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- 第一期・異世界召喚 -
第27話 エトセトラ
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女王は、南方領主のゴブリーナより絶倫だった。
そのため、気が付けば日付が変わり、あと2~3時間で夜が明けそうになっていた。
そんな彼女との情事は、3R目以降も俺の圧勝だった!
ゴブリンロードは、腕枕してあげている俺の右肩に、頬を〝スリスリ〟しながら、
「全くもって、お前様ときたら、無茶するのぉ~♡♡♡♡」
と、メロメロになっている。
(長い闘いだった…、フッ。)
と遠い目をした俺が、
「これで、お前も俺の配下になったという事だよな?」
と、確認したところ、
「いや、それはない。妾は今でも魔王様の〝臣〟じゃ。」
とキッパリ否定された。
「え? そうなのか??」
「そりゃそうじゃろ。」
「妾は“服従”しておらんかのう。」
「確かに…、でも、それじゃあ、これは一体どういう状況なんだ。」
「なんじゃ、そんなことも分からんのか?」
「お前様は妾の“愛しき御方”じゃえ。」
「ん?」
「つ・ま・り、どっちが上で、どっちが下とか、そういう関係ではないのじゃ!」
「ああー…、“対等”という事か?」
「うむ。そうじゃ。」
と、微笑みながら、再び頬擦りしてきた。
ここで幾つかの問いを投げかけてみる。
まずは、
「あの“剣”は何だ?」
と聞いてみたら、
「なんじゃ、お前様、そんなことも知らんのかえ?」
「あれは“アーティファクト”じゃ。」
「アーティファクトの方が適合者を選ぶでの、誰それと扱える代物ではない。」
「手にする者によって、その真価を発揮するのじゃ。」
「ちなみに、妾のは“火炎の剣”という名じゃぞ。」
と、返ってきた。
(出た! ファンタジーにありがちな、このパターン!!)
と思いつつも、それを使えるようになれば自分の戦闘力がアップするのは間違いない。
なにせ、ゴブリン女王との一戦で身を持って味わったのだから…。
「他のアーティファクトは何処にある?」
と、誘導してみたが、
「分からぬ。」
「妾の剣も、随分前に先代のゴブリンロードから形見分けされた物じゃからのう。」
との事だった。
「じゃあ話を変えて、現在の魔王ってどんな奴なんだ?」
「てか、歴代の魔王も教えてくれよ。」
と別の話題を振ってみたところ、
「んんー? “魔王”は未だかつて2体しか出現しておらなんだ。」
「そんなこと世の中の常識じゃが…、お前様は一体??」
と、訝しがられたので、[異世界召喚者]であり、[旧魔王]と同化した旨を説明したら、
「なんと!? 古き魔王様は死して尚、思念体として留まっておられたのか…。」
と驚いていた。
「2体だけとは?」
と、質問してみたところ、
「ふむ…。妾たち魔物も、人間と等しく、長い歴史のなかで内輪もめしたり他所との領土争いを演じてきたのじゃ。」
「どのモンスターの国もほぼほぼ互角だったので、頂点に君臨できるほどの者はおらなんだったのじゃが…、これまでに魔族を一つに束ねることが出来たのは古き魔王様だけと、伝え聞いておる。」
と解説してくれたので、
(え!?なにアイツ、そんなに凄い奴だったの??)
と今更ながらに感心させられてしまった。
「でも、それって、違う言い方をすれば、今現在の魔王はモンスター達の全てを支配できていない、て、ことだよな?」
「うぅむ…。実は謎多き御方での、“魔王”になられたのはつい最近なのじゃよ。」
「それで、トーキー王国が慌ててお前様たちを召喚したのやもしれんのぉう。」
「ま、いずれにせよ、古き魔王様が各種族の合体系であることに対して、今の魔王様は進化系らしい…。」
「どんな?」
「いや、さっきも言うた通り、その情報は殆ど入手できん。」
「一説によると、〝まだ完璧な状態ではない故に下剋上を嫌って、いろんな秘密が漏洩せぬよう手を尽くしておるのではないか?〟と、囁かれておる。」
「実は弱いとか?」
「いや、それはないかもしれんが…、実のところは良くも悪くも未知数じゃな。」
「ただ…、とあるロードが勝負を挑んだものの、敗北を喫し、従順になったらしい。」
「それって…、かなり強いんじゃ?」
〝ゴクリッ〟と生唾を飲み込む俺に、
「だから妾は盾突かぬようにしておるのじゃ。」
と、ゴブリンの王が胸の内を吐露した―。
そのため、気が付けば日付が変わり、あと2~3時間で夜が明けそうになっていた。
そんな彼女との情事は、3R目以降も俺の圧勝だった!
ゴブリンロードは、腕枕してあげている俺の右肩に、頬を〝スリスリ〟しながら、
「全くもって、お前様ときたら、無茶するのぉ~♡♡♡♡」
と、メロメロになっている。
(長い闘いだった…、フッ。)
と遠い目をした俺が、
「これで、お前も俺の配下になったという事だよな?」
と、確認したところ、
「いや、それはない。妾は今でも魔王様の〝臣〟じゃ。」
とキッパリ否定された。
「え? そうなのか??」
「そりゃそうじゃろ。」
「妾は“服従”しておらんかのう。」
「確かに…、でも、それじゃあ、これは一体どういう状況なんだ。」
「なんじゃ、そんなことも分からんのか?」
「お前様は妾の“愛しき御方”じゃえ。」
「ん?」
「つ・ま・り、どっちが上で、どっちが下とか、そういう関係ではないのじゃ!」
「ああー…、“対等”という事か?」
「うむ。そうじゃ。」
と、微笑みながら、再び頬擦りしてきた。
ここで幾つかの問いを投げかけてみる。
まずは、
「あの“剣”は何だ?」
と聞いてみたら、
「なんじゃ、お前様、そんなことも知らんのかえ?」
「あれは“アーティファクト”じゃ。」
「アーティファクトの方が適合者を選ぶでの、誰それと扱える代物ではない。」
「手にする者によって、その真価を発揮するのじゃ。」
「ちなみに、妾のは“火炎の剣”という名じゃぞ。」
と、返ってきた。
(出た! ファンタジーにありがちな、このパターン!!)
と思いつつも、それを使えるようになれば自分の戦闘力がアップするのは間違いない。
なにせ、ゴブリン女王との一戦で身を持って味わったのだから…。
「他のアーティファクトは何処にある?」
と、誘導してみたが、
「分からぬ。」
「妾の剣も、随分前に先代のゴブリンロードから形見分けされた物じゃからのう。」
との事だった。
「じゃあ話を変えて、現在の魔王ってどんな奴なんだ?」
「てか、歴代の魔王も教えてくれよ。」
と別の話題を振ってみたところ、
「んんー? “魔王”は未だかつて2体しか出現しておらなんだ。」
「そんなこと世の中の常識じゃが…、お前様は一体??」
と、訝しがられたので、[異世界召喚者]であり、[旧魔王]と同化した旨を説明したら、
「なんと!? 古き魔王様は死して尚、思念体として留まっておられたのか…。」
と驚いていた。
「2体だけとは?」
と、質問してみたところ、
「ふむ…。妾たち魔物も、人間と等しく、長い歴史のなかで内輪もめしたり他所との領土争いを演じてきたのじゃ。」
「どのモンスターの国もほぼほぼ互角だったので、頂点に君臨できるほどの者はおらなんだったのじゃが…、これまでに魔族を一つに束ねることが出来たのは古き魔王様だけと、伝え聞いておる。」
と解説してくれたので、
(え!?なにアイツ、そんなに凄い奴だったの??)
と今更ながらに感心させられてしまった。
「でも、それって、違う言い方をすれば、今現在の魔王はモンスター達の全てを支配できていない、て、ことだよな?」
「うぅむ…。実は謎多き御方での、“魔王”になられたのはつい最近なのじゃよ。」
「それで、トーキー王国が慌ててお前様たちを召喚したのやもしれんのぉう。」
「ま、いずれにせよ、古き魔王様が各種族の合体系であることに対して、今の魔王様は進化系らしい…。」
「どんな?」
「いや、さっきも言うた通り、その情報は殆ど入手できん。」
「一説によると、〝まだ完璧な状態ではない故に下剋上を嫌って、いろんな秘密が漏洩せぬよう手を尽くしておるのではないか?〟と、囁かれておる。」
「実は弱いとか?」
「いや、それはないかもしれんが…、実のところは良くも悪くも未知数じゃな。」
「ただ…、とあるロードが勝負を挑んだものの、敗北を喫し、従順になったらしい。」
「それって…、かなり強いんじゃ?」
〝ゴクリッ〟と生唾を飲み込む俺に、
「だから妾は盾突かぬようにしておるのじゃ。」
と、ゴブリンの王が胸の内を吐露した―。
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