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Chapter 1/最初の国
№43 フラルン要塞奪還戦・破
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数分が経ち、一階の敵を殲滅している。
今回も、[Team S] は無事だったが、やはり兵士は半分ほどが亡くなり、20人くらいになっていた。
なお、このフロアには、正面に階段が、左右には一つずつの[木製扉]が、見受けられる。
シリウスが[総指揮官]に話しかけてみたところ、
「二階に進みたいが…、扉が気になる。」
「どちらの向こう側にも魔物が潜んでいるなら、我々が上に向かっているときに飛び出してきて背後を襲ってくるかもしれない。」
「そこで、冒険者の強さを見込んで頼みがある。」
「すまないが、両方とも確認してもらえないだろうか?」
このように伝えてきたのだった。
「……、別に、いいよな??」
シリウスに訊かれ、〝うん〟と頷いたシューラが、
「念のため用心しよう。」
そう促したのである…。
“西側の扉”の近くで、シリウスが[大楯]を構える。
この後ろで仲間の殆どが戦闘態勢をとってゆくなか、
「じゃあ、サイザー、よろしく。」
シリウスが声をかけた。
「あぁ、いくぜ?」
そう返した[武闘家]が、扉を開くなり、サイドステップで離れる。
これらは、仮にモンスター達が突撃してきた場合に備えての対処であった。
…………。
「何も起きないね。」
[少年黒魔術士]のソソが呟いたことで、
「全員、そのまま、待ってくれ。」
そっと部屋を覗いたサイザーが、
「ベッドが幾つも置いてある。」
「どうやら寝室みてぇだな。」
「魔物は一体もいないぜ。」
こう報せたのである。
そこから、東側も同じようにチェックしてみたところ、“休憩室”だった事が判明した……。
▽
総指揮官を先頭として、二階に着いたら、80数のモンスターが待機していたのである。
面子は“ダークマウス.Jr/ダークドッグ.Jr/アルミラージ/スライム”が20匹ずつみたいだ。
「ちと多いのう。」
ソリュウの表情が曇るなか、反対側の階段を上がってくる兵士らがいた。
間違いなく“北班”と“西班”が合流したのだろう。
ただし、あちらも20人程までに減っていた。
とにもかくにも。
これに気づいた30体ぐらいの魔物が、そちらへと向かってゆく。
「ちょっとはラクになるわね。」
[ガンナーのスイ]が述べたタイミングで、残りのモンスターどもが攻め寄せてくる。
「ラウス!」
咄嗟に喚んだサキによって、ステータスが倍増されていく[Team S]だった…。
▽
再び何分かが過ぎ、バトルを終えている。
総指揮官を含めた兵は、合計で15人となっていた。
改めてシリウスが接触したところ、
「東には上への階段、西には扉か……。」
「また任せても問題ないだろうか?」
総指揮官が尋ねてきたのである。
「しょうがないわねぇ。」
苦笑いした[弓術士のサザミン]が、
「さっきみたいな感じにする??」
そのように窺ったら、誰もが首を縦に振った…。
扉の向こうは“曲線的な廊下”となっている。
幅は割と広めだ。
シューラたちは取り敢えず南に進んだらしい。
ここにも扉があり、サイザーが開けてみたら、[食堂]になっていた。
逆の北側も調べたところ、そっちは[会議室]だったようだ……。
総指揮官などの所に戻り、
「リキャストタイム、あと、どのくらい?」
シューラが質問したら、
「だいたい1分だね。」
そうサキが答える。
「そんぐらいであれば、待つとすっか。」
シリウスの意見に賛成するパーティーメンバー達であった。
▽
シリウスが、
「俺らは準備万端だぜ。」
このように総指揮官に告げたところ、
「次が最上階だ。」
「きっと、これまでよりも厳しい戦いになることが予測される。」
「気を引き締めていこう。」
と語ったのである…。
三階は、南と西に[木製扉]が在った。
そうしたフロアの北半分に、30匹のモンスターが居る。
顔ぶれは“ゴブリン/ダークマウス.Jr/ダークドッグ.Jr”が10匹ずつだ。
コイツラの一番奥には、2体の[魔人]が佇んでいる。
どちらも、身長150㎝あたりの子供だ。
耳の先端が尖っており、肌はグレーで、瞳が赤く、髪は紫色である。
その者たちが1Mほど宙に〝スゥーッ〟と浮いた。
「ここまで来るとは、なかなかやるみたいだな。」
“ライトジェットの少年”に続き、
「その勢いも、もう終わりよ。」
“ボブパーマの少女”が喋る。
これをきっかけに、突撃してくる魔物集団だった―。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
現時点での“サキの召喚”について
・[ラウス=カラドリウス]による効果は2分
・戦闘系のサーヴァントは1分間だけ出現していられる。
・どのリキャストタイムも5分
今回も、[Team S] は無事だったが、やはり兵士は半分ほどが亡くなり、20人くらいになっていた。
なお、このフロアには、正面に階段が、左右には一つずつの[木製扉]が、見受けられる。
シリウスが[総指揮官]に話しかけてみたところ、
「二階に進みたいが…、扉が気になる。」
「どちらの向こう側にも魔物が潜んでいるなら、我々が上に向かっているときに飛び出してきて背後を襲ってくるかもしれない。」
「そこで、冒険者の強さを見込んで頼みがある。」
「すまないが、両方とも確認してもらえないだろうか?」
このように伝えてきたのだった。
「……、別に、いいよな??」
シリウスに訊かれ、〝うん〟と頷いたシューラが、
「念のため用心しよう。」
そう促したのである…。
“西側の扉”の近くで、シリウスが[大楯]を構える。
この後ろで仲間の殆どが戦闘態勢をとってゆくなか、
「じゃあ、サイザー、よろしく。」
シリウスが声をかけた。
「あぁ、いくぜ?」
そう返した[武闘家]が、扉を開くなり、サイドステップで離れる。
これらは、仮にモンスター達が突撃してきた場合に備えての対処であった。
…………。
「何も起きないね。」
[少年黒魔術士]のソソが呟いたことで、
「全員、そのまま、待ってくれ。」
そっと部屋を覗いたサイザーが、
「ベッドが幾つも置いてある。」
「どうやら寝室みてぇだな。」
「魔物は一体もいないぜ。」
こう報せたのである。
そこから、東側も同じようにチェックしてみたところ、“休憩室”だった事が判明した……。
▽
総指揮官を先頭として、二階に着いたら、80数のモンスターが待機していたのである。
面子は“ダークマウス.Jr/ダークドッグ.Jr/アルミラージ/スライム”が20匹ずつみたいだ。
「ちと多いのう。」
ソリュウの表情が曇るなか、反対側の階段を上がってくる兵士らがいた。
間違いなく“北班”と“西班”が合流したのだろう。
ただし、あちらも20人程までに減っていた。
とにもかくにも。
これに気づいた30体ぐらいの魔物が、そちらへと向かってゆく。
「ちょっとはラクになるわね。」
[ガンナーのスイ]が述べたタイミングで、残りのモンスターどもが攻め寄せてくる。
「ラウス!」
咄嗟に喚んだサキによって、ステータスが倍増されていく[Team S]だった…。
▽
再び何分かが過ぎ、バトルを終えている。
総指揮官を含めた兵は、合計で15人となっていた。
改めてシリウスが接触したところ、
「東には上への階段、西には扉か……。」
「また任せても問題ないだろうか?」
総指揮官が尋ねてきたのである。
「しょうがないわねぇ。」
苦笑いした[弓術士のサザミン]が、
「さっきみたいな感じにする??」
そのように窺ったら、誰もが首を縦に振った…。
扉の向こうは“曲線的な廊下”となっている。
幅は割と広めだ。
シューラたちは取り敢えず南に進んだらしい。
ここにも扉があり、サイザーが開けてみたら、[食堂]になっていた。
逆の北側も調べたところ、そっちは[会議室]だったようだ……。
総指揮官などの所に戻り、
「リキャストタイム、あと、どのくらい?」
シューラが質問したら、
「だいたい1分だね。」
そうサキが答える。
「そんぐらいであれば、待つとすっか。」
シリウスの意見に賛成するパーティーメンバー達であった。
▽
シリウスが、
「俺らは準備万端だぜ。」
このように総指揮官に告げたところ、
「次が最上階だ。」
「きっと、これまでよりも厳しい戦いになることが予測される。」
「気を引き締めていこう。」
と語ったのである…。
三階は、南と西に[木製扉]が在った。
そうしたフロアの北半分に、30匹のモンスターが居る。
顔ぶれは“ゴブリン/ダークマウス.Jr/ダークドッグ.Jr”が10匹ずつだ。
コイツラの一番奥には、2体の[魔人]が佇んでいる。
どちらも、身長150㎝あたりの子供だ。
耳の先端が尖っており、肌はグレーで、瞳が赤く、髪は紫色である。
その者たちが1Mほど宙に〝スゥーッ〟と浮いた。
「ここまで来るとは、なかなかやるみたいだな。」
“ライトジェットの少年”に続き、
「その勢いも、もう終わりよ。」
“ボブパーマの少女”が喋る。
これをきっかけに、突撃してくる魔物集団だった―。
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現時点での“サキの召喚”について
・[ラウス=カラドリウス]による効果は2分
・戦闘系のサーヴァントは1分間だけ出現していられる。
・どのリキャストタイムも5分
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