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【226.5話】 狂騎士の斧作戦23日目
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狂騎士の斧作戦23日目
今日が事実上作戦最終日となっている。
19日目にはミスニスとバンディが見張っていたコードネーム・ジャックと呼ばれる一団のアジトを壊滅に追い込んだ。
こちらは6名程の盗賊団、賞金首はいなかったものの囚われの女性一名を救出。荷物を回収し、賊は情報を聞き出した後に始末された。
リリアももちろん参加はしたがチャト団と同様、あっけなく作戦が遂行されたので保護された女性のお世話役をしていた。
ターゲットの印をつけた荷物の回収も効率良く、その後も同じ様に撒き餌をして居場所を特定していく予定だったが、20日目の午後ビケットが「ここで一区切りしておこう」と言い出した。
密かに作戦遂行といっても山中にいる他の盗賊団に感づかれ始めたようだ。
警戒が強まり、あるいはアジトを捨てて逃走する者が増えだした。
「我々の後について賞金を狙っていた者達も動いていたし、さすがに突然盗賊団が二グループも消えたら異変に気がつくな」ビケットが言う。
その日の夕方にターゲットの魔法を施したアイテムが数点道端に放置され、リリア達ステルス班とパッケージ追跡の魔法使い班で二つの盗賊団を特定できた。
「本来ボランティアはしないが、今回は稼ぎが良かったしなるべくなら国民が犠牲にならない事を願う気持ちは私も変わらない。特定出来た居場所と今までの情報を保安部に知らせたところ、23日に大物取りとなるようだ。そこで23日までこのまま諸君を雇うので山狩りから逃げる賊の中に賞金首を発見し捕まえてくれたらボーナス上乗せだ」ビケットが説明した。
要はちまちま時間をかけていられなくなったので一網打尽ついでに最後におこぼれが拾えたらラッキー的な感じだ。
「23日の作戦だが… 特に指示はない。正直私にも予想し難い。今までの情報は全部開示するので各自自分で予想して待ち伏せしてくれ。日没には全員事務所に集合して最後の確認を行う。我々は既に戦果を出している。くれぐれも無理をしないように、それから功を焦って保安部の邪魔になるような行動、仲間を危うくする行動は慎むように」
ビケットとしてはこれ以上、それほど期待していないようだ。
まだ大物が潜んでいるという情報もあるが、日数をかけても仕方ないけど最後にワンチャンあるかな?的なところだろう。
「おいリリア、おまえこういうの得意そうだな、組んでやろうぜ」
リリアは声をかけらたが、
「あたしは接近戦を避けたいから山沿いの道を見張って出てきたやつを射る予定だよ。ってか、捕まっている人達がいるのが気になるから賊がどうのより、その人たちを助けたいけどねぇ」
リリアは断った。
リリアはダーゴだけ連れてどこか道を見張る予定。
狂騎士の斧作戦23日目、最終日
リリアはダーゴを連れてルーダ港に近い街道筋を見張れる場所を陣取った。
他のメンバーにもリリア達の居場所は知らせてある。何か動きがあったらお互いに連絡を取る予定だ。
鼻が利くデューイ達や他の接近戦を得意とする者達は兵士達の動きに合わせて山中を行動するようだ。
リリア達は一番早起きして見張っていていると、ビケットのメンバー達が思い思いに出かけて行くのが観測地点から見えた。
「お!皆、出かけて行ってるね。ミスニスはレネギウスとパーシィ達と行くのか、意外な組み合わせね。ディ―イとバンディは二人とも鼻が利くから良いコンビだよね。ネネとブランカ… あまり話をしているところ見ないけど仲がよかったんだ…」
リリアが見ていると朝一番発の商隊や旅行者に混じって山に向かうのが見えた。
「ドッグスのメンバーが出て行ったね。あいつらリリアのこと散々言っておいて結構リリアを追跡してきてたんだよ。あたしね知ってたから山の中でまいてやったんだよ、えっへっへ。お!アスラン達のグループ、それに… リオンとジェシカ達も参加していたのか…ふーん… 魔法が強くてもリリアみたいに山を熟知していないと追跡は大変だろうねぇ…」リリアが呟く。
「結構嫌なやつだな、リリア」ダカットが言う。
「オイラもこれ以上は無理することないと思うよ、リリアをここでアシストするのがちょうどだ」ダーゴが言う。
もともとゴブリンは数と俊敏さと地の利を生かして戦い、正面きっての戦闘にはあまり向かない種族だ。
それからちょっとして結構な数の巡回兵が小隊になって次々と出発していく。
「へぇ… 集まると結構数がいるのね。でも野山を走り回るのにあの数ではねぇ… あんなに物々しく出発していったらガサ入れがあることが今頃山中に響き渡ってるかもね。もう皆逃げだしているかもね」リリアが言う。
ダカットがリリアを見ているとどこか他人事のようだ、もうこれ以上は必死に稼ごうと言った感じではなさそう。その点ダカットは安心している。
「リリア、あなたお尻丸見えよ」
いきなり背後から声をかけられた。
「びっくりしたなぁ!ブリザとアメリアか… 心臓がでんぐり返しするかと思ったよ… ブリザ達は馬車で待機だと思ってたけど、ここで一緒に見張るの?」
「いや、もう少ししたら馬車で待機しているわよ。もうこれ以上は野山に入らないわよ」ブリザが説明する。
リリアはフムフムと頷く。ブリザの性格からしてもそんなところだろう。
「良くリリアの居場所がわかったのね」リリア。
「リリアのアイテムにターゲットの魔法をつけといたから追跡してきたのよ。全く気がつかないだなんてのん気よねぇ… えぇ?許可なくターゲットするのは違法?迷惑条令?… あのね、この業界ではタゲられて気がつかない間抜けな方が悪いのよ。 …大丈夫よ日没と共に効果は消えるわよ」ブリザは淡々としている。
「全く… 早く馬車で出なくてよいいの?… 慌てなくてもまだまだ出番なし?… まぁ、そうだけど… えぇ?リリアはどうしてこの場所で潜伏を選んだかって?… うーん… 正直どこいっても確率低そうだよね。結局裏手の山岳部か海岸沿いに東に逃げられたらどうしようもないじゃない。変にウロウロしないで、ダメだったら街にすぐ帰れる場所にしたんだよ。まぁ、街に逃げ込もうとする連中がいたらワンチャン捕まえられるかなぁ?程度だよ」リリアが説明する。
「ふーん…わりかしそれくらいの方が成果あるのかもしれないわね」
ブリザはそれだけ聞くと街へ戻って行った。
「さぁ、ダーゴ、ダカット、今日はリラックスして見張るわよ。とりあえず、お茶とザラメパン食べよ」
リリアはいきなり遠足気分のようだ。
「もうお茶の時間なのか?早いな」ダーゴが笑う。
「この前まであんなにストイックだったのに全然態度違うじゃないか」ダカットも苦笑いだ。
「どうせまだまだ時間かかるよ、皆でお茶したらリリアは居眠りする予定だから何かあったら起こしてね」
リリアはそういうと砂糖がたっぷりとかかったパンを配り始めた。
通りは朝初の商人たちの馬車が道を行く。
今日が事実上作戦最終日となっている。
19日目にはミスニスとバンディが見張っていたコードネーム・ジャックと呼ばれる一団のアジトを壊滅に追い込んだ。
こちらは6名程の盗賊団、賞金首はいなかったものの囚われの女性一名を救出。荷物を回収し、賊は情報を聞き出した後に始末された。
リリアももちろん参加はしたがチャト団と同様、あっけなく作戦が遂行されたので保護された女性のお世話役をしていた。
ターゲットの印をつけた荷物の回収も効率良く、その後も同じ様に撒き餌をして居場所を特定していく予定だったが、20日目の午後ビケットが「ここで一区切りしておこう」と言い出した。
密かに作戦遂行といっても山中にいる他の盗賊団に感づかれ始めたようだ。
警戒が強まり、あるいはアジトを捨てて逃走する者が増えだした。
「我々の後について賞金を狙っていた者達も動いていたし、さすがに突然盗賊団が二グループも消えたら異変に気がつくな」ビケットが言う。
その日の夕方にターゲットの魔法を施したアイテムが数点道端に放置され、リリア達ステルス班とパッケージ追跡の魔法使い班で二つの盗賊団を特定できた。
「本来ボランティアはしないが、今回は稼ぎが良かったしなるべくなら国民が犠牲にならない事を願う気持ちは私も変わらない。特定出来た居場所と今までの情報を保安部に知らせたところ、23日に大物取りとなるようだ。そこで23日までこのまま諸君を雇うので山狩りから逃げる賊の中に賞金首を発見し捕まえてくれたらボーナス上乗せだ」ビケットが説明した。
要はちまちま時間をかけていられなくなったので一網打尽ついでに最後におこぼれが拾えたらラッキー的な感じだ。
「23日の作戦だが… 特に指示はない。正直私にも予想し難い。今までの情報は全部開示するので各自自分で予想して待ち伏せしてくれ。日没には全員事務所に集合して最後の確認を行う。我々は既に戦果を出している。くれぐれも無理をしないように、それから功を焦って保安部の邪魔になるような行動、仲間を危うくする行動は慎むように」
ビケットとしてはこれ以上、それほど期待していないようだ。
まだ大物が潜んでいるという情報もあるが、日数をかけても仕方ないけど最後にワンチャンあるかな?的なところだろう。
「おいリリア、おまえこういうの得意そうだな、組んでやろうぜ」
リリアは声をかけらたが、
「あたしは接近戦を避けたいから山沿いの道を見張って出てきたやつを射る予定だよ。ってか、捕まっている人達がいるのが気になるから賊がどうのより、その人たちを助けたいけどねぇ」
リリアは断った。
リリアはダーゴだけ連れてどこか道を見張る予定。
狂騎士の斧作戦23日目、最終日
リリアはダーゴを連れてルーダ港に近い街道筋を見張れる場所を陣取った。
他のメンバーにもリリア達の居場所は知らせてある。何か動きがあったらお互いに連絡を取る予定だ。
鼻が利くデューイ達や他の接近戦を得意とする者達は兵士達の動きに合わせて山中を行動するようだ。
リリア達は一番早起きして見張っていていると、ビケットのメンバー達が思い思いに出かけて行くのが観測地点から見えた。
「お!皆、出かけて行ってるね。ミスニスはレネギウスとパーシィ達と行くのか、意外な組み合わせね。ディ―イとバンディは二人とも鼻が利くから良いコンビだよね。ネネとブランカ… あまり話をしているところ見ないけど仲がよかったんだ…」
リリアが見ていると朝一番発の商隊や旅行者に混じって山に向かうのが見えた。
「ドッグスのメンバーが出て行ったね。あいつらリリアのこと散々言っておいて結構リリアを追跡してきてたんだよ。あたしね知ってたから山の中でまいてやったんだよ、えっへっへ。お!アスラン達のグループ、それに… リオンとジェシカ達も参加していたのか…ふーん… 魔法が強くてもリリアみたいに山を熟知していないと追跡は大変だろうねぇ…」リリアが呟く。
「結構嫌なやつだな、リリア」ダカットが言う。
「オイラもこれ以上は無理することないと思うよ、リリアをここでアシストするのがちょうどだ」ダーゴが言う。
もともとゴブリンは数と俊敏さと地の利を生かして戦い、正面きっての戦闘にはあまり向かない種族だ。
それからちょっとして結構な数の巡回兵が小隊になって次々と出発していく。
「へぇ… 集まると結構数がいるのね。でも野山を走り回るのにあの数ではねぇ… あんなに物々しく出発していったらガサ入れがあることが今頃山中に響き渡ってるかもね。もう皆逃げだしているかもね」リリアが言う。
ダカットがリリアを見ているとどこか他人事のようだ、もうこれ以上は必死に稼ごうと言った感じではなさそう。その点ダカットは安心している。
「リリア、あなたお尻丸見えよ」
いきなり背後から声をかけられた。
「びっくりしたなぁ!ブリザとアメリアか… 心臓がでんぐり返しするかと思ったよ… ブリザ達は馬車で待機だと思ってたけど、ここで一緒に見張るの?」
「いや、もう少ししたら馬車で待機しているわよ。もうこれ以上は野山に入らないわよ」ブリザが説明する。
リリアはフムフムと頷く。ブリザの性格からしてもそんなところだろう。
「良くリリアの居場所がわかったのね」リリア。
「リリアのアイテムにターゲットの魔法をつけといたから追跡してきたのよ。全く気がつかないだなんてのん気よねぇ… えぇ?許可なくターゲットするのは違法?迷惑条令?… あのね、この業界ではタゲられて気がつかない間抜けな方が悪いのよ。 …大丈夫よ日没と共に効果は消えるわよ」ブリザは淡々としている。
「全く… 早く馬車で出なくてよいいの?… 慌てなくてもまだまだ出番なし?… まぁ、そうだけど… えぇ?リリアはどうしてこの場所で潜伏を選んだかって?… うーん… 正直どこいっても確率低そうだよね。結局裏手の山岳部か海岸沿いに東に逃げられたらどうしようもないじゃない。変にウロウロしないで、ダメだったら街にすぐ帰れる場所にしたんだよ。まぁ、街に逃げ込もうとする連中がいたらワンチャン捕まえられるかなぁ?程度だよ」リリアが説明する。
「ふーん…わりかしそれくらいの方が成果あるのかもしれないわね」
ブリザはそれだけ聞くと街へ戻って行った。
「さぁ、ダーゴ、ダカット、今日はリラックスして見張るわよ。とりあえず、お茶とザラメパン食べよ」
リリアはいきなり遠足気分のようだ。
「もうお茶の時間なのか?早いな」ダーゴが笑う。
「この前まであんなにストイックだったのに全然態度違うじゃないか」ダカットも苦笑いだ。
「どうせまだまだ時間かかるよ、皆でお茶したらリリアは居眠りする予定だから何かあったら起こしてね」
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