193 / 278
3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。
193.厳島神社での攻防戦②
しおりを挟む
本来は出口である場所から進入した私達は、“西廻廊”を歩いております。
我々が敷地内に在る[大国神社]に差し掛かったところで、正面から“サハギンの兵隊”が向かってきたのです。
カズヒコさん&琴音が、すかさず【恩恵】を発動しました。
ステータスが倍増した[勇者さんパーティー]と[最神家イトコーズ]が、走りだした敵集団に攻撃を開始したのです。
エネミーの数は120体といったところでしょう。
剣を振るったり魔法を放つアケミさんを筆頭に、騎士のハルカさん/武闘家のサトシさん/侍のジュンヤさん/戦士の壱紀くん/剣士の陽斗くん、といった接近戦タイプが、スキルを活用しています。
他のメンバーは、銃・矢・魔法・スキルで援護射撃していきました。
ちなみに、新たに加わったリョウさんは【弓使い】であります。
ご本人のレベルは“15”との事です。
なお、武器は、アーチェリーみたいな感じというか…、ロールプレイングゲームに登場しそうな形状でした。
私が発砲しながら横目で見たところ、ジュンヤさんが弦を引くなり、一本の矢が自然と現れたのです。
“半透明かつ白く輝いている矢”を射ると、それが15個に分裂して、サハギンたちに刺さっていきます。
そのような光景に、
(おおー。)
(結構いいジョブだなぁ。)
と、秘かに思う私でした。
残り90体程となったあたりで、人外が三手に分かれたのです。
“Aグループが40体”で“BとCが25体ずつ”といった計算であります。
Aは、これまでどおり、[東京組]と戦うみたいです。
Bや、Cは、それぞれ、廻廊の左右から屋外に飛び出し、[討伐隊]の後方へと泳いでいきました。
おそらく、私達を挟み撃ちにするつもりなのでしょう。
これを察したらしい騎士の数名が、ほぼ同時に「挑発!」と唱えて、回り込もうとしていたエネミーらを、各自に引き寄せます。
そこを、近くに居る人々が仕留めていったのです。
この間に、私達も、眼前の半魚人らを殲滅しました。
軽く〝ふぅ〟と息を吐いて、後方を確認した勇者さんが、
「どうやら、亡くなった人はいないみたいだね。」
「まずは良好といったとこだな。」
笑みを浮かべます。
[討伐隊]の皆さんも、ひと安心しているようです。
「ただ……、前回に比べて、敵の数が少ないみたいでした。」
私が、仲間内にだけ聞こえる声で伝えたら、
「そうなの?」
機工士のユウジさんが尋ねてきました。
「ええ。」
「半分ぐらいになっていたかと。」
そのように返したところ、
「ん??」
「前回?」
タイムループの件を知らないジュンヤさんが、首を傾げたのです。
これに対して、サトシさんが、
「あー、…、詳しいことは落ち着いてからにするとして、取り敢えず、先を急ごうぜ。」
周りに情報が漏れないよう気を遣ってくださいました。
そのタイミングで、
「どうかしましたか??」
行政の男性が窺ってきたのです。
なんと答えたらいいものか、私が悩んでいたら、
「いえ。」
「……、フェリーで〝雑兵は480体くらいになっているだろう〟との説明がありましたが、120体ほどしかいなかったので、〝こちらと同じようにサハギンもチーム分けを行っており、第二陣の襲撃があるだろうから注意を払おう〟と、話していたところです。」
神官のカズヒコさんが上手く誤魔化してくれました。
「あぁ、そうですね。」
納得した役所の方が、
「では、皆さん。」
「警戒を怠らないようにしましょう。」
[討伐隊]に告げます。
誰もが頷いている状況に、〝ほっ〟とする私でした―。
我々が敷地内に在る[大国神社]に差し掛かったところで、正面から“サハギンの兵隊”が向かってきたのです。
カズヒコさん&琴音が、すかさず【恩恵】を発動しました。
ステータスが倍増した[勇者さんパーティー]と[最神家イトコーズ]が、走りだした敵集団に攻撃を開始したのです。
エネミーの数は120体といったところでしょう。
剣を振るったり魔法を放つアケミさんを筆頭に、騎士のハルカさん/武闘家のサトシさん/侍のジュンヤさん/戦士の壱紀くん/剣士の陽斗くん、といった接近戦タイプが、スキルを活用しています。
他のメンバーは、銃・矢・魔法・スキルで援護射撃していきました。
ちなみに、新たに加わったリョウさんは【弓使い】であります。
ご本人のレベルは“15”との事です。
なお、武器は、アーチェリーみたいな感じというか…、ロールプレイングゲームに登場しそうな形状でした。
私が発砲しながら横目で見たところ、ジュンヤさんが弦を引くなり、一本の矢が自然と現れたのです。
“半透明かつ白く輝いている矢”を射ると、それが15個に分裂して、サハギンたちに刺さっていきます。
そのような光景に、
(おおー。)
(結構いいジョブだなぁ。)
と、秘かに思う私でした。
残り90体程となったあたりで、人外が三手に分かれたのです。
“Aグループが40体”で“BとCが25体ずつ”といった計算であります。
Aは、これまでどおり、[東京組]と戦うみたいです。
Bや、Cは、それぞれ、廻廊の左右から屋外に飛び出し、[討伐隊]の後方へと泳いでいきました。
おそらく、私達を挟み撃ちにするつもりなのでしょう。
これを察したらしい騎士の数名が、ほぼ同時に「挑発!」と唱えて、回り込もうとしていたエネミーらを、各自に引き寄せます。
そこを、近くに居る人々が仕留めていったのです。
この間に、私達も、眼前の半魚人らを殲滅しました。
軽く〝ふぅ〟と息を吐いて、後方を確認した勇者さんが、
「どうやら、亡くなった人はいないみたいだね。」
「まずは良好といったとこだな。」
笑みを浮かべます。
[討伐隊]の皆さんも、ひと安心しているようです。
「ただ……、前回に比べて、敵の数が少ないみたいでした。」
私が、仲間内にだけ聞こえる声で伝えたら、
「そうなの?」
機工士のユウジさんが尋ねてきました。
「ええ。」
「半分ぐらいになっていたかと。」
そのように返したところ、
「ん??」
「前回?」
タイムループの件を知らないジュンヤさんが、首を傾げたのです。
これに対して、サトシさんが、
「あー、…、詳しいことは落ち着いてからにするとして、取り敢えず、先を急ごうぜ。」
周りに情報が漏れないよう気を遣ってくださいました。
そのタイミングで、
「どうかしましたか??」
行政の男性が窺ってきたのです。
なんと答えたらいいものか、私が悩んでいたら、
「いえ。」
「……、フェリーで〝雑兵は480体くらいになっているだろう〟との説明がありましたが、120体ほどしかいなかったので、〝こちらと同じようにサハギンもチーム分けを行っており、第二陣の襲撃があるだろうから注意を払おう〟と、話していたところです。」
神官のカズヒコさんが上手く誤魔化してくれました。
「あぁ、そうですね。」
納得した役所の方が、
「では、皆さん。」
「警戒を怠らないようにしましょう。」
[討伐隊]に告げます。
誰もが頷いている状況に、〝ほっ〟とする私でした―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる