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Chapter 1/最初の国
№29 リスタート①
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およそ1時間後――。
フラルン帝国の都にある[中央広場]の北側にて。
ボブショートの黒髪に、瞳が緑で、肌は褐色といった、10代後半の“イケメン女子”が、
「揃ったわね。」
「それじゃあ、行きましょう。」
仲間を促した。
どうやら、シューラたちが[西の町]の防具屋あたりで出会った一同みたいだ。
10歳ぐらいから60代ほどまでの男女の集まりで、粛々とした雰囲気である。
その面子は、“イケ女”が[横長の超薄型画面]を操作したことによって、何処かへと【テレポート】したのであった。
彼女らが居た位置より、いささか南に離れた所では、
「どうするぅ~??」
キエラと、
「そうだなぁ、アイテムとかの充実か、クエストの受注か、どっちを優先しようかー??」
クーガを軸に、[Team K]が各自でイチャついている。
[サークルスクエア]の東側で、
「まずは、いろいろと換金するか?」
「そこから〝武器と防具を新しく整える〟という考えで問題ねぇかな??」
パーティーメンバーを窺ったのは、シリウスだった。
「ん。」
「そうしよう。」
静かに頷いたシューラによって、[Team S]の方針が決定したのである。
広場の中心に、続々とログインしてきたのは、[イッチューズ]のようだ。
「何から始める?」
“金髪サラサラショート”のニケに問われ、
「んん~、……。」
自身の腕を組んで考え込んだヤトに、
「猫を探したときみたいなクエストを受けない??」
カリンが提案したところ、
「いいわね。」
“黒髪ショート”たるセブンや、
「面白そぉう。」
“銀色ゆるふわセミロングヘアー+狼の耳&尻尾”といったエイトが、好反応を示した。
「むぅー。」
「俺としては、冒険がしたいんだが…。」
「ま、いいか。」
ヤトが半ば諦めた様子で承諾したものの、
「ただぁしッ!!」
「その次は、旅に出るからな!」
「これは絶対に譲らないぞ!!」
そう宣言したのである。
「はい、はい。」
「分かりましたぁ~。」
「そうしましょうねぇー。」
穏やかながらも上から目線のカリンに対して、
「子ども扱いかよ!」
ヤトがツッコミを入れるなり、5人が〝ドッ!!〟と笑ったのであった。
「お前ら、バカにしてんだろ?」
眉間にシワを寄せたヤトを、
「そんな事ないよ。」
「まぁ、落ち着いて。」
“スポーツ刈りライトブラウン”のクマッシーが優しく宥める。
「だったら、いいけど。」
軽く〝ふぅ〟と息を吐き、
「じゃあ、ギルドに移動すっか。」
場を纏めるヤトだった……。
▽
帝都の“北西エリア”に在る[換金所]にて。
ジュエルなどの売却を済ませたシリウスが、
「で??」
「先に、どっちに赴く?」
後ろに控えている皆に訊ねる。
「なんとなく…、防具を選ぶ??」
首を傾げた“金髪の剣士”に、
「シューラちゃんが、それで良いなら、誰も異論は無いわよぉ~。」
セイランが〝ニコニコ〟しながら賛成した。
「確かにな。」
〝フッ〟と笑みを零したシリウスは、【テレポーテーション】すべく[MAP]を開いたのである。
この後。
遺跡調査団の護衛で貰っていた報酬もあって、予算ギリギリで“鉄製の防具&武器”を買い揃えた[Team S]であった。
▽
中学生グループは、[ノースイーストギルド]に訪れている。
受付カウンターにて、
「じゃ、〝ある落とし物を探す〟で。」
リーダーのヤトが述べたら、
「かしこまりました。」
「それでは、詳細を、お伝えします。」
「……、さる貴族の夫人が、イヤリングの片方を失くしてしまったそうです。」
「なんでも、お忍びで都を散歩なさっていたところ、どこかで落とされてしまわれたらしく…、北か東の大通りかもしれないとの話しでしたが、詳細は不明となっています。」
「ご婦人としては、旦那様からの贈り物であり、大層お気に召されていたこともあって、無理を承知で見つけてほしい、との依頼でした。」
「なお、期限は、二日です。」
「それと、発見したイヤリングは当ギルドに持ち込んでください。」
「我々のほうで、お屋敷に連絡して、引き取っていただく約束になっておりますので……。」
「ここまで御理解いただけましたでしょうか?」
「もう一度お聞きになりますか??」
そのように喋る“女性NPC”だった―。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
[Team S]に関する情報/女性編・パート1
名前:シューラ
年齢:13歳
身長:152㎝
容姿:金髪セミロング/青い瞳/白肌
ジョブ:剣士
LV:6
HP:60
SP:48
MP:無
武器:鉄製の“中剣”
防具:鉄の“額当て/肩当て/胸当て/籠手/腰回り/脛当て”
攻撃力:基本78+装備品35=総計118
防御力:基本54+装備品230=総計284
素早さ:基本63-装備品の重量18=総計45
スキル:未収得
名前:セイラン
年齢:20歳
身長:160㎝
容姿:茶髪ゆるふわセミロング/黒い瞳/白肌
ジョブ:白魔術士
LV:5
HP:35
SP:無
MP:75
武器:鉄製の柄(長さ1.5M)に半球体で透明のクリスタルが付属している“魔法の杖”
防具:鉄の“サークレット/胸当て/肘当て/膝当て”
ホワイトのローブ
攻撃力:基本30+装備品25=総計55
防御力:基本25+装備品200=総計225
素早さ:基本45-装備品の重量15=総計30
魔法:ソロヒール
インタフィア・リリース (※現時点での効果はソロ)
名前:シエル
年齢:35歳
身長:163㎝
容姿:銀髪ショート/緑の瞳/黒肌
ジョブ:アサシン
LV:5
HP:43
SP:48
MP:無
武器:鉄製の“ダガー”
防具:鉄の“額当て/胸当て/籠手/脛当て”
攻撃力:基本38+装備品30=総計68
防御力:基本35+装備品200=総計235
素早さ:基本75-装備品の重量16=総計57
スキル:毒 (※現時点での効果は小)
フラルン帝国の都にある[中央広場]の北側にて。
ボブショートの黒髪に、瞳が緑で、肌は褐色といった、10代後半の“イケメン女子”が、
「揃ったわね。」
「それじゃあ、行きましょう。」
仲間を促した。
どうやら、シューラたちが[西の町]の防具屋あたりで出会った一同みたいだ。
10歳ぐらいから60代ほどまでの男女の集まりで、粛々とした雰囲気である。
その面子は、“イケ女”が[横長の超薄型画面]を操作したことによって、何処かへと【テレポート】したのであった。
彼女らが居た位置より、いささか南に離れた所では、
「どうするぅ~??」
キエラと、
「そうだなぁ、アイテムとかの充実か、クエストの受注か、どっちを優先しようかー??」
クーガを軸に、[Team K]が各自でイチャついている。
[サークルスクエア]の東側で、
「まずは、いろいろと換金するか?」
「そこから〝武器と防具を新しく整える〟という考えで問題ねぇかな??」
パーティーメンバーを窺ったのは、シリウスだった。
「ん。」
「そうしよう。」
静かに頷いたシューラによって、[Team S]の方針が決定したのである。
広場の中心に、続々とログインしてきたのは、[イッチューズ]のようだ。
「何から始める?」
“金髪サラサラショート”のニケに問われ、
「んん~、……。」
自身の腕を組んで考え込んだヤトに、
「猫を探したときみたいなクエストを受けない??」
カリンが提案したところ、
「いいわね。」
“黒髪ショート”たるセブンや、
「面白そぉう。」
“銀色ゆるふわセミロングヘアー+狼の耳&尻尾”といったエイトが、好反応を示した。
「むぅー。」
「俺としては、冒険がしたいんだが…。」
「ま、いいか。」
ヤトが半ば諦めた様子で承諾したものの、
「ただぁしッ!!」
「その次は、旅に出るからな!」
「これは絶対に譲らないぞ!!」
そう宣言したのである。
「はい、はい。」
「分かりましたぁ~。」
「そうしましょうねぇー。」
穏やかながらも上から目線のカリンに対して、
「子ども扱いかよ!」
ヤトがツッコミを入れるなり、5人が〝ドッ!!〟と笑ったのであった。
「お前ら、バカにしてんだろ?」
眉間にシワを寄せたヤトを、
「そんな事ないよ。」
「まぁ、落ち着いて。」
“スポーツ刈りライトブラウン”のクマッシーが優しく宥める。
「だったら、いいけど。」
軽く〝ふぅ〟と息を吐き、
「じゃあ、ギルドに移動すっか。」
場を纏めるヤトだった……。
▽
帝都の“北西エリア”に在る[換金所]にて。
ジュエルなどの売却を済ませたシリウスが、
「で??」
「先に、どっちに赴く?」
後ろに控えている皆に訊ねる。
「なんとなく…、防具を選ぶ??」
首を傾げた“金髪の剣士”に、
「シューラちゃんが、それで良いなら、誰も異論は無いわよぉ~。」
セイランが〝ニコニコ〟しながら賛成した。
「確かにな。」
〝フッ〟と笑みを零したシリウスは、【テレポーテーション】すべく[MAP]を開いたのである。
この後。
遺跡調査団の護衛で貰っていた報酬もあって、予算ギリギリで“鉄製の防具&武器”を買い揃えた[Team S]であった。
▽
中学生グループは、[ノースイーストギルド]に訪れている。
受付カウンターにて、
「じゃ、〝ある落とし物を探す〟で。」
リーダーのヤトが述べたら、
「かしこまりました。」
「それでは、詳細を、お伝えします。」
「……、さる貴族の夫人が、イヤリングの片方を失くしてしまったそうです。」
「なんでも、お忍びで都を散歩なさっていたところ、どこかで落とされてしまわれたらしく…、北か東の大通りかもしれないとの話しでしたが、詳細は不明となっています。」
「ご婦人としては、旦那様からの贈り物であり、大層お気に召されていたこともあって、無理を承知で見つけてほしい、との依頼でした。」
「なお、期限は、二日です。」
「それと、発見したイヤリングは当ギルドに持ち込んでください。」
「我々のほうで、お屋敷に連絡して、引き取っていただく約束になっておりますので……。」
「ここまで御理解いただけましたでしょうか?」
「もう一度お聞きになりますか??」
そのように喋る“女性NPC”だった―。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
[Team S]に関する情報/女性編・パート1
名前:シューラ
年齢:13歳
身長:152㎝
容姿:金髪セミロング/青い瞳/白肌
ジョブ:剣士
LV:6
HP:60
SP:48
MP:無
武器:鉄製の“中剣”
防具:鉄の“額当て/肩当て/胸当て/籠手/腰回り/脛当て”
攻撃力:基本78+装備品35=総計118
防御力:基本54+装備品230=総計284
素早さ:基本63-装備品の重量18=総計45
スキル:未収得
名前:セイラン
年齢:20歳
身長:160㎝
容姿:茶髪ゆるふわセミロング/黒い瞳/白肌
ジョブ:白魔術士
LV:5
HP:35
SP:無
MP:75
武器:鉄製の柄(長さ1.5M)に半球体で透明のクリスタルが付属している“魔法の杖”
防具:鉄の“サークレット/胸当て/肘当て/膝当て”
ホワイトのローブ
攻撃力:基本30+装備品25=総計55
防御力:基本25+装備品200=総計225
素早さ:基本45-装備品の重量15=総計30
魔法:ソロヒール
インタフィア・リリース (※現時点での効果はソロ)
名前:シエル
年齢:35歳
身長:163㎝
容姿:銀髪ショート/緑の瞳/黒肌
ジョブ:アサシン
LV:5
HP:43
SP:48
MP:無
武器:鉄製の“ダガー”
防具:鉄の“額当て/胸当て/籠手/脛当て”
攻撃力:基本38+装備品30=総計68
防御力:基本35+装備品200=総計235
素早さ:基本75-装備品の重量16=総計57
スキル:毒 (※現時点での効果は小)
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