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【222.5話】 俺と仲間と三人の冒険者と ※少し前の話し※
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暗いような、ぼやぼやと明るいような、かすかに色を持って滲むような感じ。
切り裂くような耳鳴りがしているような、静寂の中にいるような何かボアボアとしたものが流れ込んでくるような感じ。
焼けるように熱いような、冷水に長く浸かっていたような、痛むような、何かにとけこんで無限に広がるような…
「…… うぅ… 誰か… グラニアス… ハーディ…」
俺は声を出してみたが、今自分がしゃべったのか喋れたのかさえも確認できなかった。
俺はこの奇妙な状況を確認しようと目に力を込めたが見えている世界は変わらなかった。
立っているのか、寝そべっているのか、上も下もわからない、自分が地面の上にいるのかもわからない。
手で拭ったら途端に太陽が降り注ぐ明るい世界が視界に開けるのではないだろうか?
俺は目の前にある何かを拭い去ろうと体を動かした。
「ふぐっ!」脳天を串刺しにされるような痛みを覚えた。
“そうか俺は…”
先ほどのまでの記憶が蘇ってきた。
「だい…ぶ?いま…け…ていど…から… じっと…いて」
闇の中からボアボアと女性の声がしてきた。
「… 大丈夫?み、見ての通りだ… ピンピンしてるぜ…」俺は口だけは動かしてみた。
口元の感覚もほぼ無く、自分の声さえも良く聞こえない。自分は喋れたのだろうか?声は出ているのだろうか?
とにかく全神経を耳に集中して相手の声を伺う。
「あ…、リ…言う…。…たし…こう…ても…なの…」声がする。
「耳が… お、俺は話せているのか?… バフダン岩が立て続けに至近で破裂したようだ…」
俺達三人は馬車で長い距離を旅行してきた。
男性二人、女性一人の旅。
「は!おまえら二人とハーディの三人で旅?痴話げんかでもめて解散だ」
俺達が出発する朝、仲間達に笑顔で見送られて出て来た。もういくつの城、いくつの街を見てきただろうか?
そこそこ長いことこのパーティーで旅を続けてきた。
実際ハーディは気立ても良くちょっとした美人だ。俺も、恐らくグラッドのやつも彼女に対しまんざらでもない感情を持っている。ただ、冒険者として、仲間として今までは自重しあって上手い事やって来た。
仲間達と送る充実した冒険の日々。
「今…から…起こし… …ション… から…」女性の声が耳に届いてくる。
“あぁ… さっき追い越した女冒険者か…”
声を聞いてつい今しがた女三人でおしゃべりしながら歩く冒険者を馬車の上から眺めながら追い越したのを思い出した。
「良いお天気ですね、神のご加護を」
そう挨拶して微笑んだポニーテールの女を思い出す。
“どんな女だ?顔を見てやろう”
俺は思って目に力をいれてみたが、まったく視界は良くならない。
口の中になにか味を感じた。
“この味は… 回復のポーションか…”
口の中の感覚も無いようだが何となく感じられた。自分で飲めているのかもよくわからない。
「…バフダン岩だ。馬車に大きな音がして揺れたから何かぶつかったか、車輪でも壊したかと思って、皆で車輪の下を覗いたんだ… そしたら…」俺は口を動かした。
女はしきりに何かを話しているがほぼ聞こえない。俺は勝手に話題を続けた。
「俺の名はオルトン、いくつも国境を越えて西からきた。残りの二人は出身が一緒の仲間だ、グラニアスとハーディ…」
少しづつポーションが効いてきたのか、自分の口の動きが少し確認できるようになった。
「オル…ね。あたしリ… 者なの… ……ルーダリア…者が来たから… ………あ、あ、安心…」
耳も回復してきたのだろうか?聞こえが良くなった。
自分の状態を確認し女の顔を見たかったが視界は相変わらず。
「お!何だ?今大きな音がしたぞ?」
「何かぶつけたか?踏み越えたか?」
「路上には何もなかったようだが…」
「また車輪でも壊れたか」
「もう“世界の果て号”もオンボロちゃんだから… 次の街で徹底メンテだわ」
「だからそんな金ねぇっての。一度腰を据えてバイトするしかねえよな」
皆で話し合いながら降車して車輪の下を覗いた時…
「あ!皆逃げて!」
覗き込んだハーディが絶望の声を上げた。
俺は吹っ飛ぶまでの一瞬ハーディの肩越しにバフダン岩と視線が合った。
「… グラニアスと… ハーディはどうなった… 俺の仲間… ルーンマスター…」俺は聞いた。
「オルトンの仲間ね… ……………だいじょ…、大丈夫よ!とにかく… 回復…」
エコーがかかったようにざらついているが女の声が聞き取れるようになり内容が理解でき始めた。
「うぐおっ!うぐぅぅ… うぅぅ… っぐ」
途端に全身から体中を引きちぎるような激痛が走り始めた。
俺の口には何か柔らかい物が押し込まれた。激痛のひきつけで舌を嚙まないように処置。
「我慢!がまんよ!体が治癒されはじめて回復が始まったよ…会話できる程度まで回復よ。がんばって!」
女の声がしている。
俺は今まで経験した事のない激痛に呻き続けるしかなったか。
「その人の状況は?」
別の女の声が加わった。たしか軽装備の女、魔法使い、治癒術師の三人組だったはず。
「目も見えていないし、声も聞き取れていないみたいだよ」
回復と激痛で脳が活性化されたのか声が聞き取れて来た。
俺は状況を知りたかったがとにかく口からは呻き声しかでない。
激痛の中で手の感覚が少し戻ってきた。手を必死に握る感触。
「がんばって、回復したら今夜は… とにかく元気になったらウチのギルド・バーで冒険のお話聞かせて」必死に呼びかける声が聞こえる。
痛みの中目に力を込めてみたが視界はぼやけている。少しは良くなったか?とにかく視覚は最後に回復なのだろうか?
「ねぇリリア、アリスを待とうよ… かなり苦しそうじゃん」
小声で話声が聞こえる。俺の聴力がそこまで回復していないと思っているのだろう。俺は話しかけたかったがとにかく脳を直差しするような痛みが続く。
「だって、回復の時かなり痛むけど確実に治ってきているでしょ?」
「バフダン岩を至近から… まず破片を取り除き… とにかくアリスを… あ、アリス… この人…」
「リリア、お疲れ様、交代よ。どれくらいポーションを飲ませたの?… そう、適切な処置よ、ここからは私が診るわ」
三人目か… 俺は思った。全員顔を見てみたい気がしたが視界が…
「主よ、命により魂として灯を与えられた我ら兄妹に…」
祈りの声に続き呪文を唱えるのが聞こえてきた。痛みが少し引いた。口から柔らかい物が取り除かれる。
「私はルーダ・コートの街、冒険者ギルド・アーマー&ローブ所属の治癒術師、アリスです。ポーションを飲み回復が始まりかなりの痛みを伴っていたと思うわ。今少し痛みを和らげました。スリープの呪文を応用した一時的なものです。私たちの声が聞こえるかしら?」声がする。
「あぁ… 聞こえる… 俺はオルトン」俺は声を絞り出す。
俺は声の主を確かめようと再び目に力を込めたが視界はぼやけたままだった。
切り裂くような耳鳴りがしているような、静寂の中にいるような何かボアボアとしたものが流れ込んでくるような感じ。
焼けるように熱いような、冷水に長く浸かっていたような、痛むような、何かにとけこんで無限に広がるような…
「…… うぅ… 誰か… グラニアス… ハーディ…」
俺は声を出してみたが、今自分がしゃべったのか喋れたのかさえも確認できなかった。
俺はこの奇妙な状況を確認しようと目に力を込めたが見えている世界は変わらなかった。
立っているのか、寝そべっているのか、上も下もわからない、自分が地面の上にいるのかもわからない。
手で拭ったら途端に太陽が降り注ぐ明るい世界が視界に開けるのではないだろうか?
俺は目の前にある何かを拭い去ろうと体を動かした。
「ふぐっ!」脳天を串刺しにされるような痛みを覚えた。
“そうか俺は…”
先ほどのまでの記憶が蘇ってきた。
「だい…ぶ?いま…け…ていど…から… じっと…いて」
闇の中からボアボアと女性の声がしてきた。
「… 大丈夫?み、見ての通りだ… ピンピンしてるぜ…」俺は口だけは動かしてみた。
口元の感覚もほぼ無く、自分の声さえも良く聞こえない。自分は喋れたのだろうか?声は出ているのだろうか?
とにかく全神経を耳に集中して相手の声を伺う。
「あ…、リ…言う…。…たし…こう…ても…なの…」声がする。
「耳が… お、俺は話せているのか?… バフダン岩が立て続けに至近で破裂したようだ…」
俺達三人は馬車で長い距離を旅行してきた。
男性二人、女性一人の旅。
「は!おまえら二人とハーディの三人で旅?痴話げんかでもめて解散だ」
俺達が出発する朝、仲間達に笑顔で見送られて出て来た。もういくつの城、いくつの街を見てきただろうか?
そこそこ長いことこのパーティーで旅を続けてきた。
実際ハーディは気立ても良くちょっとした美人だ。俺も、恐らくグラッドのやつも彼女に対しまんざらでもない感情を持っている。ただ、冒険者として、仲間として今までは自重しあって上手い事やって来た。
仲間達と送る充実した冒険の日々。
「今…から…起こし… …ション… から…」女性の声が耳に届いてくる。
“あぁ… さっき追い越した女冒険者か…”
声を聞いてつい今しがた女三人でおしゃべりしながら歩く冒険者を馬車の上から眺めながら追い越したのを思い出した。
「良いお天気ですね、神のご加護を」
そう挨拶して微笑んだポニーテールの女を思い出す。
“どんな女だ?顔を見てやろう”
俺は思って目に力をいれてみたが、まったく視界は良くならない。
口の中になにか味を感じた。
“この味は… 回復のポーションか…”
口の中の感覚も無いようだが何となく感じられた。自分で飲めているのかもよくわからない。
「…バフダン岩だ。馬車に大きな音がして揺れたから何かぶつかったか、車輪でも壊したかと思って、皆で車輪の下を覗いたんだ… そしたら…」俺は口を動かした。
女はしきりに何かを話しているがほぼ聞こえない。俺は勝手に話題を続けた。
「俺の名はオルトン、いくつも国境を越えて西からきた。残りの二人は出身が一緒の仲間だ、グラニアスとハーディ…」
少しづつポーションが効いてきたのか、自分の口の動きが少し確認できるようになった。
「オル…ね。あたしリ… 者なの… ……ルーダリア…者が来たから… ………あ、あ、安心…」
耳も回復してきたのだろうか?聞こえが良くなった。
自分の状態を確認し女の顔を見たかったが視界は相変わらず。
「お!何だ?今大きな音がしたぞ?」
「何かぶつけたか?踏み越えたか?」
「路上には何もなかったようだが…」
「また車輪でも壊れたか」
「もう“世界の果て号”もオンボロちゃんだから… 次の街で徹底メンテだわ」
「だからそんな金ねぇっての。一度腰を据えてバイトするしかねえよな」
皆で話し合いながら降車して車輪の下を覗いた時…
「あ!皆逃げて!」
覗き込んだハーディが絶望の声を上げた。
俺は吹っ飛ぶまでの一瞬ハーディの肩越しにバフダン岩と視線が合った。
「… グラニアスと… ハーディはどうなった… 俺の仲間… ルーンマスター…」俺は聞いた。
「オルトンの仲間ね… ……………だいじょ…、大丈夫よ!とにかく… 回復…」
エコーがかかったようにざらついているが女の声が聞き取れるようになり内容が理解でき始めた。
「うぐおっ!うぐぅぅ… うぅぅ… っぐ」
途端に全身から体中を引きちぎるような激痛が走り始めた。
俺の口には何か柔らかい物が押し込まれた。激痛のひきつけで舌を嚙まないように処置。
「我慢!がまんよ!体が治癒されはじめて回復が始まったよ…会話できる程度まで回復よ。がんばって!」
女の声がしている。
俺は今まで経験した事のない激痛に呻き続けるしかなったか。
「その人の状況は?」
別の女の声が加わった。たしか軽装備の女、魔法使い、治癒術師の三人組だったはず。
「目も見えていないし、声も聞き取れていないみたいだよ」
回復と激痛で脳が活性化されたのか声が聞き取れて来た。
俺は状況を知りたかったがとにかく口からは呻き声しかでない。
激痛の中で手の感覚が少し戻ってきた。手を必死に握る感触。
「がんばって、回復したら今夜は… とにかく元気になったらウチのギルド・バーで冒険のお話聞かせて」必死に呼びかける声が聞こえる。
痛みの中目に力を込めてみたが視界はぼやけている。少しは良くなったか?とにかく視覚は最後に回復なのだろうか?
「ねぇリリア、アリスを待とうよ… かなり苦しそうじゃん」
小声で話声が聞こえる。俺の聴力がそこまで回復していないと思っているのだろう。俺は話しかけたかったがとにかく脳を直差しするような痛みが続く。
「だって、回復の時かなり痛むけど確実に治ってきているでしょ?」
「バフダン岩を至近から… まず破片を取り除き… とにかくアリスを… あ、アリス… この人…」
「リリア、お疲れ様、交代よ。どれくらいポーションを飲ませたの?… そう、適切な処置よ、ここからは私が診るわ」
三人目か… 俺は思った。全員顔を見てみたい気がしたが視界が…
「主よ、命により魂として灯を与えられた我ら兄妹に…」
祈りの声に続き呪文を唱えるのが聞こえてきた。痛みが少し引いた。口から柔らかい物が取り除かれる。
「私はルーダ・コートの街、冒険者ギルド・アーマー&ローブ所属の治癒術師、アリスです。ポーションを飲み回復が始まりかなりの痛みを伴っていたと思うわ。今少し痛みを和らげました。スリープの呪文を応用した一時的なものです。私たちの声が聞こえるかしら?」声がする。
「あぁ… 聞こえる… 俺はオルトン」俺は声を絞り出す。
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