347 / 350
- 最終期・全身にて全霊を賭けて -
第347話 クライマックス・承
しおりを挟む
『ステータスの倍増を。』
クレリック達に【伝言】した俺は、宙へと浮いていく。
背後では[三年のウィッチ]が続いているようだ。
[一年生書記]を軸に【加護】が施されていくなか、俺と[魔女]は地上11Mあたりの位置で止まった。
そうしたところで、
「準備は整ったか?」
鞘から剣を抜いた[天地晦冥の主]が、
「ならば、掛かってこい。」
表情を変えずに告げてきたのである。
「そんじゃ、やるとすっか。」
このように呟いた俺は、〝すぅ――ッ〟と息を吸い、
「攻撃、開始ぃッ!!!!」
[召喚組]の約400人に指示した。
それによって、まず、[狙撃手]のメンバーが“ビームライフル”を発射する。
ほぼ同時に、[弓士]が“爆裂の弭槍”で矢を射った。
これらの悉くが[ラスボス]の両脚に当たる。
そこへ、[武術士]が“風撃の鉄甲”の右手を突きだし、[クレリックランサー]が“大地の槍”で陸を掬う。
これらもまた、[天地晦冥の主]の下半身にヒットした。
更には、
「スラッシュマックス!!」
[勇者]が“許多の聖剣”を突き出す。
それによって、直径50㎝×長さ5Mで、両外が紫色かつ内側が白色といった八本の【光線】が、円形状に放たれる。
なんでも、[生徒会長]が“LV.100”になったときに覚えた【スキル】なのだそうだ。
いずれにせよ。
この【ビーム】も[ラスボス]の脚に直撃した。
そうした数々の強襲によって、[天地晦冥の主]の“足鎧”に罅が生じている。
「ふむ。」
「なかなかやりおるな。」
余裕な[ラスボス]が、
「では、反すとするか。」
“直径10Mの魔法陣”を横並びで六つ構築しだす。
「なッ??!」
俺が目を丸くしたタイミングで、[ラスボス]へと駆けていた接近型たちがストップした。
(こいつはヤベェ!!)
急ぎ抜剣した俺は、すぐさま[天地晦冥の主]の頭上に直径15Mの“黒い球体”を出現させる。
この重力で、両膝を着いた[ラスボス]が、
「ぐッうッ!」
苦しそうに顔を歪めた。
ちなみに、魔法陣は全て消えている。
さて…。
そのまま一気に圧し潰そうとしたものの、
「ぬんッ!!」
意地で“ロングソード”を振り上げた[天地晦冥の主]によって、俺の右腕が切断されてしまったうえに、“常闇の剣”ごと、陸に落ちていった。
これで効力を失った“黒い球体”もまた消滅したのである。
なお、俺と[ラスボス]の距離は10M以上だ。
そのため、[天地晦冥の主]の“ソード”は、俺には届いていない。
にも拘わらず、俺の腕は真っ二つにされたのだった。
こうした仕組みを俺が理解できずにいるなか、[ラスボス]が立ち上がってゆく。
流血している俺が、痛みに耐えながら、
「リストア。」
そのように唱えた事で、戻って来た右腕が〝ピタリ〟とくっつく。
これは、俺のレベルが“135”となった際に得た【超激レアスキル】だ。
腕や脚に胴体などを切断されても、繋げられる。
ただし、HPは回復しない。
一度に費やすMPは“500”となっていた。
また、首を斬り落とされたり、脳や心臓を損傷された場合は、不可である。
そんなこんなで、
「面白い能力を備えておるな。」
[天地晦冥の主]が、どこか愉快そうに述べた。
「そっちこそ、珍しい武器みてぇだが?」
俺の質問に〝ふむ〟と頷いた[ラスボス]は、
「アーティファクト、“空絶の長剣”である。」
「使い手を中心に、半径20M以内であれば、上下前後左右どこであっても、空間を越えて対象物を断ち切ることが可能だ。」
そう答えたのである。
これに、
(おいおい。)
(いくらなんでも厄介極まりねぇだろ。)
少なからず動揺する俺であった―。
クレリック達に【伝言】した俺は、宙へと浮いていく。
背後では[三年のウィッチ]が続いているようだ。
[一年生書記]を軸に【加護】が施されていくなか、俺と[魔女]は地上11Mあたりの位置で止まった。
そうしたところで、
「準備は整ったか?」
鞘から剣を抜いた[天地晦冥の主]が、
「ならば、掛かってこい。」
表情を変えずに告げてきたのである。
「そんじゃ、やるとすっか。」
このように呟いた俺は、〝すぅ――ッ〟と息を吸い、
「攻撃、開始ぃッ!!!!」
[召喚組]の約400人に指示した。
それによって、まず、[狙撃手]のメンバーが“ビームライフル”を発射する。
ほぼ同時に、[弓士]が“爆裂の弭槍”で矢を射った。
これらの悉くが[ラスボス]の両脚に当たる。
そこへ、[武術士]が“風撃の鉄甲”の右手を突きだし、[クレリックランサー]が“大地の槍”で陸を掬う。
これらもまた、[天地晦冥の主]の下半身にヒットした。
更には、
「スラッシュマックス!!」
[勇者]が“許多の聖剣”を突き出す。
それによって、直径50㎝×長さ5Mで、両外が紫色かつ内側が白色といった八本の【光線】が、円形状に放たれる。
なんでも、[生徒会長]が“LV.100”になったときに覚えた【スキル】なのだそうだ。
いずれにせよ。
この【ビーム】も[ラスボス]の脚に直撃した。
そうした数々の強襲によって、[天地晦冥の主]の“足鎧”に罅が生じている。
「ふむ。」
「なかなかやりおるな。」
余裕な[ラスボス]が、
「では、反すとするか。」
“直径10Mの魔法陣”を横並びで六つ構築しだす。
「なッ??!」
俺が目を丸くしたタイミングで、[ラスボス]へと駆けていた接近型たちがストップした。
(こいつはヤベェ!!)
急ぎ抜剣した俺は、すぐさま[天地晦冥の主]の頭上に直径15Mの“黒い球体”を出現させる。
この重力で、両膝を着いた[ラスボス]が、
「ぐッうッ!」
苦しそうに顔を歪めた。
ちなみに、魔法陣は全て消えている。
さて…。
そのまま一気に圧し潰そうとしたものの、
「ぬんッ!!」
意地で“ロングソード”を振り上げた[天地晦冥の主]によって、俺の右腕が切断されてしまったうえに、“常闇の剣”ごと、陸に落ちていった。
これで効力を失った“黒い球体”もまた消滅したのである。
なお、俺と[ラスボス]の距離は10M以上だ。
そのため、[天地晦冥の主]の“ソード”は、俺には届いていない。
にも拘わらず、俺の腕は真っ二つにされたのだった。
こうした仕組みを俺が理解できずにいるなか、[ラスボス]が立ち上がってゆく。
流血している俺が、痛みに耐えながら、
「リストア。」
そのように唱えた事で、戻って来た右腕が〝ピタリ〟とくっつく。
これは、俺のレベルが“135”となった際に得た【超激レアスキル】だ。
腕や脚に胴体などを切断されても、繋げられる。
ただし、HPは回復しない。
一度に費やすMPは“500”となっていた。
また、首を斬り落とされたり、脳や心臓を損傷された場合は、不可である。
そんなこんなで、
「面白い能力を備えておるな。」
[天地晦冥の主]が、どこか愉快そうに述べた。
「そっちこそ、珍しい武器みてぇだが?」
俺の質問に〝ふむ〟と頷いた[ラスボス]は、
「アーティファクト、“空絶の長剣”である。」
「使い手を中心に、半径20M以内であれば、上下前後左右どこであっても、空間を越えて対象物を断ち切ることが可能だ。」
そう答えたのである。
これに、
(おいおい。)
(いくらなんでも厄介極まりねぇだろ。)
少なからず動揺する俺であった―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ユウ
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。
みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ!
そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。
「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」
そう言って俺は彼女達と別れた。
しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる