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Chapter 1/最初の国
№79 諸般②
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フラルン帝都には[大食堂]が二つ在る。
北東と南西に一つずつで、どちらもギルドの近くに設けられていた。
[Team S]は、北東の店舗に入っている。
円卓には、幾つかの料理が配膳されていた。
それぞれが“銀製のグラス”を手にしたところで、
「えっと…。」
「ケンパイ、でいんだよな?」
シリウスに訊かれたシューラが、〝ん〟と頷く。
「それでは……、ソウヤに、ケンパイ。」
こう告げたシリウスに続き、他のメンバーが、
「ケンパイ!」
と口にした。
“ケンパイ”とは、つまり、“献杯”である…。
各自が“HP・MP・SP”を回復するために飲食していく。
最年少のソソが、
「おいしッ♪」
幸せそうにしたのもあって、場が和みだす。
そこから、
「結局、どうする??」
“武闘家のサイザー”が質問した。
「今、こっちは夜でしょ。」
「で。」
「あっちの世界は朝だから……。」
「私達が“宝石洞窟”に到着する頃には、むこうはお昼頃になってるんじゃない?」
こう推測したのは“アサシンのシエル”だ。
それによって、“召喚士のサキ”が、
「となると…、“闘技場のイベント”であったりは、後回しにするのがいいかもねぇ。」
「どれくらいの時間が掛かるのか、分からないから。」
このように述べる。
「……、ま、確かに、“クエスト”を優先するなら、そうだよな。」
納得したシリウスに、
「だったら、“テント”を買っておいたがいいかも。」
そう提案するシューラだった。
何故ならば、フィールドで<ログアウト>すると、次に<ログイン>したとき、ひとつ前にいた“集落”からのリスタートになってしまうからだ。
都であれ、町であれ、村であれ。
だが、テント内でログアウトすれば、ここからの再開が可能となっていた。
なにはともあれ…。
「じゃ、道具屋から寄ってみるか??」
誰ともなく尋ねたシリウスに、
「そうだね。」
“騎士のサーガ”が同意する。
こうして、定まっていく方針であった……。
▽
[Team D]は、換金所に来ている。
▽
[Team Z]に[オクシーズ]は、渓谷の“第二陣”と戦っていた。
▽
[イッチューズ]と[エイディズ]は、“第五陣”とバトルの最中だ。
▽
[Team K]は、“第一陣”と争っている。
▽
道具屋で、[Team S]が商品一覧表をチェックしていた。
“テント”の箇所には…、
・最低級ソロテント+掛け布団=金貨1枚
・低級ソロテント+掛け布団+硬めのマットレス&枕=金貨3枚
・中級ソロテント+掛け布団+柔らかいマットレス&枕=金貨8枚
・高級ソロテント+ベッド一式セット=金貨20枚
・最高級ソロテント+ベッド一式セット=金貨45枚
そう記載されている。
「うぅ~ん。」
「ポーション類とかを補充しときたいし、武器に防具も買い揃えられるんだったらそうしておきたいとこだしなぁー。」
「さすがに、最高級のテントは避けるか。」
〝ブツブツ〟と言いながら悩んで、
「最低級にすっか?」
首を傾げたシリウスに、
「ちょっと待って。」
「説明書きによれば、そのテントは起きた際に体がとても痛くなって、動きが暫く鈍るみたいだから、やめておかない??」
“アーチャーのサザミン”が意見した。
これに、皆が〝ああー〟と理解を示す。
「じゃぁ、せめてぇ、中級にしとくぅ?」
そのように“白魔術士のセイラン”が窺ったところ、了解する全員だった―。
北東と南西に一つずつで、どちらもギルドの近くに設けられていた。
[Team S]は、北東の店舗に入っている。
円卓には、幾つかの料理が配膳されていた。
それぞれが“銀製のグラス”を手にしたところで、
「えっと…。」
「ケンパイ、でいんだよな?」
シリウスに訊かれたシューラが、〝ん〟と頷く。
「それでは……、ソウヤに、ケンパイ。」
こう告げたシリウスに続き、他のメンバーが、
「ケンパイ!」
と口にした。
“ケンパイ”とは、つまり、“献杯”である…。
各自が“HP・MP・SP”を回復するために飲食していく。
最年少のソソが、
「おいしッ♪」
幸せそうにしたのもあって、場が和みだす。
そこから、
「結局、どうする??」
“武闘家のサイザー”が質問した。
「今、こっちは夜でしょ。」
「で。」
「あっちの世界は朝だから……。」
「私達が“宝石洞窟”に到着する頃には、むこうはお昼頃になってるんじゃない?」
こう推測したのは“アサシンのシエル”だ。
それによって、“召喚士のサキ”が、
「となると…、“闘技場のイベント”であったりは、後回しにするのがいいかもねぇ。」
「どれくらいの時間が掛かるのか、分からないから。」
このように述べる。
「……、ま、確かに、“クエスト”を優先するなら、そうだよな。」
納得したシリウスに、
「だったら、“テント”を買っておいたがいいかも。」
そう提案するシューラだった。
何故ならば、フィールドで<ログアウト>すると、次に<ログイン>したとき、ひとつ前にいた“集落”からのリスタートになってしまうからだ。
都であれ、町であれ、村であれ。
だが、テント内でログアウトすれば、ここからの再開が可能となっていた。
なにはともあれ…。
「じゃ、道具屋から寄ってみるか??」
誰ともなく尋ねたシリウスに、
「そうだね。」
“騎士のサーガ”が同意する。
こうして、定まっていく方針であった……。
▽
[Team D]は、換金所に来ている。
▽
[Team Z]に[オクシーズ]は、渓谷の“第二陣”と戦っていた。
▽
[イッチューズ]と[エイディズ]は、“第五陣”とバトルの最中だ。
▽
[Team K]は、“第一陣”と争っている。
▽
道具屋で、[Team S]が商品一覧表をチェックしていた。
“テント”の箇所には…、
・最低級ソロテント+掛け布団=金貨1枚
・低級ソロテント+掛け布団+硬めのマットレス&枕=金貨3枚
・中級ソロテント+掛け布団+柔らかいマットレス&枕=金貨8枚
・高級ソロテント+ベッド一式セット=金貨20枚
・最高級ソロテント+ベッド一式セット=金貨45枚
そう記載されている。
「うぅ~ん。」
「ポーション類とかを補充しときたいし、武器に防具も買い揃えられるんだったらそうしておきたいとこだしなぁー。」
「さすがに、最高級のテントは避けるか。」
〝ブツブツ〟と言いながら悩んで、
「最低級にすっか?」
首を傾げたシリウスに、
「ちょっと待って。」
「説明書きによれば、そのテントは起きた際に体がとても痛くなって、動きが暫く鈍るみたいだから、やめておかない??」
“アーチャーのサザミン”が意見した。
これに、皆が〝ああー〟と理解を示す。
「じゃぁ、せめてぇ、中級にしとくぅ?」
そのように“白魔術士のセイラン”が窺ったところ、了解する全員だった―。
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