JK LOOPER

猫ノ謳

文字の大きさ
上 下
69 / 278
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

69.名古屋城にて

しおりを挟む
私は、現在、殆ど観光客が居ない[名古屋城]を散策しております。

“二の丸”を〝ぐるり〟と巡って、“天守”に向かっていたところ、

『全人類に、おしらせします。』
『あと5分で“セカンドステージ”が開催されます。』
『準備を整えて、お待ちください。』
『繰り返します。』
『あと5分で――。』

と、例の機械的な女性の声で、伝えられたのです。

スマホで時間を確認してみたら、PM15:55になっていました。

係員のかたなのか?

はたまた、お城のガイド案内役の方なのか??

60代後半とおぼしき男性が、

「建物には“結界”が張られていて安全なので、避難してくださーい!」

と呼びかけています。

私は、それに促されるかのように、天守へと入っていったのです…。


定刻になり、エネミーが出現しました。

120体ほどの“天使”です。

が。

これまで登場していたエンジェルたちよりも30㎝ぐらい背が高く、150㎝といった感じでした。

また、翼も一回りは大きいようです。

相変わらず“銀の仮面”と“細身の剣レイピア”を装着しています。

注目すべきは、これだけではありません。

宙に浮いている天使らの頭上には、背丈が6Mはありそうな人外が見受けられます。

銀の防具を纏っていますが、軽装備なので【剣士】でしょう。

他にも、[北○の拳]の“ジャ○”みたいな鉄仮面を被っているのですが…、こちらも全てが銀です。

瞳は青く、肩あたりまでの長さがある金髪はウエーブしており、背中には左右二枚ずつ(計4枚)の白い翼を有しています。

左の腰には“ロングソード”を帯びていました。

6M級の敵が無言で抜いた剣を、天守めがけて突き出します。

ガツンッ!!

相手の攻撃を阻んだ筈の【結界】に、

ビキッ! ビキビキビキビキッ! ビキィーンッ!!

と、四方八方に亀裂が生じていき、

バッリィ――――ンッ!!!!

無残にも破壊されてしまったではありませんか。

(これって、ボスキャラ??!)

偶然なのか、必然なのか、ボス的存在であろうエネミーに遭遇してしまった私は、目を丸くしたのです。

少数ではあるものの、天守のなかに逃げ込んでいた人々から悲鳴が発せられた事により、〝ハッ!〟と我に返りました。

急いで[戦闘モード]に変更した私は、ダッシュで外に出ます。

地面から5Mくらいの空中にいる天使らの、10体ほどが気付いて、こちらに飛行してきました。

「ライト・ボール!!」

私は、左のてのひらから、直径20㎝の“光の玉”を次々と放っていきます。

これらが命中したエンジェルたちがダメージを負い、一旦、動きを止めました。

どうやら、今までみたいには、簡単には倒せなさそうです。

焦る私に、最も大きい人外が、左の人差し指を向けてきました。

次の瞬間、指先から〝ピッ〟と、【ビーム】が発射されたのです。

 [ドラ○ン○ール]の“フ○ーザ”みたいに。

それによって、私の額が、

ズシュッ!!

と貫かれてしまいました。

父と母の合作である“額当て”ごと。

ブシュウウウウ――ッ!!

まるで噴水かのように流血する私の目の前が赤く染まっていきます。

この結果、私は、意識が遠のいていったのです―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。

桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。 「不細工なお前とは婚約破棄したい」 この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。 ※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。 ※1回の投稿文字数は少な目です。 ※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。 表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年10月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 1ページの文字数は少な目です。 約4500文字程度の番外編です。 バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`) ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑) ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな

カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界 魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた 「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね? それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」 小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く 塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう 一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが…… ◇◇◇ 親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります (『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です) ◇◇◇ ようやく一区切りへの目処がついてきました 拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです

処理中です...