JK LOOPER

猫ノ謳

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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

48.ご飯を食べたいだけなのに。

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やって来ました、横浜は、元町!

私が目指すのは、そう、“中華街”であります♪

この方面の電気やガスなどが稼働しているのを期待して、立ち寄ってみることにしたのです。

現在、AM11:25ぐらいとなっています。

時間は早いですが、お昼にするため、原付バイク関連を[アイテムBOX]に格納した私は、リーズナブルな店舗を探すべく、“玄武門”に向かって歩いていきました。

2~3分後に見えてきたその門には、7人のチンピラがたむろしていたのです。

路上に直で座っている彼らのうち、5人は、金属バットや鉄パイプを所持しています。

(面倒な事に巻き込まれそうな…。)

そう思った私が、回れ右して、立ち去ろうとしたところ、

「ちょっ、待てよ!」

と、声を掛けられたのです。

(え?! もしかして、キム○ク?)

振り返ってみたら、一人の男性が立ち上がっていました。

背丈は160㎝くらいで、茶髪のセミロングにパーマをかけている小太りさんです。

似ても似つかぬ容姿に、

(なんだかなぁー。)

やや引いていたところ、その人が、バットを右手に、ガニ股で体を揺らしながら〝ズカズカ〟近づいてきつつ、

「おめぇ、今、俺らのこと見たくせに無視したべ?」

と睨んできたではありませんか。

更には、他のチンピラたちも、その後ろに〝ゾロゾロ〟と続いてきます。

「さぁ? なんの事でしょう。」

首を傾げて、この場をやり過ごそうとしたのですが、

「あ!? ふざけんなよ、テメぇ!!」
「女だからって容赦しねぇぞ、こっちは!!」

火に油を注いでしまいました。

その左斜め後ろに居る、身長が170㎝ほどで、左手に鉄パイプの、赤髪ソフトモヒカンが、

「落ち着けって。」
「まずは、ここの“しきたり”教えてやれよ。」

と、宥めます。

「…、ああ、そうだな。」

冷静になった小太りが、

「いいか?」
「中華街に入りたかったら、通行料10万円、俺らに払え。」

と言い出したのです。

「なぜですか?」

そう訊ねたところ、

「あッ?! そりゃ、お前、“ミツル君”への上納金に決まってんべや!!」

キレられました。

「誰です?」

質問する私に、

「なんだ、おめぇ、ミツル君、知んねぇのかよ?」
「さては…、ジモピーじゃねぇべ!?」

小太りが眉間にシワを寄せます。

「はぁ、東京ですけど。」

そう答えたら、右斜め後ろの、背丈が165㎝ぐらいであり、頭部は短く襟足が長い金髪で、右手に鉄パイプのチンピラが、

「じゃあ、仕方ねぇな。」
「よく聞けよ、てめぇ。」
「ミツル君はなぁ、この中華街で暴れ回ってた“小ボス”を倒した、すっんげぇ人なんだよ!」
「なんせ、ほぼ全員が手出しできなかったぐれぇだかんなッ。」

ドヤってきたのです。

「かなり強い敵だったんですか?」

私が窺ったところ、それぞれに、

「そりゃあ、お前…、なあ?」

「お、おう、……だな。」

「まぁ、アレ・・だったかんなぁ。」

「そりゃ、やっぱ、すげぇべ?」

歯切れが悪くなりました。

「ん??」
「弱かったんですか?」

という問い掛けに、

「バッ!」
「そういうんじゃねぇんだよ!!」

焦った様子のソフトモヒカンが、

「あれは、その…、デッケぇ“ゴッキー”だったんだよ。」
「あと、子分を60匹くらい連れてやがった。」
「それに、どいつもこいつも、人間みてぇに歩くし、武器を扱いやがるし、ちょいちょい飛んでたし…。」

遠い目をしたのです。

「それは……、想像しただけで鳥肌が立ちますね。」

私が表情を歪めたら、

「だべぇ?」

チンピラ一同が〝うん うん〟と頷きました。

なんか、私と彼らとの間で、妙な連帯感が生じています。

ま、友達になるのは、お断りですけど。

小太りの、

「で、恩返しとして、メシを奢らせてんのよ、毎日。」
「拒否った連中はボコボコにしてっけどな。」

という発言に、

「そういや、無駄に抵抗した奴らが何人か死んじまったべ?」

金髪襟足が〝ヘラヘラ〟しました。

「あー、あそこの通りの。」
「ありゃ、傑作だったよな。」

小太りが口を開き、誰もが笑いだしたのです。

「殺したんですか?」
「罪のない人たちを??」

眉をひそめた私に、

「逆らいやがったから、しょうがねぇべ。」

金髪襟足が、さも当然みたいな態度になります。

「警察は、あなた達を野放しにしているんですか?」

との疑問を投げかけてみたところ、赤髪ソフトモヒカンが、

「何回か来やがったけど、追っ払ってやったよ。」
「あいつら、忙しいらしく、俺らだけに構ってらんねぇみたいだぜ。」
「まぁ、お陰で、こっちは好き勝手できてんだけどな。」
「化け物どもは、ミツル君を中心に“戦闘職”と“ユニーク職”が潰していってんから、なかなか快適だぜ、ここは。」

そのように解説したのです。

私は、ずっとニヤついている非常識なチンピラたちを、懲らしめないといけない気がしてきました―。
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