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Chapter 1/最初の国
№45 WWにおける設定⑧
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二体の魔人が“薄紫色の粒子”となり消滅してゆくなか、[Team S]の誰もが〝ふぅー〟と息を吐く。
なお、今回の戦いで、各自のレベルは1コずつアップしている。
“シールダーのシリウス”が後ろを振り返ってみたら、[総指揮官]の頭上に“金色のダイヤマーク”が浮いていた。
側まで寄ったシリウスが、
「任務終了って事で、いいんだよな?」
そう話しかけてみたところ、
「多くの配下を死なせてしまったのは、指揮官として不甲斐ないばかりだ。」
「しかし、冒険者の活躍で要塞を奪還できた。」
「本当に感謝する。」
「依頼を達成した証として、これを渡そう。」
「ギルドで見せれば報酬を支払ってくれるから、受け取ってくれ。」
丸めた形状にて紐で縛った“用紙”を差し出してきたのである。
これを手にしたシリウスに、
「我々は、これより、仲間の遺体を回収していく。」
「冒険者の助力は不要なので、帝都に戻ってもらって構わない。」
「改めて…、ありがとう。」
お礼を述べる総指揮官だった。
シリウスが、書類を“アイテムボックス”に収納する流れで、[帰還の羅針盤]を出現させる。
それによって、山の麓あたりに【テレポート】するパーティ―であった。
「……、だいぶ、明るくなってるわね。」
ふと呟いた“ガンナーのスイ”に、
「ああ、そうだな。」
“武闘家のサイザー”が答える。
この間に、リーダーたるシリウスは、[画面]を操作していく。
そうして、
「よし。」
「じゃあ、都に移ろう。」
全員に声をかけるシリウスだった…。
▽
遺跡こと“神殿”に向かって歩いているのは、[イッチューズ]だ。
結局、新しい武器や防具を買うのは保留とし、アイテム類を充実させていた。
ふと、
「あれ??」
「むこうにも調査団が居るみたいだけど?」
“弓術士のカリン”が首を傾げる。
無理もない。
彼女らの後方に“例の研究者たち”が続いている一方で、“同じ顔ぶれのNPC”が遺跡付近に佇んでいるのだから。
「あぁ、きっと、他のプレイヤーが来てるんだろ。」
先頭で“武士のヤト”が述べところ、神殿の正面玄関あたりに“ある六人組”が【瞬間移動】してきた。
こちらを見て、
「お!」
「タカ……、ヤト達じゃん。」
「また会ったな。」
〝ニッコリ〟したのは“金髪ショートの少年”だ。
「カミュ―!!」
「お前らも、ここに??」
「つーか、もしかして、クリアーしたのか?」
「このクエストを。」
本名“タカヤマ・トオル”に尋ねられたカミュ―が
「まぁな。」
ほんのちょっとだけ得意気になる。
「やってみて、どんなだった??」
「ネタバレしない程度に。」
“戦士のニケ”に質問され、
「んん~。」
「そこそこの難易度だったけど、一人も“戦闘不能”にはならかった。」
「ただ…、HPとかのポイントは細かく回復したがいいぞ。」
そのように答えるカミュ―であった。
彼は、〝イッチューズの男性陣と同じ小学校に通っていた人物〟であり、フラルン帝国の[西の町]でバッタリ再会している。
「そっか。」
「情報、ありがとね。」
微笑んだ“シールダーのクマッシー”に、
「いやいや。」
「ま、気を付けて。」
穏やかに伝えるカミュ―だった……。
カミュ―との会話を終えたほうの“調査団”が〝シュンッ!〟と消える。
「じゃ、また、どこかで。」
軽く手を挙げて挨拶したカミュ―に、
「ああ、だな。」
ヤトが頷く。
こうして、カミュ―もまた【テレポーテーション】を用いたのであった。
「おし…。」
少しだけ真剣な表情になったヤトが、
「中に入ろうぜ。」
皆を促す。
ちなみに、彼らも、遺跡に到着するまでにレベルが1つずつ上がっている……。
▽
[Team S]は、“ノースイーストギルド”に訪れていた。
窓口にて。
用紙に書かれている内容を確認した[男性ノンプレイヤーキャラクター]が、
「要塞を奪還してくださったとの事、承知いたしました。」
「少々お待ちください。」
「…………。」
「こちらが報酬となります。」
大量の通貨が納められている“革袋”を、そっとカウンターに置く。
袋を開いたシリウスが、1人につき十枚の金貨を配っていった…。
「では、ソソのために、クエストを受けるとするか?」
そう“武士のソリュウ”に訊かれ、
「うん、約束していたからね。」
“剣士のシューラ”が応じる。
これによって、〝わぁい〟といった感じで喜ぶ“黒魔術士のソソ”だった―。
なお、今回の戦いで、各自のレベルは1コずつアップしている。
“シールダーのシリウス”が後ろを振り返ってみたら、[総指揮官]の頭上に“金色のダイヤマーク”が浮いていた。
側まで寄ったシリウスが、
「任務終了って事で、いいんだよな?」
そう話しかけてみたところ、
「多くの配下を死なせてしまったのは、指揮官として不甲斐ないばかりだ。」
「しかし、冒険者の活躍で要塞を奪還できた。」
「本当に感謝する。」
「依頼を達成した証として、これを渡そう。」
「ギルドで見せれば報酬を支払ってくれるから、受け取ってくれ。」
丸めた形状にて紐で縛った“用紙”を差し出してきたのである。
これを手にしたシリウスに、
「我々は、これより、仲間の遺体を回収していく。」
「冒険者の助力は不要なので、帝都に戻ってもらって構わない。」
「改めて…、ありがとう。」
お礼を述べる総指揮官だった。
シリウスが、書類を“アイテムボックス”に収納する流れで、[帰還の羅針盤]を出現させる。
それによって、山の麓あたりに【テレポート】するパーティ―であった。
「……、だいぶ、明るくなってるわね。」
ふと呟いた“ガンナーのスイ”に、
「ああ、そうだな。」
“武闘家のサイザー”が答える。
この間に、リーダーたるシリウスは、[画面]を操作していく。
そうして、
「よし。」
「じゃあ、都に移ろう。」
全員に声をかけるシリウスだった…。
▽
遺跡こと“神殿”に向かって歩いているのは、[イッチューズ]だ。
結局、新しい武器や防具を買うのは保留とし、アイテム類を充実させていた。
ふと、
「あれ??」
「むこうにも調査団が居るみたいだけど?」
“弓術士のカリン”が首を傾げる。
無理もない。
彼女らの後方に“例の研究者たち”が続いている一方で、“同じ顔ぶれのNPC”が遺跡付近に佇んでいるのだから。
「あぁ、きっと、他のプレイヤーが来てるんだろ。」
先頭で“武士のヤト”が述べところ、神殿の正面玄関あたりに“ある六人組”が【瞬間移動】してきた。
こちらを見て、
「お!」
「タカ……、ヤト達じゃん。」
「また会ったな。」
〝ニッコリ〟したのは“金髪ショートの少年”だ。
「カミュ―!!」
「お前らも、ここに??」
「つーか、もしかして、クリアーしたのか?」
「このクエストを。」
本名“タカヤマ・トオル”に尋ねられたカミュ―が
「まぁな。」
ほんのちょっとだけ得意気になる。
「やってみて、どんなだった??」
「ネタバレしない程度に。」
“戦士のニケ”に質問され、
「んん~。」
「そこそこの難易度だったけど、一人も“戦闘不能”にはならかった。」
「ただ…、HPとかのポイントは細かく回復したがいいぞ。」
そのように答えるカミュ―であった。
彼は、〝イッチューズの男性陣と同じ小学校に通っていた人物〟であり、フラルン帝国の[西の町]でバッタリ再会している。
「そっか。」
「情報、ありがとね。」
微笑んだ“シールダーのクマッシー”に、
「いやいや。」
「ま、気を付けて。」
穏やかに伝えるカミュ―だった……。
カミュ―との会話を終えたほうの“調査団”が〝シュンッ!〟と消える。
「じゃ、また、どこかで。」
軽く手を挙げて挨拶したカミュ―に、
「ああ、だな。」
ヤトが頷く。
こうして、カミュ―もまた【テレポーテーション】を用いたのであった。
「おし…。」
少しだけ真剣な表情になったヤトが、
「中に入ろうぜ。」
皆を促す。
ちなみに、彼らも、遺跡に到着するまでにレベルが1つずつ上がっている……。
▽
[Team S]は、“ノースイーストギルド”に訪れていた。
窓口にて。
用紙に書かれている内容を確認した[男性ノンプレイヤーキャラクター]が、
「要塞を奪還してくださったとの事、承知いたしました。」
「少々お待ちください。」
「…………。」
「こちらが報酬となります。」
大量の通貨が納められている“革袋”を、そっとカウンターに置く。
袋を開いたシリウスが、1人につき十枚の金貨を配っていった…。
「では、ソソのために、クエストを受けるとするか?」
そう“武士のソリュウ”に訊かれ、
「うん、約束していたからね。」
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これによって、〝わぁい〟といった感じで喜ぶ“黒魔術士のソソ”だった―。
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