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- 第五期・再びの異世界 -
第204話 いちゃもん
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週が明けてからも、生徒会役員の三人に、質問責めにあっていた。
彼女たちは、休み時間の度に足を運んでくる。
お昼以外は。
俺は辟易しつつ〝知らぬ存ぜぬ〟を貫いていた。
(説明したところで信じてもらえないだろう。)
とも思うようになっていたので……。
その日の放課後、俺は、いつものように[商店街]を歩いて、駅へと向かっていた。
この“ショッピング街”は割と都会的で洒落ている。
自転車で登下校している者たちもいるが、電車やバスを使用している人々はアーケードを往来するのが日常だ。
俺が駅へと向かっていたところ、背後から、
「おい!」
と、声を掛けてきた奴がいた。
「ん?」
振り返ってみると、うちの高校の制服を着た男子に、他校のヤンキー×3人が、視界に入ったのである。
「…、誰だっけ??」
首を傾げる俺に、真面目そうな印象の生徒が、
「おめぇと同じ学校の“副会長”だよ!!」
「生徒会の!」
キレてきやがった。
「あー、……、言われてみれば。」
納得しつつ、
「それで?」
「なんか用っすか??」
聞いてみたところ、
「ちょっと、面、貸せよ。」
路地裏に連れていかれたのである。
一方。
離れた場所で、“ボクっ娘”が、それを目撃し、
(あの連れていかれている生徒は、確か数日前に靴箱で会った…。)
「ごめん、これを持っててくれるかい?」
学生鞄を、一緒に居た友達の一人に渡す流れで、
「君たちは、ここを動かないでいてくれ。」
「多分、危険だから。」
と指示して、彼らを尾行した。
建物と建物の間に在る細幅の通路にて――。
背丈は165㎝くらいで、金髪リーゼントパーマかつ小太りの男が、ガンを飛ばしてきている。
コイツの左斜め後ろ(俺から見て右斜め)には、身長175㎝ぐらいで痩せ型の男が、〝クチャ クチャ〟とガムを噛みながら、ニヤケていた。
そっちは、茶髪オールバックで、襟足を伸ばしており、横長&薄いグレー色のサングラスをかけている。
この右隣(俺からは左)のヤツは、黒髪の角刈りで、剃り込みが深く、眉毛が無い。
背丈は170㎝といったところで、体格は一般的だ。
それら絵に描いたような不良どもの最後尾に、副会長がスマホを操作していた。
おそらく、俺がコテンパンにやられる様子でも動画撮影したいのだろう。
あとで晒すために。
「で?」
「なんなんすか?? いったい。」
尋ねてみたら、
「お前、…、オレのカノジョと、どういう関係なんだよ!?」
副会長が怒鳴ってきたのである。
「は?!」
意味が分からず、眉間にシワを寄せたところ、
「惚けんじゃねーよッ!!」
「いつも、生徒会の女子三人とツルんでるだろうが!」
「俺が別れを告げられたのは、テメぇの所為に決まってる!!」
かなり機嫌が悪くなった。
少し考えた俺は、
「ああー、生徒会長の……。」
二人が交際していた事を思い出したのである。
(あっちの世界で破局したのが、こっちでも影響を及ぼしているってことか?)
推測してみたものの、詳細は不明なので、止めておいた。
「副会長が何を勘違いしてるか知らねーすけど…、俺も迷惑してんすよ、毎日、追いかけ回されて。」
「ま、結局、あんたらの件は、二人で話し合って解決してくださいよ。」
相手を落ち着かせて、この場をやり過ごそうとしたら、
「あッ!?」
「ふざけんな!」
「お前が悪いんだから、土下座して詫びろ!!」
「さもなきゃ、この三人にボコらせっぞ!」
強迫してきやがったのである。
俺が異世界で生徒会長を寝取ったのが原因ではあるが……、それらの記憶は完全に失っている筈なので、被害妄想の類に違いなさそうだ。
〝はぁ――〟と溜息を吐き、
「メンドくせぇ…。」
呟いた俺は、カバンを路上に置いて、
「いいぜ。」
「やってやんよッ!!」
喧嘩を買う事にしたのだった―。
彼女たちは、休み時間の度に足を運んでくる。
お昼以外は。
俺は辟易しつつ〝知らぬ存ぜぬ〟を貫いていた。
(説明したところで信じてもらえないだろう。)
とも思うようになっていたので……。
その日の放課後、俺は、いつものように[商店街]を歩いて、駅へと向かっていた。
この“ショッピング街”は割と都会的で洒落ている。
自転車で登下校している者たちもいるが、電車やバスを使用している人々はアーケードを往来するのが日常だ。
俺が駅へと向かっていたところ、背後から、
「おい!」
と、声を掛けてきた奴がいた。
「ん?」
振り返ってみると、うちの高校の制服を着た男子に、他校のヤンキー×3人が、視界に入ったのである。
「…、誰だっけ??」
首を傾げる俺に、真面目そうな印象の生徒が、
「おめぇと同じ学校の“副会長”だよ!!」
「生徒会の!」
キレてきやがった。
「あー、……、言われてみれば。」
納得しつつ、
「それで?」
「なんか用っすか??」
聞いてみたところ、
「ちょっと、面、貸せよ。」
路地裏に連れていかれたのである。
一方。
離れた場所で、“ボクっ娘”が、それを目撃し、
(あの連れていかれている生徒は、確か数日前に靴箱で会った…。)
「ごめん、これを持っててくれるかい?」
学生鞄を、一緒に居た友達の一人に渡す流れで、
「君たちは、ここを動かないでいてくれ。」
「多分、危険だから。」
と指示して、彼らを尾行した。
建物と建物の間に在る細幅の通路にて――。
背丈は165㎝くらいで、金髪リーゼントパーマかつ小太りの男が、ガンを飛ばしてきている。
コイツの左斜め後ろ(俺から見て右斜め)には、身長175㎝ぐらいで痩せ型の男が、〝クチャ クチャ〟とガムを噛みながら、ニヤケていた。
そっちは、茶髪オールバックで、襟足を伸ばしており、横長&薄いグレー色のサングラスをかけている。
この右隣(俺からは左)のヤツは、黒髪の角刈りで、剃り込みが深く、眉毛が無い。
背丈は170㎝といったところで、体格は一般的だ。
それら絵に描いたような不良どもの最後尾に、副会長がスマホを操作していた。
おそらく、俺がコテンパンにやられる様子でも動画撮影したいのだろう。
あとで晒すために。
「で?」
「なんなんすか?? いったい。」
尋ねてみたら、
「お前、…、オレのカノジョと、どういう関係なんだよ!?」
副会長が怒鳴ってきたのである。
「は?!」
意味が分からず、眉間にシワを寄せたところ、
「惚けんじゃねーよッ!!」
「いつも、生徒会の女子三人とツルんでるだろうが!」
「俺が別れを告げられたのは、テメぇの所為に決まってる!!」
かなり機嫌が悪くなった。
少し考えた俺は、
「ああー、生徒会長の……。」
二人が交際していた事を思い出したのである。
(あっちの世界で破局したのが、こっちでも影響を及ぼしているってことか?)
推測してみたものの、詳細は不明なので、止めておいた。
「副会長が何を勘違いしてるか知らねーすけど…、俺も迷惑してんすよ、毎日、追いかけ回されて。」
「ま、結局、あんたらの件は、二人で話し合って解決してくださいよ。」
相手を落ち着かせて、この場をやり過ごそうとしたら、
「あッ!?」
「ふざけんな!」
「お前が悪いんだから、土下座して詫びろ!!」
「さもなきゃ、この三人にボコらせっぞ!」
強迫してきやがったのである。
俺が異世界で生徒会長を寝取ったのが原因ではあるが……、それらの記憶は完全に失っている筈なので、被害妄想の類に違いなさそうだ。
〝はぁ――〟と溜息を吐き、
「メンドくせぇ…。」
呟いた俺は、カバンを路上に置いて、
「いいぜ。」
「やってやんよッ!!」
喧嘩を買う事にしたのだった―。
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