11 / 61
第11話 交錯するもの②
しおりを挟む
朝食後に、僕とリーシア姉上は、庭でエルーザと遊んであげている。
この日は誰も鍛錬などがないので自由だ。
まぁ、遊びと言っても、革製のボールを、妹に合わせて軽めに投げたり蹴ったりしていた。
大きさはバスケットボールくらいだろう。
近くには、僕ら三人の“お世話係たち”が待機している。
なお、その全員が“獣人”だ。
ちなみに、ラダン兄上も誘ったのだけれど、「一人で修行を積みたい」との事で断られていた……。
暫くして、疲れた僕と姉上は、外廊下に腰掛けて涼んでいる。
体力が有り余っている妹は、僕とリーシア姉上の代わりに、自分の“お世話係たち”に相手をしてもらっていた。
それを横目にしつつ、
「姉上は気づいていらっしゃったのですか?」
「僕が命を狙われるって。」
なんとなく尋ねてみたところ、
「ん??」
首を傾げられてしまったのだ。
「数日前、僕に〝堂々としてなさい〟〝何ひとつとして悪くないんだから〟と仰っていたので…。」
こう伝えたら、
「あぁー。」
「いえ、まさか、ラル君を暗殺しようとするだなんて、思いもよらなかったわ。」
「私が危惧したのは〝ラダン兄上との関係が悪くなるかもしれない〟ってことよ。」
「ラル君は、神法を使えるだけでなく、ムラクモを抜いてしまったんだから、嫡男の兄上としては複雑な心境でしょうからね。」
「それに、ラダン兄上……、というよりは、宰相の派閥を警戒している人たちが、ラル君を国王に即位させようと画策しだすかもしれないでしょ?」
「そうなれば、これをきっかけに内乱が起きかねない。」
「でも、それらはラル君の所為じゃないんだから〝気にするな〟ていう意味だったんだけど…。」
そのように説明する姉上だった。
本人は、おてんば気質でありながらも、かなり頭が良い。
また、[中級]の攻撃魔法と光魔法に闇魔法を扱える。
リーシア姉上は“天才肌”のようで、教育係たちも舌を巻いているのだそうだ。
ただし、未だに悪戯を繰り出す事があるので、簡単には認めてもらえていないらしい。
ともあれ。
姉上の考えを補足していこう。
まず、“ラノワマ・タリーフカ宰相”の所は、先祖のときに[侯爵位]を授与されていた。
こうした宰相には娘と息子がいる。
その令嬢と、ラダン兄上は、婚約関係にあった。
いわゆる“フィアンセ”は、リーシア姉上と同い年だったと記憶している。
兄上が二十歳となった際に“婚礼の儀”を執り行なう予定なのだそうだ。
これは、つまり、王位継承権第一位のラダン兄上と、ラノワマ宰相が、義理の親子になってしまうことを示す。
そうなれば、宰相の発言力と影響力が一層に増していきかねない。
これを嫌う貴族や軍人が少なくないのだと、以前、レオディンが語っていた……。
▽
あれから二週間ほどが経っている。
その日の朝に、僕は【剣術】の稽古に取り組んでいた。
ひと息ついたところへ、
「励んでおられるようですなぁ。」
こう声をかけてきたのは、ラノワマ宰相だ。
「これは宰相殿。」
「如何なされました??」
いささか警戒するかのような表情になった“片目のベルーグ”に、
「いや、これといった用がある訳ではない。」
「評定に赴く途中、ラルーシファ殿下をお目に掛けたので、ご挨拶に伺ったまでだ。」
宰相が穏やかに述べる。
そして、自身の左胸に右手を添えたラノワマ宰相が、
「恐れながら…。」
「現在、大臣と兵士らは三つに分かれております。」
「それは、かねてよりラダン殿下の後ろ盾となっている私どもや、ここにきて〝ラルーシファ殿下を次の国王に〟と推すようになった者たち、他には、少数ながらも中立を保つ人々です。」
「やがて、両殿下の派閥が対立を深め、争いが激化した場合、全土に飛び火しかねません。」
「ともなれば、血で血を洗う内戦に突入する事でしょう。」
「これでは多くの惨劇が生じてしまいます。」
「私は、そうならいよう未然に防ぎたいのです。」
「……、どうか、くれぐれも、佞言で惑わそうとする輩どもにご注意ください。」
「ま、ラルーシファ殿下の傍にいる面々はしっかりしているので、そうした連中を近づけないでしょうから、あまり心配はいりませんが…。」
長いこと喋って、お辞儀した。
物腰こそ柔らかい印象だったけれど、僕と“教育係”や“お世話係”を牽制したのだろう。
〝王になろうなどという野心は抱くなよ〟と……。
「それでは、これにて失礼します。」
優しげに微笑んで、再び会釈した宰相は、踵を返していく途中で何かに気づき、
「危ない!!」
僕の前に素早く移動した。
次の瞬間、
「うッ!」
低く呻きながら、背中を丸めたラノワマ宰相が、
「がはッ!!」
血を吐いて、右膝を着く。
割と離れた位置には、弓を持った“黒ずくめの不審者”が佇んでいる。
宰相は、左手で腹部を押さえているようだ。
〝ぐッぬぅ~ッ〟と苦しみながらも、
「いかん。」
「意識が朦朧とする。」
「矢に毒が塗られていたかもしれん。」
ラノワマ宰相が冷静に状況を告げた。
こうした最中、“弓の襲撃者”に近い距離で、お城の角を曲がってきた“別の黒ずくめ達”が、僕らへと走って来る。
その四人は、各自が[短剣]を握っていた。
おもいっきり〝すぅ――――ッ〟と息を吸い込んで、
「緊急事態だぁあ!!!!」
「急ぎ駆け付けろぉ――ッ!!!!」
城内に向かって叫び知らせたベルーグが、
「開け、亜空間収納。」
“縦40㎝×最大横幅20㎝”といった[楕円形で白銀色の渦]を出現させる。
その[アイテムボックス]は、小規模サイズだ。
これに右手を入れて、武器を掴み出すベルーグだった―。
この日は誰も鍛錬などがないので自由だ。
まぁ、遊びと言っても、革製のボールを、妹に合わせて軽めに投げたり蹴ったりしていた。
大きさはバスケットボールくらいだろう。
近くには、僕ら三人の“お世話係たち”が待機している。
なお、その全員が“獣人”だ。
ちなみに、ラダン兄上も誘ったのだけれど、「一人で修行を積みたい」との事で断られていた……。
暫くして、疲れた僕と姉上は、外廊下に腰掛けて涼んでいる。
体力が有り余っている妹は、僕とリーシア姉上の代わりに、自分の“お世話係たち”に相手をしてもらっていた。
それを横目にしつつ、
「姉上は気づいていらっしゃったのですか?」
「僕が命を狙われるって。」
なんとなく尋ねてみたところ、
「ん??」
首を傾げられてしまったのだ。
「数日前、僕に〝堂々としてなさい〟〝何ひとつとして悪くないんだから〟と仰っていたので…。」
こう伝えたら、
「あぁー。」
「いえ、まさか、ラル君を暗殺しようとするだなんて、思いもよらなかったわ。」
「私が危惧したのは〝ラダン兄上との関係が悪くなるかもしれない〟ってことよ。」
「ラル君は、神法を使えるだけでなく、ムラクモを抜いてしまったんだから、嫡男の兄上としては複雑な心境でしょうからね。」
「それに、ラダン兄上……、というよりは、宰相の派閥を警戒している人たちが、ラル君を国王に即位させようと画策しだすかもしれないでしょ?」
「そうなれば、これをきっかけに内乱が起きかねない。」
「でも、それらはラル君の所為じゃないんだから〝気にするな〟ていう意味だったんだけど…。」
そのように説明する姉上だった。
本人は、おてんば気質でありながらも、かなり頭が良い。
また、[中級]の攻撃魔法と光魔法に闇魔法を扱える。
リーシア姉上は“天才肌”のようで、教育係たちも舌を巻いているのだそうだ。
ただし、未だに悪戯を繰り出す事があるので、簡単には認めてもらえていないらしい。
ともあれ。
姉上の考えを補足していこう。
まず、“ラノワマ・タリーフカ宰相”の所は、先祖のときに[侯爵位]を授与されていた。
こうした宰相には娘と息子がいる。
その令嬢と、ラダン兄上は、婚約関係にあった。
いわゆる“フィアンセ”は、リーシア姉上と同い年だったと記憶している。
兄上が二十歳となった際に“婚礼の儀”を執り行なう予定なのだそうだ。
これは、つまり、王位継承権第一位のラダン兄上と、ラノワマ宰相が、義理の親子になってしまうことを示す。
そうなれば、宰相の発言力と影響力が一層に増していきかねない。
これを嫌う貴族や軍人が少なくないのだと、以前、レオディンが語っていた……。
▽
あれから二週間ほどが経っている。
その日の朝に、僕は【剣術】の稽古に取り組んでいた。
ひと息ついたところへ、
「励んでおられるようですなぁ。」
こう声をかけてきたのは、ラノワマ宰相だ。
「これは宰相殿。」
「如何なされました??」
いささか警戒するかのような表情になった“片目のベルーグ”に、
「いや、これといった用がある訳ではない。」
「評定に赴く途中、ラルーシファ殿下をお目に掛けたので、ご挨拶に伺ったまでだ。」
宰相が穏やかに述べる。
そして、自身の左胸に右手を添えたラノワマ宰相が、
「恐れながら…。」
「現在、大臣と兵士らは三つに分かれております。」
「それは、かねてよりラダン殿下の後ろ盾となっている私どもや、ここにきて〝ラルーシファ殿下を次の国王に〟と推すようになった者たち、他には、少数ながらも中立を保つ人々です。」
「やがて、両殿下の派閥が対立を深め、争いが激化した場合、全土に飛び火しかねません。」
「ともなれば、血で血を洗う内戦に突入する事でしょう。」
「これでは多くの惨劇が生じてしまいます。」
「私は、そうならいよう未然に防ぎたいのです。」
「……、どうか、くれぐれも、佞言で惑わそうとする輩どもにご注意ください。」
「ま、ラルーシファ殿下の傍にいる面々はしっかりしているので、そうした連中を近づけないでしょうから、あまり心配はいりませんが…。」
長いこと喋って、お辞儀した。
物腰こそ柔らかい印象だったけれど、僕と“教育係”や“お世話係”を牽制したのだろう。
〝王になろうなどという野心は抱くなよ〟と……。
「それでは、これにて失礼します。」
優しげに微笑んで、再び会釈した宰相は、踵を返していく途中で何かに気づき、
「危ない!!」
僕の前に素早く移動した。
次の瞬間、
「うッ!」
低く呻きながら、背中を丸めたラノワマ宰相が、
「がはッ!!」
血を吐いて、右膝を着く。
割と離れた位置には、弓を持った“黒ずくめの不審者”が佇んでいる。
宰相は、左手で腹部を押さえているようだ。
〝ぐッぬぅ~ッ〟と苦しみながらも、
「いかん。」
「意識が朦朧とする。」
「矢に毒が塗られていたかもしれん。」
ラノワマ宰相が冷静に状況を告げた。
こうした最中、“弓の襲撃者”に近い距離で、お城の角を曲がってきた“別の黒ずくめ達”が、僕らへと走って来る。
その四人は、各自が[短剣]を握っていた。
おもいっきり〝すぅ――――ッ〟と息を吸い込んで、
「緊急事態だぁあ!!!!」
「急ぎ駆け付けろぉ――ッ!!!!」
城内に向かって叫び知らせたベルーグが、
「開け、亜空間収納。」
“縦40㎝×最大横幅20㎝”といった[楕円形で白銀色の渦]を出現させる。
その[アイテムボックス]は、小規模サイズだ。
これに右手を入れて、武器を掴み出すベルーグだった―。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
左遷されたオッサン、移動販売車と異世界転生でスローライフ!?~貧乏孤児院の救世主!
武蔵野純平
ファンタジー
大手企業に勤める平凡なアラフォー会社員の米櫃亮二は、セクハラ上司に諫言し左遷されてしまう。左遷先の仕事は、移動販売スーパーの運転手だった。ある日、事故が起きてしまい米櫃亮二は、移動販売車ごと異世界に転生してしまう。転生すると亮二と移動販売車に不思議な力が与えられていた。亮二は転生先で出会った孤児たちを救おうと、貧乏孤児院を宿屋に改装し旅館経営を始める。
ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました
カティア
ファンタジー
疲れ切った現実から逃れるため、VRMMORPG「アナザーワールド・オンライン」に没頭する俺。自由度の高いこのゲームで憧れの料理人を選んだものの、気づけばゲーム内でも完全に負け組。戦闘職ではないこの料理人は、ゲームの中で目立つこともなく、ただ地味に日々を過ごしていた。
そんなある日、フレンドの誘いで参加したレベル上げ中に、運悪く出現したネームドモンスター「猛き猪」に遭遇。通常、戦うには3パーティ18人が必要な強敵で、俺たちのパーティはわずか6人。絶望的な状況で、肝心のアタッカーたちは早々に強制ログアウトし、残されたのは熊型獣人のタンク役クマサンとヒーラーのミコトさん、そして料理人の俺だけ。
逃げるよう促されるも、フレンドを見捨てられず、死を覚悟で猛き猪に包丁を振るうことに。すると、驚くべきことに料理スキルが猛き猪に通用し、しかも与えるダメージは並のアタッカーを遥かに超えていた。これを機に、負け組だった俺の新たな冒険が始まる。
猛き猪との戦いを経て、俺はクマサンとミコトさんと共にギルドを結成。さらに、ある出来事をきっかけにクマサンの正体を知り、その秘密に触れる。そして、クマサンとミコトさんと共にVチューバー活動を始めることになり、ゲーム内外で奇跡の連続が繰り広げられる。
リアルでは無職、ゲームでは負け組職業だった俺が、リアルでもゲームでも自らの力で奇跡を起こす――そんな物語がここに始まる。
家族と移住した先で隠しキャラ拾いました
狭山ひびき@バカふり160万部突破
恋愛
「はい、ちゅーもーっく! 本日わたしは、とうとう王太子殿下から婚約破棄をされました! これがその証拠です!」
ヴィルヘルミーネ・フェルゼンシュタインは、そう言って家族に王太子から届いた手紙を見せた。
「「「やっぱりかー」」」
すぐさま合いの手を入れる家族は、前世から家族である。
日本で死んで、この世界――前世でヴィルヘルミーネがはまっていた乙女ゲームの世界に転生したのだ。
しかも、ヴィルヘルミーネは悪役令嬢、そして家族は当然悪役令嬢の家族として。
ゆえに、王太子から婚約破棄を突きつけられることもわかっていた。
前世の記憶を取り戻した一年前から準備に準備を重ね、婚約破棄後の身の振り方を決めていたヴィルヘルミーネたちは慌てず、こう宣言した。
「船に乗ってシュティリエ国へ逃亡するぞー!」「「「おー!」」」
前世も今も、実に能天気な家族たちは、こうして断罪される前にそそくさと海を挟んだ隣国シュティリエ国へ逃亡したのである。
そして、シュティリエ国へ逃亡し、新しい生活をはじめた矢先、ヴィルヘルミーネは庭先で真っ黒い兎を見つけて保護をする。
まさかこの兎が、乙女ゲームのラスボスであるとは気づかづに――
【完結】よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
知らない異世界を生き抜く方法
明日葉
ファンタジー
異世界転生、とか、異世界召喚、とか。そんなジャンルの小説や漫画は好きで読んでいたけれど。よく元ネタになるようなゲームはやったことがない。
なんの情報もない異世界で、当然自分の立ち位置もわからなければ立ち回りもわからない。
そんな状況で生き抜く方法は?
当代最強の責任
嵐山田
ファンタジー
「強者ってのはな、つけた実力と同じだけの責任を背負うことになるんだ。難儀な話だよな。自由を求めて力を得た者はその責任に押しつぶされる。だからな龍仁、お前はちゃんと理解しておけよ」
魔法や魔獣の登場で変わり果てた地球。
魔法使いの名門「黒命家」の長男として生まれた龍仁は15歳ながらに当代最強と呼ばれる。
結婚、争いなど様々な場面で求められる「最強」たるものの責任。
15歳の青年がそんな、目に見えない強大な責任を背負い、悩みながらも絆や愛情を糧に仲間と共に壁を越え、進んでいく物語。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。
これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。
しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。
それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。
事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。
妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。
故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる