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- 第三期・この世界の歴史と未来 -
第97話 オーク族の姫
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一方、勇者たちが、波状攻撃を仕掛けるも、前後左右そして頭上に【マジック・シールド】を出現させ女性のハーフオークに、防がれていた。
剣士のハーフエルフ妹が、水や氷の魔法をレイピアに【伝導】したり、【乱れ打ち】を展開する。
この【乱れ打ち】は、まさに“ランダムで突く”攻撃であり、消費MPは1回につき50ポイントで、“一度に10発”を放てるそうだ。
ちなみに、LV.100以下は1日10回で、100以上は20回になるらしい。
いずれにせよ、ハーフエルフの妹がそれらのスキルを駆使したり、魔人の姉や【魔導士】であるエルフ弟が魔法を使ったりと、このグループの面子が、“魔法の盾”を砕くも、すぐに復活されていた。
勇者が、
(埒が明かないわね。)
(いっそ、足元から“爆撃”で吹き飛ばそうかしら?)
と思案していたら、ジャイアントアント参謀役が、
「皆さん、一旦お止めください。」
と、言い出したのである。
魔法剣士が、
「どうしたの?」
と尋ねたところ、参謀役が、
「彼女は“フラッシュ”や“ビーム”などで反撃できる筈なのに、そうする気配がありません。」
「もしかして…、戦う意志が無いのでは?」
との見解を示した。
「考えすぎではありませんか?」
と、勇者が述べたタイミングで、何かに〝ハッ!〟と気付いた敵が、全ての【マジック・シールド】を自分で消して、
「降伏します。」
と告げたのである。
それは丁度、トーキーの魔人が、総大将であろうハイオークを“炎の柱”で倒し、エルフ族の国主補佐官が、魔術師のハーフオークを“抑制(鎖)”で捕獲した時であった…。
正座した2体を、俺たちが取り囲んでいる。
どちらも太ってはいるが、魔術師の男性は凛々しい顔立ちなので、痩せれば相当なイケメンだろう。
肩あたりまでの髪は黒い。
ハイクレリックの女性は、つぶらな瞳に、小鼻と、ポッテリ唇で、可愛らしいルックスをしている。
ブラウンの髪はボブであった。
そんな二人の頭には“豚の耳”が生えている。
俺の、
「思い残す事はないか?」
との問いかけに、ハーフオークのメスが、
「私はどうなっても構いません。」
「ですが、彼だけは助けてあげてください。」
と、頭を下げた。
それを、
「なりません、姫!」
「貴女様こそ、生き延びるべきです!」
「姫は、我ら“混血”の希望なのですから。」
とオスが説得する。
「それなら、妹に任せれば大丈夫でしょう。」
と、引き下がらない彼女に、
「あの御方は第四夫人の息女であり、貴女様は第三夫人の血筋ではありませんか!」
「姫こそが、この国を統治すべきなのです。」
「それは、あちらも快諾してくださっていますし、それに…。」
「貴女様を死なせてしまったとあっては、自分はあの世でいろんな方々に申し訳がつきません。」
と唇を噛み締めたのだ。
それらのやり取りを静視していた俺は、
「あー、盛り上がってとこ悪ぃんだが…、俺たちにも分かるよう話してくんねぇか?」
と、促すのであった―。
剣士のハーフエルフ妹が、水や氷の魔法をレイピアに【伝導】したり、【乱れ打ち】を展開する。
この【乱れ打ち】は、まさに“ランダムで突く”攻撃であり、消費MPは1回につき50ポイントで、“一度に10発”を放てるそうだ。
ちなみに、LV.100以下は1日10回で、100以上は20回になるらしい。
いずれにせよ、ハーフエルフの妹がそれらのスキルを駆使したり、魔人の姉や【魔導士】であるエルフ弟が魔法を使ったりと、このグループの面子が、“魔法の盾”を砕くも、すぐに復活されていた。
勇者が、
(埒が明かないわね。)
(いっそ、足元から“爆撃”で吹き飛ばそうかしら?)
と思案していたら、ジャイアントアント参謀役が、
「皆さん、一旦お止めください。」
と、言い出したのである。
魔法剣士が、
「どうしたの?」
と尋ねたところ、参謀役が、
「彼女は“フラッシュ”や“ビーム”などで反撃できる筈なのに、そうする気配がありません。」
「もしかして…、戦う意志が無いのでは?」
との見解を示した。
「考えすぎではありませんか?」
と、勇者が述べたタイミングで、何かに〝ハッ!〟と気付いた敵が、全ての【マジック・シールド】を自分で消して、
「降伏します。」
と告げたのである。
それは丁度、トーキーの魔人が、総大将であろうハイオークを“炎の柱”で倒し、エルフ族の国主補佐官が、魔術師のハーフオークを“抑制(鎖)”で捕獲した時であった…。
正座した2体を、俺たちが取り囲んでいる。
どちらも太ってはいるが、魔術師の男性は凛々しい顔立ちなので、痩せれば相当なイケメンだろう。
肩あたりまでの髪は黒い。
ハイクレリックの女性は、つぶらな瞳に、小鼻と、ポッテリ唇で、可愛らしいルックスをしている。
ブラウンの髪はボブであった。
そんな二人の頭には“豚の耳”が生えている。
俺の、
「思い残す事はないか?」
との問いかけに、ハーフオークのメスが、
「私はどうなっても構いません。」
「ですが、彼だけは助けてあげてください。」
と、頭を下げた。
それを、
「なりません、姫!」
「貴女様こそ、生き延びるべきです!」
「姫は、我ら“混血”の希望なのですから。」
とオスが説得する。
「それなら、妹に任せれば大丈夫でしょう。」
と、引き下がらない彼女に、
「あの御方は第四夫人の息女であり、貴女様は第三夫人の血筋ではありませんか!」
「姫こそが、この国を統治すべきなのです。」
「それは、あちらも快諾してくださっていますし、それに…。」
「貴女様を死なせてしまったとあっては、自分はあの世でいろんな方々に申し訳がつきません。」
と唇を噛み締めたのだ。
それらのやり取りを静視していた俺は、
「あー、盛り上がってとこ悪ぃんだが…、俺たちにも分かるよう話してくんねぇか?」
と、促すのであった―。
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