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【199話】 リリアは200倍
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デュラハンの一年宣告当日
宣告通りなら今日デュラハンがナト村に現れてダノン家の誰かの首を持って行くはずだ。
だが、デュラハンが実際に現れるのは宣告の一年から一週間前後ずれがある。
今日から一週間後の可能性だってある。
結構な気分屋さん。
「すごい盛り上がりだよね… 国が豊かになり人が暇になり、情報が発達して人が知るようになり、技術の力で物理的脅威を取り除けるようなった結果だね…」ペコが何とも言えない表情で言う。
「時代ね」アリスが相づちを打つ。
「デュラハンは次回から予告しない方がいいんじゃないの?すっかりお祭り騒ぎになってるよ」
ペコとアリスが話し合う。
それもそのはず、デュラハンを一目見ようと人が集まり、集まった人相手に商売が成立し、名を上げたいギルメンが集い、情報紙の人がネタを書き…
とにかく、ナト村と認識される場所、数件の軒の周りに小屋、テント、屋台が並び一大歓楽街が出来上がっている。
数日前から見物に来た人、今日ピンポイントでスケジュール合わせてきた人でごった返している。
「さすがに今日デュラハンが来なかったら明日以降は人が減るだろうけど、世の中暇人だらけなんだね」ペコが呆れる。
“ようこそナト村、元祖デュラハン出現の村” “デュラハン来る!” “勇者vsデュラハン” “元祖、デュラハン饅頭” “元祖デュラハンレプリカ斧限定販売” 様々な垂れ幕が風にはためいている。
「… 何で皆元祖ってつけたがるんだろうね」
わけのわからに喧噪の中でペコが呟く。
「… あれ」
アリスが指さすのでペコが見るとダノン家の周辺には観覧席が作られ、指定席と特等席に分かれて席が売られている。いったい誰の権利なのだろうか…
最初は不安に怯えていた村人も今では笑顔、何か利権にあずかり収入を得ているようだ。
「さぁさぁ、一攫千金のチャンスだよ!勇者vsデュラハン、どっちが勝つか賭けようじゃないか!勇者が勝てば倍率は200倍だよ!順当にいけばデュラハンの圧勝さ! だけどここで耳より情報、よってらっしゃい見てらっしゃい、勇者リリアだけじゃ勝てない相手だろうけど、裏情報によれば勇者リリアには共闘する仲間がいてそいつらが火属性の魔法使いと腕利きヒーラーっていうんだ!3人合わせて勝負ならまだ勝つ見込みもあるってんだろ?これなら1Gで200Gを手にするチャンス、たった10Gが2000Gになるよ!さぁさぁまだまだ勝負は分からない!張った張った!」
「… 何あの賭け屋、バカにしての?私ちょっとこらしめて…」
ペコが言うか言わないかアリスが微笑みながらペコの肩を突いて指を差した。
見るとリリアとダノンさん一家がいる。
「あいつ何やってんだ」
ペコとアリスがリリアに歩み寄る。
「リリア、何してんの?ダメでしょ、ダノンさんをこんな人が多い場所に出しちゃ。ちゃんと家に入っていてもらわないと…」ペコが注意する。
「あ!ペコ、アリス、ちょうど良かった大変なの、手伝ってよ」リリアは忙しそうにしている。
ダノン一家は情報紙者とにわかファンに囲まれて、インタビューを受け、握手、サイン攻めにあっている。
なんだかちょっとした時の人となっている。ダノンさん達、面食らってはいるがまんざらでもない感じ、デュラハンに対する恐怖は感じさせない…
「最初は不安でしたけど… 今は不安を感じたことはありません」どうどうとインタビューに答えている。
リリアはその整理とボディガード様な事をしている。
「いい加減にしなさいよ!リリアは勇者でしょ!クエスト受けてるんでしょ!浮かれてないでちゃんと家で保護していなさいよ」ペコが怒る。
「だって… 私に言われても困るよ。ダノンさん達の管理は芸能ギルドの人が管理してるんだって」リリアが言う。
「はぁ?… 芸能?」ペコもアリスも顔を見合わせる。
「申し遅れましたが私芸能ギルド・ファニーズでマネージャーをしている…」
リリアとペコがもめているのに気がついた小柄な女性がキビキビとした動作で挨拶にやってきた。
何やらダノン一家はデュラハン退治が終わるまで期間限定でマネージャー契約しているらしい。
「パブリックリレーションは大切です。こちらでスケジュール管理していますのでご心配なく」とマネージャーがキビキビと言う。
「アホくさい… あんな巨乳アホビッチ勇者放って帰ろうよ」ペコ。
「私たちが投げ出してはダメよ。リリアだけでは勝てないわ。リリアの首が胴体から切られちゃう。今度治癒をしない刑にすれば良いわよ」アリスは微笑んでいる。
遅めの昼ご飯をとるリリア、ペコとアリス。
リリアはチャーシュー丼、ペコはチャーハン、アリスはパスタ。
「バカ騒ぎになっちゃってるね。まぁ、リリアは昨日のショックは無さそうだし、その点は心配なさそうじゃん」ペコ。
「ショックなくはないけど… あれは仕方ないよ。結局何故追いかけられてたのか、追いかけられていたのかどうかもわからずだけどね」リリア。
「リリアも成長しているのね」アリス。
「ところで、この後ミーティングがあるって。え?… 誰って?… あたし達だよ。デュラハン撃退管理委員会から呼ばれて… そんな委員会知らない?だよね、リリアも初耳。なんか商人ギルドが集まって委員会を作ったらしいよ。あたし達呼ばれてるんだよ」リリアがチャーシューを食べながら言う。
「商人ギルドの委員会?」ペコもアリス首を傾げる。
以下、夕方までの時間経過
①リリア達はデュラハン撃退管理委員会のミーティングに出る
②デュラハン撃退管理委員会とペコがちょっともめる
③リリアがけっこう適当にミーティング内容を承諾する
④ミーティング終了
⑤その後馬車にもどってリリアとペコが大ゲンカになる(アリスは微笑みながら見ている)
⑥リリアがペコに負け、泣きべそかきながらアリスに治癒される
こんな感じ
出来るだけ儲けを出したいデュラハン撃退管理委員会の要求は
・デュラハンを村に入れず撃退して日にちを稼ぐ
・デュラハンが村に入ったらダノン家の前に設置した観覧席の前で戦う事
・まずペコとアリスがデュラハンと戦いピンチに陥る
・リリアが登場して反撃するが負ける(リリアのオッズが200倍あるので支払いたくない)
・リリアが負けたら最後は村にいるギルメンが力を合わせてデュラハンを倒す
・感動のフィナーレ
こんな感じ
これをリリアは「村に来る前に撃退って難しいけど、後は何とかなりそう」と二言返事で了承をだした。
これで後でペコが激怒し、リリアがトンチンカンな理屈をこね「ペコが思っているより勇者は大変なんだよ!」をきっかけに大ゲンカに発展し、リリアはあっさり負けてブシブシないてアリスに治癒された。
「バカバカしい!帰ろう!あんなアホ放って帰ろう!」ペコは怒りが収まらない。
「わかるわ、でもリリアを見殺しにはできなでしょ」
午後の日差しの中、アリスが微笑みながらペコの袖をしっかりと握る。
宣告通りなら今日デュラハンがナト村に現れてダノン家の誰かの首を持って行くはずだ。
だが、デュラハンが実際に現れるのは宣告の一年から一週間前後ずれがある。
今日から一週間後の可能性だってある。
結構な気分屋さん。
「すごい盛り上がりだよね… 国が豊かになり人が暇になり、情報が発達して人が知るようになり、技術の力で物理的脅威を取り除けるようなった結果だね…」ペコが何とも言えない表情で言う。
「時代ね」アリスが相づちを打つ。
「デュラハンは次回から予告しない方がいいんじゃないの?すっかりお祭り騒ぎになってるよ」
ペコとアリスが話し合う。
それもそのはず、デュラハンを一目見ようと人が集まり、集まった人相手に商売が成立し、名を上げたいギルメンが集い、情報紙の人がネタを書き…
とにかく、ナト村と認識される場所、数件の軒の周りに小屋、テント、屋台が並び一大歓楽街が出来上がっている。
数日前から見物に来た人、今日ピンポイントでスケジュール合わせてきた人でごった返している。
「さすがに今日デュラハンが来なかったら明日以降は人が減るだろうけど、世の中暇人だらけなんだね」ペコが呆れる。
“ようこそナト村、元祖デュラハン出現の村” “デュラハン来る!” “勇者vsデュラハン” “元祖、デュラハン饅頭” “元祖デュラハンレプリカ斧限定販売” 様々な垂れ幕が風にはためいている。
「… 何で皆元祖ってつけたがるんだろうね」
わけのわからに喧噪の中でペコが呟く。
「… あれ」
アリスが指さすのでペコが見るとダノン家の周辺には観覧席が作られ、指定席と特等席に分かれて席が売られている。いったい誰の権利なのだろうか…
最初は不安に怯えていた村人も今では笑顔、何か利権にあずかり収入を得ているようだ。
「さぁさぁ、一攫千金のチャンスだよ!勇者vsデュラハン、どっちが勝つか賭けようじゃないか!勇者が勝てば倍率は200倍だよ!順当にいけばデュラハンの圧勝さ! だけどここで耳より情報、よってらっしゃい見てらっしゃい、勇者リリアだけじゃ勝てない相手だろうけど、裏情報によれば勇者リリアには共闘する仲間がいてそいつらが火属性の魔法使いと腕利きヒーラーっていうんだ!3人合わせて勝負ならまだ勝つ見込みもあるってんだろ?これなら1Gで200Gを手にするチャンス、たった10Gが2000Gになるよ!さぁさぁまだまだ勝負は分からない!張った張った!」
「… 何あの賭け屋、バカにしての?私ちょっとこらしめて…」
ペコが言うか言わないかアリスが微笑みながらペコの肩を突いて指を差した。
見るとリリアとダノンさん一家がいる。
「あいつ何やってんだ」
ペコとアリスがリリアに歩み寄る。
「リリア、何してんの?ダメでしょ、ダノンさんをこんな人が多い場所に出しちゃ。ちゃんと家に入っていてもらわないと…」ペコが注意する。
「あ!ペコ、アリス、ちょうど良かった大変なの、手伝ってよ」リリアは忙しそうにしている。
ダノン一家は情報紙者とにわかファンに囲まれて、インタビューを受け、握手、サイン攻めにあっている。
なんだかちょっとした時の人となっている。ダノンさん達、面食らってはいるがまんざらでもない感じ、デュラハンに対する恐怖は感じさせない…
「最初は不安でしたけど… 今は不安を感じたことはありません」どうどうとインタビューに答えている。
リリアはその整理とボディガード様な事をしている。
「いい加減にしなさいよ!リリアは勇者でしょ!クエスト受けてるんでしょ!浮かれてないでちゃんと家で保護していなさいよ」ペコが怒る。
「だって… 私に言われても困るよ。ダノンさん達の管理は芸能ギルドの人が管理してるんだって」リリアが言う。
「はぁ?… 芸能?」ペコもアリスも顔を見合わせる。
「申し遅れましたが私芸能ギルド・ファニーズでマネージャーをしている…」
リリアとペコがもめているのに気がついた小柄な女性がキビキビとした動作で挨拶にやってきた。
何やらダノン一家はデュラハン退治が終わるまで期間限定でマネージャー契約しているらしい。
「パブリックリレーションは大切です。こちらでスケジュール管理していますのでご心配なく」とマネージャーがキビキビと言う。
「アホくさい… あんな巨乳アホビッチ勇者放って帰ろうよ」ペコ。
「私たちが投げ出してはダメよ。リリアだけでは勝てないわ。リリアの首が胴体から切られちゃう。今度治癒をしない刑にすれば良いわよ」アリスは微笑んでいる。
遅めの昼ご飯をとるリリア、ペコとアリス。
リリアはチャーシュー丼、ペコはチャーハン、アリスはパスタ。
「バカ騒ぎになっちゃってるね。まぁ、リリアは昨日のショックは無さそうだし、その点は心配なさそうじゃん」ペコ。
「ショックなくはないけど… あれは仕方ないよ。結局何故追いかけられてたのか、追いかけられていたのかどうかもわからずだけどね」リリア。
「リリアも成長しているのね」アリス。
「ところで、この後ミーティングがあるって。え?… 誰って?… あたし達だよ。デュラハン撃退管理委員会から呼ばれて… そんな委員会知らない?だよね、リリアも初耳。なんか商人ギルドが集まって委員会を作ったらしいよ。あたし達呼ばれてるんだよ」リリアがチャーシューを食べながら言う。
「商人ギルドの委員会?」ペコもアリス首を傾げる。
以下、夕方までの時間経過
①リリア達はデュラハン撃退管理委員会のミーティングに出る
②デュラハン撃退管理委員会とペコがちょっともめる
③リリアがけっこう適当にミーティング内容を承諾する
④ミーティング終了
⑤その後馬車にもどってリリアとペコが大ゲンカになる(アリスは微笑みながら見ている)
⑥リリアがペコに負け、泣きべそかきながらアリスに治癒される
こんな感じ
出来るだけ儲けを出したいデュラハン撃退管理委員会の要求は
・デュラハンを村に入れず撃退して日にちを稼ぐ
・デュラハンが村に入ったらダノン家の前に設置した観覧席の前で戦う事
・まずペコとアリスがデュラハンと戦いピンチに陥る
・リリアが登場して反撃するが負ける(リリアのオッズが200倍あるので支払いたくない)
・リリアが負けたら最後は村にいるギルメンが力を合わせてデュラハンを倒す
・感動のフィナーレ
こんな感じ
これをリリアは「村に来る前に撃退って難しいけど、後は何とかなりそう」と二言返事で了承をだした。
これで後でペコが激怒し、リリアがトンチンカンな理屈をこね「ペコが思っているより勇者は大変なんだよ!」をきっかけに大ゲンカに発展し、リリアはあっさり負けてブシブシないてアリスに治癒された。
「バカバカしい!帰ろう!あんなアホ放って帰ろう!」ペコは怒りが収まらない。
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