Arousal of NPC‘s

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
32 / 96
Chapter 1/最初の国

№32 和みつつ

しおりを挟む
「帝国の北西に要塞があるのですが…、つい数時間前に、魔物の群れに襲撃されて陥落しました。」
「何人かの兵士は脱出して生き残ったらしく、都の上層部にメッセージを伝達したそうです。」
「よって、国は、百名ほどの精鋭を急ぎ向かわせたと聞き及んでいます。」
「できれば、もっと沢山の兵を動員したかったようですが、帝都の守りが手薄になるのを危惧して、断念したのだとか。」
「その代わり、冒険者に加勢してもらうべく、クエストが発注されました。」
「ここまで御理解いただけましたでしょうか?」
「もう一度お聞きになりますか??」
[受付のNPC]に尋ねられ、
「いや、大丈夫だ。」
[Teamチーム Sエス]のリーダーたる“シリウス”が、首を横に振る。
「そうですか……。」
「ちなみに、報酬は、お一人につき金貨10枚です。」
「この案件を、お受けになりますか?」
女性が質問したところで、
「どうする??」
シリウスが仲間を窺った。
「私は構わないけど…、皆は?」
パーティーメンバーに意見を求めた“金髪の少女”に、
「シューラちゃんがそれでいいなら、誰も反対しないわよぉ。」
セイランが笑顔で答える。
各自が〝うん うん〟と頷くなか、“黒髪の少年”だけは無反応だった。
これを察したシューラが、
「どうしたの?? ソソ。」
すぐに声をかける。
「んー、……、〝落とし物をさがす〟とか、別のギルドの〝にげたペットをつかまえる〟ていうのをやってみたかったんだけど、ガマンするよ。」
「できるだけ早く、強くなっとかなくちゃいけないみたいだから。」
そう述べたソソに、
「あぁー。」
「ごめんね、ムリさせてたみたいで。」
「このクエストが終わったら、次はソソが選んでいいよ。」
優しく告げるシューラであった。
「ほんと?!」
「やったぁー!!」
ソソが喜びを表したら、全員が微笑んだ。
この流れで、
「じゃあ、“要塞”を。」
シリウスが[窓口]に伝えたところ、
「かしこまりました。」
「それでは、受注書を発行しますので、あちらに到着したら隊長さんにお渡しください。」
「ちなみに、都からですと四日ぐらいの道のりになりますが、西の町であれば二日ほどで済むはずですので、過去に訪れたことがございましたなら、ぜひ、ご活用くださいませ。」
そう教えてくれたのである…。
 
手続きを経て、
「それじゃ、出発すっか。」
独り言かのように呟いたシリウスに、
「ちょっと待ってもらって、“情報屋”に寄ってみてもいいかな?」
「遺跡で遭遇した“司祭”が気になってさ。」
このように提案したのは、サーガだった。
「確かにね。」
「……、シューラ、どう??」
シエルに訊かれ、
「分かった。」
快くOKした“金髪の少女”である。
 
屋内の“右側の壁”には、1M四方の穴が開けられており、その中は[小部屋]になっていた。
ここに控えているのは、茶髪オールバックの太った中年男性である。
「知りたい事があるんだが…。」
シリウスが話しかけたら、
「おう、いらっしゃい。」
「どの情報も銅貨5枚だぜ。」
「現在、提供できるのは、こんなとこだな。」
オジサンが喋るなり、個々の眼前に[縦長の画面]が自動的に展開された。
そこには……、
・フラルン帝国について
・都について
・図書館について
・大聖堂について
・闘技場について
・換金所について
・武器屋について
・防具屋について
・道具屋について
・宿屋について
・飲食店について
・服屋について
・乗り物について
・メッセージ機能について
・フレンド登録について
このような項目が並んでいたのである。
「関連性がありそうなのは、大聖堂か?」
首を軽く傾げたシリウスに、
「きっとね。」
そう同意するスイであった―。
 
 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
 
[Team S]に関する情報/男性編・パート2
 
名前:ソソ
年齢:10歳
身長:144㎝
容姿:黒髪ショート/黒の瞳/白肌
ジョブ:黒魔術士
LV:5
HP:35
SP:無
MP:75
武器:鉄製の柄(長さ1.5M)に半球体で緑色のクリスタルが付属している“魔法の杖”
防具:鉄の“サークレット/胸当て/ひじ当て/ひざ当て”
     ブラックのローブ
攻撃力:基本30+装備品25=総計55
防御力:基本25+装備品200=総計225
素早さ:基本45-装備品の重量15=総計30
魔法:火/水/氷/風/雷/爆発 (※現時点の効果は小)
 
名前:ソウヤ
年齢:53歳
身長:170㎝
容姿:黒髪ロング/黒の瞳/黄色肌
ジョブ:陰陽師
LV:5
HP:33
SP:無
MP:65
武器:鉄の“薙刀なぎなた
防具:鉄製の“胸当て/籠手/腰回り/脛当て”
  烏帽子えぼし&黒を基調とした狩衣かりぎぬ
攻撃力:基本30+装備品35=総計65
防御力:基本30+装備品200=総計230
素早さ:基本45-装備品の重量15=総計30
スキル:土系/石系/植物系 (※現時点での効果は小)
 
名前:ソリュウ
年齢:64歳
身長:163㎝
容姿:白髪交じりのセミロングを束ねている/黒の瞳/黄色肌
ジョブ:武士
LV:6
HP:60
SP:48
MP:無
武器:鉄製の“刀”
防具:鉄の“鎧兜” (※モチーフは平安時代後期)
攻撃力:基本78+装備品40=総計118
防御力:基本54+装備品230=総計284
素早さ:基本63-装備品の重量19=総計44
スキル:未収得
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

とある元令嬢の選択

こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。

転生令嬢は現状を語る。

みなせ
ファンタジー
目が覚めたら悪役令嬢でした。 よくある話だけど、 私の話を聞いてほしい。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

女性として見れない私は、もう不要な様です〜俺の事は忘れて幸せになって欲しい。と言われたのでそうする事にした結果〜

流雲青人
恋愛
子爵令嬢のプレセアは目の前に広がる光景に静かに涙を零した。 偶然にも居合わせてしまったのだ。 学園の裏庭で、婚約者がプレセアの友人へと告白している場面に。 そして後日、婚約者に呼び出され告げられた。 「君を女性として見ることが出来ない」 幼馴染であり、共に過ごして来た時間はとても長い。 その中でどうやら彼はプレセアを友人以上として見れなくなってしまったらしい。 「俺の事は忘れて幸せになって欲しい。君は幸せになるべき人だから」 大切な二人だからこそ、清く身を引いて、大好きな人と友人の恋を応援したい。 そう思っている筈なのに、恋心がその気持ちを邪魔してきて...。 ※ ゆるふわ設定です。 完結しました。

〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。 だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。 十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。 ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。 元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。 そして更に二年、とうとうその日が来た…… 

処理中です...