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Chapter 1/最初の国
№65 フラルンの帝城・前編
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AM09:00ジャスト。
リーダーであるシリウスの眼前に[薄型の横長画面]が自動的に現れる。
そこには…、
先日の討伐クエストに参加してくださった方々へ。
ノースイーストギルドよりの伝達です。
皇帝陛下が褒美を授けてくださります。
お城に赴いてください。
こう書かれていた。
その一番下には“NEXT”との表記が見受けられる。
内容を皆に知らせたシリウスが、画面を切り替えてみたところ、
帝城に移りますか?
・YES
・NO
このように記されていたのであった。
「早速、行ってみるか??」
リーダーに訊かれ、メンバーが頷く。
それによって、シリウスが指先で“YES”に触れる。
次の瞬間、暗闇に包まれる[Team S]だった……。
およそ1秒後に、シューラたちの視界が開ける。
どうやら、城の正面に【テレポート】させられたみたいだ。
門兵の一人の頭上には“金色のダイヤマーク”が浮いていた。
「ギルドから連絡があったんだが…。」
シリウスが声をかけたところ、
「陛下のもとまで案内しますので、私に付いてきてください。」
こう答えて、回れ右したのである。
その“30代半ばくらいの男性”が歩きだすなか、
「お城に入れるの?」
ソソが誰ともなく質問した。
「みたいだね。」
簡略的に返したサーガによって、ソソは当然ながら、シューラまでもが、〝おぉー☆〟と瞳を輝かせたのである……。
[Team S]は廊下を進んでいた。
途中にある幾つかの分かれ道には、兵達が立っており、勝手には通れないようにしている。
こうした状況で、幅広の階段を上り、[謁見の間]へと導かれた…。
煌びやかな玉座に腰かけているのは、無論、皇帝だ。
年齢は60代前半あたりだろう。
対面しているシューラたちの両脇に、合計で10人の家来が並んでいた。
おそらく大臣や兵長の各々に違いない。
一歩だけ前に出た50代後半らしき男性が、
「宰相である私から話しをさせてもらおう。」
「生存した兵士らの報告によれば、そのほうの活躍もあって、魔物どもを撃退できたとか。」
「そこで。」
「陛下より金貨が与えられる事になった。」
「感謝して受け取るがよい。」
そのように語ったのである。
すると、別の男性が、装飾の施されている“銀のトレイ”に乗せた“革袋”を運んできた。
先頭のシリウスが袋を掴んだら、
「大儀であった。」
皇帝が喋ったのである。
シリウスが[アイテムボックス]に革袋を送るなか、トレイを持った20代半ばぐらいの男性が下がっていく。
こうした流れで、
「ここからが本題なのだが……。」
「兵達によれば、平原で待機していた魔物らのなかに、司祭らしき者がいたらしい。」
「なんでも、ソヤツが魔物どもに指示していたかのようであったとのことだ。」
「聖堂に聞き込みを行なってみたものの、全員が分からないと言っておる。」
「真偽の程は定かではないが、確たる証拠が無いため、罰する事もできん。」
宰相が溜息まじりで首を横に振った。
そこから、
「ただ…。」
「魔物らを秘かに追った兵によると、連中は北東の渓谷に退却したそうだ。」
「こちらで殲滅したいところではあるが、それなりの数の兵士を失っておるため、かなり厳しい。」
「故に、陛下は、冒険者に要請することになされた。」
このよう述べた宰相が、
「あれを。」
先程の男性を促す。
彼が新たに持ってきたのは、丸められた用紙だった。
それをシリウスが手にしたら、男性が再び離れてゆく。
こうしたところで、
「渓谷の西側に、監視役が二人ほど野営しておる。」
「その者らに証明書を渡すがよい。」
「なお、此度の報酬はノースイーストギルドに預けておく故、覚えておくように。」
改めて伝えてくる宰相であった―。
リーダーであるシリウスの眼前に[薄型の横長画面]が自動的に現れる。
そこには…、
先日の討伐クエストに参加してくださった方々へ。
ノースイーストギルドよりの伝達です。
皇帝陛下が褒美を授けてくださります。
お城に赴いてください。
こう書かれていた。
その一番下には“NEXT”との表記が見受けられる。
内容を皆に知らせたシリウスが、画面を切り替えてみたところ、
帝城に移りますか?
・YES
・NO
このように記されていたのであった。
「早速、行ってみるか??」
リーダーに訊かれ、メンバーが頷く。
それによって、シリウスが指先で“YES”に触れる。
次の瞬間、暗闇に包まれる[Team S]だった……。
およそ1秒後に、シューラたちの視界が開ける。
どうやら、城の正面に【テレポート】させられたみたいだ。
門兵の一人の頭上には“金色のダイヤマーク”が浮いていた。
「ギルドから連絡があったんだが…。」
シリウスが声をかけたところ、
「陛下のもとまで案内しますので、私に付いてきてください。」
こう答えて、回れ右したのである。
その“30代半ばくらいの男性”が歩きだすなか、
「お城に入れるの?」
ソソが誰ともなく質問した。
「みたいだね。」
簡略的に返したサーガによって、ソソは当然ながら、シューラまでもが、〝おぉー☆〟と瞳を輝かせたのである……。
[Team S]は廊下を進んでいた。
途中にある幾つかの分かれ道には、兵達が立っており、勝手には通れないようにしている。
こうした状況で、幅広の階段を上り、[謁見の間]へと導かれた…。
煌びやかな玉座に腰かけているのは、無論、皇帝だ。
年齢は60代前半あたりだろう。
対面しているシューラたちの両脇に、合計で10人の家来が並んでいた。
おそらく大臣や兵長の各々に違いない。
一歩だけ前に出た50代後半らしき男性が、
「宰相である私から話しをさせてもらおう。」
「生存した兵士らの報告によれば、そのほうの活躍もあって、魔物どもを撃退できたとか。」
「そこで。」
「陛下より金貨が与えられる事になった。」
「感謝して受け取るがよい。」
そのように語ったのである。
すると、別の男性が、装飾の施されている“銀のトレイ”に乗せた“革袋”を運んできた。
先頭のシリウスが袋を掴んだら、
「大儀であった。」
皇帝が喋ったのである。
シリウスが[アイテムボックス]に革袋を送るなか、トレイを持った20代半ばぐらいの男性が下がっていく。
こうした流れで、
「ここからが本題なのだが……。」
「兵達によれば、平原で待機していた魔物らのなかに、司祭らしき者がいたらしい。」
「なんでも、ソヤツが魔物どもに指示していたかのようであったとのことだ。」
「聖堂に聞き込みを行なってみたものの、全員が分からないと言っておる。」
「真偽の程は定かではないが、確たる証拠が無いため、罰する事もできん。」
宰相が溜息まじりで首を横に振った。
そこから、
「ただ…。」
「魔物らを秘かに追った兵によると、連中は北東の渓谷に退却したそうだ。」
「こちらで殲滅したいところではあるが、それなりの数の兵士を失っておるため、かなり厳しい。」
「故に、陛下は、冒険者に要請することになされた。」
このよう述べた宰相が、
「あれを。」
先程の男性を促す。
彼が新たに持ってきたのは、丸められた用紙だった。
それをシリウスが手にしたら、男性が再び離れてゆく。
こうしたところで、
「渓谷の西側に、監視役が二人ほど野営しておる。」
「その者らに証明書を渡すがよい。」
「なお、此度の報酬はノースイーストギルドに預けておく故、覚えておくように。」
改めて伝えてくる宰相であった―。
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