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- 最終期・全身にて全霊を賭けて -

第326話 内陸にて・起

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俺達は、大陸の中心地を目指して、数日ほど進んでは岸に戻る、といった行動を繰り返している。

美味しい料理を食べるのと、石鹸&シャワーで体を洗う為に。

そうこうしているうちに一ヶ月が過ぎた。

この日の朝に、

「大魔王よ、前方より大量の気配がする。」
「“邪悪なる神々”に違いなかろう。」

【水の王】が知らせてくれたのである。

それによって、【伝言】で陣形を整えるよう仲間に指示する俺だった……。


約30分が経ち、宙に大軍が見えてくる。

「またぞろ二百万はいそうだぞ。」

こう述べたのは、[バードロード]であった。

徐々に近づいてきた敵集団の一部に、俺は【可視化】を用いてみる。

それによれば、“中級神”である事が判明した。

コイツラは主にLV.101~130のようだ。

なかにはLV.140がチラホラと居るみたいなので“指揮官クラス”だろう。

神どもは、人型・動物・植物・昆虫と、さまざまだ。

一柱ひとはしらだけLV.150が存在している。

どの神も〝ステータスは同レベルの騎士の倍〟という感じだった。

更には、“攻撃系”と“治癒系”の【魔法】に、[剣士][アサシン][武闘家]の【スキル】を有している。

100Mぐらい離れた位置で止まった“邪悪なる神々”は、オリハルコンの武器と防具を装備しているみたいだ。

雑兵の背丈は5Mで、指揮官らは5.5Mといったところであった。

[総大将]らしき一柱だけは、身長が6Mはありそうだ。

この女神・・が、

「下級神たちを倒したからといって図に乗らないことね。」
「今ここでくだれば、まだ許してあげるわよ。」
「まぁ、全員、死ぬまで奴隷として使い続けるけど。」

〝フッ〟と口元を緩める。

「はんッ!」
「お断りだ!!」
「返り討ちにしてやっから覚悟しろよ!」

そう俺が突っぱねたら、

「いい根性してんじゃないのッ。」
「神に逆らったことを、あの世で後悔しなさい!!」

不愉快そうにした[総大将]が、〝すぅ――――ッ〟と息を吸い、

「皆殺しにせよ!!!!」

自軍を動かした。

おおよそではるが、145万が[地上班]に、50万が俺などの[空中班]に、向かって来ながら、【魔法】を扱う。

残りの5万くらいは、女神と共に待機している。

とりあえず、“高みの見物”を決め込むつもりらしい。

俺を筆頭に、誰もが応戦していくなかで、一本の矢が[総大将]へと飛んでゆく。

腹部にヒットしそうになったところを、

「くッ!」

女神が体を捻って躱す。

結果、真後ろに居た家臣の胸元に刺さるなり、大爆発を起こしたのである。

無論、これは、[弓士きゅうし]によるものだった。

「おのれッ。」
猪口才ちょこざいな!!」

怒りを露わにした[総大将]が、二年生の弓道部エースへと強襲を仕掛ける。

そばに控えていた連中も、それに伴う。

そこへ、“半透明のソード”が、100本ほど放たれた。

これら・・・は、生徒会長が操った[許多あまた聖剣せいけん]の能力だ。

最近までは90本ぐらいが限界だったのだが、レベルが上がった事で、本数が増えている。

ちなみに、前回の戦闘によって、それぞれが5~10はUPしていた。

俺みたいにLV.100を超えている面子も一つは上がっている。

ま、1人につき平均で15万あたりの下級神どもをほふったのだから、アップして当然だろう。

なお、[勇者]と[聖女]は、各自で10コはUPしていた。

チートが故に…。

いずれにせよ。

女神を中心とした何柱かに、“半透明のソード”が数本ずつ直撃して、〝スッ〟と消える。

「ぐぬぅ~ッ!」

流血した[総大将]などが、割と空いていた場所に着地して、【魔法】で傷を癒していく。

そこへ進み出ながら、

「お前の相手は、我らが致そう。」

毅然と告げる[ミノタウロス元帥]だった―。
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