336 / 350
- 最終期・全身にて全霊を賭けて -
第336話 最後の戦い・其之壱
しおりを挟む
「余の面目を潰せし事、万死に値する。」
「命をもって償え。」
[天地晦冥の主]が告げるなり、動きだす神どもであった……。
他の三方位でも、ほぼ同時に、敵軍が突撃を開始する…。
南側にて。
以前、大魔王などやエルフ達と共に“オーク軍”と戦った[メスで豹の獣人]が、【可視化】を用いた。
「“三将軍のパズズ”とやらは、攻撃に回復はもとより、毒と混乱の魔法を備えているようです。」
「また、剣士、アサシン、武闘家、戦士、騎士のスキルに、咆哮と、二つの魔法陣を、使えます。」
「それに、あの“蠍の尾”に刺されたなら、麻痺するに違いありません。」
「あと……、かなり強いです。」
「クレリックの“加護”があったとしても、単独では勝てない程に。」
豹からの報告を受け、
「他のロードたちと連係を取らねばなるまい。」
[獅子王]が目を細める…。
[キャット・蛇・昆虫のロード]に[エルフの国主]が、パズズと睨み合う。
周囲や上空では、両軍がバトルを繰り広げていた。
ちなみに、パズズは、左腰に“ハンティング・ソード”を帯びている。
いずれにせよ。
膠着状態を破るべく、〝すぅー〟と息を吸った[獅子王]が、口を開けるなり【ビーム】を放つ。
「むッ?!」
咄嗟に右足を蹴りだした[総大将]によって、〝ズボォンッ!!〟と爆ぜる音と共に、ホワイトイエローの【光線】が消える。
「ぬぅ~ッ!」
「効かぬか。」
眉間にシワを寄せる[キャットロード]に、宙に浮いている[蜂の女王]が、
「いえ。」
「“ミスリル製の防具”に罅が入っていますので、無駄ではなかったみたいですよ。」
そのように伝えた。
こうした流れで、
「どいつもこいつも去ね。」
パズズが、直径8Mはあろうかという魔法陣を、横並びで二つ構築していく。
急ぎ弦を引いた[森人族の長]によって、黄色に輝く“矢”が現れる。
総大将が、魔法陣と同じ大きさの【火の玉】と【風の渦】を飛ばす。
ロードなどは、咄嗟に、しゃがんだり、上昇して、回避する。
そのタイミングで、[エルフの国主]が矢を射る。
“二つの魔法”によって敵味方問わず犠牲者が出るなか、総大将の左脛に【雷の矢】が当たった。
〝ビリビリィーッ!!〟と感電したパズズが、
「ぐッ!」
右膝を地に着く。
少なからず痙攣している総大将との間合いを、[蛇の女王]が一気に詰める。
このままの勢いで[バジリスク]がロングソードによる【乱れ打ち】を発した。
胴に悉くヒットしたパズズは、鎧の所々に若干ながらも亀裂が生じる。
ややグラつく総大将に、[スネークロード]が更なる一撃を加えようと構え直す。
そこへ、
「波動。」
パズズが“右の掌”を突きだした。
「!!」
[蛇の女王]は、反射的に、左の“バックラーシールド”で、自身の正面を護る。
しかし、威力に負けてしまい、
「むぉッ!」
全身ごと後方に弾かれる。
地面に背中を叩き付けられた[バジリスク]ではあったが、すぐに上半身を起こしたので、割と大丈夫のようだ。
こうしたなかで、ふらつきながら立ち上がる[三将軍の一柱]だった―。
「命をもって償え。」
[天地晦冥の主]が告げるなり、動きだす神どもであった……。
他の三方位でも、ほぼ同時に、敵軍が突撃を開始する…。
南側にて。
以前、大魔王などやエルフ達と共に“オーク軍”と戦った[メスで豹の獣人]が、【可視化】を用いた。
「“三将軍のパズズ”とやらは、攻撃に回復はもとより、毒と混乱の魔法を備えているようです。」
「また、剣士、アサシン、武闘家、戦士、騎士のスキルに、咆哮と、二つの魔法陣を、使えます。」
「それに、あの“蠍の尾”に刺されたなら、麻痺するに違いありません。」
「あと……、かなり強いです。」
「クレリックの“加護”があったとしても、単独では勝てない程に。」
豹からの報告を受け、
「他のロードたちと連係を取らねばなるまい。」
[獅子王]が目を細める…。
[キャット・蛇・昆虫のロード]に[エルフの国主]が、パズズと睨み合う。
周囲や上空では、両軍がバトルを繰り広げていた。
ちなみに、パズズは、左腰に“ハンティング・ソード”を帯びている。
いずれにせよ。
膠着状態を破るべく、〝すぅー〟と息を吸った[獅子王]が、口を開けるなり【ビーム】を放つ。
「むッ?!」
咄嗟に右足を蹴りだした[総大将]によって、〝ズボォンッ!!〟と爆ぜる音と共に、ホワイトイエローの【光線】が消える。
「ぬぅ~ッ!」
「効かぬか。」
眉間にシワを寄せる[キャットロード]に、宙に浮いている[蜂の女王]が、
「いえ。」
「“ミスリル製の防具”に罅が入っていますので、無駄ではなかったみたいですよ。」
そのように伝えた。
こうした流れで、
「どいつもこいつも去ね。」
パズズが、直径8Mはあろうかという魔法陣を、横並びで二つ構築していく。
急ぎ弦を引いた[森人族の長]によって、黄色に輝く“矢”が現れる。
総大将が、魔法陣と同じ大きさの【火の玉】と【風の渦】を飛ばす。
ロードなどは、咄嗟に、しゃがんだり、上昇して、回避する。
そのタイミングで、[エルフの国主]が矢を射る。
“二つの魔法”によって敵味方問わず犠牲者が出るなか、総大将の左脛に【雷の矢】が当たった。
〝ビリビリィーッ!!〟と感電したパズズが、
「ぐッ!」
右膝を地に着く。
少なからず痙攣している総大将との間合いを、[蛇の女王]が一気に詰める。
このままの勢いで[バジリスク]がロングソードによる【乱れ打ち】を発した。
胴に悉くヒットしたパズズは、鎧の所々に若干ながらも亀裂が生じる。
ややグラつく総大将に、[スネークロード]が更なる一撃を加えようと構え直す。
そこへ、
「波動。」
パズズが“右の掌”を突きだした。
「!!」
[蛇の女王]は、反射的に、左の“バックラーシールド”で、自身の正面を護る。
しかし、威力に負けてしまい、
「むぉッ!」
全身ごと後方に弾かれる。
地面に背中を叩き付けられた[バジリスク]ではあったが、すぐに上半身を起こしたので、割と大丈夫のようだ。
こうしたなかで、ふらつきながら立ち上がる[三将軍の一柱]だった―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。
みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ!
そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。
「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」
そう言って俺は彼女達と別れた。
しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる