JK LOOPER

猫ノ謳

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3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。

193.厳島神社での攻防戦②

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本来は出口である場所から進入した私達は、“西廻廊”を歩いております。

我々が敷地内に在る[大国神社]に差し掛かったところで、正面から“サハギン半魚人の兵隊”が向かってきたのです。

カズヒコさん&琴音ことねが、すかさず【恩恵】を発動しました。

ステータスが倍増した[勇者さんパーティー]と[最神家もがみけイトコーズ]が、走りだした敵集団に攻撃を開始したのです。

エネミーの数は120体といったところでしょう。

剣を振るったり魔法を放つアケミさんを筆頭に、騎士のハルカさん/武闘家のサトシさん/侍のジュンヤさん/戦士の壱紀かずきくん/剣士の陽斗はるとくん、といった接近戦タイプが、スキルを活用しています。

他のメンバーは、銃・矢・魔法・スキルで援護射撃していきました。

ちなみに、新たに加わったリョウさんは【弓使い】であります。

ご本人のレベルは“15”との事です。

なお、武器は、アーチェリーみたいな感じというか…、ロールプレイングゲームRPGに登場しそうな形状でした。

私が発砲しながら横目で見たところ、ジュンヤさんがつるを引くなり、一本の矢が自然と現れたのです。

“半透明かつ白く輝いている矢”をると、それ・・が15個に分裂して、サハギンたちに刺さっていきます。

そのような光景に、

(おおー。)
(結構いいジョブだなぁ。)

と、秘かに思う私でした。


残り90体程となったあたりで、人外が三手に分かれたのです。

“Aグループが40体”で“BとCが25体ずつ”といった計算であります。

Aは、これまでどおり、[東京組]と戦うみたいです。

Bや、Cは、それぞれ、廻廊の左右から屋外に飛び出し、[討伐隊]の後方へと泳いでいきました。

おそらく、私達を挟み撃ちにするつもりなのでしょう。

これを察したらしい騎士の数名が、ほぼ同時に「挑発!」と唱えて、回り込もうとしていたエネミーらを、各自に引き寄せます。

そこを、近くに居る人々が仕留めていったのです。

この間に、私達も、眼前の半魚人らを殲滅しました。


軽く〝ふぅ〟と息を吐いて、後方を確認した勇者さんが、

「どうやら、亡くなった人はいないみたいだね。」
「まずは良好といったとこだな。」

笑みを浮かべます。

[討伐隊]の皆さんも、ひと安心しているようです。

「ただ……、前回に比べて、敵の数が少ないみたいでした。」

私が、仲間内にだけ聞こえる声で伝えたら、

「そうなの?」

機工士のユウジさんが尋ねてきました。

「ええ。」
「半分ぐらいになっていたかと。」

そのように返したところ、

「ん??」
前回・・?」

タイムループの件を知らないジュンヤさんが、首を傾げたのです。

これに対して、サトシさんが、

「あー、…、詳しいことは落ち着いてからにするとして、取り敢えず、先を急ごうぜ。」

周りに情報が漏れないよう気を遣ってくださいました。

そのタイミングで、

「どうかしましたか??」

行政の男性が窺ってきたのです。

なんと答えたらいいものか、私が悩んでいたら、

「いえ。」
「……、フェリーで〝雑兵は480体くらいになっているだろう〟との説明がありましたが、120体ほどしかいなかったので、〝こちらと同じようにサハギンもチーム分けを行っており、第二陣の襲撃があるだろうから注意を払おう〟と、話していたところです。」

神官のカズヒコさんが上手く誤魔化してくれました。

「あぁ、そうですね。」

納得した役所の方が、

「では、皆さん。」
「警戒を怠らないようにしましょう。」

[討伐隊]に告げます。

誰もが頷いている状況に、〝ほっ〟とする私でした―。
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