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その目を凝らして 5
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「殿下、お茶をお持ちしました。」
ちょうど荷を運んでいて、扉が開いていた。
イーノクとフランクも部屋の中で待機している。
「あぁ、伯爵ありがとう。」
「とてもいい香りがします。」
2人のメイドが持ってきた紅茶は、運ぶたびにいい香りがした。
そのうち手際のいいメイドがカップに注いだ。
紅茶はほのかに柑橘系の匂いがする。
「ランドールはオレンジがとても豊作で、品質も良く、紅茶と合わせると爽やかな味わいになります。」
オレンジティーか‥‥前世にもあったな‥
テオドールは心の中で呟いた。
後ろで控えているメイドの熱い視線がチラついた。
それをみて、紅茶の中身を確認した。
まぁ‥‥毒は入ってないようだが‥
「‥‥リリィ、熱いから気をつけて‥」
そういうと、向き合った皇太子は、リリィベルの紅茶を持った手を自分の口元へ寄せて、ふーっと息を吹きかけた。
「‥っ‥殿下ぁ‥‥」
頬を赤く染めて、リリィベルは軽い抗議をした。
「お前が火傷したら困るんだ。黙っていろ‥。」
上目遣いで、リリィベルを見ながらふーっと数回息をかけた。
後ろのメイド頬を染めてこちらを見ているのは分かってる。
普通は、この様な姿を直視するメイドは居ない。
現に紅茶を注いだメイドは下を向き目線を上げることはない。
「後ろのお前‥‥もう下がっていろ。」
テオドールは、鋭い目をそのメイドに向けた。
「あっ‥‥もっ‥申し訳ありませんっ‥」
慌てて頭を下げた。
「皇太子殿下を直視するなど!何を考えているんだ!
もう下がりなさい!」
クーニッツ伯爵は慌ててメイドを叱ると腕を引き後ろへ退けた。
そして、皇太子に向け、伯爵は頭を下げた。
「皇太子殿下、申し訳ありませんっ‥。最近我が屋敷に来た者で‥‥。」
皇太子は、リリィベルのカップから手を離した。
「‥平民か?」
「あっ‥はい‥路地に倒れている所を妻が見つけて、不憫に思い家でメイドの見習いを‥。聞けば西部にいたそうなのですが、身寄りがないそうで‥何日も彷徨っていたようです。」
「名は?」
「サリーと申します。」
「サリー。あの者は、ここへきて何日になる?」
「はぁ‥‥‥1ヶ月ほどでしょうか‥‥」
「そうか‥‥‥まぁいい、私達の世話には近づけさせない様にしてくれ。」
本当に身寄りがなく拾われた者なのか‥
皇太子を真っ直ぐ見つめる程、教養がない者か‥
貴族の屋敷に勤めるならば、あれではいつか怒りを買ってしまうだろう。
とにかく、用心しなければならない事は一つ増えた。
「紅茶を飲み終わったら、領地に出掛けてみよう。
クーニッツ伯爵、この領地で栄えている名所と、逆にそなたが改善を望む場所を教えてくれ。」
「はい、殿下。ランドールは先程申した通り、オレンジや果物が豊富です。ランドールの出店に並ぶ果物はとても美味しいですし、賑わっておりますよ!
ホテル事業も以前ランドール侯爵が手掛けておりましたが、ブリントン領地やヘイドン領地にもランドールのホテルがあります。」
「そのホテルの名は?」
「ラグロイアと申します。」
「あぁ、ラグロイアはこの地が本店か?」
「はい殿下、ランドール侯爵がオーナーでしたが、私が管理をしていた為業務上支障はありません。他の地も私が責任を持って管理しております。」
「お前1人では無理なはずだが?」
「はい、ロラン・ゲトラン子爵家からもホテルの副支配人の者を出させております。あとは平民達を教育し業務に当てております。」
「‥‥ゲトラン子爵か‥‥」
確かゲトラン子爵家には、息子が居たな‥‥
暗殺の類には関与していなかった。どうやら問題はなさそうだ。
「では、そのホテルがあるラグロイアある大通りと、子爵に会うとするか‥」
「殿下、明日にはここを立たれるのですか?」
「まぁ、そうだな‥‥」
「ラグロイアのスイートルームにご宿泊されるのはいかがですか?」
「空いてるのか?」
「はい‥その‥‥数多の貴族が没落致しましたので、スイートルームのご宿泊はあれからありません。」
「左様か‥‥だが、仕方がない。爵位が高い者共が今回の件に関わっていた。そなたも知っているだろう。」
「はい、承知しております。」
皇太子はリリィベルを見つめた。
「リリィ、スイートルーム泊まりたいか?」
「えっ‥‥?あ、ですが‥日程が‥」
「数日で片がつくとは考えていないから、余裕を持っている。ホテル事業も視察のうちだ。問題はない。」
「それでしたら‥‥」
リリィベルの顔は綻んだ。
「ではそうしよう。とりあえず、大通りへ行こうか。」
「はい殿下‥‥」
2人は手を繋いで部屋を出ようとした。
「あ、リリィベル様!その前にお化粧直しを‥」
「そうね‥。殿下、少し整えて参ります。」
「あぁ、ではカタリナ、宜しく頼んだぞ。」
「はい、皇太子殿下。」
リリィベルとカタリナはメイクルームに移動した。
その姿を見送りテオドールはソファーに座り直した。
パラパラと資料を見直す。
「イーノク、騎士団達に出発すると伝えろ、団員人数は5名。
あとフランク、カタリナだ。」
「「畏まりました。」」
イーノクとフランクは揃って返事をした。
ロラン・ゲトラン子爵
ロランはベルシュと同年代だが、息子は17歳。
ベルシュ達が遅くに子を設けた。
息子もホテル事業に携わっている。婚約者‥はいない。
‥‥17歳なら婚約者が居てもおかしくないのに‥
「‥‥ふーん‥‥」
「あ、伯爵、お前が改善を望む話はあるか?」
「あ・・・そうですね・・・どこもそうかもしれませんが、私には幼い子が2人います故、
孤児院を気にかけて出来る支援をしておりますが、限度が御座います。
支援しているはずなのに、施設内がなかなか改善が見られないのです・・・。
確かに食費だけでも莫大だと思い、出来るだけの支援をしているのですが・・・。」
「そうか、その孤児院にも行ってみよう・・・。」
クーニッツ伯爵は嬉しそうに笑った。
「ありがとうございます殿下・・・。皇太子殿下にお会いできるだけでも子供たちは喜びます。」
「・・・そなたは、自分の子のみならず、身寄りのない子も気にしているのだな。」
クーニッツは今度は照れくさそうに笑った。
「我が家はずっと子が出来ず、妻も苦しんでおりました。
私達にやっと授かった大切な子供たちです。一人目が出来た後、翌年にも二人目に恵まれて、宝のような存在です。
孤児院には不憫にも捨てられた者・・・親を亡くした子。
私は、彼らが独り立ちできるように支援していきたいのです。」
「そうか・・・それで、ホテル事業にも精を出しているのだな・・・。」
「殿下には・・・お見通しで御座いますね・・・。孤児院から何人か引き取り10代を過ぎた子達は雑用係として働かせています。あと少しニコライとアイザックが産まれるのか遅ければ孤児院から引き取るつもりで支援をしておりました。」
「・・・そうだったか・・・そなたの様な者が居て、子供たちはさぞ幸せだ・・・。」
皇太子は、伯爵のその言葉が胸に響いていた。
よほど子供を望み、子供が好きで不憫に思っていたのだろう。
真っ先に孤児院の支援を申し出たのだから。
問題は、その孤児院を管理している者だ。
皇帝陛下の御世に、不届き者は置いておきたくない。
リリィベルの暗殺者の成功報酬として積まれた金は、没収している。
それを帝国中の支援金にすると皇帝と考えていたところだ。
「テオドール殿下、お待たせいたしました。」
リリィベルが、メイクルームから戻ってきた。
「リリィ、では行こうか。」
「はい、殿下。」
2人はエスコートではなく手を繋いで部屋を出た。
それを見て、クーニッツ伯爵は笑みを浮かべた。
「本当に・・・仲が良いお二人だ・・・。」
先日前まで残酷な処刑があったが、この姿を誰が引き裂こうとするか・・・2人を引き裂こうとする者達の気持ちが分からない程、彼は愛妻家だった。
ちょうど荷を運んでいて、扉が開いていた。
イーノクとフランクも部屋の中で待機している。
「あぁ、伯爵ありがとう。」
「とてもいい香りがします。」
2人のメイドが持ってきた紅茶は、運ぶたびにいい香りがした。
そのうち手際のいいメイドがカップに注いだ。
紅茶はほのかに柑橘系の匂いがする。
「ランドールはオレンジがとても豊作で、品質も良く、紅茶と合わせると爽やかな味わいになります。」
オレンジティーか‥‥前世にもあったな‥
テオドールは心の中で呟いた。
後ろで控えているメイドの熱い視線がチラついた。
それをみて、紅茶の中身を確認した。
まぁ‥‥毒は入ってないようだが‥
「‥‥リリィ、熱いから気をつけて‥」
そういうと、向き合った皇太子は、リリィベルの紅茶を持った手を自分の口元へ寄せて、ふーっと息を吹きかけた。
「‥っ‥殿下ぁ‥‥」
頬を赤く染めて、リリィベルは軽い抗議をした。
「お前が火傷したら困るんだ。黙っていろ‥。」
上目遣いで、リリィベルを見ながらふーっと数回息をかけた。
後ろのメイド頬を染めてこちらを見ているのは分かってる。
普通は、この様な姿を直視するメイドは居ない。
現に紅茶を注いだメイドは下を向き目線を上げることはない。
「後ろのお前‥‥もう下がっていろ。」
テオドールは、鋭い目をそのメイドに向けた。
「あっ‥‥もっ‥申し訳ありませんっ‥」
慌てて頭を下げた。
「皇太子殿下を直視するなど!何を考えているんだ!
もう下がりなさい!」
クーニッツ伯爵は慌ててメイドを叱ると腕を引き後ろへ退けた。
そして、皇太子に向け、伯爵は頭を下げた。
「皇太子殿下、申し訳ありませんっ‥。最近我が屋敷に来た者で‥‥。」
皇太子は、リリィベルのカップから手を離した。
「‥平民か?」
「あっ‥はい‥路地に倒れている所を妻が見つけて、不憫に思い家でメイドの見習いを‥。聞けば西部にいたそうなのですが、身寄りがないそうで‥何日も彷徨っていたようです。」
「名は?」
「サリーと申します。」
「サリー。あの者は、ここへきて何日になる?」
「はぁ‥‥‥1ヶ月ほどでしょうか‥‥」
「そうか‥‥‥まぁいい、私達の世話には近づけさせない様にしてくれ。」
本当に身寄りがなく拾われた者なのか‥
皇太子を真っ直ぐ見つめる程、教養がない者か‥
貴族の屋敷に勤めるならば、あれではいつか怒りを買ってしまうだろう。
とにかく、用心しなければならない事は一つ増えた。
「紅茶を飲み終わったら、領地に出掛けてみよう。
クーニッツ伯爵、この領地で栄えている名所と、逆にそなたが改善を望む場所を教えてくれ。」
「はい、殿下。ランドールは先程申した通り、オレンジや果物が豊富です。ランドールの出店に並ぶ果物はとても美味しいですし、賑わっておりますよ!
ホテル事業も以前ランドール侯爵が手掛けておりましたが、ブリントン領地やヘイドン領地にもランドールのホテルがあります。」
「そのホテルの名は?」
「ラグロイアと申します。」
「あぁ、ラグロイアはこの地が本店か?」
「はい殿下、ランドール侯爵がオーナーでしたが、私が管理をしていた為業務上支障はありません。他の地も私が責任を持って管理しております。」
「お前1人では無理なはずだが?」
「はい、ロラン・ゲトラン子爵家からもホテルの副支配人の者を出させております。あとは平民達を教育し業務に当てております。」
「‥‥ゲトラン子爵か‥‥」
確かゲトラン子爵家には、息子が居たな‥‥
暗殺の類には関与していなかった。どうやら問題はなさそうだ。
「では、そのホテルがあるラグロイアある大通りと、子爵に会うとするか‥」
「殿下、明日にはここを立たれるのですか?」
「まぁ、そうだな‥‥」
「ラグロイアのスイートルームにご宿泊されるのはいかがですか?」
「空いてるのか?」
「はい‥その‥‥数多の貴族が没落致しましたので、スイートルームのご宿泊はあれからありません。」
「左様か‥‥だが、仕方がない。爵位が高い者共が今回の件に関わっていた。そなたも知っているだろう。」
「はい、承知しております。」
皇太子はリリィベルを見つめた。
「リリィ、スイートルーム泊まりたいか?」
「えっ‥‥?あ、ですが‥日程が‥」
「数日で片がつくとは考えていないから、余裕を持っている。ホテル事業も視察のうちだ。問題はない。」
「それでしたら‥‥」
リリィベルの顔は綻んだ。
「ではそうしよう。とりあえず、大通りへ行こうか。」
「はい殿下‥‥」
2人は手を繋いで部屋を出ようとした。
「あ、リリィベル様!その前にお化粧直しを‥」
「そうね‥。殿下、少し整えて参ります。」
「あぁ、ではカタリナ、宜しく頼んだぞ。」
「はい、皇太子殿下。」
リリィベルとカタリナはメイクルームに移動した。
その姿を見送りテオドールはソファーに座り直した。
パラパラと資料を見直す。
「イーノク、騎士団達に出発すると伝えろ、団員人数は5名。
あとフランク、カタリナだ。」
「「畏まりました。」」
イーノクとフランクは揃って返事をした。
ロラン・ゲトラン子爵
ロランはベルシュと同年代だが、息子は17歳。
ベルシュ達が遅くに子を設けた。
息子もホテル事業に携わっている。婚約者‥はいない。
‥‥17歳なら婚約者が居てもおかしくないのに‥
「‥‥ふーん‥‥」
「あ、伯爵、お前が改善を望む話はあるか?」
「あ・・・そうですね・・・どこもそうかもしれませんが、私には幼い子が2人います故、
孤児院を気にかけて出来る支援をしておりますが、限度が御座います。
支援しているはずなのに、施設内がなかなか改善が見られないのです・・・。
確かに食費だけでも莫大だと思い、出来るだけの支援をしているのですが・・・。」
「そうか、その孤児院にも行ってみよう・・・。」
クーニッツ伯爵は嬉しそうに笑った。
「ありがとうございます殿下・・・。皇太子殿下にお会いできるだけでも子供たちは喜びます。」
「・・・そなたは、自分の子のみならず、身寄りのない子も気にしているのだな。」
クーニッツは今度は照れくさそうに笑った。
「我が家はずっと子が出来ず、妻も苦しんでおりました。
私達にやっと授かった大切な子供たちです。一人目が出来た後、翌年にも二人目に恵まれて、宝のような存在です。
孤児院には不憫にも捨てられた者・・・親を亡くした子。
私は、彼らが独り立ちできるように支援していきたいのです。」
「そうか・・・それで、ホテル事業にも精を出しているのだな・・・。」
「殿下には・・・お見通しで御座いますね・・・。孤児院から何人か引き取り10代を過ぎた子達は雑用係として働かせています。あと少しニコライとアイザックが産まれるのか遅ければ孤児院から引き取るつもりで支援をしておりました。」
「・・・そうだったか・・・そなたの様な者が居て、子供たちはさぞ幸せだ・・・。」
皇太子は、伯爵のその言葉が胸に響いていた。
よほど子供を望み、子供が好きで不憫に思っていたのだろう。
真っ先に孤児院の支援を申し出たのだから。
問題は、その孤児院を管理している者だ。
皇帝陛下の御世に、不届き者は置いておきたくない。
リリィベルの暗殺者の成功報酬として積まれた金は、没収している。
それを帝国中の支援金にすると皇帝と考えていたところだ。
「テオドール殿下、お待たせいたしました。」
リリィベルが、メイクルームから戻ってきた。
「リリィ、では行こうか。」
「はい、殿下。」
2人はエスコートではなく手を繋いで部屋を出た。
それを見て、クーニッツ伯爵は笑みを浮かべた。
「本当に・・・仲が良いお二人だ・・・。」
先日前まで残酷な処刑があったが、この姿を誰が引き裂こうとするか・・・2人を引き裂こうとする者達の気持ちが分からない程、彼は愛妻家だった。
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