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4th STAGE/国を渡ってゆかねばならぬのです。
241.虚実
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行政の方々が横一列に並んでいます。
この眼前に、参加者が集合しました。
総勢で100人は超えていそうです。
そんな我々の周りを、結構な数の警察が囲んでいます。
お役人さんたちの真ん中あたりにいる男性が、
「まずは、簡単な質問をさせてください。」
「龍山寺を奪還するにあたって団結を図っておきたいだけですので、あまり難しく考えなくて大丈夫です。」
「それと…、警察の皆さんは、我々が敵と戦う際に一般の方々が巻き込まれないよう、辺りの道路を封鎖してもらうために協力を要請していますので、あしからず。」
こう語りました。
黒色短髪で、40代半ばくらいの男性は、身長170㎝あたりでしょう。
その人の右隣には、背丈155㎝ほどで、20代後半らしき、少し長めの黒いショートヘアが“ゆるふわパーマ”といった女性が、見受けられます。
男性が喋っている間に、何やら呟いていた女性は、“レンズが繋がっているサングラス”を掛けていました。
形としては“曲線的”です。
こういう事に詳しそうな聡真くんに、
「あれって、なんて言うんだっけ??」
それとなく尋ねてみたところ、
「ん?」
「あぁ、“スペースサングラス”のこと??」
と、教えてくれました。
いずれにせよ。
先程の男性が、
「では、1人ずつ、お聞きします。」
「ただし、パーティーの場合は、代表の方だけ、お答えください。」
このように告げたのです。
内容としては〝討伐に参加する動機はなんですか?〟というものでした……。
それぞれが〝地元のため〟や〝報酬が欲しいから〟といった具合に述べていきます。
こうした流れで、私に順番が回ってきました。
いささか緊張しつつ、
「えー、そのぉ…。」
「私達は、ネットで知って、〝何か役に立てれば〟と思い、訪れました。」
そう伝えたところ、台湾の人々が驚いた表情になっていたのです。
「……、今のは、何かのスキルでしょうか??」
疑問を投げかけてきた“行政の男性”に、〝どう説明すれば?〟と困惑する私に代わって、
「ええ、そうです。」
「僕らは、ある条件を満たした結果、これを入手しました。」
「ちなみに、“自動通訳”というものです。」
このように返してくれる聡真くんでした。
「なる、ほど…。」
あまり釈然としない様子の男性が、隣の女性に視線を送ります。
“スペースサングラスの女性”が無言で頷いたところ、
「分かりました。」
何故だか納得した男性が、
「それでは続けましょう。」
「次の方、お願いします。」
話しを進めたのです……。
なんだかんだで、タイムループ前に渡しを殺そうとした“黒髪ロングさん”の番となりました。
微笑みながら、
「私たちは、平和を取り戻すことに貢献したくて、駆け付けました。」
「大好きな台湾のために、ボスキャラを倒せるよう、頑張ります。」
そう主張した“黒髪ロング”さんです。
(ぬぅ~、嘘つきめ!)
私が叫びたい気持ちを〝ぐッ〟と抑えたところで、
「これで以上ですね。」
「では…、本題に移らせていただきます。」
“お役所の男性”が、全員に声をかけました。
すると、“小柄な女性”が一歩だけ前に出て、
「偽りを口にした方が2人いますね。」
サングラスを〝スッ〟と外し、
「私の“真実を見抜く目”からは逃れられませんよ。」
こう告げたのです。
その“左右の瞳”は不自然に青く輝いていました―。
この眼前に、参加者が集合しました。
総勢で100人は超えていそうです。
そんな我々の周りを、結構な数の警察が囲んでいます。
お役人さんたちの真ん中あたりにいる男性が、
「まずは、簡単な質問をさせてください。」
「龍山寺を奪還するにあたって団結を図っておきたいだけですので、あまり難しく考えなくて大丈夫です。」
「それと…、警察の皆さんは、我々が敵と戦う際に一般の方々が巻き込まれないよう、辺りの道路を封鎖してもらうために協力を要請していますので、あしからず。」
こう語りました。
黒色短髪で、40代半ばくらいの男性は、身長170㎝あたりでしょう。
その人の右隣には、背丈155㎝ほどで、20代後半らしき、少し長めの黒いショートヘアが“ゆるふわパーマ”といった女性が、見受けられます。
男性が喋っている間に、何やら呟いていた女性は、“レンズが繋がっているサングラス”を掛けていました。
形としては“曲線的”です。
こういう事に詳しそうな聡真くんに、
「あれって、なんて言うんだっけ??」
それとなく尋ねてみたところ、
「ん?」
「あぁ、“スペースサングラス”のこと??」
と、教えてくれました。
いずれにせよ。
先程の男性が、
「では、1人ずつ、お聞きします。」
「ただし、パーティーの場合は、代表の方だけ、お答えください。」
このように告げたのです。
内容としては〝討伐に参加する動機はなんですか?〟というものでした……。
それぞれが〝地元のため〟や〝報酬が欲しいから〟といった具合に述べていきます。
こうした流れで、私に順番が回ってきました。
いささか緊張しつつ、
「えー、そのぉ…。」
「私達は、ネットで知って、〝何か役に立てれば〟と思い、訪れました。」
そう伝えたところ、台湾の人々が驚いた表情になっていたのです。
「……、今のは、何かのスキルでしょうか??」
疑問を投げかけてきた“行政の男性”に、〝どう説明すれば?〟と困惑する私に代わって、
「ええ、そうです。」
「僕らは、ある条件を満たした結果、これを入手しました。」
「ちなみに、“自動通訳”というものです。」
このように返してくれる聡真くんでした。
「なる、ほど…。」
あまり釈然としない様子の男性が、隣の女性に視線を送ります。
“スペースサングラスの女性”が無言で頷いたところ、
「分かりました。」
何故だか納得した男性が、
「それでは続けましょう。」
「次の方、お願いします。」
話しを進めたのです……。
なんだかんだで、タイムループ前に渡しを殺そうとした“黒髪ロングさん”の番となりました。
微笑みながら、
「私たちは、平和を取り戻すことに貢献したくて、駆け付けました。」
「大好きな台湾のために、ボスキャラを倒せるよう、頑張ります。」
そう主張した“黒髪ロング”さんです。
(ぬぅ~、嘘つきめ!)
私が叫びたい気持ちを〝ぐッ〟と抑えたところで、
「これで以上ですね。」
「では…、本題に移らせていただきます。」
“お役所の男性”が、全員に声をかけました。
すると、“小柄な女性”が一歩だけ前に出て、
「偽りを口にした方が2人いますね。」
サングラスを〝スッ〟と外し、
「私の“真実を見抜く目”からは逃れられませんよ。」
こう告げたのです。
その“左右の瞳”は不自然に青く輝いていました―。
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