JK LOOPER

ネコのうた

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4th STAGE/国を渡ってゆかねばならぬのです。

280.アララト山奪還戦①

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トルコの[グランドバザール]にて。

お手洗いを済ませた我々は、レストランで飲食しております。

アバウトですが、トルコはPM13:30で、日本はAM07:30といったところです。

料理を堪能したり雑談を交わしたりして45分ほどが経ちました。

代金を支払い、外に出た私たちは、改めて[アララト山]の近くに赴きます。

[転移の宝玉]にて…。


PM14:15過ぎ。

バスから降りた位置に戻ってきました。

こうして、山を目指し、歩きだしたのです……。


およそ10分後。

ふもとあたりに着いています。

既に[戦闘モード]になっている我々は、ボスキャラ&配下の天使達と対峙している最中です。

エンジェルソルジャーは約200数といったところでしょう。

背丈12Mのボスは、[トルコの甲冑]を装備しています。

[兜]は縦長で、右手に[両刃の斧]を持っていました。

容姿が男性であるこの存在が、

「我はシャルマ。」
「“神下十二将しんかじゅうにしょう一柱ひとはしら”である…。」
「お前らもえさとなりに来たのか?」
「あるいは、手下になるのを希望しておるのか??」

そう尋ねてきたのです。

これに対して、

「テメェを倒しにきたんだよ!!」

威勢よく返す利勇りおであります。

〝ほぉう〟とリアクションしたボスキャラが、

「ならば死ね。」

無表情で述べました。

次の瞬間、ボスの左右に浮いている天使たちが突進を始めます。

同時に、シャルマが“左のてのひら”から【光線ビーム】を放ったのです。

利勇へと。

さっき喧嘩を売られた事に怒っているのでしょうか?

何はともあれ。

盾を構える余裕のなかった弟に【ビーム】が直撃しました。

直径2Mの範囲で地面が少なからず陥没するなか、

「がはッ!」

血を吐きながらふらつく利勇に、親族が気を取られます。

甲冑の強度が増しているため、弟のダメージは低いようです。

〝ホッ〟と安堵する私達へと、エンジェルソルジャーらが接近します。

全員が急ぎ対応しようとするなか、またしてもボスキャラが【光線】を利勇にヒットさせました。

その所為で、再び注意がそれる[モガミーズ]です。

こうした流れにて、天使たちとの乱闘になっていきます。

[薙刀なぎなた]を振るいつつ、

「せ、せんこう!!」

琴音ことねがどうにか発しました。

とは言え、密集しているエンジェルソルジャーが邪魔になったらしく、ボスの視力は奪えなかったみたいです。

そんなシャルマが、なおも弟に【ビーム】を撃ちました。

三度目ともあって、地面の陥没がやや深くなっています。

私が後ろを振り返ってみたところ、両膝を着いている利勇が新たに吐血しました。

これが妹の視界にも入ったらしく、

「お兄ちゃん!」

慌てだします。

「なかなかしぶといな。」

そう呟いたボスキャラが、改めて弟に照準を合わせました。

私は、正面にいる20体ほどの天使に、

「どいて!!」

黄炎こうえん】をまとわせた[御手杵おてぎね]を払います。

半数ぐらいが燃えるなか、ボスへと走りだす私です。

後方で、

ゆ!」

琴音の声が聞こえます。

これによって利勇の傷が癒されたことでしょう。

そう思ったタイミングで、シャルマが【光線】をやはり弟に飛ばしました。

ここから、左手で私をロックオンしたのです。

焦って方向転換しようとするも、【ビーム】をまともに浴びて転んでしまいました。

更には、近くにいた咲凛えみりちゃんが巻き込まれています。

あと、彼女とバトルになっていたエンジェルソルジャー達も。

起き上がろうとする私に、宙に浮いたボスキャラが寄って来て、

「我に届かず、残念だったな。」

そのように告げるなり、両手で握った斧を振るったのです。

首へと迫りくる[大きな刃]を、かわせそうにない私でした―。
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