330 / 350
- 最終期・全身にて全霊を賭けて -
第330話 休養
しおりを挟む
ミノタウロス元帥らが[総大将]を滅したことで、中級神どもが慌てふためきながら退却していく。
それを暫く追撃する俺達だった……。
神々の大多数は討ち取ったものの、二十万数ぐらいには逃げられてしまったようだ。
こちらは2万ほどが亡くなっていた。
先の“下級神たちとの戦い”と合わせると、3万くらいが命を落とした事になる。
今回の遺体もまた、一ヵ所に集め、手分けして腐らないように凍らせていくのであった…。
俺たちは、【瞬間転移】を扱える面子によって、再び[東岸]に戻ってきている。
現在は正午あたりのため、海辺で飲食している最中だ。
その間に、北のダークロード/西のケルベロス/南のキャットロードより、順次、【念話】での連絡が入った。
三方とも、俺ら[東のグループ]と似たような状況になっているらしい。
全体的に新たな犠牲者が出たのは残念だが、どこも勝利を収めたことに関しては喜ばしい限りである。
……、いや、正直、複雑な気分だ。
こうした俺の心象を余所に、“二年の弓道部エース”が、
「あの、ずっと疑問だったのですが…。」
「邪神達は、よく今まで、この環境で生きてこられましたよね。」
「だって、結界を張られていたので、徐々に空気が失われていったに違いありませんから。」
「それと……、この大陸には魔物が棲んでいないのでしょうか??」
「ここまで全くもって遭遇していませんので。」
「まぁ、モンスター型の神であれば、それなりの数を見ましたけど。」
そのように述べたのだった。
「おぉー、確かに不思議っスねぇ。」
こう同意したのは、勿論、“一年のボクっ娘”だ。
「神ともなれば、酸素が無くても問題ないのでは?」
“生徒会長”が喋ったところ、
「ドラ○ンボールで言うところの“フ○ーザ”みたいな感じでしょうね、きっと。」
そう補足した“一年の書記”である。
この説明に〝アァ〟と理解を示す“三年の白人留学生”と“二年の黒人元バスケ部”であった。
「となると…。」
「魔物たちは〝いつしか息絶えた〟という事でしょうか??」
「次第に空気が薄くなってしまって。」
“二年の書記”が首を傾げたら、
「可能性としては高そうね。」
そのように応じた“三年の元ソフトボール部”である。
少し離れた位置で、
「私としては、予想していたよりも神々が少ないことのほうが謎です。」
「封印されていた永い間に、もっと子孫繁栄しているものとばかり考えていましたので。」
「それこそ〝数百億になっていてもおかしくないのでは?〟と……。」
こう意見したのは、“エルフの国主”だ。
〝ふむ〟と納得はしたものの、理由が分からない俺は、
「どう思う??」
「ひょっとして、敵は、隠していたりすんのか?」
「あれ、なんだっけ??」
「伏兵?」
「みたいな??」
近くの“アンデッドソーサラー”に話しを振ってみた。
それに対して、
「うぅ~む。」
「………。」
「これは、あくまで、仮説じゃが…。」
「〝数が増えすぎた流れで、多くの者が境遇に不満を募らせていったら、一斉に反旗を翻すかもしれん〟と危惧したのやもしれんな。」
「かつて自分らが下剋上を起こそうとしたように。」
「要は〝内輪もめを避けたかった〟というところじゃろうて。」
「逆に〝この規模であれば謀反を抑えきれる自信がある〟のではないか?」
「“天地晦冥の主”とやらには。」
このようにリッチが推測する。
「そんだけ親玉は強えって事か?」
俺が新たに尋ねてみたところ、
「ま、そう心構えしておいたがよかろうな。」
「あとは……、これまで倒してきた連中よりも、有能な家臣が幾らか存在しており、まだまだ余裕なのかもしれん。」
「ともあれ。」
「連戦連勝に浮かれ過ぎず、引き締め直さんと、痛い目に合うじゃろう。」
「それこそ取り返しがつかんほどに…。」
そう忠告してくる魔霊だった―。
それを暫く追撃する俺達だった……。
神々の大多数は討ち取ったものの、二十万数ぐらいには逃げられてしまったようだ。
こちらは2万ほどが亡くなっていた。
先の“下級神たちとの戦い”と合わせると、3万くらいが命を落とした事になる。
今回の遺体もまた、一ヵ所に集め、手分けして腐らないように凍らせていくのであった…。
俺たちは、【瞬間転移】を扱える面子によって、再び[東岸]に戻ってきている。
現在は正午あたりのため、海辺で飲食している最中だ。
その間に、北のダークロード/西のケルベロス/南のキャットロードより、順次、【念話】での連絡が入った。
三方とも、俺ら[東のグループ]と似たような状況になっているらしい。
全体的に新たな犠牲者が出たのは残念だが、どこも勝利を収めたことに関しては喜ばしい限りである。
……、いや、正直、複雑な気分だ。
こうした俺の心象を余所に、“二年の弓道部エース”が、
「あの、ずっと疑問だったのですが…。」
「邪神達は、よく今まで、この環境で生きてこられましたよね。」
「だって、結界を張られていたので、徐々に空気が失われていったに違いありませんから。」
「それと……、この大陸には魔物が棲んでいないのでしょうか??」
「ここまで全くもって遭遇していませんので。」
「まぁ、モンスター型の神であれば、それなりの数を見ましたけど。」
そのように述べたのだった。
「おぉー、確かに不思議っスねぇ。」
こう同意したのは、勿論、“一年のボクっ娘”だ。
「神ともなれば、酸素が無くても問題ないのでは?」
“生徒会長”が喋ったところ、
「ドラ○ンボールで言うところの“フ○ーザ”みたいな感じでしょうね、きっと。」
そう補足した“一年の書記”である。
この説明に〝アァ〟と理解を示す“三年の白人留学生”と“二年の黒人元バスケ部”であった。
「となると…。」
「魔物たちは〝いつしか息絶えた〟という事でしょうか??」
「次第に空気が薄くなってしまって。」
“二年の書記”が首を傾げたら、
「可能性としては高そうね。」
そのように応じた“三年の元ソフトボール部”である。
少し離れた位置で、
「私としては、予想していたよりも神々が少ないことのほうが謎です。」
「封印されていた永い間に、もっと子孫繁栄しているものとばかり考えていましたので。」
「それこそ〝数百億になっていてもおかしくないのでは?〟と……。」
こう意見したのは、“エルフの国主”だ。
〝ふむ〟と納得はしたものの、理由が分からない俺は、
「どう思う??」
「ひょっとして、敵は、隠していたりすんのか?」
「あれ、なんだっけ??」
「伏兵?」
「みたいな??」
近くの“アンデッドソーサラー”に話しを振ってみた。
それに対して、
「うぅ~む。」
「………。」
「これは、あくまで、仮説じゃが…。」
「〝数が増えすぎた流れで、多くの者が境遇に不満を募らせていったら、一斉に反旗を翻すかもしれん〟と危惧したのやもしれんな。」
「かつて自分らが下剋上を起こそうとしたように。」
「要は〝内輪もめを避けたかった〟というところじゃろうて。」
「逆に〝この規模であれば謀反を抑えきれる自信がある〟のではないか?」
「“天地晦冥の主”とやらには。」
このようにリッチが推測する。
「そんだけ親玉は強えって事か?」
俺が新たに尋ねてみたところ、
「ま、そう心構えしておいたがよかろうな。」
「あとは……、これまで倒してきた連中よりも、有能な家臣が幾らか存在しており、まだまだ余裕なのかもしれん。」
「ともあれ。」
「連戦連勝に浮かれ過ぎず、引き締め直さんと、痛い目に合うじゃろう。」
「それこそ取り返しがつかんほどに…。」
そう忠告してくる魔霊だった―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
[完結:1話 1分読書]幼馴染を勇者に寝取られた不遇職の躍進
無責任
ファンタジー
<毎日更新 1分読書> 愛する幼馴染を失った不遇職の少年の物語
ユキムラは神託により不遇職となってしまう。
愛するエリスは、聖女となり、勇者のもとに行く事に・・・。
引き裂かれた関係をもがき苦しむ少年、少女の物語である。
アルファポリス版は、各ページに人物紹介などはありません。
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
この物語の世界は、15歳が成年となる世界観の為、現実の日本社会とは異なる部分もあります。
幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。
みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ!
そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。
「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」
そう言って俺は彼女達と別れた。
しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
修行マニアの高校生 異世界で最強になったのでスローライフを志す
佐原
ファンタジー
毎日修行を勤しむ高校生西郷努は柔道、ボクシング、レスリング、剣道、など日本の武術以外にも海外の武術を極め、世界王者を陰ながらぶっ倒した。その後、しばらくの間目標がなくなるが、努は「次は神でも倒すか」と志すが、どうやって神に会うか考えた末に死ねば良いと考え、自殺し見事転生するこができた。その世界ではステータスや魔法などが存在するゲームのような世界で、努は次に魔法を極めた末に最高神をぶっ倒し、やることがなくなったので「だらだらしながら定住先を見つけよう」ついでに伴侶も見つかるといいなとか思いながらスローライフを目指す。
誤字脱字や話のおかしな点について何か有れば教えて下さい。また感想待ってます。返信できるかわかりませんが、極力返します。
また今まで感想を却下してしまった皆さんすいません。
僕は豆腐メンタルなのでマイナスのことの感想は控えて頂きたいです。
不定期投稿になります、週に一回は投稿したいと思います。お待たせして申し訳ございません。
他作品はストックもかなり有りますので、そちらで回したいと思います
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる