ・・・っ・・・・。」
袖で目を覆った。現実から逃げ出したかった・・・。
初めて・・・礼蘭がもう・・・存在しないのだと・・・諦めに似た感情が生まれた。
骨じゃ・・・抱きしめてあげられない・・・・。
手の中で握ってあげられる事しかできない・・・・・・。
もう・・・・礼蘭は・・・・俺を抱きしめてはくれない・・・・・・。
同じ時を・・・過ごしていくことはできない・・・・・。
小さな子供のように泣いて・・・人が呆れるほど・・・引くほど泣いて・・・。
引き摺られて・・・礼蘭から引き離されて・・・・。
こんな俺を・・・礼蘭は嫌いになってしまうかな・・・・・。
みんなの言う天国って・・・・・礼蘭の居る天国って・・・・・。
どうやったら・・・・行けるの・・・・・・・・?
なぁ・・・礼蘭は・・・・・俺がいないところで・・・・
今・・・・どうしてるの・・・・・?
天国ってところに・・・いけるの・・・・・?
そこは・・俺といるより・・幸せで居られるの・・・・・?
だったら・・・・俺も・・・・そっちに行きたい・・・・・。
礼蘭がいないなんて・・・・俺は・・・耐えきれそうにないよ・・・・・・。
会いたいよ・・・・・・。
なぁ礼蘭・・・・・。俺の愛してるは・・・・・あんな電話越しでよかったの・・・・?
愛してる・・・・。
愛してるよ・・・・・・。
俺の愛してるは・・・・・・今も・・・・ちゃんと届くの・・・・・・?
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
結城芙由奈
恋愛
浮気ですか?どうぞご自由にして下さい。私はここを去りますので
結婚式の前日、政略結婚相手は言った。「お前に永遠の愛は誓わない。何故ならそこに愛など存在しないのだから。」そして迎えた驚くべき結婚式と驚愕の事実。いいでしょう、それほど不本意な結婚ならば離婚してあげましょう。その代わり・・後で後悔しても知りませんよ?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載中
王妃の手習い
桃井すもも
恋愛
オフィーリアは王太子の婚約者候補である。しかしそれは、国内貴族の勢力バランスを鑑みて、解消が前提の予定調和のものであった。
真の婚約者は既に内定している。
近い将来、オフィーリアは候補から外される。
❇妄想の産物につき史実と100%異なります。
❇知らない事は書けないをモットーに完結まで頑張ります。
❇妄想スイマーと共に遠泳下さる方にお楽しみ頂けますと泳ぎ甲斐があります。
【完結】今夜さよならをします
たろ
恋愛
愛していた。でも愛されることはなかった。
あなたが好きなのは、守るのはリーリエ様。
だったら婚約解消いたしましょう。
シエルに頬を叩かれた時、わたしの恋心は消えた。
よくある婚約解消の話です。
そして新しい恋を見つける話。
なんだけど……あなたには最後しっかりとざまあくらわせてやります!!
★すみません。
長編へと変更させていただきます。
書いているとつい面白くて……長くなってしまいました。
いつも読んでいただきありがとうございます!
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる