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卓也
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この世界では、生涯で一つだけ望んだものを必ず手に入れる事ができる。物質的なものだけではない。相手の持つ感情一つを引き出す事もできるし、権力だって手に入る。貰える金額にこそ上限があるものの、辻褄さえ合えば基本的になんでもだ。
ただ、恋愛に対してのみ、条件が課される。その条件は難しく、「双方が一度でも相手に好意を持った事がある。」というものらしい。
人間の感情についての望みとなれば、世界はその辻褄を合わせる為に周りの人の感情、思惑、その先の言動すら変わるように動く。
そういう訳で、恋愛に関する望みは特に危険度が高く、条件を満たさなければ権利を行使できないようになっている。
若いうちにその権利を使ってしまって、大事な時に手元にない、もしくは高齢になるまで然るべき時を待ったがその時が来ず、その権利を無駄にする。そんな事はざらにあるから、安易に権力、金、とか言ってられない。
人生をかけてその人生に最も必要な物を探す。これが俺らが生まれた瞬間から課されているミッションである。
※
俺の名前は竹谷蒼壱。田舎の高校に通う16歳。俺は小さい頃からずっと、必要な物は一つ、唯一家族だけだと思っていた。つい最近までは。
俺の予定を狂わせたのは、隣のクラスの女子だ。願わくばあの子が欲しい。俺の中でそんな想いが沸いたのは二週間前。何かきっかけがあったかと言うとそんな事はない。ただ一目惚れした、それだけの事だ。それなのに、俺の想いは日に日に増していった。権利を行使してあの子を貰いたい、でも条件を満たすどころか、彼女は俺に見向きもしなかった。
それからというもの、俺の日常は日々忙しかった。なんでかって?アピールのためにセットした事ない髪をセットして、制服にかけたことないアイロンをかけて、替えが効かない君に会いに学校に行く。そんな事が日常になったから。
髪を乾かした事すらなかった。初めて人を本気で好きになったから、ただそれだけで毎日が色づいていく感覚は何にも変え難い青春の匂いがした。
「それでよ、昨日のあれ、普通にやばくね?」
「あれはねぇよな。な?竹ちゃん」
「お、おう。」
「聞いてなかっただろその反応。」
友達付き合いこそが命だと思ってた学校生活も次第に色を変え始めた。
恋愛には一切興味関心を示さなかったから知らなかったが、俺が好きなあの子、かなりモテてるらしい。名前も知らないし、聞けるはずがない。積極性だけが取り柄だった俺だが、恋愛となるとそうはいかないみたいだった。
※
友人の卓也があの権利を行使したらしい。本人に聞くと、「自分が今恋してる女の子の幸せ」を願ったらしい。どうにも、卓也は恋となれば目の前が見えなくなるタイプらしくて、当たって当たって砕けたみたいだ。でも卓也の想いは本物だった。卓也はその女の子の幸せを願い、生涯一度しか使えない権利を行使したんだ。
「くぅー!!なんてアツい男なんだ!!」
そんな事があって、俺は本気で好きな子の為に権利を行使する事を考え始めた。卓也が権利を使って以降、卓也の好きだった女子は好きな男子と結ばれた。卓也は笑顔で見届けているつもりだったそうだが、目から零れる涙の量は尋常ではなかった。そして何故か、俺と好きな子の間にも進展があった。というのも、どういう訳か彼女に連絡先を聞かれたんだ。携帯に表示された名前を見て、初めて彼女の本名を知る。佳恋って名前らしい。それから毎日連絡を取るようになり、学校でも話すようになった。
「好きな女子のタイプとかあるの?」
って質問に対して、完璧に彼女の特徴をそのまま言ってしまった事は記憶に新しい。苦手なんだよ恋愛は。
約三ヶ月が過ぎた。卓也は権利の使い道に後悔してないとは言うものの、彼女の幸せを願わなかったら自分が結ばれたかも、とか考えて落胆していた。何故か俺は引き続きいい感じで、今なら権利を使う条件に達しているのかも、とすら思った。
「そろそろ権利使って佳恋と結ばれたい。」
そう真剣に考えていたちょうどその時だった。携帯がなった。急な電話、誰だろう。携帯を見ると母親からだった。
「父さんが…父さんが倒れた。」
俺の頭は真っ白になった。幼少期からずっと何よりも大切だった家族が倒れたんだ。正気でいられるはずがない。
「かなり重症みたい。」
俺は走った。病院まで。今までのどんな場面よりも速く。頭の片隅で権利の使い道を考えながら。
「大丈夫かよ!父さん!」
医者の表情は変わらなかった。でも俺には分かった。もう父さんは危ない。数ヶ月前の俺だったら迷わず権利を行使して父さんの命を救っていただろう。でも今の俺には迷いがあった。いつも俺の生きがいになってくれている佳恋が、頭から離れなかったから。
「権利を使うか否かはご親族にお任せします。少なくともあと五分で決断してください。」
医者は俺らにそう伝えた。母は昔、既に権利を使ったらしい。全ての希望は俺に託された。走馬灯のように駆け巡る父さんとの思い出、一緒に行きたかった場所、約束した将来の展望。そんな自分が馬鹿らしくなってきた。決断の時まで残り一分。母は俺の意思に任せてくれている。
「俺はなんで迷ってたんだ。」
自分が誰に生かされていたか、一番知っていたのは俺だった。
「権利を行使して父さんを助けます。」
俺の気持ちに揺らぎはなかった。確固たる自分自身の意思で、感謝で、愛で、俺は父さんの命を選んだ。止まるはずのない安堵の涙が俺たち家族を包んだ。
「佳恋。さようなら。」
俺は囁いた。でも悔いはなかった。
※
それからまた半年が過ぎた。残暑厳しい中、少しずつ山の木々がカラフルに色づく。悔しいが、俺の佳恋への想いは未だに続いていた。進級して同じクラスになった佳恋を横目で見ながら、教室でウトウトする日々。悪くはなかったけど、惜しさはあった。あれ、佳恋どこ行ったんだろう。目を離した隙に見失ってしまった。追いかけるのもなんだから、教室で居眠り。すると廊下がザワザワし始めた。
「え、まじ?何願うの?」
「教えて教えて!何を望んでるのか気になる!」
「佳恋ちゃん!権利使うって本当?」
俺は興味が無いフリをしたかった。隣で卓也が俺を見てる。
「あーあ。俺の権利の使い道無駄だったかな。」
卓也の最近の口癖だ。
「気になるんだろ。行ってこいよ。」
俺の気持ちを汲んでくれた卓也に深く一礼して、ザワつきの元へと走る。あの時よりは遅く。
現場に近づくと、既に人混みが散っていた。なんだ、間に合わなかったか。まぁ、もう俺には関係ないよな。
人混みをすり抜けて佳恋が教室に戻るためにこっちにくる。急にUターンするのは不自然だから佳恋の横を通ってすれ違おう。俺は不思議と佳恋が俺をめざして歩いているかのように思った。そんなわけないのに。二人の距離が近づく。
残り10m
残り9m
残り8m
少しずつ佳恋を避けるように方向を変える。
残り7m
残り6m
避けているつもりだが、佳恋は俺を正面に捉えたままだ。このままだとぶつかる。
残り5m
残り4m
残り3m
佳恋がこちらを向いている。
残り2m
佳恋が止まった。反射で俺も止まる。どっちに歩を進めるべきか、脳内を最高速度で回す。
「ねぇ、竹谷くん。」
心臓が止まるかと思った。やめてくれ。
「なに?」
少しなにかを期待してしまう俺を心の奥に閉じ込める。
「私がお願いしてるの、知っててここ来たでしょ。」
「お、おう。」
びっくりしたせいか、心臓の鼓動が驚くほど早い。
「全部知ってたよ。」
全部…なんの事だろう。
「私の為に髪の毛整えてた事も、人一倍部活に打ち込んでる真剣な姿も。」
「え、え?」
「違った?」
俺は佳恋のこういう所に惚れたんだ。
「そうだけど、部活の事はなんで。」
「見てたよ。ずっと。かっこよかった。」
頭の整理が追いつかない。
「私の願い、気になる?」
「う、うん。」
頑張れ、俺の心臓。
「私ね、ずっと探してたの。竹谷くんみたいな真っ直ぐで、素直で分かりやすい人。私、竹谷蒼壱くんの全部をください。って願ったよ。」
俺は驚きで動く事すら出来なくなった。
いつも余裕のある彼女の顔は、見た事ないくらいに赤面していた。その場で固まったまま、数分経ってやっと、俺の脳内は整理された。
佳恋は元々卓也の好きな女の子が好意を寄せる男子、つまり卓也の恋敵の事を好きだった。卓也の好きな女の子と佳恋では、俺から見ても正直勝ち目はない。そこがポイントだった。卓也の好きな子が幸せになるためには、佳恋が卓也の恋敵への想いを捨てるしかなかった。卓也の願いは期せずして佳恋の好意の矛先を変えてくれた。
卓也が曲げた未来のその先にあったのは、奇しくも卓也ではなく俺の幸せだった。
「卓也、ありがとな。」
俺はそう言って、差し出された佳恋の手を取った。
ただ、恋愛に対してのみ、条件が課される。その条件は難しく、「双方が一度でも相手に好意を持った事がある。」というものらしい。
人間の感情についての望みとなれば、世界はその辻褄を合わせる為に周りの人の感情、思惑、その先の言動すら変わるように動く。
そういう訳で、恋愛に関する望みは特に危険度が高く、条件を満たさなければ権利を行使できないようになっている。
若いうちにその権利を使ってしまって、大事な時に手元にない、もしくは高齢になるまで然るべき時を待ったがその時が来ず、その権利を無駄にする。そんな事はざらにあるから、安易に権力、金、とか言ってられない。
人生をかけてその人生に最も必要な物を探す。これが俺らが生まれた瞬間から課されているミッションである。
※
俺の名前は竹谷蒼壱。田舎の高校に通う16歳。俺は小さい頃からずっと、必要な物は一つ、唯一家族だけだと思っていた。つい最近までは。
俺の予定を狂わせたのは、隣のクラスの女子だ。願わくばあの子が欲しい。俺の中でそんな想いが沸いたのは二週間前。何かきっかけがあったかと言うとそんな事はない。ただ一目惚れした、それだけの事だ。それなのに、俺の想いは日に日に増していった。権利を行使してあの子を貰いたい、でも条件を満たすどころか、彼女は俺に見向きもしなかった。
それからというもの、俺の日常は日々忙しかった。なんでかって?アピールのためにセットした事ない髪をセットして、制服にかけたことないアイロンをかけて、替えが効かない君に会いに学校に行く。そんな事が日常になったから。
髪を乾かした事すらなかった。初めて人を本気で好きになったから、ただそれだけで毎日が色づいていく感覚は何にも変え難い青春の匂いがした。
「それでよ、昨日のあれ、普通にやばくね?」
「あれはねぇよな。な?竹ちゃん」
「お、おう。」
「聞いてなかっただろその反応。」
友達付き合いこそが命だと思ってた学校生活も次第に色を変え始めた。
恋愛には一切興味関心を示さなかったから知らなかったが、俺が好きなあの子、かなりモテてるらしい。名前も知らないし、聞けるはずがない。積極性だけが取り柄だった俺だが、恋愛となるとそうはいかないみたいだった。
※
友人の卓也があの権利を行使したらしい。本人に聞くと、「自分が今恋してる女の子の幸せ」を願ったらしい。どうにも、卓也は恋となれば目の前が見えなくなるタイプらしくて、当たって当たって砕けたみたいだ。でも卓也の想いは本物だった。卓也はその女の子の幸せを願い、生涯一度しか使えない権利を行使したんだ。
「くぅー!!なんてアツい男なんだ!!」
そんな事があって、俺は本気で好きな子の為に権利を行使する事を考え始めた。卓也が権利を使って以降、卓也の好きだった女子は好きな男子と結ばれた。卓也は笑顔で見届けているつもりだったそうだが、目から零れる涙の量は尋常ではなかった。そして何故か、俺と好きな子の間にも進展があった。というのも、どういう訳か彼女に連絡先を聞かれたんだ。携帯に表示された名前を見て、初めて彼女の本名を知る。佳恋って名前らしい。それから毎日連絡を取るようになり、学校でも話すようになった。
「好きな女子のタイプとかあるの?」
って質問に対して、完璧に彼女の特徴をそのまま言ってしまった事は記憶に新しい。苦手なんだよ恋愛は。
約三ヶ月が過ぎた。卓也は権利の使い道に後悔してないとは言うものの、彼女の幸せを願わなかったら自分が結ばれたかも、とか考えて落胆していた。何故か俺は引き続きいい感じで、今なら権利を使う条件に達しているのかも、とすら思った。
「そろそろ権利使って佳恋と結ばれたい。」
そう真剣に考えていたちょうどその時だった。携帯がなった。急な電話、誰だろう。携帯を見ると母親からだった。
「父さんが…父さんが倒れた。」
俺の頭は真っ白になった。幼少期からずっと何よりも大切だった家族が倒れたんだ。正気でいられるはずがない。
「かなり重症みたい。」
俺は走った。病院まで。今までのどんな場面よりも速く。頭の片隅で権利の使い道を考えながら。
「大丈夫かよ!父さん!」
医者の表情は変わらなかった。でも俺には分かった。もう父さんは危ない。数ヶ月前の俺だったら迷わず権利を行使して父さんの命を救っていただろう。でも今の俺には迷いがあった。いつも俺の生きがいになってくれている佳恋が、頭から離れなかったから。
「権利を使うか否かはご親族にお任せします。少なくともあと五分で決断してください。」
医者は俺らにそう伝えた。母は昔、既に権利を使ったらしい。全ての希望は俺に託された。走馬灯のように駆け巡る父さんとの思い出、一緒に行きたかった場所、約束した将来の展望。そんな自分が馬鹿らしくなってきた。決断の時まで残り一分。母は俺の意思に任せてくれている。
「俺はなんで迷ってたんだ。」
自分が誰に生かされていたか、一番知っていたのは俺だった。
「権利を行使して父さんを助けます。」
俺の気持ちに揺らぎはなかった。確固たる自分自身の意思で、感謝で、愛で、俺は父さんの命を選んだ。止まるはずのない安堵の涙が俺たち家族を包んだ。
「佳恋。さようなら。」
俺は囁いた。でも悔いはなかった。
※
それからまた半年が過ぎた。残暑厳しい中、少しずつ山の木々がカラフルに色づく。悔しいが、俺の佳恋への想いは未だに続いていた。進級して同じクラスになった佳恋を横目で見ながら、教室でウトウトする日々。悪くはなかったけど、惜しさはあった。あれ、佳恋どこ行ったんだろう。目を離した隙に見失ってしまった。追いかけるのもなんだから、教室で居眠り。すると廊下がザワザワし始めた。
「え、まじ?何願うの?」
「教えて教えて!何を望んでるのか気になる!」
「佳恋ちゃん!権利使うって本当?」
俺は興味が無いフリをしたかった。隣で卓也が俺を見てる。
「あーあ。俺の権利の使い道無駄だったかな。」
卓也の最近の口癖だ。
「気になるんだろ。行ってこいよ。」
俺の気持ちを汲んでくれた卓也に深く一礼して、ザワつきの元へと走る。あの時よりは遅く。
現場に近づくと、既に人混みが散っていた。なんだ、間に合わなかったか。まぁ、もう俺には関係ないよな。
人混みをすり抜けて佳恋が教室に戻るためにこっちにくる。急にUターンするのは不自然だから佳恋の横を通ってすれ違おう。俺は不思議と佳恋が俺をめざして歩いているかのように思った。そんなわけないのに。二人の距離が近づく。
残り10m
残り9m
残り8m
少しずつ佳恋を避けるように方向を変える。
残り7m
残り6m
避けているつもりだが、佳恋は俺を正面に捉えたままだ。このままだとぶつかる。
残り5m
残り4m
残り3m
佳恋がこちらを向いている。
残り2m
佳恋が止まった。反射で俺も止まる。どっちに歩を進めるべきか、脳内を最高速度で回す。
「ねぇ、竹谷くん。」
心臓が止まるかと思った。やめてくれ。
「なに?」
少しなにかを期待してしまう俺を心の奥に閉じ込める。
「私がお願いしてるの、知っててここ来たでしょ。」
「お、おう。」
びっくりしたせいか、心臓の鼓動が驚くほど早い。
「全部知ってたよ。」
全部…なんの事だろう。
「私の為に髪の毛整えてた事も、人一倍部活に打ち込んでる真剣な姿も。」
「え、え?」
「違った?」
俺は佳恋のこういう所に惚れたんだ。
「そうだけど、部活の事はなんで。」
「見てたよ。ずっと。かっこよかった。」
頭の整理が追いつかない。
「私の願い、気になる?」
「う、うん。」
頑張れ、俺の心臓。
「私ね、ずっと探してたの。竹谷くんみたいな真っ直ぐで、素直で分かりやすい人。私、竹谷蒼壱くんの全部をください。って願ったよ。」
俺は驚きで動く事すら出来なくなった。
いつも余裕のある彼女の顔は、見た事ないくらいに赤面していた。その場で固まったまま、数分経ってやっと、俺の脳内は整理された。
佳恋は元々卓也の好きな女の子が好意を寄せる男子、つまり卓也の恋敵の事を好きだった。卓也の好きな女の子と佳恋では、俺から見ても正直勝ち目はない。そこがポイントだった。卓也の好きな子が幸せになるためには、佳恋が卓也の恋敵への想いを捨てるしかなかった。卓也の願いは期せずして佳恋の好意の矛先を変えてくれた。
卓也が曲げた未来のその先にあったのは、奇しくも卓也ではなく俺の幸せだった。
「卓也、ありがとな。」
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