JK LOOPER

猫ノ謳

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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

91.駐車場へ

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エネミー達が残り四割となったところで、【挑発】のタイムリミットを迎えたようです。

敵の半数が、こちらに体勢を変えるなか、一体の仏が左のてのひらを突き出してきて、直径20㎝くらいの“オレンジ色の球体”を、琴音ことねに発射しました。

胸元に当たるなり、

ボォンッ!

球体が爆発し、

「うゎッ!!」

軽く後方に飛ばされた妹が、尻餅を着いたのです。

「琴音!」

私が確認してみたところ、胸当ての中心が多少ヘコんでおり、そこ・・から四方八方に亀裂が生じていました。

へーき平気だよ。」

と、告げた琴音が、

「あ!!」

何かに気付いた模様です。

妹の視線を辿ってみたら、ホブゴブリンが、私めがけて、口から【ファイア・ボール火の玉】を放っていました。

こちらの幅も20㎝程みたいですが、振り向きざまだったので躱せず、

ボゥッ!

顔面にヒットしてしまった私は、

「ぶべッ!!」

変な声をあげてしまったのです。

お恥ずかしい限りであります。

「あちちちちッ!」

なかなかのねつに、まつ毛や眉が燃えて無くなっていないか、左手で触ってみたところ…、大丈夫でした♪

それにしても、[セカンドステージ]のモブたちは、スキルや魔法を扱うので、厄介で仕方ありません。

まぁ、全員が収得しているわけではないしょうが……。

私が考察している間に、

「挑発!!」

白銀ショートヘアーの【騎士】さんが再び発動し、

「恩恵!」

「おんけい!」

青髪ロングストレートの【神官】さんと、【巫女】である琴音が、“ステータス増加”を施しました。

この後は、それらを2~3回くらい繰り返して、人外を殲滅したのです…。


誰もが、軽傷ではあるものの怪我していたので、[体力回復ポーション]を各自で摂取しました。

[東の駐車場]へと足を運ぶ最中に、

「あのぉー、何故、今まで“挑発”を使わなかったんですか?」

伺ってみたところ、

「あー、それ、ね。」
「ま、神官や巫女が居れば“閃光”を用いてくれるから、“挑発”の出番が殆どないのよ、簡単に言えば。」

白銀さんが苦笑いと共に答えてくれたのです。

更に、

「“盾”って、騎士の初期装備なのでしょうか??」
「私が知っている人は、槍のみを所持していましたが……。」

そのような質問をしてみたところ、

「うん、初期装備だよ。」
「ただ…、人によっては、〝武器と一緒に扱うのがメンドい〟っていう理由で、盾を“アイテムBOX”に収納したままにしているみたいね。」
「自分の“装備覧”から、盾を外した状態にして。」

白銀ショートヘアーさんが教えてくれました。

「なるほど、です。」
「ありがとうございます。」

私は、お礼を述べながら、神里町かみさとちょう自警団の[団長]さんを思い出していたのです。

あの“元傭兵”さんは、盾も、挑発も、使用していなかったので。


駐車場に出てみたら、北東の一角に、エネミー達が群がっていました。

どうやら、一台の車を囲んで、攻撃を仕掛けているようです。

「!!」
「走ろう!」

焦った感じで促す勇者さんに応じて、皆で駆け出しました―。
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