31 / 278
1st STAGE/ループには回数制限があるようです。
31.煩わしい奴ら
しおりを挟む
私を先頭に、咲凛ちゃんと、葵月ちゃんとが、階段を〝トタ トタ〟下りていきます。
待ち構えていた母が、心配そうに、
「琴晴ちゃん、あっち。」
と、居間の方を指差しました。
そちらへと足を運んでみたら、男性陣が縁側の窓を睨み付けていたのです。
そんな状況で、弟の利勇が、
「あ、姉ちゃん、アイツらが、また…。」
と声を掛けてきました。
そちらを見てみたところ、人外どもが新たに出現していたのです。
エネミーを目視した私は、
(お風呂に入る前にしてほしかった。)
と、思いつつ、玄関へと回ったのでした。
ジャージタイプのパジャマ姿のままで…。
お庭に出た私は、〝ホッ〟と一安心しました。
何故なら、虫系がいなかったからです。
“蛾”などは灯りに群がる習性があるので、危惧していましたが、これなら落ち着いて行動できます。
敵の面子は、天使・お地蔵さんみたいな仏・ゴブリン・鎌鼬が4体ずつの、計16体です。
こちらに気付いた連中が向きを変えます。
私は、これまで通り【閃光】と【恩恵】を用いました。
動物型は鼻が利くので、早めにイタチを倒しておきたいところです。
躱される可能性もありますが、躊躇ったとて物事は進まないので、おもいきって薙刀を突き出します。
予想に反して、刃の切っ先が、
ズブシュッ!!
と額に刺さった鎌鼬が消滅しました。
そのままの勢いで、他の三体も、真上から両断したり、首を刎ねたり、心臓を貫いて、屠ったのです。
(あれ?)
意外にも簡単だったことに首を傾げましたが、
(あ! 私のレベルが上がっているからか!!)
と、腑に落ちました。
聡真くんの話しを元に分析してみれば、LV.4である私の攻撃力は40であり、恩恵によって2倍の80になっている筈です。
更には、[普通の薙刀]における“攻撃力:+15”が加算されています。
おそらくですが、“素早さ”もLV.1だった頃より幾らかはアップしていることでしょう。
その結果、イタチらは避けきれなかったのであろうとの考えに至りました。
これはもう、相手が格下であれば、もはや勝ち筋しかないも同然です!
いや、図に乗るとピンチに陥りかねないので、慎重にいきましょう。
改めて【閃光】と【恩恵】を発動した私は、残りの人外を撫で斬りにしていきました。
それから二時間近くが経過し、誰もが眠りに就いていきました。
咲凛ちゃんと葵月ちゃんは、私の部屋に、お布団を二列に敷いて、仲良く並んで寝ています。
私は、慣れないことが続いたので、かなり疲れていたのでしょう、ベッドで横になるなり、爆睡してしまいました…。
身体を〝ユッサ ユッサ〟と揺らされて、〝ハッ!〟と目を覚ました私に、
「起きた!」
「おばさんが来てるよ、琴晴ちゃん。」
と葵月ちゃんが告げたのです。
「んんー??」
眠気眼の私に、葵月ちゃんの左隣に居る咲凛ちゃんが、
「また、出たんだって。」
と、教えてくれました。
「そうなの?」
二人の背後に立っている母が、私の問いに頷きます。
「今、何時ぐらい?」
上体を起こしながら質問したところ、
「夜中の二時を少し回ったくらい。」
と咲凛ちゃんが答えました。
「……、そんな時間に傍迷惑な。」
ぼやきつつ、ベッドから出た私は、再び外へと向かったのです。
お庭にて、天使×2、仏×2、ミニデーモン×3、一つ目小僧×3が、争っております。
安眠を妨げられた私は、ご機嫌斜めになりながら、エネミーを屠っていくのでした―。
待ち構えていた母が、心配そうに、
「琴晴ちゃん、あっち。」
と、居間の方を指差しました。
そちらへと足を運んでみたら、男性陣が縁側の窓を睨み付けていたのです。
そんな状況で、弟の利勇が、
「あ、姉ちゃん、アイツらが、また…。」
と声を掛けてきました。
そちらを見てみたところ、人外どもが新たに出現していたのです。
エネミーを目視した私は、
(お風呂に入る前にしてほしかった。)
と、思いつつ、玄関へと回ったのでした。
ジャージタイプのパジャマ姿のままで…。
お庭に出た私は、〝ホッ〟と一安心しました。
何故なら、虫系がいなかったからです。
“蛾”などは灯りに群がる習性があるので、危惧していましたが、これなら落ち着いて行動できます。
敵の面子は、天使・お地蔵さんみたいな仏・ゴブリン・鎌鼬が4体ずつの、計16体です。
こちらに気付いた連中が向きを変えます。
私は、これまで通り【閃光】と【恩恵】を用いました。
動物型は鼻が利くので、早めにイタチを倒しておきたいところです。
躱される可能性もありますが、躊躇ったとて物事は進まないので、おもいきって薙刀を突き出します。
予想に反して、刃の切っ先が、
ズブシュッ!!
と額に刺さった鎌鼬が消滅しました。
そのままの勢いで、他の三体も、真上から両断したり、首を刎ねたり、心臓を貫いて、屠ったのです。
(あれ?)
意外にも簡単だったことに首を傾げましたが、
(あ! 私のレベルが上がっているからか!!)
と、腑に落ちました。
聡真くんの話しを元に分析してみれば、LV.4である私の攻撃力は40であり、恩恵によって2倍の80になっている筈です。
更には、[普通の薙刀]における“攻撃力:+15”が加算されています。
おそらくですが、“素早さ”もLV.1だった頃より幾らかはアップしていることでしょう。
その結果、イタチらは避けきれなかったのであろうとの考えに至りました。
これはもう、相手が格下であれば、もはや勝ち筋しかないも同然です!
いや、図に乗るとピンチに陥りかねないので、慎重にいきましょう。
改めて【閃光】と【恩恵】を発動した私は、残りの人外を撫で斬りにしていきました。
それから二時間近くが経過し、誰もが眠りに就いていきました。
咲凛ちゃんと葵月ちゃんは、私の部屋に、お布団を二列に敷いて、仲良く並んで寝ています。
私は、慣れないことが続いたので、かなり疲れていたのでしょう、ベッドで横になるなり、爆睡してしまいました…。
身体を〝ユッサ ユッサ〟と揺らされて、〝ハッ!〟と目を覚ました私に、
「起きた!」
「おばさんが来てるよ、琴晴ちゃん。」
と葵月ちゃんが告げたのです。
「んんー??」
眠気眼の私に、葵月ちゃんの左隣に居る咲凛ちゃんが、
「また、出たんだって。」
と、教えてくれました。
「そうなの?」
二人の背後に立っている母が、私の問いに頷きます。
「今、何時ぐらい?」
上体を起こしながら質問したところ、
「夜中の二時を少し回ったくらい。」
と咲凛ちゃんが答えました。
「……、そんな時間に傍迷惑な。」
ぼやきつつ、ベッドから出た私は、再び外へと向かったのです。
お庭にて、天使×2、仏×2、ミニデーモン×3、一つ目小僧×3が、争っております。
安眠を妨げられた私は、ご機嫌斜めになりながら、エネミーを屠っていくのでした―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる