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Chapter 1/最初の国
№34 あとには引けず・前編
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“黒髪のボブショート・緑の瞳・褐色の肌”で10代半ばといったダイナーが、
「もともと、女神様は、〝ドゥーローが最もリーダーに相応しい〟て告げていたのよ。」
このように教えた。
「そうなのか??」
いささか目を丸くしたのは、“金色短髪で筋肉マッチョ”のダーランである。
ダイナーが頷いたところ、
「しかし、儂らが初めて会うたとき、お前さんは〝自分がリーダーに選ばれた〟と言っておったが?」
仙人みたいな風貌のドギッシュが、眉をひそめた。
「……。」
少しだけ黙ったダイナーは、
「女神様と話せるのは“愛子”だけだから、私が適任だと思ったの。」
「それであれば、より的確な指示を出せて、この“Team D”の仲間を一人も死なせずに済むんじゃないか、て、考えたのよ。」
「誰も…、特に、あの幼い二人が亡くらないようにしたくって、つい厳しくなってしまったのは、反省しているわ。」
「それと……。」
「今のうちに、リーダーの座をドゥーローに返しておくわね。」
後ろを向いたのである。
その提案を、背丈170㎝あたりで、20代前半くらいであろう、黒髪サラサラショートの[男性騎士]が、
「いや、遠慮しとく。」
あっさりと断った。
「え??!」
「なんでよ!?」
驚いた[女性アサシン]に、
「このままダイナーが務めても問題ないだろ。」
「別に仕切りが酷すぎるわけではないし…、本音も分かったことだしな。」
ドゥーローが述べる。
「でも」とダイナーが反論しようとしたら、
「オレは、ドゥーローに賛成だ。」
[戦士]のダーランと、
「儂もじゃ。」
[武闘家]であるドギッシュが、“待った”を掛けた。
「どうして??」
首を傾げたダイナーに、
「ここにきてリーダーを変えてしまった場合、足並みが揃わなくなるかもしれん。」
「そうなったら、全滅しかねんじゃろう。」
「これからは、よりもっと協力していけば良いんじゃないか?」
「お前さんを軸として。」
ドギッシュが伝える。
「…………。」
「じゃあ、そうするけど…。」
「もし、私が命を落としたら、必ずドゥーローが跡を継ぎなさいよね。」
こうダイナーが促したところで、
「あ!!」
「ダイヤマークだ!」
前方より、“サラサラ金髪ショート”といった[少年召喚士]ことデュ―サの声が聞こえてきた。
その流れにて、
「ダイナー。」
「おしゃべりしても、いい~?」
“黒髪ショートボブ”の[少女黒魔術士]であるドナが、尋ねてくる。
「ええ、構わないわよ。」
ダイナーが優しく微笑むなり、
「やったぁー!!」
喜びを表すドナであった。
▽
“西の町”の中心地に【テレポート】していた[Team S]は、既に“北門”へと移動している。
「じゃ、要塞を目指すぞ。」
リーダーたるシリウスの発言によって、野外へと進むシューラ達だった……。
▽
[イッチューズ]は、帝都の“中央広場”に到着している。
この南東に、二人の男性と、一人の女性が、佇んでいた。
三人とも17歳ぐらいだろう。
男性の一人は、頭上に“金色のダイヤ”が浮かんでいる。
見つけたのは、やはり、クマッシーであった。
身長は168㎝あたりで、赤髪がソフトリーゼント&ツーブロックといった青年に、
「イリングについて知りたいんだけど…。」
ヤトが代表して質問する。
「ん??」
「……、あぁー、こないだ拾ったアレか。」
「なんだ?」
「お前たちの物か??」
「ま、どうだっていいけどよ…。」
「欲しけりゃ、金貨100枚を支払え。」
男が語り終えたタイミングで、ヤトの眼前に[横長の画面]が現れた。
そこには……、
・要求に応じる
・絶対に応じない
といった“二択”が記されていたのである。
メンバーに相談する事なく、
「んなもん、払う訳ねぇだろッ!」
ヤトが“NO”を選んだ。
どうやら、本人は、相手の態度に若干イラついたらしい。
これに、
「だったらよ、闘技場で俺らと勝負しろや!!」
「そっちが勝ったら、タダで譲ってやんよ。」
「しかし!」
「テメェらが負けたときは、所持しているカネとアイテムに装備品を、全て渡してもらうかんなッ!!」
“赤髪のヤンキー”が逆ギレしてきた。
「えー?」
「こういう展開なのぉ??」
エイトが嫌そうにしたところ、
「でも、まぁ、クエストを達成するためには、仕方ないんじゃない?」
そのようにセブンが述べたのである。
「うぅ~ん…。」
「そうだよね。」
消極的にもエイトが納得したら、
「皆、〝受けて立つ〟ってことで、大丈夫だよな?」
冷静になったヤトが、ふと窺う。
五人が首を縦に振ったところで、“試合”を承諾するヤトだった。
「じゃあ、お前らと同じ人数を揃えて、闘技場の側で待ってっから、逃げんじゃねぇぞ!」
こう脅迫した“赤髪ソフトリーゼント”は、味方の二人と共に、その場から〝シュンッ!!〟と消えたのである。
すると、
「おっし!」
「俺達も行こうぜ!!」
元気よく告げたヤトが、[地図]を操作していくのであった―。
「もともと、女神様は、〝ドゥーローが最もリーダーに相応しい〟て告げていたのよ。」
このように教えた。
「そうなのか??」
いささか目を丸くしたのは、“金色短髪で筋肉マッチョ”のダーランである。
ダイナーが頷いたところ、
「しかし、儂らが初めて会うたとき、お前さんは〝自分がリーダーに選ばれた〟と言っておったが?」
仙人みたいな風貌のドギッシュが、眉をひそめた。
「……。」
少しだけ黙ったダイナーは、
「女神様と話せるのは“愛子”だけだから、私が適任だと思ったの。」
「それであれば、より的確な指示を出せて、この“Team D”の仲間を一人も死なせずに済むんじゃないか、て、考えたのよ。」
「誰も…、特に、あの幼い二人が亡くらないようにしたくって、つい厳しくなってしまったのは、反省しているわ。」
「それと……。」
「今のうちに、リーダーの座をドゥーローに返しておくわね。」
後ろを向いたのである。
その提案を、背丈170㎝あたりで、20代前半くらいであろう、黒髪サラサラショートの[男性騎士]が、
「いや、遠慮しとく。」
あっさりと断った。
「え??!」
「なんでよ!?」
驚いた[女性アサシン]に、
「このままダイナーが務めても問題ないだろ。」
「別に仕切りが酷すぎるわけではないし…、本音も分かったことだしな。」
ドゥーローが述べる。
「でも」とダイナーが反論しようとしたら、
「オレは、ドゥーローに賛成だ。」
[戦士]のダーランと、
「儂もじゃ。」
[武闘家]であるドギッシュが、“待った”を掛けた。
「どうして??」
首を傾げたダイナーに、
「ここにきてリーダーを変えてしまった場合、足並みが揃わなくなるかもしれん。」
「そうなったら、全滅しかねんじゃろう。」
「これからは、よりもっと協力していけば良いんじゃないか?」
「お前さんを軸として。」
ドギッシュが伝える。
「…………。」
「じゃあ、そうするけど…。」
「もし、私が命を落としたら、必ずドゥーローが跡を継ぎなさいよね。」
こうダイナーが促したところで、
「あ!!」
「ダイヤマークだ!」
前方より、“サラサラ金髪ショート”といった[少年召喚士]ことデュ―サの声が聞こえてきた。
その流れにて、
「ダイナー。」
「おしゃべりしても、いい~?」
“黒髪ショートボブ”の[少女黒魔術士]であるドナが、尋ねてくる。
「ええ、構わないわよ。」
ダイナーが優しく微笑むなり、
「やったぁー!!」
喜びを表すドナであった。
▽
“西の町”の中心地に【テレポート】していた[Team S]は、既に“北門”へと移動している。
「じゃ、要塞を目指すぞ。」
リーダーたるシリウスの発言によって、野外へと進むシューラ達だった……。
▽
[イッチューズ]は、帝都の“中央広場”に到着している。
この南東に、二人の男性と、一人の女性が、佇んでいた。
三人とも17歳ぐらいだろう。
男性の一人は、頭上に“金色のダイヤ”が浮かんでいる。
見つけたのは、やはり、クマッシーであった。
身長は168㎝あたりで、赤髪がソフトリーゼント&ツーブロックといった青年に、
「イリングについて知りたいんだけど…。」
ヤトが代表して質問する。
「ん??」
「……、あぁー、こないだ拾ったアレか。」
「なんだ?」
「お前たちの物か??」
「ま、どうだっていいけどよ…。」
「欲しけりゃ、金貨100枚を支払え。」
男が語り終えたタイミングで、ヤトの眼前に[横長の画面]が現れた。
そこには……、
・要求に応じる
・絶対に応じない
といった“二択”が記されていたのである。
メンバーに相談する事なく、
「んなもん、払う訳ねぇだろッ!」
ヤトが“NO”を選んだ。
どうやら、本人は、相手の態度に若干イラついたらしい。
これに、
「だったらよ、闘技場で俺らと勝負しろや!!」
「そっちが勝ったら、タダで譲ってやんよ。」
「しかし!」
「テメェらが負けたときは、所持しているカネとアイテムに装備品を、全て渡してもらうかんなッ!!」
“赤髪のヤンキー”が逆ギレしてきた。
「えー?」
「こういう展開なのぉ??」
エイトが嫌そうにしたところ、
「でも、まぁ、クエストを達成するためには、仕方ないんじゃない?」
そのようにセブンが述べたのである。
「うぅ~ん…。」
「そうだよね。」
消極的にもエイトが納得したら、
「皆、〝受けて立つ〟ってことで、大丈夫だよな?」
冷静になったヤトが、ふと窺う。
五人が首を縦に振ったところで、“試合”を承諾するヤトだった。
「じゃあ、お前らと同じ人数を揃えて、闘技場の側で待ってっから、逃げんじゃねぇぞ!」
こう脅迫した“赤髪ソフトリーゼント”は、味方の二人と共に、その場から〝シュンッ!!〟と消えたのである。
すると、
「おっし!」
「俺達も行こうぜ!!」
元気よく告げたヤトが、[地図]を操作していくのであった―。
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