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- 第四期・大陸を越えて -

第181話 勝手にシンパシー

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[飛行艇]は、大型・中型・小型が、一隻ずつ造られている。

今回、[しかばねの国]に着陸したのは、中型船だ。

ちなみに、[魔道機関車]は、5両編成の物が、二つ存在している。

どちらも、数を増やすべく、トーキーの職人たちが作業を続けているのが現状だ。

さて。

飛行艇には、聖女や賢者に、エルフ/ドワーフ/スライム/兎/魔人/狼/馬のトップらと、俺に勇者や、ミノタウロス元帥とジャイアントアント参謀役であったり、リッチが、新たに乗り込んでいる。

会議を開くために。

アンデッドソーサラーは、「どぉ――しても!」と言って引き下がらなかったので、仕方なく乗船させてやったのだ。

船内では、狼・魔人・馬のロード達が、

「う~む、これは…。」

「船が空を飛ぶのは不思議ですが……、割と快適そうですね。」

「ええ、確かに。」

それぞれに驚いていた。

魔霊にいたっては、

「おお―!」
「素晴らしいではないかぁー!!」
「そもそも、どのような原理で動いておるのじゃ?!」
「誰か、儂に教えてくれぇいッ!!」

大はしゃぎしている。

俺の右側から“トーキーの賢者”が、

「ご主君、あのスケルトン骸骨は?」

と、聞いてきたので、

「ああ、なんでも、千年前の大帝国で“天才魔導士”と称えられていた元人間だったそうだぞ。」

説明してやったら、

「なんと!?」
「“キマイラ”や“異世界召喚魔法”を完成させたという、あの・・??」

目を丸くした。

「知っているのか?」

俺が賢者に訊ねていたところ、

「ん??」
「儂を呼んだかの?」

おそらく“天才・・”に反応したのであろうリッチが、近づいてきたのである。

「私は、かつて、あなた様に関する文献を読んでからというもの、魔術を極めんと切磋してきました。」
「お蔭さまで、召喚魔法が成功できた事を、感謝いたします。」

会釈するトーキーの賢者に、

「ほぉう。」
「あの魔法は、なかなか難しいというのに…、どうやら、かなり優秀な魔術師のようじゃな。」

アンデッドソーサラーが感心した。

「いえいえ、私など、あなた様に比べれば、まだまだですよ。」

賢者が謙遜したら、

「ふむ。」
「いろいろと見所のある奴じゃわい!」
「ふははははッ!!」

反り返って高笑いしたのである。

明らかに、調子に乗りやすいタイプのようだ。

「ところで……、この“飛行艇”について解説いたしましょうか??」

伺うトーキーの賢者に、

「うむ!」
「ぜひ、そうしてくれ!!」
「できれば…、魔法を放つ武器のこともな!」

上機嫌な魔霊だった……。


二人は意気投合してしまったようだ。

この結果、

「儂も、トーキー王城で暮らす事にしたぞ!!」

とリッチが告げてきたのだ。

「え??」
「マジか…。」

俺が、やや引いたところ、

「なんじゃ、その反応は。」

アンデッドソーサラーが不満そうにした。

「恐れながら、ご主君。」
「この方と共に研究できれば、魔法も科学も、より発展しますので、どうか、お願い致します。」

賢者に頭を下げられたので、

「んん~、じゃあ、ま、いいけど……。」

俺は許可しつつも、

「お前…、裏切ったりしねぇだろうな?」

と、確認してみたのである。

それを受け、

「寧ろ、魔王軍との戦いに参加して、大暴れしてくれるわ!」
「弟子であった“義眼の魔人”を懲らしめねばならんからなぁッ!!」

魔霊が宣言した。

俺の左隣に並んだ[エルフの国主]が、

「もともとの未来になかった流れなので、よろしいかと。」

同意したのである。

更に、

「それと……、別の手も打っておきましょう。」

策を講じる[森人族の長]であった―。
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