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- 第五期・再びの異世界 -

第231話 守勢・前編

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ダークエルフ軍の約1万が、上半身を縄で縛られた格好で、正座させられている。

勿論、ダークエルフ以外にも、様々な種族のモンスター達が見受けられた。

こいつらの先頭には、深緑色の[ウィザードローブ]をまとった女性のダークエルフが居て、不機嫌そうにしている。

肌はブラックとグレーの中間といった感じだ。

ショートにしている髪は、濃い紫である。

頭の良い生徒会長によると“紫紺しこん”という名称らしい。

そんなダークエルフを、【可視化】でチェックしてみたところ、[LV.130/HP:780/MP:1300/基本攻撃力:585/基本防御力:520/基本素早さ:650]だった。

ジョブは【ウィッチ魔女】である。

更に【封止ふうし】のスキルも確認できた。

この、総大将に違いない“ウィッチ”に、

「幾つか質問させてもらうぞ。」

俺が告げたところ、

「ふんッ!!」

そっぽを向きやがった。

〝カチン!〟ときた俺は、

「チャーム!!」

【魅了】を施して、コイツ専用のテント(ゲル)へと連れ込み、生意気な態度を改めさせるべく、しつけたのである。

身体カラダで……。


数十分後。

野外で待機しているみなと合流した後に、いろいろと訊いてみた。

まず判明したのは、[ダークエルフ魔女]が“四将軍のNO.2”という事だ。

その【ウィッチ】の次にレベルが高いのは、男性ダークエルフである。

装備している防具からして【剣士】であろうことは疑いようがない。

こっちは“LV.118”の[西方領主]だった。

そんな二人によれば、現在、およそ50万数の軍勢が、ガーゴイル国の東方に赴いているのだそうだ。

連中は、既に占拠した城や砦に駐屯しているらしい。

ダークエルフの国では、戦準備を終えた後続軍が、こっちに向かって来ているとの話しである。

ロード自ら150万の兵を率いて…。

[鳥の王]が、

「あと、どのくらいで到着する?」

と、尋ねたら、

「3、4日、だろう。」

“四将軍のNO.2”が答えた。

「どうなさいます??」

そのように伺ってきたのは【聖女】だ。

「当然、叩きのめすにして……。」
「お前たちのロードって、どんなヤツなんだ?」

俺の問いに、

「レベルが151の、魔法戦士・・・・ですよ、“並外れし御方おかた”。」

[ダークエルフのウィッチ]が述べる。

「ん??」
「“魔法士”じゃなく?」

俺が首を傾げたところ、敵の[西方領主]が、

「我らのロードは、もともと“戦士”であらせられたが、子供の頃より魔法を学び、鍛錬を重ねられた事によって、他に例のないジョブに成られたのだ。」

こう説明した。

「そういうことって、あんのか??」

千年の歴史を持つアンデッドソーサラーに、俺が視線を送ったら、

「初耳ではあるが…、その者は生まれつき才能があったんじゃろう。」
「修行を積んだ結果、開花して、魔法も扱えるようになったのやもしれん。」
「まぁ、仮設に過ぎんがのぉ。」
「それにしても……、興味深いわぃッ!」

なんだか愉快そうにしたのである。

「ふぅ~む。」

俺は一応に納得しつつ、

「ま、難しく考えてもしゃーねぇか。」
「要は、ぶっ倒せばいい訳だし…。」
「今度は油断せずに!」

周囲だけでなく自分にも言い聞かせた。

「…………、おし!!」
「決めた!」
「まずは……。」
「ガーゴイルの国に侵入しているダークエルフ軍は、俺に服従しろッ!!」

【絶対服従】を発動した俺は、

『捕虜を解放した後に、全員、敵の増援が到着する国境地点へと移動せよ!』

そのように【伝言】で命令したのである―。
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