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【184.5話】 リリアとロッチ
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後数日でウェン墳墓に出かけるリリア達。
リリア達は今日、トラップマジックのロッチと初顔合わせ。仕事するもの同士必ず一度は顔合わせしておくいつものやつだ。
が、今日はルーダの風メンバー、リリアの知り合い、ペコ達の仲間と冒険者仲間が大勢城外の草原に集まった。
ロッチのマジックが見られるからだ。
トラップ術士グレンの孫でその魔術は若くして一族でも随一と言われている少年ロッチだが、その実力を見る機会は非常に少ない。レアで必要な魔法だが実際には使い道が少なく冒険者ではないのだ。国に就職し、重要な部屋、金庫、遺跡等を不届き者に荒らされないようにトラップを仕掛けたり、貴族に頼まれて金庫や屋敷にトラップをおいたりする。
「こういう魔法使いがいる」とは聞く名前だが実際に見られることは少ない。
トラップ魔法をスクロールにして販売もするらしいが需要が少ないため高価、はやりデモを行うとなったら誰でも実際に見てみようとなる。
「リリアさん、さぁ魔法陣の中央に入ってください。トラップが発動しますが痛いくない程度です」
ロッチ少年は魔法トラップを地面に設置してリリアに説明する。
「あたしが?えぇ…怖いなぁ… 本当に痛くないよね?」
リリアがビビりながらソロソロと魔法陣の真ん中へ…
“シャクン!”とベアトラップが出現してリリアの足を捉えた。
「ぉわ!」リリアは小さな叫び声をあげたが、確かに痛くはない。ベアトラップは数秒で溶けるように消えた。
魔法陣や結界だけではないようだ。実際のロープ等にも発動条件を与えられる。
リリアがロープを跨ごうとしたら、蛇のごとく動き足首にギュっと巻き付いた。
実際にかなりダメージが出るものは藁人形でデモを行ったが、足枷がはまりあっという間に逆さに吊り上げられたり、十字台に張り付けられたり、落とし穴になったり、逆に地面が弾け飛んだり、様々なマジックがある。
「発動のきっかけをドアノブに触れたら、扉を開けたら、椅子に座ったら、金庫の前の床に立ったらと変更して符術しておけばどんな場所でも設置できます」
ダミーでおびき寄せも出来るようだ。
魔法で扉を出現させた。扉を開けようとすると弾け飛ぶらしい。
宝箱のダミー、家具のダミー、木、皆で触ってみて精巧さに感心させられる。
「国の指定魔術師でよかったな… これは犯罪に使われたらかなわんな」見事なマジックにため息をつく。
相手を誘導もできる。
壁を出現させた。通路に置かれたら間違いなく引き返すか別な通路に入るだろう。
バフダン岩、ミミック等いくつか魔物をクリエイトしてみせた。実際は動かないが魔物がいる通路といない通路があったらはやり安全な通路を通ろうとするはずである。
「こんな使い方も出来るんですよ」
最後に藁人形を使ってコンボを見せてくれた。
藁人形は扉に弾かれ、弾かれ先で串刺しにされ壁に押しつぶされ、最後は鉄の処女に放り込まれ磨り潰され穴だらけの状態にされた。
「おぉぉ!凄いな!もっと何かに使えるんじゃないのか?」感嘆の声があがる。
「やっぱり屋敷内かダンジョンのような狭い場所でないとあまり使い道がありません」ロッチは頭をかく。
「ええぇ?… あの少年やばくない?藁人形が一瞬にしてあんなんだよ… あれやばいよね」リリアは目を丸くしている。
「リリアがこの国で勇者やっているのもたいがいやばい事だけどね」ペコ。
「いや、やばさが違うでしょ。丈夫が取り柄の藁人形があれだよ。リリアが勇者していても人畜無害だよ。大して世の中に影響無しだけど、あの少年の力はあれなんだよ、あたし絶対彼と喧嘩しない」リリアが言う。
「自分でも空気勇者だと認識があるのですね」コトロが呟く。
今回ロッチの役目は墳墓内の前回設置したトラップを解除して調査後、再びトラップを設置していくこと。
一通りデモが終わったら皆ロッチの魔法に興味深々、特に男性冒険者。
「ロッチ、ちょっと落とし穴をやってくれよ」
「俺はグルグル巻きされるのやってみたいな」
「弾き飛ばされるのとベッドを組み合わせて、飛んだ後にボヨン!ってしてくれよ」
なんだかちょっとした遊戯扱いになっている。
ロッチ少年は「こんな感じですか?」と真面目にリクエストに応えている。
「… 男ってバカだよね… 終わったなら帰ろうよ」女性冒険者達はお帰り。
「やばいよね… 皆あのやばさに気がつかないの? あたし絶対ロッチと喧嘩しない」リリアが頻りに訴えている。
「うお!すげえな!おもしれえな!今度は空に打ち上げてくれ」
野原はちょっとした遊園地と化していた。
リリア達は今日、トラップマジックのロッチと初顔合わせ。仕事するもの同士必ず一度は顔合わせしておくいつものやつだ。
が、今日はルーダの風メンバー、リリアの知り合い、ペコ達の仲間と冒険者仲間が大勢城外の草原に集まった。
ロッチのマジックが見られるからだ。
トラップ術士グレンの孫でその魔術は若くして一族でも随一と言われている少年ロッチだが、その実力を見る機会は非常に少ない。レアで必要な魔法だが実際には使い道が少なく冒険者ではないのだ。国に就職し、重要な部屋、金庫、遺跡等を不届き者に荒らされないようにトラップを仕掛けたり、貴族に頼まれて金庫や屋敷にトラップをおいたりする。
「こういう魔法使いがいる」とは聞く名前だが実際に見られることは少ない。
トラップ魔法をスクロールにして販売もするらしいが需要が少ないため高価、はやりデモを行うとなったら誰でも実際に見てみようとなる。
「リリアさん、さぁ魔法陣の中央に入ってください。トラップが発動しますが痛いくない程度です」
ロッチ少年は魔法トラップを地面に設置してリリアに説明する。
「あたしが?えぇ…怖いなぁ… 本当に痛くないよね?」
リリアがビビりながらソロソロと魔法陣の真ん中へ…
“シャクン!”とベアトラップが出現してリリアの足を捉えた。
「ぉわ!」リリアは小さな叫び声をあげたが、確かに痛くはない。ベアトラップは数秒で溶けるように消えた。
魔法陣や結界だけではないようだ。実際のロープ等にも発動条件を与えられる。
リリアがロープを跨ごうとしたら、蛇のごとく動き足首にギュっと巻き付いた。
実際にかなりダメージが出るものは藁人形でデモを行ったが、足枷がはまりあっという間に逆さに吊り上げられたり、十字台に張り付けられたり、落とし穴になったり、逆に地面が弾け飛んだり、様々なマジックがある。
「発動のきっかけをドアノブに触れたら、扉を開けたら、椅子に座ったら、金庫の前の床に立ったらと変更して符術しておけばどんな場所でも設置できます」
ダミーでおびき寄せも出来るようだ。
魔法で扉を出現させた。扉を開けようとすると弾け飛ぶらしい。
宝箱のダミー、家具のダミー、木、皆で触ってみて精巧さに感心させられる。
「国の指定魔術師でよかったな… これは犯罪に使われたらかなわんな」見事なマジックにため息をつく。
相手を誘導もできる。
壁を出現させた。通路に置かれたら間違いなく引き返すか別な通路に入るだろう。
バフダン岩、ミミック等いくつか魔物をクリエイトしてみせた。実際は動かないが魔物がいる通路といない通路があったらはやり安全な通路を通ろうとするはずである。
「こんな使い方も出来るんですよ」
最後に藁人形を使ってコンボを見せてくれた。
藁人形は扉に弾かれ、弾かれ先で串刺しにされ壁に押しつぶされ、最後は鉄の処女に放り込まれ磨り潰され穴だらけの状態にされた。
「おぉぉ!凄いな!もっと何かに使えるんじゃないのか?」感嘆の声があがる。
「やっぱり屋敷内かダンジョンのような狭い場所でないとあまり使い道がありません」ロッチは頭をかく。
「ええぇ?… あの少年やばくない?藁人形が一瞬にしてあんなんだよ… あれやばいよね」リリアは目を丸くしている。
「リリアがこの国で勇者やっているのもたいがいやばい事だけどね」ペコ。
「いや、やばさが違うでしょ。丈夫が取り柄の藁人形があれだよ。リリアが勇者していても人畜無害だよ。大して世の中に影響無しだけど、あの少年の力はあれなんだよ、あたし絶対彼と喧嘩しない」リリアが言う。
「自分でも空気勇者だと認識があるのですね」コトロが呟く。
今回ロッチの役目は墳墓内の前回設置したトラップを解除して調査後、再びトラップを設置していくこと。
一通りデモが終わったら皆ロッチの魔法に興味深々、特に男性冒険者。
「ロッチ、ちょっと落とし穴をやってくれよ」
「俺はグルグル巻きされるのやってみたいな」
「弾き飛ばされるのとベッドを組み合わせて、飛んだ後にボヨン!ってしてくれよ」
なんだかちょっとした遊戯扱いになっている。
ロッチ少年は「こんな感じですか?」と真面目にリクエストに応えている。
「… 男ってバカだよね… 終わったなら帰ろうよ」女性冒険者達はお帰り。
「やばいよね… 皆あのやばさに気がつかないの? あたし絶対ロッチと喧嘩しない」リリアが頻りに訴えている。
「うお!すげえな!おもしれえな!今度は空に打ち上げてくれ」
野原はちょっとした遊園地と化していた。
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