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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
160.目処
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「そういえば…、貴女がた三人は、蘇生術士さんを復活させるため、海外に渡航できないかリサーチしていく予定でしたね。」
【神官】たるカズヒコさんの発言によって、
「ほんまですか?」
黒髪ボブのナガハマさんが、私に確認してきました。
「ええ。」
「……、可能性は低いかもしれませんが、出来るだけの事はやってみようと思います。」
このように述べたら、
「そもそも当てはあるのかい??」
勇者さんに訊かれたので、
「いいえ。」
首を横に振った私は、
「現時点では何も。」
そう答えたのです。
「飛行機かフェリーを利用できればいいんだけど…。」
壱紀くんが呟いたところ、
「無理だろうね。」
「空港は閉鎖されているし……、海とかにもエネミーが出現する所為で船もまた運航していないみたいだから。」
【機工士】のユウジさんが説明しました。
「そうなんですか?」
私の質問に、
「ああ。」
「他には、湖にも現れやがる。」
「“半魚人”などの水陸両用と、天使や鴉天狗に“セイレーン”とかいう空を飛べる連中がな。」
「結果、全国各地のフェリーも休業中だ。」
【侍】たるジュンヤさんが教えてくださったのです。
「それじゃあ“八方塞がり”ですね。」
「どうしましょ??」
頭の片隅では〝おそらく厳しいだろう〟と理解してはいたものの、心の何処かで〝なんとかなるんじゃないか〟と希望を抱いていた私は、半ば愕然としました。
皆さんも妙案が浮かばないらしく、黙りこくっております。
このような状況にて、私のスマホが鳴ったのです。
画面を見てみたら、母からの着信が表示されていました。
「すみません。」
「ちょっと席を外します。」
断りを入れた私は、〝スタスタ〟とロビーの片隅へ向かいつつ、
「もしもし?」
電話に出たのです。
『あ、琴晴ちゃん??』
『今、いいかしら?』
「うん。」
「何かあったの??」
『お手紙が届いてるんだけど、どうしようかしら?』
『一度こっちに帰ってきてみる??』
「!!」
「もしかして、いつもの?」
『多分…。』
「代わりに読んでもらえないかな??」
『いいわよ。』
『ちょっと待ってね。』
『…………。』
『もしもし?』
『読むわよ。』
「うん、よろしく。」
『えぇーっと……、〝九州は宮崎を目指すが良い〟〝それでは健闘を祈る〟って、書いてあるけど??』
「宮崎…。」
『ねぇ、琴晴ちゃん。』
「ん?」
『一時間ぐらい前に、穂乃歌ちゃん達4人が挨拶に来たわよ。』
『〝お陰で生き返りました〟って。』
『その時に話しは聞いたけど……、“蘇生術士”とかいう人の問題を解決しないといけないんでしょ??』
『大丈夫なの? 3人だけで。』
「うーん…。」
「まぁ、やってみるよ。」
『……、そう。』
『じゃあ、応援するわ。』
『ところで…、琴音ちゃんは元気??』
「私よりも。」
『はははははッ!』
『なんだか想像がつくわね。』
「あの……、いろんな人を持たせているから、そろそろいいかな?」
『そうなの??』
『分かった…。』
『カズくんとも仲良くやっていきなさいよ。』
『それと……、とにかく気を付けてね。』
「うん。」
「ありがと。」
「そのうち帰るから、またね。」
『はーい。』
やりとりを終えて電話を切った私は、皆さんの元に足を運びながら〝どうしたものかしらん?〟と悩んでおります。
妹&従兄妹は手紙の存在を知っているので構いませんが、それ以外の人々への伝え方が難しい今日この頃です。
私の心配を余所に、
「お、戻ってきたな。」
「朗報があるぞ♪」
〝ニッ〟と口許を緩めるアケミさんでした―。
【神官】たるカズヒコさんの発言によって、
「ほんまですか?」
黒髪ボブのナガハマさんが、私に確認してきました。
「ええ。」
「……、可能性は低いかもしれませんが、出来るだけの事はやってみようと思います。」
このように述べたら、
「そもそも当てはあるのかい??」
勇者さんに訊かれたので、
「いいえ。」
首を横に振った私は、
「現時点では何も。」
そう答えたのです。
「飛行機かフェリーを利用できればいいんだけど…。」
壱紀くんが呟いたところ、
「無理だろうね。」
「空港は閉鎖されているし……、海とかにもエネミーが出現する所為で船もまた運航していないみたいだから。」
【機工士】のユウジさんが説明しました。
「そうなんですか?」
私の質問に、
「ああ。」
「他には、湖にも現れやがる。」
「“半魚人”などの水陸両用と、天使や鴉天狗に“セイレーン”とかいう空を飛べる連中がな。」
「結果、全国各地のフェリーも休業中だ。」
【侍】たるジュンヤさんが教えてくださったのです。
「それじゃあ“八方塞がり”ですね。」
「どうしましょ??」
頭の片隅では〝おそらく厳しいだろう〟と理解してはいたものの、心の何処かで〝なんとかなるんじゃないか〟と希望を抱いていた私は、半ば愕然としました。
皆さんも妙案が浮かばないらしく、黙りこくっております。
このような状況にて、私のスマホが鳴ったのです。
画面を見てみたら、母からの着信が表示されていました。
「すみません。」
「ちょっと席を外します。」
断りを入れた私は、〝スタスタ〟とロビーの片隅へ向かいつつ、
「もしもし?」
電話に出たのです。
『あ、琴晴ちゃん??』
『今、いいかしら?』
「うん。」
「何かあったの??」
『お手紙が届いてるんだけど、どうしようかしら?』
『一度こっちに帰ってきてみる??』
「!!」
「もしかして、いつもの?」
『多分…。』
「代わりに読んでもらえないかな??」
『いいわよ。』
『ちょっと待ってね。』
『…………。』
『もしもし?』
『読むわよ。』
「うん、よろしく。」
『えぇーっと……、〝九州は宮崎を目指すが良い〟〝それでは健闘を祈る〟って、書いてあるけど??』
「宮崎…。」
『ねぇ、琴晴ちゃん。』
「ん?」
『一時間ぐらい前に、穂乃歌ちゃん達4人が挨拶に来たわよ。』
『〝お陰で生き返りました〟って。』
『その時に話しは聞いたけど……、“蘇生術士”とかいう人の問題を解決しないといけないんでしょ??』
『大丈夫なの? 3人だけで。』
「うーん…。」
「まぁ、やってみるよ。」
『……、そう。』
『じゃあ、応援するわ。』
『ところで…、琴音ちゃんは元気??』
「私よりも。」
『はははははッ!』
『なんだか想像がつくわね。』
「あの……、いろんな人を持たせているから、そろそろいいかな?」
『そうなの??』
『分かった…。』
『カズくんとも仲良くやっていきなさいよ。』
『それと……、とにかく気を付けてね。』
「うん。」
「ありがと。」
「そのうち帰るから、またね。」
『はーい。』
やりとりを終えて電話を切った私は、皆さんの元に足を運びながら〝どうしたものかしらん?〟と悩んでおります。
妹&従兄妹は手紙の存在を知っているので構いませんが、それ以外の人々への伝え方が難しい今日この頃です。
私の心配を余所に、
「お、戻ってきたな。」
「朗報があるぞ♪」
〝ニッ〟と口許を緩めるアケミさんでした―。
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