53 / 284
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
53.大飯店でのバトル①
しおりを挟む
黒色を基調とした長袖アロハシャツ&ジーンズに黄色いスニーカー姿のミツル君が〝ズン ズン〟と近づいてきます。
毎度のパターンで、
「閃光!」
からの、
「恩恵!」
を発した私が、攻撃すべく走り出したところ、モーニングスターを、横に、斜めに、〝ブン!ブン!〟と振り回されてしまったのです。
一時的に目が見えなくなったなかで、間合いを詰めようとする私を牽制しているのでしょう。
迂闊に懐へと飛び込めなくなった私は、左側に在る椅子を掴んで、右斜め前へと放りました。
床に〝カンッ!〟とぶつかった音に、相手が反応します。
(今がチャンス!)
再度、駆けていったら、
「デストロイ!」
と、発したアマチュア相撲レスラーが、私の眼前で、上から〝ブオッ!〟とモーニングスターを叩き付けてきたのです。
「!!」
バックステップで躱そうとしたら、体勢を崩して、尻餅を着いてしまいました。
その両足の側に、
ドゴンッ!!
とモーニングスターが当たり、床を少なからず陥没させたではありませんか。
血の気が〝サァーッ〟と引いた私は、そのままの姿勢で後退りしていきます。
おそらく、顔面蒼白になっている事でしょう。
「外れたか…。」
“図体デカ男”が構え直しました。
立ち上がって呼吸を整えた後に、〝ジリ ジリ〟と歩を進める私は、
(あの時の“ボス鼠”に比べたら大したことない! …はず。)
(絶対、いける!)
(弱気になるな!!)
そう自分に言い聞かせ、意を決して、ダッシュしたのです。
右から左へと払われるモーニングスターを、身を低くして逃れつつ、左脇腹に薙刀の柄を〝バンッ!〟と、くらわせました。
「ぐッ!」
五厘刈りが呻きながらも、動きを止めず、左斜め上から右斜め下へとモーニングスターを振るってきます。
(やばッ!!)
頭から左方へと跳んだ私は、〝ズザザーッ〟とスライングしました。
「いつつぅ~ッ。」
私が再び立ったところで、【閃光】が終了したようです。
「お! 見えるようになった。」
瞼を開いた相手が、
「お前、結構やるな。」
「……、どうだ? 俺の部下になんねぇか?」
「毎日、タダ飯、食わせてやるぞ。」
と、勧誘してきました。
「遠慮させてください。」
当然、お断りします。
すると、
「じゃあ、しょうがねぇな。」
「死んでも恨むなよ!」
ミツル君が威嚇してきたのです。
私は、
「閃光!」
「恩恵!」
この二つを発動しました。
しかし、勝てるかは不明です。
【アサシン】のように“探知”していたり、【シーフ】みたいに“嗅覚”と“聴力”を高めている訳ではなさそうなのに、攻撃が割と的確な感じなので。
ただ闇雲なだけの可能性もありますが、勘が優れている印象も受けます。
いずれにしても、厄介な敵に違いありません。
そんな巨漢めがけて、改めて突進していくのでした―。
毎度のパターンで、
「閃光!」
からの、
「恩恵!」
を発した私が、攻撃すべく走り出したところ、モーニングスターを、横に、斜めに、〝ブン!ブン!〟と振り回されてしまったのです。
一時的に目が見えなくなったなかで、間合いを詰めようとする私を牽制しているのでしょう。
迂闊に懐へと飛び込めなくなった私は、左側に在る椅子を掴んで、右斜め前へと放りました。
床に〝カンッ!〟とぶつかった音に、相手が反応します。
(今がチャンス!)
再度、駆けていったら、
「デストロイ!」
と、発したアマチュア相撲レスラーが、私の眼前で、上から〝ブオッ!〟とモーニングスターを叩き付けてきたのです。
「!!」
バックステップで躱そうとしたら、体勢を崩して、尻餅を着いてしまいました。
その両足の側に、
ドゴンッ!!
とモーニングスターが当たり、床を少なからず陥没させたではありませんか。
血の気が〝サァーッ〟と引いた私は、そのままの姿勢で後退りしていきます。
おそらく、顔面蒼白になっている事でしょう。
「外れたか…。」
“図体デカ男”が構え直しました。
立ち上がって呼吸を整えた後に、〝ジリ ジリ〟と歩を進める私は、
(あの時の“ボス鼠”に比べたら大したことない! …はず。)
(絶対、いける!)
(弱気になるな!!)
そう自分に言い聞かせ、意を決して、ダッシュしたのです。
右から左へと払われるモーニングスターを、身を低くして逃れつつ、左脇腹に薙刀の柄を〝バンッ!〟と、くらわせました。
「ぐッ!」
五厘刈りが呻きながらも、動きを止めず、左斜め上から右斜め下へとモーニングスターを振るってきます。
(やばッ!!)
頭から左方へと跳んだ私は、〝ズザザーッ〟とスライングしました。
「いつつぅ~ッ。」
私が再び立ったところで、【閃光】が終了したようです。
「お! 見えるようになった。」
瞼を開いた相手が、
「お前、結構やるな。」
「……、どうだ? 俺の部下になんねぇか?」
「毎日、タダ飯、食わせてやるぞ。」
と、勧誘してきました。
「遠慮させてください。」
当然、お断りします。
すると、
「じゃあ、しょうがねぇな。」
「死んでも恨むなよ!」
ミツル君が威嚇してきたのです。
私は、
「閃光!」
「恩恵!」
この二つを発動しました。
しかし、勝てるかは不明です。
【アサシン】のように“探知”していたり、【シーフ】みたいに“嗅覚”と“聴力”を高めている訳ではなさそうなのに、攻撃が割と的確な感じなので。
ただ闇雲なだけの可能性もありますが、勘が優れている印象も受けます。
いずれにしても、厄介な敵に違いありません。
そんな巨漢めがけて、改めて突進していくのでした―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?
あなたの冒険者資格は失効しました〜最強パーティが最下級から成り上がるお話
此寺 美津己
ファンタジー
祖国が田舎だってわかってた。
電車もねえ、駅もねえ、騎士さま馬でぐーるぐる。
信号ねえ、あるわけねえ、おらの国には電気がねえ。
そうだ。西へ行こう。
西域の大国、別名冒険者の国ランゴバルドへ、ぼくらはやってきた。迷宮内で知り合った仲間は強者ぞろい。
ここで、ぼくらは名をあげる!
ランゴバルドを皮切りに世界中を冒険してまわるんだ。
と、思ってた時期がぼくにもありました…
薩摩が来る!
ahorism
ファンタジー
もしも中世ファンタジー世界に、戦国から薩摩の少年が召喚されてしまったら--?
言葉も文化も何ひとつわからないまま漂う異世界。
それでも少年は示現流の剣を頼りに、学校を、戦場を所狭しと駆け巡る。
やがてそれはこの異世界の勢力図を動かすことにもなってゆき--。
これはそんな少年の成長を描いた、サツマ・ミーツ・ガールの物語。
(※この物語での薩摩弁は、決して監修を受けた正確なものではありません)
【第一章 士官学校編】
ここは、戦火絶えない剣と魔法の世界。
偶然立ち寄った遺跡で盗賊の手から少女を救ったのは、サツマから来たという異国の少年だった。
まともに言葉も通じない少年の教育を兼ね、少女は彼を従者として士官学校へ同行することにする。
学生との一騎打ちや模擬戦で名を馳せていく少年。
波乱に溢れた学校生活が幕を開ける。
【第二章 アルレーン防衛戦編】
突如として降って湧いた隣国からの宣戦布告に動揺を隠せない西方寮の学生たち。
盟主の息子バスティアンは、戦地に赴くことを皆に告げる。
少年と少女もまた彼に従うことを決め、志願した学生ともども西方都オルレンラントを目指すことに。
しかし戦火は彼らの予想よりも早く広がっていた。
想定外の戦争に彼らは巻き込まれて行く--。
紅い騎士の物語
アヴァン
ファンタジー
退屈な毎日を送っている千堂ヒカリは変化のある日常を心の奥底で求めていた。
ある日、町ではある噂が流行り始める。それはこの町には魔女の屋敷があるという事。
ヒカリと同級生の五条と黒霧は噂の真偽を確かめるために町の散策に取り掛かるが…
物語が進んでいくにつれリセットされていく記憶!それと同時に見えてくる記憶喪失の真相!日常的な非日常の中の学園生活と異能バトル!
カクヨムとなろうにも転載してますので、よろしくお願いします!
八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。
龍神村の幼馴染と僕
栗金団(くりきんとん)
ファンタジー
中学生の鹿野一角は、シングルマザーの母の入院に伴いおばの家がある山間部の龍神村に越してくる。
しかし同い年のいとこの北斗は思春期からか冷たく、居心地の悪さを感じて一人自転車で村を回ることにする。
小学校や田んぼ道を走りながら、幼いころ夏休みの間に訪れた記憶を思い起こす一角。
記憶では一角と北斗、さらにいつも遊んでいる女の子がいた。
最後に龍神神社を訪れた一角は、古びた神社で懐かしい声を聞く。
自身を「いっくん」と呼ぶ巫女服姿の少女の名はタツミ。彼女はかつての遊び相手であり、当時と同じ姿形で一角の前に現れた。
「いっくん、久しぶりだね!」
懐かしい思い出に浸りながら、昔と変わらず接するタツミと子供のように遊ぶ一角。
しかしその夜、いとこからある質問をされる。
「ねぇ一角、神域に行ってないよね?」
その一言から、一角は龍神村とタツミの違和感に触れることとなる。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる