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- 最終期・全身にて全霊を賭けて -
第343話 最後の戦い・其之捌
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陸地にて、[ウェンディゴ女王・猿の女王・狐の王]が突進してゆく。
[オーディン]は“グングニル”を左から右に払い上げる。
これによって、三者が吹き飛ばされた。
そこに、空中のロード達が、総大将へと迫る。
オーディンは、両手で握り直した“槍”を、今度は右から左に振るう。
「シールドスゥイング!」
総大将の一撃を、盾で〝ガシンッ!!〟と防いだ[半天馬の女王]ではあったが、パワー負けして弾かれた。
この間に、 [ダークロード]がオーディンに接近する。
[女魔王]は、スピードに乗ったまま、“永夢の鎌”を、総大将の左肩に突き刺した。
〝ニィ〟と笑みを浮かべた[ダークロード]の腹部に、オーディンが“左のアッパーパンチ”を見舞う。
「ぐふッ!」
痛みに表情を歪めながら、後方に離された[女魔王]が、〝ピタッ〟と止まる。
一方の総大将は、肩を軸に鎖骨と腕が、石と化していきつつあった。
〝ほぉう〟と軽く反応を示したオーディンが、
「ディスオーダー・リカバリー。」
落ち着いて唱える。
そうして、
「“アーティファクト”の1つか…。」
「タナトスが手に入れていた。」
「……、ふむ。」
「あれから、だいぶ時が経ったものだな。」
独り呟く総大将だった。
平然としているオーディンに、
「何故だ?!!」
「あの魔法で石化を解くのは無理であろうに??!」
驚きを隠せないのは、当然、[ダークロード]だ。
「愚かな…。」
「お前らと神とでは偉力が異なるに決まっておろう。」
「ましてや我は“三将軍の筆頭”である。」
「魔法の質が違うのだ。」
「ここまで多くの神々を倒してきたからといって、思い上がるなよ、下等生物どもめが。」
このように述べた総大将が、左手を出して、再び“直径8Mの魔法陣”を3つ展開していく。
だが、
「挑発!!」
機転を利かした[猿の女王]によって、オーディンが魔法陣の構築を中断する。
その流れで、総大将は、武器を振るいだす。
これらの攻撃を、[モンキーロード]が〝ヒラリ ヒラリ〟と躱してゆく。
そこへ、“吹雪みたいな息”を吐いた[ウェンディゴ女王]によって、オーディンの下半身が凍り付いた。
この足元に、すかさず直径2ぐらいの魔法陣を出現させたのは、[狐の王]だ。
“魔法剣士”である[フォックスロード]が、【爆発】を生じさせる。
氷が砕けるのと共にダメージを負って、ふらついた総大将は、
「成程。」
「考えを改めねばなるまいな。」
「何事も侮ってはならん、と。」
「……、慢心なく、皆殺しにしてくれよう。」
そう告げるのであった。
これに、
「ふんッ!」
「ここが墓場となるのは、そっちのほうだわい!!」
[女魔王]が威勢よく返す。
「面白い冗談だ…。」
「やってみろ!」
受けて立った総大将と、ロードらが、新たに対峙する。
ほんの数秒を置いて、先に動いたのは、オーディンだった。
総大将が、おもいっきり“グングニル”を投げる。
しかし、それは、[女魔王]と[ペガサスロード]の上を過ぎていく。
顔だけ後ろを向いた五者が、“槍”を目で追う。
「損じたのか?」
[女魔王]が怪訝そうにしたところで、オーディンが魔法陣を2つだけ縦一列に築いた。
〝!!〟と気づいたロードたちではあったが、少し遅かったようだ。
下からは【猛毒】が噴射たれ、上からは“最大直径8M×長さ15Mあたりで歪なクリスタル系の【土】が放たれる。
陸で、[ウェンディゴ女王/猿の女王/狐の王]が、苦しみながら膝を着く。
宙では、[ダークロード]が“鎌”を払う。
刃が当たった【土の塊】が、砕け散る。
(あやつらを解毒してやらねばの。)
下を見た[女魔王]の“右の背中”に、何かが〝ドシュッ!〟と刺さった。
これは、戻って来た“グングニル”である。
先端が胸から出たところで、槍そのものが停止するなか、
「がはッ!!」
血を吐く[ダークロード]であった―。
[オーディン]は“グングニル”を左から右に払い上げる。
これによって、三者が吹き飛ばされた。
そこに、空中のロード達が、総大将へと迫る。
オーディンは、両手で握り直した“槍”を、今度は右から左に振るう。
「シールドスゥイング!」
総大将の一撃を、盾で〝ガシンッ!!〟と防いだ[半天馬の女王]ではあったが、パワー負けして弾かれた。
この間に、 [ダークロード]がオーディンに接近する。
[女魔王]は、スピードに乗ったまま、“永夢の鎌”を、総大将の左肩に突き刺した。
〝ニィ〟と笑みを浮かべた[ダークロード]の腹部に、オーディンが“左のアッパーパンチ”を見舞う。
「ぐふッ!」
痛みに表情を歪めながら、後方に離された[女魔王]が、〝ピタッ〟と止まる。
一方の総大将は、肩を軸に鎖骨と腕が、石と化していきつつあった。
〝ほぉう〟と軽く反応を示したオーディンが、
「ディスオーダー・リカバリー。」
落ち着いて唱える。
そうして、
「“アーティファクト”の1つか…。」
「タナトスが手に入れていた。」
「……、ふむ。」
「あれから、だいぶ時が経ったものだな。」
独り呟く総大将だった。
平然としているオーディンに、
「何故だ?!!」
「あの魔法で石化を解くのは無理であろうに??!」
驚きを隠せないのは、当然、[ダークロード]だ。
「愚かな…。」
「お前らと神とでは偉力が異なるに決まっておろう。」
「ましてや我は“三将軍の筆頭”である。」
「魔法の質が違うのだ。」
「ここまで多くの神々を倒してきたからといって、思い上がるなよ、下等生物どもめが。」
このように述べた総大将が、左手を出して、再び“直径8Mの魔法陣”を3つ展開していく。
だが、
「挑発!!」
機転を利かした[猿の女王]によって、オーディンが魔法陣の構築を中断する。
その流れで、総大将は、武器を振るいだす。
これらの攻撃を、[モンキーロード]が〝ヒラリ ヒラリ〟と躱してゆく。
そこへ、“吹雪みたいな息”を吐いた[ウェンディゴ女王]によって、オーディンの下半身が凍り付いた。
この足元に、すかさず直径2ぐらいの魔法陣を出現させたのは、[狐の王]だ。
“魔法剣士”である[フォックスロード]が、【爆発】を生じさせる。
氷が砕けるのと共にダメージを負って、ふらついた総大将は、
「成程。」
「考えを改めねばなるまいな。」
「何事も侮ってはならん、と。」
「……、慢心なく、皆殺しにしてくれよう。」
そう告げるのであった。
これに、
「ふんッ!」
「ここが墓場となるのは、そっちのほうだわい!!」
[女魔王]が威勢よく返す。
「面白い冗談だ…。」
「やってみろ!」
受けて立った総大将と、ロードらが、新たに対峙する。
ほんの数秒を置いて、先に動いたのは、オーディンだった。
総大将が、おもいっきり“グングニル”を投げる。
しかし、それは、[女魔王]と[ペガサスロード]の上を過ぎていく。
顔だけ後ろを向いた五者が、“槍”を目で追う。
「損じたのか?」
[女魔王]が怪訝そうにしたところで、オーディンが魔法陣を2つだけ縦一列に築いた。
〝!!〟と気づいたロードたちではあったが、少し遅かったようだ。
下からは【猛毒】が噴射たれ、上からは“最大直径8M×長さ15Mあたりで歪なクリスタル系の【土】が放たれる。
陸で、[ウェンディゴ女王/猿の女王/狐の王]が、苦しみながら膝を着く。
宙では、[ダークロード]が“鎌”を払う。
刃が当たった【土の塊】が、砕け散る。
(あやつらを解毒してやらねばの。)
下を見た[女魔王]の“右の背中”に、何かが〝ドシュッ!〟と刺さった。
これは、戻って来た“グングニル”である。
先端が胸から出たところで、槍そのものが停止するなか、
「がはッ!!」
血を吐く[ダークロード]であった―。
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