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- 最終期・全身にて全霊を賭けて -

第336話 最後の戦い・其之壱

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「余の面目を潰せし事、万死に値する。」
「命をもって償え。」

[天地晦冥てんちかいめいしゅ]が告げるなり、動きだす神どもであった……。


他の三方位でも、ほぼ同時に、敵軍が突撃を開始する…。 


南側にて。

以前、大魔王などやエルフ達と共に“オーク軍”と戦った[メスで豹の獣人]が、【可視化】を用いた。

「“三将軍のパズズ”とやらは、攻撃に回復はもとより、毒と混乱の魔法を備えているようです。」
「また、剣士、アサシン、武闘家、戦士、騎士のスキルに、咆哮と、二つの魔法陣を、使えます。」
「それに、あの“サソリの尾”に刺されたなら、麻痺するに違いありません。」
「あと……、かなり強いです。」
「クレリックの“加護”があったとしても、単独では勝てない程に。」

豹からの報告を受け、

「他のロードたちと連係を取らねばなるまい。」

[獅子王]が目を細める…。


[キャット・蛇・昆虫のロード]に[エルフの国主]が、パズズと睨み合う。

周囲や上空では、両軍がバトルを繰り広げていた。

ちなみに、パズズは、左腰に“ハンティング・ソード”を帯びている。

いずれにせよ。

膠着状態を破るべく、〝すぅー〟と息を吸った[獅子王]が、口を開けるなり【ビーム】を放つ。

「むッ?!」

咄嗟に右足を蹴りだした[総大将]によって、〝ズボォンッ!!〟と爆ぜる音と共に、ホワイトイエローの【光線】が消える。

「ぬぅ~ッ!」
「効かぬか。」

眉間にシワを寄せる[キャットロード]に、宙に浮いている[蜂の女王]が、

「いえ。」
「“ミスリル製の防具”にひびが入っていますので、無駄ではなかったみたいですよ。」

そのように伝えた。

こうした流れで、

「どいつもこいつもね。」

パズズが、直径8Mはあろうかという魔法陣を、横並びで二つ構築していく。

急ぎつるを引いた[森人族の長]によって、黄色に輝く“矢”が現れる。

総大将が、魔法陣と同じ大きさの【火の玉】と【風の渦】を飛ばす。

ロードなどは、咄嗟に、しゃがんだり、上昇して、回避する。

そのタイミングで、[エルフの国主]が矢をる。

“二つの魔法”によって敵味方問わず犠牲者が出るなか、総大将の左脛に【雷の矢】が当たった。

〝ビリビリィーッ!!〟と感電したパズズが、

「ぐッ!」

右膝を地に着く。

少なからず痙攣している総大将との間合いを、[蛇の女王]が一気に詰める。

このままの勢いで[バジリスク]がロングソードによる【乱れ打ち】を発した。

胴にことごとくヒットしたパズズは、鎧の所々に若干ながらも亀裂が生じる。

ややグラつく総大将に、[スネークロード]が更なる一撃を加えようと構え直す。

そこへ、

「波動。」

パズズが“右のてのひら”を突きだした。

「!!」

[蛇の女王]は、反射的に、左の“バックラーシールド丸盾”で、自身の正面を護る。

しかし、威力に負けてしまい、

「むぉッ!」

全身ごと後方に弾かれる。

地面に背中を叩き付けられた[バジリスク]ではあったが、すぐに上半身を起こしたので、割と大丈夫のようだ。

こうしたなかで、ふらつきながら立ち上がる[三将軍の一柱]だった―。
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