154 / 350
- 第四期・大陸を越えて -
第154話 反連合軍・其之参
しおりを挟む
トーキー軍とカナーガ軍が、国境付近で睨み合っている。
こちらも、おおよそ、50万と、900万のようだ。
聖女こと“姫殿下”が率いるトーキー軍に、三将軍・魔法剣士・魔人姉妹が参加していた。
ちなみに、彼女らは、馬に乗っている。
また、トーキー国王も、
「娘ばかり危険な目に遭わせるわけにはいかん!」
と、現地に赴いていた。
その側には、〝すぐにでも陛下を城へと避難させられるように〟との配慮で、賢者の姿もある。
他にも、ドワーフ職人らのうち、30名程が見受けられた。
男性7:女性3の割合だが…、この面子は“元冒険者”であり、腕っぷしに自信があるそうだ。
事前に、トーキー王が、〝ドワーフの中から死者が出てしまった場合、国主に申し訳が立たない〟との理由で断ったものの、
「久しぶりに暴れたい!」
「血が騒ぐ!」
「トーキーの魔人殿が持ち帰った宝玉で蘇ることが可能だと聞きました。」
「ならば、心配ないでしょう。」
だのと、各々に、全くもって引き下がらなかったらしい。
致し方なく、陛下が折れる形になったのだが、念の為に、賢者が“ドワーフ国主”を訪ねたのである。
了承を得るべく。
その結果、
「一向に構わんから、好きに使ってやってくれ。」
と一発OKをもらえたそうだ。
なので、ドワーフ達も戦場に来ていたのである。
「皆さん大丈夫でしょうか?」
敵との数の差に、先頭の聖女が自軍の兵を案じた。
これに、左斜め後ろの小将軍が、
「こちらにはレベル100以上が三人もいますし、我々も、かつてよりは充分に強くなっています。」
「それに…、何人かのビショップは“加護”を収得しておりますので、問題ないでしょう。」
との見解を示し、
「然り!」
「相手は50年近く内乱すらなかった国なれば、数分ほど小突き回してやれば慄いて退却しだすに違いありません!!」
右隣の大将軍が、そう述べたのである。
更に、その右隣の中将軍は、
「とは言え、くれぐれも油断なきよう。」
と、警戒を促した。
トーキーの首都で生活している兵士たちは、姫や、各将軍に、勇者一行らと、合同訓練を行う事もあったので、それなりに鍛えられたようだ。
お陰で、誰もが、幾らかレベルアップして、数名のビショップが【加護】を覚えたり、それ以外のジョブらも何かしらの魔法なりスキルなりを得たようである…。
カナーガ軍が、いきなり、800万の兵を動かした。
〝トーキー王国が勇者召喚に成功したらしい〟との噂があって以来、情報収集を欠かさなかったようで、相当に用心しているようだ。
無理もない。
それなりに長いこと平和が続いた国である。
戦に臆しているのだろう。
一気に勝負をつけようと焦り、ほぼ全軍を動かしたみたいだ。
カナーガの軍勢が、トーキー軍を囲むかのような構えで進んで来る。
“鶴翼の陣”みたいなものであろう。
聖女の【伝令】によって、こちらのビショップ達が、全員の攻撃力/防御力/素早さを倍増させたようだ。
左の最前部隊を、魔人の姉が、右を、妹が、それぞれ〝氷漬け〟にした。
そこに、様々な魔法や魔銃に矢と石が飛んでいく。
魔銃は、ドワーフらの助力もあって生産量がアップしたようで、トーキーの兵たちは100本ほど所有している。
それはさて置き。
敵軍の中央付近に、聖女が直径5Mの【光線】を放ち、魔法剣士が直径10Mの範囲を爆発させた。
これらによって、敵の足が止まったのである。
その機を逃さず、トーキー軍のうち45万くらいが、突撃を開始したのだった―。
こちらも、おおよそ、50万と、900万のようだ。
聖女こと“姫殿下”が率いるトーキー軍に、三将軍・魔法剣士・魔人姉妹が参加していた。
ちなみに、彼女らは、馬に乗っている。
また、トーキー国王も、
「娘ばかり危険な目に遭わせるわけにはいかん!」
と、現地に赴いていた。
その側には、〝すぐにでも陛下を城へと避難させられるように〟との配慮で、賢者の姿もある。
他にも、ドワーフ職人らのうち、30名程が見受けられた。
男性7:女性3の割合だが…、この面子は“元冒険者”であり、腕っぷしに自信があるそうだ。
事前に、トーキー王が、〝ドワーフの中から死者が出てしまった場合、国主に申し訳が立たない〟との理由で断ったものの、
「久しぶりに暴れたい!」
「血が騒ぐ!」
「トーキーの魔人殿が持ち帰った宝玉で蘇ることが可能だと聞きました。」
「ならば、心配ないでしょう。」
だのと、各々に、全くもって引き下がらなかったらしい。
致し方なく、陛下が折れる形になったのだが、念の為に、賢者が“ドワーフ国主”を訪ねたのである。
了承を得るべく。
その結果、
「一向に構わんから、好きに使ってやってくれ。」
と一発OKをもらえたそうだ。
なので、ドワーフ達も戦場に来ていたのである。
「皆さん大丈夫でしょうか?」
敵との数の差に、先頭の聖女が自軍の兵を案じた。
これに、左斜め後ろの小将軍が、
「こちらにはレベル100以上が三人もいますし、我々も、かつてよりは充分に強くなっています。」
「それに…、何人かのビショップは“加護”を収得しておりますので、問題ないでしょう。」
との見解を示し、
「然り!」
「相手は50年近く内乱すらなかった国なれば、数分ほど小突き回してやれば慄いて退却しだすに違いありません!!」
右隣の大将軍が、そう述べたのである。
更に、その右隣の中将軍は、
「とは言え、くれぐれも油断なきよう。」
と、警戒を促した。
トーキーの首都で生活している兵士たちは、姫や、各将軍に、勇者一行らと、合同訓練を行う事もあったので、それなりに鍛えられたようだ。
お陰で、誰もが、幾らかレベルアップして、数名のビショップが【加護】を覚えたり、それ以外のジョブらも何かしらの魔法なりスキルなりを得たようである…。
カナーガ軍が、いきなり、800万の兵を動かした。
〝トーキー王国が勇者召喚に成功したらしい〟との噂があって以来、情報収集を欠かさなかったようで、相当に用心しているようだ。
無理もない。
それなりに長いこと平和が続いた国である。
戦に臆しているのだろう。
一気に勝負をつけようと焦り、ほぼ全軍を動かしたみたいだ。
カナーガの軍勢が、トーキー軍を囲むかのような構えで進んで来る。
“鶴翼の陣”みたいなものであろう。
聖女の【伝令】によって、こちらのビショップ達が、全員の攻撃力/防御力/素早さを倍増させたようだ。
左の最前部隊を、魔人の姉が、右を、妹が、それぞれ〝氷漬け〟にした。
そこに、様々な魔法や魔銃に矢と石が飛んでいく。
魔銃は、ドワーフらの助力もあって生産量がアップしたようで、トーキーの兵たちは100本ほど所有している。
それはさて置き。
敵軍の中央付近に、聖女が直径5Mの【光線】を放ち、魔法剣士が直径10Mの範囲を爆発させた。
これらによって、敵の足が止まったのである。
その機を逃さず、トーキー軍のうち45万くらいが、突撃を開始したのだった―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
私は逃げます
恵葉
ファンタジー
ブラック企業で社畜なんてやっていたら、23歳で血反吐を吐いて、死んじゃった…と思ったら、異世界へ転生してしまったOLです。
そしてこれまたありがちな、貴族令嬢として転生してしまったのですが、運命から…ではなく、文字通り物理的に逃げます。
貴族のあれやこれやなんて、構っていられません!
今度こそ好きなように生きます!
虐げられ聖女の力を奪われた令嬢はチート能力【錬成】で無自覚元気に逆襲する~婚約破棄されましたがパパや竜王陛下に溺愛されて幸せです~
てんてんどんどん
恋愛
『あなたは可愛いデイジアちゃんの為に生贄になるの。
貴方はいらないのよ。ソフィア』
少女ソフィアは母の手によって【セスナの炎】という呪術で身を焼かれた。
婚約した幼馴染は姉デイジアに奪われ、闇の魔術で聖女の力をも奪われたソフィア。
酷い火傷を負ったソフィアは神殿の小さな小屋に隔離されてしまう。
そんな中、竜人の王ルヴァイスがリザイア家の中から結婚相手を選ぶと訪れて――
誰もが聖女の力をもつ姉デイジアを選ぶと思っていたのに、竜王陛下に選ばれたのは 全身火傷のひどい跡があり、喋れることも出来ないソフィアだった。
竜王陛下に「愛してるよソフィア」と溺愛されて!?
これは聖女の力を奪われた少女のシンデレラストーリー
聖女の力を奪われても元気いっぱい世界のために頑張る少女と、その頑張りのせいで、存在意義をなくしどん底に落とされ無自覚に逆襲される姉と母の物語
※よくある姉妹格差逆転もの
※虐げられてからのみんなに溺愛されて聖女より強い力を手に入れて私tueeeのよくあるテンプレ
※超ご都合主義深く考えたらきっと負け
※全部で11万文字 完結まで書けています
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
レディース異世界満喫禄
日の丸
ファンタジー
〇城県のレディース輝夜の総長篠原連は18才で死んでしまう。
その死に方があまりな死に方だったので運命神の1人に異世界におくられることに。
その世界で出会う仲間と様々な体験をたのしむ!!
スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。
あおいろ
ファンタジー
主人公ーヒルフェは、唯一の家族である祖母を失くした。
彼女の葬式の真っ只中で、蒸発した両親の借金を取り立てに来た男に連れ去られてしまい、齢五歳で奴隷と成り果てる。
それから彼は、十年も劣悪な環境で働かされた。
だが、ある日に突然、そんな地獄から解放され、一度も会った事もなかった祖父のもとに引き取られていく。
その身には、奇妙なスキル【疲れ知らず】を宿して。
崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり
イミヅカ
ファンタジー
ここは、剣と魔法の異世界グリム。
……その大陸の真ん中らへんにある、荒野広がるだけの平和なスラガン地方。
近辺の大都市に新しい冒険者ギルド本部が出来たことで、辺境の町バッファロー冒険者ギルド支部は無名のままどんどん寂れていった。
そんな所に見習い冒険者のナガレという青年が足を踏み入れる。
無名なナガレと崖っぷちのギルド。おまけに巨悪の陰謀がスラガン地方を襲う。ナガレと仲間たちを待ち受けている物とは……?
チートスキルも最強ヒロインも女神の加護も何もナシ⁉︎ ハーレムなんて夢のまた夢、無双もできない弱小冒険者たちの成長ストーリー!
努力と友情で、逆境跳ね除け成り上がれ!
(この小説では数字が漢字表記になっています。縦読みで読んでいただけると幸いです!)
LAWS
渋谷かな
ファンタジー
1話1000字の誰でも簡単に読めるものです。
「ポケモンG〇って、位置情報ゲームっていう位置づけなのか。ふむふむ。第7期のテーマは「地球は核の炎に包まれた。」からの、「地球はAIに支配された。」自律型致死兵器システムのLAWSの暴走である。日本2020年。東京オリンピックの開会式は、AI搭載無人ドローン。マシンガン装備タイプの襲撃により、真っ赤に染まった。犯人は、東京オリンピック開催で、東京都を本当は赤字にした税金の無駄遣いと、外国人を受け入れたため、就職できない日本の優秀な若者の科学者たちだった。なかなか筋の通ったストーリー展開だ。」
自律型致死兵器システムのLAWS。AI搭載無人ドローン。マシンガン装備タイプ。こんな特集をして一般庶民に教えてくれるのがNH〇だ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる