上 下
41 / 172
第三章 人間の街

第38話 お披露目

しおりを挟む

 街を歩いて見せびらかそうと思ったけど、やはりネクタイピンを付けて完全形態の方がいいかと思い、断腸の思いで影の中で待機した。
 妖狐には、見せびらかせまくったが。

 「どう? どう? かっこいいだろ?」

 「キュンキュン!!」

 「分かってるじゃないか! 魔王らしい姿になってきたな!」

 妖狐からの評判も良さげだし文句なし。
 魔王レト爆誕!!
 わはははははは!!


 それから、昼を少し過ぎた後に服屋にもう一度行き、ネクタイピンを受け取る。

 「店主の奥さんもいい仕事をする! 素晴らしい出来だ!」

 「そこまで喜んで頂けるとは。後ほど妻に伝えさせて頂きます」

 使った宝石は、ダイヤモンドみたいだな。
 うーん、綺麗にカットされてるな。
 素人目に見ても美しい。

 「よし、これは代金だ! 後、余った宝石も取っておいてくれ!」

 「よ、よろしいので?」

 「うむ! 俺は大満足だからな!」

 パクったやつですし。
 処理するのも面倒だったから丁度良いぜ!

 「ではな、店主! また服を作る時は、この店に来るとしよう!」

 「こちらこそ、良い仕事をさせて頂きました。またのお越しを末長くお待ちしております」

 調子に乗ってパクった宝石を全部あげちゃったけど、そこからバレたりするかな?
 まあ、バレたらバレたでしょうがない。
 衝動的にやった。後悔はしてない。
 さーて、見せびらかすぞー!


 「ふんふんふふーん」

 俺は気分良く街を歩く。
 道行く人々の視線が気持ち良い。
 貴族と勘違いしてるのか、勝手に道を空けて頭下げてくれるし。

 「うーむ。ここまで来ると1人ってのも格好がつかんか? 普通は貴族なら後ろに使用人とかを侍らせてるよね?」

 俺は中央広場のベンチに腰掛け煙草を咥える。
 当たり前の様に、影から小さい火が飛んできて勝手に火が付く。
 妖狐もこの火を付ける作業を気に入ってるのか、かなり隙を窺ってるからな。
 うーん、ハードボイルド。
 葉巻の方が良かったか?
 この世界では見た事ないけど。

 「こうなってくると、銃とかも欲しいな」

 まあ、魔法の方が強そうではあるけども。
 雰囲気的に持っておきたい。
 銃を持たせりゃ天下無双のレト兄さんだぜ!つって。
 俺どこで、この漫画見たんだっけな。

 「ふーむ。使用人と銃か。すぐに用意出来るもんじゃないな」

 使用人なんて、信用出来る人にしてもらうんだから、必然的に眷属になってもらう必要があるし。
 そんな都合の良い人物いないよね。

 銃は大体の構造は知ってても作り方なんて知らないしさ。
 魔導銃とかいつかは作ってみたいね。

 「いや、もしかしたら既にあるかもな。魔道具店はまだ行った事が無かったし、今から行ってみるか」

 この世界、異世界の定番よろしく魔道具がある。
 案の定、魔石を使ってるらしく、人間と魔物が相入れない原因だよね。
 まあ、俺はどちらの味方でも無いので便利なら使わせてもらうけどさ。
 でも、魔道具はかなりの高級品らしく、貴族やかなり上位の冒険者しか持っていないらしい。
 街中でも滅多に見かけないし、高級宿でも置いてない所があるくらいだ。
 富裕層で独占してるのか、魔道具職人が少ないのか。
 真相は定かではないが。

 「幸い、金は腐る程あるしな。喧嘩売って来たりしてくれたら、全部貰えるし」

 流石に魔道具店は、腕利きの護衛を用意してるか。
 どれぐらい強いのか見たいし、とりあえず店に行ってみよう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラス転移でハズレ職を押し付けられた『ガチャテイマー』、実は異世界最強 〜俺だけ同じ魔物を合成して超進化できる〜

蒼月浩二
ファンタジー
突然高校のクラス丸ごと異世界に召喚され、一人に一つ職業が与えられた。クラス会議の結果、旭川和也はハズレ職である『ガチャテイマー』を押し付けられてしまう。 当初は皆で協力して困難を乗り越えようとしていたクラスだったが、厳しい現実を目の当たりにすると、最弱の和也は裏切られ、捨てられてしまう。 しかし、実は最弱と思われていた『ガチャテイマー』は使役する魔物を《限界突破》することで際限なく強化することのできる最強職だった! 和也は、最強職を駆使して無限に強くなり、いずれ異世界最強に至る。 カクヨム・なろうで クラス転移でハズレ職を押し付けられた『ガチャテイマー』、《限界突破》で異世界最強 〜★1魔物しか召喚できない無能だと思われていたが、実は俺だけ同じ魔物を合成して超進化できる〜 というタイトルで連載しているものです

異世界帰りの憑依能力者 〜眷属ガチャを添えて〜

Jaja
ファンタジー
 ある日、中学2年の頃。  いつの様に右眼疼かせ、左手には、マジックで魔法陣を書き、それを包帯でぐるぐる巻きに。  朝のルーティンを終わらせて、いつもの様に登校しようとしてた少年は突然光に包まれた。  ラノベ定番の異世界転移だ。  そこから女神に会い魔王から世界を救ってほしい云々言われ、勿論二つ返事で了承。  妄想の中でしか無かった魔法を使えると少年は大はしゃぎ。  少年好みの厨二病能力で、約30年近い時間をかけて魔王を討伐。  そこから、どうなるのかと女神からのアクションを待ったが、一向に何も起こることはなく。  少年から既に中年になっていた男は、流石に厨二病も鳴りをひそめ、何かあるまで隠居する事にした。  そこから、約300年。  男の「あれ? 俺の寿命ってどうなってんの?」という疑問に誰も答えてくれる訳もなく。  魔の森でほのぼのと暮らしていると、漸く女神から連絡があった。  「地球のお姉様にあなたを返してって言われまして」  斯くして、男は地球に帰還する事になる。  ※この作品はカクヨム様にも投稿しています。  

W職業持ちの異世界スローライフ

Nowel
ファンタジー
仕事の帰り道、トラックに轢かれた鈴木健一。 目が覚めるとそこは魂の世界だった。 橋の神様に異世界に転生か転移することを選ばせてもらい、転移することに。 転移先は森の中、神様に貰った力を使いこの森の中でスローライフを目指す。

異世界召喚された俺は余分な子でした

KeyBow
ファンタジー
異世界召喚を行うも本来の人数よりも1人多かった。召喚時にエラーが発生し余分な1人とは召喚に巻き込まれたおっさんだ。そして何故か若返った!また、理由が分からぬまま冤罪で捕らえられ、余分な異分子として処刑の為に危険な場所への放逐を実行される。果たしてその流刑された所から生きて出られるか?己の身に起こったエラーに苦しむ事になる。 サブタイトル 〜異世界召喚されたおっさんにはエラーがあり処刑の為放逐された!しかし真の勇者だった〜

元探索者のおじいちゃん〜孫にせがまれてダンジョン配信を始めたんじゃが、軟弱な若造を叱りつけたらバズりおったわい〜

伊藤ほほほ
ファンタジー
夏休み。それは、最愛の孫『麻奈』がやって来る至福の期間。 麻奈は小学二年生。ダンジョン配信なるものがクラスで流行っているらしい。 探索者がモンスターを倒す様子を見て盛り上がるのだとか。 「おじいちゃん、元探索者なんでしょ? ダンジョン配信してよ!」 孫にせがまれては断れない。元探索者の『工藤源二』は、三十年ぶりにダンジョンへと向かう。 「これがスライムの倒し方じゃ!」 現在の常識とは異なる源二のダンジョン攻略が、探索者業界に革命を巻き起こす。 たまたま出会った迷惑系配信者への説教が注目を集め、 インターネット掲示板が源二の話題で持ちきりになる。 自由奔放なおじいちゃんらしい人柄もあってか、様々な要因が積み重なり、チャンネル登録者数が初日で七万人を超えるほどの人気配信者となってしまう。 世間を騒がせるほどにバズってしまうのだった。 今日も源二は愛車の軽トラックを走らせ、ダンジョンへと向かう。

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

俗物夫婦回帰転生

Jaja
大衆娯楽
 幼稚園の頃から幼馴染でそのまま大学卒業後に結婚。  夫は働きたくないので、たまたま競馬で当たった金を使ってトレーダー兼ギャンブル配信者へ。  妻はその活動を手助けしていた。  しかし気付けば二人もまもなく四十代。  若い頃はチヤホヤされていても、この歳になると中々きつい。  貯金はあるので生活は出来るが、二人は何処かやるせなさを感じていた。  そんなある日、夫婦で買い物の為に車で移動してると対向車が突っ込んで来た。  二人はあっさりその命を散らす事になったのだが…。  これは高校入試前に回帰転生した夫婦が、やっぱり働きたくないので、未来の知識を使ってチヤホヤされる為に奮闘する物語。  ※作中で法を犯す事がありますが、物語という事を御理解下さい。  くれぐれも真似しないようにお願いしますね。  ※この作品はカクヨム様にも投稿しています。

異世界に転生したので裏社会から支配する

Jaja
ファンタジー
 スラムの路地で、ひもじい思いをしていた一人の少年。  「あれぇ? 俺、転生してるじゃん」  殴られた衝撃で前世の記憶を思い出した少年。  異世界転生だと浮かれていたが、現在の状況は良くなかった。  「王道に従って冒険者からの立身出世を目指すか…。それとも…」  そして何を思ったか、少年は裏社会から異世界でのし上がって行く事を決意する。  「マフィアとかギャングのボスってカッコいいよね!」  これは異世界に転生した少年が唯一無二の能力を授かり、仲間と共に裏社会から異世界を支配していくお話。  ※この作品はカクヨム様にも更新しています。

処理中です...