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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
60.いざ鎌倉
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私たちは、食後の“ジャスミンティー”を嗜みながら、会話しております。
慣れない状況に、私は気が休まりません。
自分で声を掛けておきながら。
茶髪ショートヘアーさん&金髪ロングストレートさんによれば、“ミツル君”には120人ほどの手下がいるそうです。
15~25歳の男女による、その面子が、北の玄武門だけでなく、東の朝陽門・南の朱雀門・西の延平門にも、配置されており、時間帯で“番人”を交替しているのだとか。
「それは…、全員、脅されていたということですか?」
「“ヒデさん”や“マサさん”みたいに。」
との疑問を投げかけてみたところ、
「いや、20人ぐらいだよ。」
「ね?」
茶髪さんが確認し、
「うん、そんなもんだな。」
「あとの30人くらいはミツルが大学の同期と後輩を連れて来て、残りは元町界隈の不良どもが集まってきたんだ。」
金髪さんが答えました。
「その人たちって、今、どうしてるんです?」
「私、復讐されませんかね??」
そう危惧したら、
「いや、多分、逃げたと思うよ。」
「なかには、警察に捕まった連中もいるんだろうけど……。」
「さっき、私が、見張り役になっている友達らにメッセージを一斉送信しておいたから。」
「〝ミツル、敗れる!〟ってね。」
「そこから全員に話しが広まったはず…。」
錬金術師さんが教えてくれたのです。
「あー。」
「ご飯が運ばれてくるまで、スマホを操作していたのは、そういう事でしたか。」
思い出して納得する私を、
「でも…、ミツルとの付き合いが古い奴らは、どこかに潜伏しながら、あんたを探すかもしれないね。」
修復士さんが脅します。
「ええ――!」
「すんッごい、嫌なんですけど。」
迷惑そうにしたところ、
「まぁ、大丈夫っしょ。」
「なんつったって、琴晴りんは、ミツルに勝ったんだから。」
「あいつより強い人間はメンバーにいなかったしね。」
茶髪ショートヘアーさんに勇気づけられたのです。
(いや、琴晴りんって…。)
ギャルの他人に対する距離の縮め方に少なからず困ったものの、初対面の人にツッコめない性分の私には〝取り敢えずスルー〟の一択しかありませんでした。
大飯店の外で、
「じゃあな。」
別れを告げる金髪ロングストレートさんが微笑み、
「いつか、また、会おうね。」
茶髪さんが手を振ります。
お見送りしてくださっている店員さんたちが、
「本当に、ありがとうございました。」
改めて頭を下げられたので、
「いえいえ、こちらこそ、ご馳走していただき、ありがとうございました。」
お礼を述べて、その場を去りました…。
玄武門の近くで“原付きセット”を出現させた私は、南へと向かいます。
鎌倉を目指して―。
慣れない状況に、私は気が休まりません。
自分で声を掛けておきながら。
茶髪ショートヘアーさん&金髪ロングストレートさんによれば、“ミツル君”には120人ほどの手下がいるそうです。
15~25歳の男女による、その面子が、北の玄武門だけでなく、東の朝陽門・南の朱雀門・西の延平門にも、配置されており、時間帯で“番人”を交替しているのだとか。
「それは…、全員、脅されていたということですか?」
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との疑問を投げかけてみたところ、
「いや、20人ぐらいだよ。」
「ね?」
茶髪さんが確認し、
「うん、そんなもんだな。」
「あとの30人くらいはミツルが大学の同期と後輩を連れて来て、残りは元町界隈の不良どもが集まってきたんだ。」
金髪さんが答えました。
「その人たちって、今、どうしてるんです?」
「私、復讐されませんかね??」
そう危惧したら、
「いや、多分、逃げたと思うよ。」
「なかには、警察に捕まった連中もいるんだろうけど……。」
「さっき、私が、見張り役になっている友達らにメッセージを一斉送信しておいたから。」
「〝ミツル、敗れる!〟ってね。」
「そこから全員に話しが広まったはず…。」
錬金術師さんが教えてくれたのです。
「あー。」
「ご飯が運ばれてくるまで、スマホを操作していたのは、そういう事でしたか。」
思い出して納得する私を、
「でも…、ミツルとの付き合いが古い奴らは、どこかに潜伏しながら、あんたを探すかもしれないね。」
修復士さんが脅します。
「ええ――!」
「すんッごい、嫌なんですけど。」
迷惑そうにしたところ、
「まぁ、大丈夫っしょ。」
「なんつったって、琴晴りんは、ミツルに勝ったんだから。」
「あいつより強い人間はメンバーにいなかったしね。」
茶髪ショートヘアーさんに勇気づけられたのです。
(いや、琴晴りんって…。)
ギャルの他人に対する距離の縮め方に少なからず困ったものの、初対面の人にツッコめない性分の私には〝取り敢えずスルー〟の一択しかありませんでした。
大飯店の外で、
「じゃあな。」
別れを告げる金髪ロングストレートさんが微笑み、
「いつか、また、会おうね。」
茶髪さんが手を振ります。
お見送りしてくださっている店員さんたちが、
「本当に、ありがとうございました。」
改めて頭を下げられたので、
「いえいえ、こちらこそ、ご馳走していただき、ありがとうございました。」
お礼を述べて、その場を去りました…。
玄武門の近くで“原付きセット”を出現させた私は、南へと向かいます。
鎌倉を目指して―。
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