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- 第四期・大陸を越えて -

第194話 新たな助太刀

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ガシッ!

バトルアックス戦斧”の刃を、ガルーダが左手で掴んだ。

「なッ?!」

目を丸くするマンモスロードに、

「やはり、この程度か。」

鳥の王が軽く溜息をく。

「ぬッ、ぐぐ、ぐぅ~ッ!」

マンモスの王が、バトルアックスを押したり引いたりするも、ビクともしない。

翼を〝バッサ!〟と動かしたバードロードが、戦斧を片手で握ったまま浮上していく。

「なん、だと?」

両手で力を込めているのに、いともたやすく戻されていくマンモスロードが驚愕する。

ガルーダは、5Mほどの位置で〝ピタッ〟と止まり、

「“ロード”というからには、お前は決して弱くはないのであろう。」
「だが…、今回は相手が悪かったと思って、素直に旅立つがよい。」
「あの世に、な。」

空いている右手を突き出す。

金色こんじき獄炎ごくえん。」

鳥の王が呟き、そのてのひらから最小幅10㎝×最大幅1Mの[金炎の渦]が放たれ、

ドッ!ボォオ――ウッ!!

敵の胸元を貫通した。

更に、マンモスの王は、金の火炎によって全身を燃やされ、崩れ落ちていったのである……。


ロード達による戦いが終わった頃、各幹部らのバトルも勝敗がつこうとしていた。

こちらの有利で。

そこへ、残りの魔王軍が突撃してきたのである。

『正念場みてぇだな…。』
『全員、気合入れてけよッ!』

俺の鼓舞に、多くの者が〝おお――ッ!!〟と呼応した。

こっちの軍が、勢いに乗りかけたものの……、

ウオオオオ――――ッ!!!!

あちらの[オーガロード]による【咆哮】によって、誰もが膝を屈していったのだ。

バードロード以外は。

俺やリッチはというと、上空から落ちてしまい、背中を地面に叩き付けられた。

なにせ、【騎士】である鬼の王は“LV.171”なので。

ちなみに、ギガースロードは【戦士】で、レベルは“168”だ。

棒の長さ5M×鎖の長さ6.5Mかつ、直径1Mの球体といった[モーニングスター]を所持している。

付属している何本かのとげは50㎝ぐらいの長さだ。

震えあがっている俺たちを認識したガルーダが、

「仕方ない。」
みなの異常状態が解けるまで、オレが一人で請け負うとするか。」
「“インクリース”を用いれば、造作もなかろう。」
「奴らが似たようなスキルを得ていなければ、だがな…。」

3時間に亘ってステータス4倍にする能力を発動しようとしたところ、斜め上から、

ドッオオ――――ゥッ!!

幅5Mで水色の“ビームみたいなモノ”が飛んでいき、

ボオオオオオオオオ――ンッ!!!!

ギガースロードを中心に、その周辺を大爆発させたのである。

「むッ?!」

鳥の王が振り返ったらしい。

仰向けになっている俺も、視線を送ってみた。

「なんじゃ、なんじゃ!」
「我が旧友と同化しておる割には、だらしないのぉう!!」

予想どおり、[水の王]である。

バードロードも、リヴァイアサンも、二日前の[しかばねの国]における会議の際に、エルフの国主に提案された俺が【念話】で協力を要請していたのだ。

ガルーダは、

「まさか……、“生きる伝説”を、この目で拝めるとは…。」

少なからず感動している。

敵軍は、すくんでしまったようだ。

その隙に、森人族の国主補佐官が、

「ぐッ、うぅッ。」

呻きながらも、

ディスオーダー異常リカバリー回復。」

と、唱えたのだった―。
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