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【60.5話】 リリアとおばば
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地鎮式掃除作戦に参加し、集合の朝、指定された場所にやってきたリリアとオフェリア。
“ちょっと早すぎたかな?人いない”
リリアが集合場所に来るとまだ早かったようだ。が、バサバサ白髪頭、しわくちゃ顔、変な恰好した老婆が立っている。
「お婆ちゃんどうしたの?徘徊?お家どこ?」リリアが優しく声をかける。
お婆ちゃんに“ギロ”っと睨まられた。
“お!何だなんだ、徘徊老人を助けるのも勇者の務めと思って優しく声をかければ… 何ならこのままおば捨て山にほっぽりだすぞ”っと言いたくなるのを我慢していると
「無礼な、このお方はカリオカ山の主、シャーマン長様であらせられます」と側にいた若いのに注意された。
どうやら、今回の地鎮式に呼ばれた近くの集落長らしい。
「… そ、面倒見る人がいるなら、あたしは用なしね」リリアはちょっとムッとする。
これがリリアとシャーマンおばばの出会いであった。
おばばを見ていると、移動は神輿の様な物に乗り担がれて移動している。
さすがに年で足腰が弱っているのかと思えば、祈祷と称し、村人が驚いて振り返るような奇声を発しながら体をガクガクと前後させ、時にはスクワットっぽい事をし、結構壮健だ。かと言えば、何もない時は黙ってジッとしている。その辺はなんだか無理矢理水槽に入れられペットにされた両生類のようだ。興味深い。
リリアは休息時間に話しかけてみた。
「お婆ちゃん元気?あたしリリアっていうの。あなたに神のご加護がありますように」挨拶から入る。
「このお方はお婆ちゃんではありませぬ。このお方は…」従者が答える。
「… じゃぁ、その何とかの長」とリリアが言うと
「カリオカ山の…」従者が答える。
とにかく何か質問すると従者が答えるパターン。
「ちょっと!何なのよ。あたしこの何とかの長に聞いてるのよ。何であんた達が答えるの?もうおばばでいいわよ。何よ、テレパシーとか出してるの?おばばもおばばよ、さっきまで素っ頓狂な雄たけび発してたじゃない。変なカクカクした動きしてたでしょ。話せないとは言わせないわよ。ちゃんと自分で答えなさいよ。それとも何?身分が低いやつとは口もききたくないの?」
リリアがキレるパターン。オフェリアが驚いてリリアの袖を引く。
「あれは儀式であって雄たけびでは…」従者が答えだした。
「もう、いい!バカにしてるの!」
会談は中止。
会談二回目
「おばば、何歳?」リリアが聞く。
「……………」
「… おばば、何歳なの?」
「……………」
「テ、テレパシー送って来てるの?リリアは無能力だから物理で話してよ」
「……………」
「聞こえてるんでしょ?さっき神の声が聞こえるとか言って、何だかムニャムニャ唱えてたじゃない。人の声も聞こえるでしょ」
「……………」
「… わかったわよ、従者答えなさいよ」
「今年で御年765歳になります」従者が答える。
「… 縮んでしわくちゃだから100歳くらいだと思ってたけど、765としたら若い方ね。まぁ、他の765歳の人と比べたことないけど。けど絶対それはないでしょ?人の寿命って80歳くらまででしょ?」
「765歳です。幼い頃より山で育った… 乳飲み子の時より入山し…悟りをひらき… 徳を積み… 自然界のパワーを…」
「ちょっと、やっぱり従者黙りなさいよ。765は無い!だいたいあんた達いくつよ?… でしょ? 何が乳飲み子の時より、よ。見て来たような事言って。全然生まれてないじゃない」
オフェリアがハラハラしているのがわかる。オフェリアには悪いがリリアは騙されるの嫌いなのよ。
「おばば、お願い自分で答えて。リリアはおばばと心を通わせたいの… 従者!黙れ!何も言うな! おばばに聞いてるの!」
全然話が進まない。
それでも、何だかんだ話しかけていると、リリアとおばばのだけの時にはボソボソ話すようになった。正確にはリリア、オフェリアとおばばの時。
祈祷の時に奇妙な大音量を垂れ流すわりに普段の声は覇気がない。
リリアが「え?」「え?」っと聞き直す。
耳も悪いのか、話しても答えは半分トンチンカン。765歳にもなると人間は理屈を超越した存在になるのかも知れない。
そもそも、聞き取れる話は3パターンくらいだ。全て「さっきそれ聞きましたよ」って話し。
夜、ベッドで寝ようとしたらオフェリアに指摘された。
「リリア、お年寄りには同じ話を繰り返しても、初めて聞くふりをして聞いてあげるのがマナーよ」
確かに、昔、村にいたダル爺もリリアを見つけては、同じ話を繰り返して歩き回り、その内忽然と村から姿を消してしまったがメルも同じように、初めて聞くふりしなさいと言っていた。
「そんな事でいいの?大丈夫なの?地鎮式って重要なんでしょ?」下着でベッドに寝っ転がるリリアが聞き返す。
「何か叫んで、祈って祈祷してるっぽいじゃん。ウチらは掃除して祈祷が終わればいいじゃないの」ベッドで足をパタパタさせて間食するオフェリア。
「偉人って、ああいう事を言うの?」リリアがオフェリアを見る。
「たぶんそうね。私たちには理解できない人よね」
“ちょっと早すぎたかな?人いない”
リリアが集合場所に来るとまだ早かったようだ。が、バサバサ白髪頭、しわくちゃ顔、変な恰好した老婆が立っている。
「お婆ちゃんどうしたの?徘徊?お家どこ?」リリアが優しく声をかける。
お婆ちゃんに“ギロ”っと睨まられた。
“お!何だなんだ、徘徊老人を助けるのも勇者の務めと思って優しく声をかければ… 何ならこのままおば捨て山にほっぽりだすぞ”っと言いたくなるのを我慢していると
「無礼な、このお方はカリオカ山の主、シャーマン長様であらせられます」と側にいた若いのに注意された。
どうやら、今回の地鎮式に呼ばれた近くの集落長らしい。
「… そ、面倒見る人がいるなら、あたしは用なしね」リリアはちょっとムッとする。
これがリリアとシャーマンおばばの出会いであった。
おばばを見ていると、移動は神輿の様な物に乗り担がれて移動している。
さすがに年で足腰が弱っているのかと思えば、祈祷と称し、村人が驚いて振り返るような奇声を発しながら体をガクガクと前後させ、時にはスクワットっぽい事をし、結構壮健だ。かと言えば、何もない時は黙ってジッとしている。その辺はなんだか無理矢理水槽に入れられペットにされた両生類のようだ。興味深い。
リリアは休息時間に話しかけてみた。
「お婆ちゃん元気?あたしリリアっていうの。あなたに神のご加護がありますように」挨拶から入る。
「このお方はお婆ちゃんではありませぬ。このお方は…」従者が答える。
「… じゃぁ、その何とかの長」とリリアが言うと
「カリオカ山の…」従者が答える。
とにかく何か質問すると従者が答えるパターン。
「ちょっと!何なのよ。あたしこの何とかの長に聞いてるのよ。何であんた達が答えるの?もうおばばでいいわよ。何よ、テレパシーとか出してるの?おばばもおばばよ、さっきまで素っ頓狂な雄たけび発してたじゃない。変なカクカクした動きしてたでしょ。話せないとは言わせないわよ。ちゃんと自分で答えなさいよ。それとも何?身分が低いやつとは口もききたくないの?」
リリアがキレるパターン。オフェリアが驚いてリリアの袖を引く。
「あれは儀式であって雄たけびでは…」従者が答えだした。
「もう、いい!バカにしてるの!」
会談は中止。
会談二回目
「おばば、何歳?」リリアが聞く。
「……………」
「… おばば、何歳なの?」
「……………」
「テ、テレパシー送って来てるの?リリアは無能力だから物理で話してよ」
「……………」
「聞こえてるんでしょ?さっき神の声が聞こえるとか言って、何だかムニャムニャ唱えてたじゃない。人の声も聞こえるでしょ」
「……………」
「… わかったわよ、従者答えなさいよ」
「今年で御年765歳になります」従者が答える。
「… 縮んでしわくちゃだから100歳くらいだと思ってたけど、765としたら若い方ね。まぁ、他の765歳の人と比べたことないけど。けど絶対それはないでしょ?人の寿命って80歳くらまででしょ?」
「765歳です。幼い頃より山で育った… 乳飲み子の時より入山し…悟りをひらき… 徳を積み… 自然界のパワーを…」
「ちょっと、やっぱり従者黙りなさいよ。765は無い!だいたいあんた達いくつよ?… でしょ? 何が乳飲み子の時より、よ。見て来たような事言って。全然生まれてないじゃない」
オフェリアがハラハラしているのがわかる。オフェリアには悪いがリリアは騙されるの嫌いなのよ。
「おばば、お願い自分で答えて。リリアはおばばと心を通わせたいの… 従者!黙れ!何も言うな! おばばに聞いてるの!」
全然話が進まない。
それでも、何だかんだ話しかけていると、リリアとおばばのだけの時にはボソボソ話すようになった。正確にはリリア、オフェリアとおばばの時。
祈祷の時に奇妙な大音量を垂れ流すわりに普段の声は覇気がない。
リリアが「え?」「え?」っと聞き直す。
耳も悪いのか、話しても答えは半分トンチンカン。765歳にもなると人間は理屈を超越した存在になるのかも知れない。
そもそも、聞き取れる話は3パターンくらいだ。全て「さっきそれ聞きましたよ」って話し。
夜、ベッドで寝ようとしたらオフェリアに指摘された。
「リリア、お年寄りには同じ話を繰り返しても、初めて聞くふりをして聞いてあげるのがマナーよ」
確かに、昔、村にいたダル爺もリリアを見つけては、同じ話を繰り返して歩き回り、その内忽然と村から姿を消してしまったがメルも同じように、初めて聞くふりしなさいと言っていた。
「そんな事でいいの?大丈夫なの?地鎮式って重要なんでしょ?」下着でベッドに寝っ転がるリリアが聞き返す。
「何か叫んで、祈って祈祷してるっぽいじゃん。ウチらは掃除して祈祷が終わればいいじゃないの」ベッドで足をパタパタさせて間食するオフェリア。
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