JK LOOPER

猫ノ謳

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4th STAGE/国を渡ってゆかねばならぬのです。

227.円滑に。

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外に出た私たちは、[戦闘モード]にチェンジしました。

他にも同じ行動を取っている方々が周囲に見受けられます。

おそらくは地元民でしょう。

そうしたなかで、およそ2分が経ち、あちらこちらに様々な人外が登場したのです。

いつもの如くエネミー同士で争っていたりもしますが…、それらのうちの30体ぐらいが私達に向かってきました。

「“マイコニド”と“キラービー”に“ギルタブリル”も居るみたいだね。」

陽斗はるとくんの呟きに、

「あいつら割と厄介なんだよな。」

こう返したのは、聡真そうまくんです。

おさらいとして、マイコニドマタンゴは【幻覚】を、キラービーは【麻痺】を、ギルタブリルは【毒】を、それぞれに扱います。

「あぁー、それなら、月媛ひかりが新しい魔法を幾つか収得しているから、なんとかなるかも。」

壱紀かずきくんに告げられ、

「そう言えば……。」
「何を覚えたんだっけ??」

私が確認したところ、

「えっとねぇー。」
「“どく”と“マヒ”に“こんらん”だよ!」

笑顔で答える月媛ちゃんでした。

人外たちが迫って来ている状況下で、

「…………。」

少しだけ考えた聡真くんが、

「とりあえず、“混乱”を発動してみて。」

そのように声をかけます。

「うん!!」

元気よく応じた月媛ちゃんは、

「こんらぁ―んッ!」

[マジカルスティック魔法の杖]を突き出しながら唱えたのです。

すると…。

ストップしたエネミーらが、辺りを〝キョロ キョロ〟したり、空を仰いで〝ぼーっ〟としたり、おもいっきり首を傾げたりと、いろいろな反応を示しました。

なかには、味方を攻撃した人外もいるようです。

「効果時間は現時点での月媛のレベルに合わせて“26秒”らしいから、今のうちに。」

壱紀くんに促され、バトルを開始する[モガミーズ]でした……。


30分以上が過ぎております。

ここらのエリアでは、エネミー集団を殲滅できたみたいです。

ちなみに、あれから月媛ちゃんに【毒】と【麻痺】も試してもらいました。

その結果、ギルタブリルには毒が、キラービーには麻痺が、効かない事が判明したのです。

聡真くんによれば〝どちらにも耐性があるんだろう〟との話しであります。

また、[岩石ゴーレム]は三つとも平然としていました。

ただし、“ぬらりひょん”には、どれも通用したので、戦いがラクになった我々です。

何せ〝自分の姿を3秒ほど認識させない〟という能力を持っているので…。

「それにしても……、台湾なのに“日本の妖怪”がフツーに出てきたね。」

壱紀くんの意見に、

「それでいくと、天使や魔物は日本とは異なる国々の存在だし、仏に関してはインドが本場だから…。」
「まぁ、このデスゲームは〝全体的に創りが大雑把〟だし、仕方ないんじゃ?」

こう述べる聡真くんでした。

私の側では、

「どの魔法も、いい感じだったねぇ。」

琴音ことねに褒められた月媛ちゃんが〝えへへへへ♪〟と嬉しそうにしております。

いずれにせよ。

「この先どうするの??」

陽斗くんが誰ともなく素朴な疑問を投げ掛けたところ、

「ちょっと待てよ……。」

自身の[アイテムボックス]から“メモ帳”を取り出した聡真くんが、

「ここから最も近い“西門町シーメンディン”に移ろうか?」

私に訊いてきたのです。

「オッケェーィ。」
「じゃあ、そうしよう。」

私が承諾したことによって、[私服]に変更する一同でした―。
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