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4th STAGE/国を渡ってゆかねばならぬのです。
243.勘考①
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“お役所の男性”が、
「これより、我々は、龍山寺へと赴きます。」
「ですが…。」
「ボスキャラの手下になっていた先程の人たちが、情報を伝えている可能性が高いでしょう。」
「要は〝既に討伐の件をボスに知られてしまっていると想定しておいたがよい〟ということです。」
「そのため、敵は、お寺から打って出てくるかもしれません。」
「これを踏まえて、いつでも戦闘に応じられるよう、覚悟のほどを、よろしくお願いします。」
参加者に会釈しました。
こうしたなかで、私などより少し年上らしき“台湾の女性”が、
「あのぉ~、……、さっきの〝拘束する能力〟を使ってもらえれば、余裕で勝てたりしませんか??」
遠慮がちで尋ねたのです。
背丈は165㎝あたりで、ゆるふわセミロングの黒髪を一本に束ね、丸メガネを掛けている女性の質問に、
「残念ながら、それは難しいでしょう。」
「あのスキルは、相手のレベルが私より低ければ低いほど拘束時間が長くなります。」
「逆に敵のレベルのほうが高くなるにつれて短くなっていくのです。」
「このため、ボスキャラには殆ど効き目がないでしょう。」
「それだけでなく、もしかしたら、力ずくで壊されてしまうかもしれません。」
「でなければ、こうして討伐の参加者を募る事なく、私達だけでとっくに挑んでいました。」
そう答える“ジャッジメントさん”でした。
誰もが〝成程〟といった具合に理解を示したところで、
「そろそろ参ります。」
「皆さん、ご準備ください。」
“行政の男性”が告げたのです…。
お役所の方々も含めて、全身が[モードチェンジ]しました。
ちなみに、警察にも何人か[戦闘職]や[ユニーク職]が存在しているみたいで、我々と共に[艋舺公園]を北上しています。
[龍山寺]へと向かいつつ、壱紀くんが、
「そう言えば。」
「ここのところのボスたちって、自分の拠点から動かないよね。」
「以前はライフラインを襲撃して回ってたみたいだけど。」
このように口を開きました。
それに対して、
「ステージが進むにつれ、ボスキャラの頭が良くなっている印象がある。」
「……。」
「〝一日が経つ毎に側近のエネミーが倍になっていく〟という設定があるうえに、人間を寝返らせたりもしている。」
「こうして〝できるだけ数を増やしてから制圧に乗り出したほうが、町の一つや二つ簡単に陥せる〟といった考えじゃないかな?」
「そのために、暫く待機しているんだと思う。」
こう推測した聡真くんです。
私などが〝一理ある〟と納得したあたりで、[討伐グループ]が“北の広場”に辿り着きました。
なお、道路を挟んだ正面に[龍山寺]が存在しております。
辺りは妙に静まりかえっているので、確かに交通規制が敷かれているのでしょう。
そのような状況にて、お寺に屯している“以津真天”の数体が、[討伐チーム]に気づいたらしく、警戒を促すかのように、一斉に鳴き声を発したのです。
私達が困惑するなか、[中殿]の向こう側から、全長9Mぐらいの“赤い鳥”が両翼を〝バッサ バッサ〟とはためかせて上昇してきます。
これに伴い、他の何百体かの“以津真天”も、宙に浮いてきたり、建物内から出てきたのです。
ボスに間違いないであろう人外が〝ピタッ〟と止まり、
「我は“四魔大将の一柱”である。」
「わざわざ殺されに来るとは、面白がらせてくれるではないか、人間どもよ。」
空中から重低音を響かせます。
場が緊張感に包まれだしたところで、
「あれが、台北のボスキャラ、“火鳥”です。」
そう述べる“行政の男性”でした―。
「これより、我々は、龍山寺へと赴きます。」
「ですが…。」
「ボスキャラの手下になっていた先程の人たちが、情報を伝えている可能性が高いでしょう。」
「要は〝既に討伐の件をボスに知られてしまっていると想定しておいたがよい〟ということです。」
「そのため、敵は、お寺から打って出てくるかもしれません。」
「これを踏まえて、いつでも戦闘に応じられるよう、覚悟のほどを、よろしくお願いします。」
参加者に会釈しました。
こうしたなかで、私などより少し年上らしき“台湾の女性”が、
「あのぉ~、……、さっきの〝拘束する能力〟を使ってもらえれば、余裕で勝てたりしませんか??」
遠慮がちで尋ねたのです。
背丈は165㎝あたりで、ゆるふわセミロングの黒髪を一本に束ね、丸メガネを掛けている女性の質問に、
「残念ながら、それは難しいでしょう。」
「あのスキルは、相手のレベルが私より低ければ低いほど拘束時間が長くなります。」
「逆に敵のレベルのほうが高くなるにつれて短くなっていくのです。」
「このため、ボスキャラには殆ど効き目がないでしょう。」
「それだけでなく、もしかしたら、力ずくで壊されてしまうかもしれません。」
「でなければ、こうして討伐の参加者を募る事なく、私達だけでとっくに挑んでいました。」
そう答える“ジャッジメントさん”でした。
誰もが〝成程〟といった具合に理解を示したところで、
「そろそろ参ります。」
「皆さん、ご準備ください。」
“行政の男性”が告げたのです…。
お役所の方々も含めて、全身が[モードチェンジ]しました。
ちなみに、警察にも何人か[戦闘職]や[ユニーク職]が存在しているみたいで、我々と共に[艋舺公園]を北上しています。
[龍山寺]へと向かいつつ、壱紀くんが、
「そう言えば。」
「ここのところのボスたちって、自分の拠点から動かないよね。」
「以前はライフラインを襲撃して回ってたみたいだけど。」
このように口を開きました。
それに対して、
「ステージが進むにつれ、ボスキャラの頭が良くなっている印象がある。」
「……。」
「〝一日が経つ毎に側近のエネミーが倍になっていく〟という設定があるうえに、人間を寝返らせたりもしている。」
「こうして〝できるだけ数を増やしてから制圧に乗り出したほうが、町の一つや二つ簡単に陥せる〟といった考えじゃないかな?」
「そのために、暫く待機しているんだと思う。」
こう推測した聡真くんです。
私などが〝一理ある〟と納得したあたりで、[討伐グループ]が“北の広場”に辿り着きました。
なお、道路を挟んだ正面に[龍山寺]が存在しております。
辺りは妙に静まりかえっているので、確かに交通規制が敷かれているのでしょう。
そのような状況にて、お寺に屯している“以津真天”の数体が、[討伐チーム]に気づいたらしく、警戒を促すかのように、一斉に鳴き声を発したのです。
私達が困惑するなか、[中殿]の向こう側から、全長9Mぐらいの“赤い鳥”が両翼を〝バッサ バッサ〟とはためかせて上昇してきます。
これに伴い、他の何百体かの“以津真天”も、宙に浮いてきたり、建物内から出てきたのです。
ボスに間違いないであろう人外が〝ピタッ〟と止まり、
「我は“四魔大将の一柱”である。」
「わざわざ殺されに来るとは、面白がらせてくれるではないか、人間どもよ。」
空中から重低音を響かせます。
場が緊張感に包まれだしたところで、
「あれが、台北のボスキャラ、“火鳥”です。」
そう述べる“行政の男性”でした―。
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