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最後の演目

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「陛下・・・・」
ロスウェルが、皇帝の耳元で声をかけた。
「どうした?」

「このホールを囲むように、害のある者が入り込んでいます。」
「なんだと?」
「今夜は、舞踏会ですから・・・この会場の結界は他の者を受け入れます。
ですが、明らかに武器を所持した者が近くに寄っています。」

ロスウェルの話に、皇帝は眉を寄せた。
「・・・何人だ?」

「6人です。」
「そうか・・・。武器を持った者はこのホールに入り込んだか?」
「3人、外に・・・・。」
「ではあとの3人は?」

「今、ピアとフルー・・・リコーの側におります。三人からも念話が届いています。」
「狙っている先は?」

ロスウェルが、鋭い目つきでその先をみた。
「はい・・・。リリィベル嬢を・・・・・」
「なるほど、では、これが侯爵の言っていた・・・・。」
「暗殺者ですね。この規模で武器を振り回されたら台無しです。」
「ハリーにも伝わっているか?」
「はい。すでに皇太子様も警戒されております。」

「・・・・捕らえられそうか?」
「会場内で・・・私たちが捕らえる事は出来ますが、不自然に映る事でしょうね。」

「・・・・そうか、お前たちは攻撃魔術はほとんどないからな・・・・。」
「はい、お守りするための魔術、拘束するものがほとんどです。」
「侯爵は、気づいていそうか?目線を探れ。」

ロスウェルが見た侯爵は素知らぬ顔だった。
「いえ、来ることを知ってはいるでしょうが、顔見知りではないでしょう。」
「だろうな・・・。今夜襲撃する事だけだったか・・・・。」

皇帝は決して目線を動かさない。
「・・・・ロスウェル。」
「はい。陛下。」

「庭に・・・・アレを。そして、暗殺者たちをテオドールの前に転移させ、処理するように伝えろ。
あいつは、剣術が得意なのだ。リリィベルはハリーに守らせるように。私達もリリィと共に居る。

好きにやれとな。頑丈な木刀を持たせてやれ。血の雨を降らせる訳にはいかないからな。」

「・・・畏まりました。侯爵一家の動きをドラとリコーに監視させておきます。」
「あぁ、信じているぞ。リリィベルには余興だとするようにと、皇太子に伝えろ。」

「はい。すでに・・・。」

「そうか。舞台を整えてやれ。」
「仰せのままに・・・。」

皇帝は皇后の肩を抱き寄せた。
「皇后、また一つ楽しみが出来たぞ?」
「え?・・・何か?私の知らない催し物がありました?」
「あぁ、我が息子の勇ましい姿を見られるぞ。リリィと一緒に鑑賞しよう。」
皇帝はニヤリと笑う。


その頃、テオドールとリリィベルは庭に出て行った。
「テオ様?どうされました?」
訳も聞かされず、皇太子に手を引かれて歩く。
「何でもない。これから、お前の為に舞台を見せてやろうと思ってな?」
外灯の光で照らされたテオドールの顔は強気に満ちていた。

その瞬間・・・・・。


パァァァン

「えっ?」
リリィベルが夜空を見上げた。

夜空に火の花が咲く。

「どうだ?綺麗だろ?・・・・そこで、見ていてくれ?」

たくさん夜空に花火が舞い上がる。その光景を見に会場の人々が庭にやってくる。

リリィベルの側に皇帝と皇后がやってきた。3人はテオドールから離れ後ろへ下がる。


「さぁ、集まれ害虫・・・・。」
ロスウェルは、パチンと指を鳴らした。


花火が一瞬消えた時を見計らって、テオドールの前に暗殺者6名が現れた。
テオドールの手には木刀が握られている。

「へっ・・・・お前らも舞えよ。存分にな!」
テオドールはまず一人、目の前の暗殺者の前頭部に面打ちした。
よろめいた暗殺者に、流れるように次の者から次の者へと胴を撃ちきり、軽やかに戦い舞う。
武器を取り出す者もいるが、テオドールが手首を撃ち武器は手から落とされる。
テオドールの動きも読むことが出来ない。

テオドールの打ち込みの舞いに、会場の人々はそれが暗殺者だとは思わないだろう。
ただ、テオドールは木で出来た木刀で撃っているだけ。
ほとんどが手を出せずに黒ずくめの男たちが撃たれてよろめいている。
手首を撃ち叩き、武器を落とさせ、流れるように次の男に向かい手首と頭と胴を撃ち、また流れる。

背景の綺麗な花火。演出する皇太子の大立ち回り、もう拍手と歓声があがっている。


その光景を見ていたリリィベルは頬を赤く染めた。
テオドールの剣を振り回している姿は初めて見た。

軽やかな足取りで、鋭い剣捌き、靡く銀色の髪が花火の光で色鮮やかに光っては消える。
幻想的な光景に見えた。

そして・・左足で力強く踏み出し、右足が地面を付くと同時に振り下ろした木刀が鋭く相手の頭を叩く・・・・。


「・・・・・剣・・・・・・ど・・・・・・?」

まるで幻を見ているような表情で、ぽつりとリリィベルは呟いた。

6人全員が床に倒れた時、皇太子の背の夜空に大輪の花が咲く

テオドールが、スッっと立ち止まった瞬間にワァァっと大歓声が上がる。

「安心しろ。ただ余興だ。楽しかったか?」
木刀を肩にかけ、テオドールは笑った。



あぁ・・・・・花・・・・・火・・・・が・・・・・?



「どうだ皆の者!皇太子の剣術は見事だろう?この悪い奴らは地下牢にでも放り込んでおくとしよう!」
まるで暗殺者ではない、冗談だと言わんばかりの明るい声で、皇帝は言った。
楽し気な雰囲気とは逆に、オリバンダー侯爵一家は苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべていた。

「っ・・・なんだ・・・・これは・・・・・」
暗殺者ではない?これは余興?どういう事だ?本当に違うのか?
オリバンダー侯爵は爪を噛んだ。まるで訳が分からない。

もしあれが本当に暗殺者だったなら?彼らは知りながらこんな演出を?
だが、夜空に舞ったあれは、用意しなければ当然出来るものではない。
本当に演出だったのか?暗殺者はまだ来ていないのか?

「っ・・・しかも・・・なんだあれは・・・・」

皇太子の剣術は並外れていた。騎士たちが称賛する理由が分かる。
あんな立ち回りは、見たことがない。
一切動きを止めず、相手を流れるように撃ち続けて・・・・。
レイブも同じような事が出来るか?いや、あんな動きが出来る者は皇室騎士団でも皇帝と皇太子が率いる
第1騎士団と第2騎士団にいるのか?なら第3騎士団は・・・・?

オリバンダーはレイブを見た。
「・・・・・・。」
悔し気な表情をして皇太子を見ている。
「レイブ・・・あの殿下の動きは・・・。」

「あれは・・・殿下が・・・殿下と第2騎士団の精鋭達のみです・・・・。
それでも、殿下に敵う者はおりません・・・。あの剣術は・・・特殊で・・・。」

レイブのその言葉に、オリバンダーは・・・笑みを浮かべたのだった。


あぁ・・・そうか、あんな強い者に守られている。

奪い甲斐があるじゃないか・・・・。


強き者が守る者・・・・・


奪いたい。奪ってやりたいぞ・・・・。


「テオ様っ!」
「リリィ!どうだ?面白かったか?」
「すごいです殿下!まるで舞っているようでした!」
「ははっ」
目を真ん丸くして、興味津々のリリィベルの顔にテオドールは笑い声をあげた。

これは暗殺者たちだが、何も知らずにそう言うリリィベルが可愛らしかった。
それにあの演出。


「・・・・・夜空も・・・綺麗だっただろ・・・・?」
少し瞳を震わせて、テオドールはリリィベルを見つめた。


花火・・・・。出来れば並んで、見て居たかった・・・・・。


「はい・・・とても・・・・」
リリィベルは、テオドールの服を掴み、背伸びをしてテオドールに口づけた。

「んっ・・・・・」
テオドールが声を漏らす。


あの時も、お前は花火の夜に、俺に・・・・キスをしてくれたな?


テオドールはリリィベルの身体を抱きしめた。リリィベルの足が、床から浮く。


俺たちは、あの頃と、何も変わっていないな・・・・。
魂で、繋がっているんだな・・・。


身を離した2人を見計らって、皇帝と皇后が側に来た。
「テオ、見事だ。」
皇帝は満足していた。暗殺者たちを余興のように潰すことができたのだから・・・。

「父上、この者たちを」
「あぁ、わかっている。地下牢行きだ。全員気を失っているしな。」
倒れている暗殺者たちを見下ろし、ため息をついた。
「ギルドをまた、潰せそうだ。」
「はい。」
「とにかく見事だったぞ。」
「ありがとう御座います。」


皇帝は人々に向かい口を開いた。
「さぁ!これで今夜はお開きだ。」


皇太子の大立ち回りを最後に、婚約記念パーティーは幕を閉じる。



++++++++++++++++++++++++++++++++

「・・・・今なんて言ったの・・・・?」

「で・・・すから・・・。」
「なんて言ったのよ!!!!」

皇太后が自室でメイドの頬を扇子で叩いた。
「皇帝陛下が・・・グラスをすべて保管されております・・・・。」

わなわなと震える皇太后。メイドは頬を押さえて涙を流した。
メイドはヘイドン侯爵家が連れてきた内通者だ。パーティーの様子を探るためだった。

「じゃあ・・・皇后は何も口にしていないのね・・・・?」
「・・・・何も口にしていない訳ではありませんが・・・・。」
「毒入りを全部?」
「あの陛下が・・・余興をするとおっしゃいまして・・・グラスを全部積み重ねて・・・
皇太子殿下とリリィベルに贈りものだと・・・。」

「どうして急にっ・・・偶然なの!?」

「わっわかりませんが、お二人はグラスを分け合って飲み物を召し上がっておりましたので・・・。」
「・・・そう、では・・・気づいたのね?」

皇帝陛下は幼少期から毒に慣れされている。だからか、異変に気付いた?
少しの量なら、皇帝には効かないだろう・・・
いや・・・・それとも・・・・魔術師?

魔術師はそんなことまで出来るの?でも分からない・・・。
どこまで出来るかなんて教えられていないのだから・・・・。

悔しい・・・皇后にも権利があったなら・・・・。

「・・・直々に・・・あの娘をやるしかないわね・・・・。」
皇太后は、忌々しそうに顔を歪ませた。


++++++++++++++++++++++++++++++++

「あぁぁっ・・・・リリィっ・・・・・。」
オリバンダー侯爵の別邸では、レイブが狂っていた。

悔しい。憎らしい。
リリィベルと踊る皇太子が、リリィベルと口づけする皇太子が・・・・。
あの身体を抱いて、見つめ合う姿が・・・・。

レースに隠れて身を寄せ合う。あの影を見て興奮は抑えられなかった。
そうだ、自分だと思えば、何度でも高みへ行けた。

例え。代わりの金髪の女を抱いても、あらゆる想像を膨らませて。
今日の姿を思い出して。

開幕のダンスで、皇太子と口づけを交わす姿は女神の悪戯だ。

他の男に口づけする姿で、誘惑してくる。

もはやそれすらも興奮する。


あのレースの中で、自分なら何をする?

今の様に、欲望のままに貫いてやろうか・・・・。

「レイブ、代われ・・・。」
隠し部屋にモリスが現れた。

「兄上っ・・・まだっ・・・俺はっ・・・・」
「お前だけじゃないんだ。もう一人金髪の女を増やそう・・・。
三人に一人では、一晩経てば声も出せなくなってしまう。」

そう言って、金髪の女性の顎を掴んだ。
そして、自身の欲をその口に放り込む。

「あぁ・・・リリィベル様・・・・」
瞳を閉じれば、あの姿が蘇る。眩しい笑みと、口づけする横顔。
その唇を思い出す。

けれど、いつも皇太子がその唇を奪うのだ・・・・・。

「くそっ・・・・もっと咥えろっ!!!リリィっ!!!!」
金髪を引っ張り押し込める。


皇太子が憎い・・・・


リリィと呼びたい。あの細い身体を抱く皇太子が憎い・・・・。

何度・・・・一体何度口づけを交わしたんだ・・・・・。

獣の様に・・・・今も、そうなのか?
2人は寝室を共にしている。結婚前にもう初夜を・・・・?

あぁ許せない・・・なぜ、その地位に立ってまで、綺麗なあの女神の唇までも・・・
そんなに手に入れないと気が済まないのか?

あぁ憎い・・・・。殺してやりたい。目の前で奪ってやりたい・・・・。


気が狂った隠し部屋では、生臭い匂いが充満していた。

++++++++++++++++++++++++++++++

「ふふっ・・・いい気分だわ。」
ライリーは鏡を見ながら唇を触った。

私の唇が触れたグラスを殿下も触れたわ・・・・。
私と唇を合わせたも同然よ・・・。あぁいい気分・・・。

あの女から、一度だけでも奪ってやった・・・。

どんなにあの女が私の王子様と唇を重ねようとも・・・。
一度は奪ってやったわ・・・。

間接的でもいい。私の唇を・・・・。
そう思ったら、胸がときめいた。

絶対、今度も・・・・奪ってやるわ・・・・。

奪って、奪って奪って・・・私の元へ・・・・落ちてきてもらうのよ・・・。
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